このあいだ長崎から博多まで電車で移動してみました。途中長崎本線の肥前鹿島という駅に用事があったのでここで途中下車。新幹線ができると第3セクターに移行されるという、有明海に沿った路線は、なかなか風情のある景色が多く楽しめました。

長崎駅から特急かもめに乗車。これは“ソニック”という車両かも。JR九州の電車は外観も車内もなかなかかっこいいです。

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天気が悪いので有明海もくすんで見えます。しかし在来線は海岸線に沿って細かくカーブしながら走るので、見ていてとてもおもしろい。「はしりだせ~、人よ時間よ~」など口ずさみながら見飽きない風景を眺め続けました。

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1時間くらいで肥前鹿島に到着。特急停車駅なのに思ったより寂れた感じ。「鹿島市」と聞くと、関東の人間はアントラーズの本拠だと勘違いしてしまいます。このへんには「祐徳稲荷」という日本3大稲荷のひとつがあリ、パワースポットとして有名だとか。まったく知りませんでした。駅には七夕の飾りつけがありました。

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さらによくみると「がばいばあちゃん」のロケ地だという情報が。「がばいばあちゃん」は見ていないのでなんともいえませんが、こういう田舎でロケをやったとすれば、けっこう大騒ぎだったのではないでしょうか。駅の売店も「がばいばあちゃん」をネタに使っていました。

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まだ予定の時間までかなり余裕があるので、駅前でお昼を食べようと思っていたのですが、店はなし。佐世保バーガーの「らりるれろ」というのがあったのですが、営業はしていないみたいでした。この店は古い旅館か商家を改造したような感じ。名残があってなかなか由緒のありそうな建物でした。

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古い民家も発見。すごくいい感じの家が残っています。このへんから雨がけっこう本降りになってきました。

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ここで、駅前の観光案内板を見ると、ひとつ戻った「肥前浜」という駅の近くに、古い街道沿いの商家が保存されている「酒蔵通り」というのがあることがわかりました。せっかくなので行ってみることにしました。

肥前浜駅まではひと駅ですが、再び肥前鹿島駅に戻ります。昼過ぎなのになぜか通学客でけっこう混雑していました。

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肥前浜駅に到着。駅自体がかなり昔の駅舎のような雰囲気を残しています。「驛」いう字が旧字だし。

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もう雨は豪雨に近い状態。駅の観光案内所に女性がひとりいたので聞いてみると、「酒蔵通り」までは歩いてもすぐだが、私が仕事で訪ねようとしているところはとても徒歩では行けないということでした。「この雨ですし、タクシーを呼びましょうか」といってくれたので頼みました。その節はいろいろありがとうございました。

この駅近くにも飲食店は見当たらないので、もうお昼ごはんはあきらめることにして、タクシーの運転手さんに、「目的地まで行く前に、酒蔵通りというのを見て、できればちょっと写真を撮りたいんだけど」というと、「じゃあそっちをまわって行きましょう」ということでクルマに乗り込みました。

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この運転手さんが親切な人で、町並みをゆっくり進みながら解説をしてくれます。「ここは昔の長崎街道の脇街道にあった宿場で、酒蔵がたくさんあったんですね。そこにある家は昔の継場で、荷物や人馬の集散をしていたところ。今でも馬つなぎ場の跡が残っていますよ」などと。

「それにしてもこの天気ではねえ。梅雨の真っ最中だからね」といいながら、ところどころに止まって、写真を撮らせてくれました。昔は相当繁栄していたものと思われる通りです。

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「このへんは鍋島藩の支藩の鹿島鍋島藩の城下町だから、昔は城もあったんですよ。佐賀の乱の時に、江藤新平が防御のために焼いてしまったそうです。でも赤門や大手門が残っていて、けっこう見事なものです。武家屋敷も残っていますよ。少し歩くけど行ってみますか?」といわれたので、ぜひぜひとお願いしました。クルマを路地脇に停め、運転者さんの案内で細い路地を歩くと茅葺き屋根の武家屋敷発見。

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この家は「旧乗田家住宅」という史跡だそうです。運転手さんによると「長く住む人がいなくて放っておかれた家だけど、少し前に東京の奇特な人が、この家を保存してくださいと1000万円を寄付してくれて、そのおかげで今のように整備できた」とのこと。“クドづくり”という佐賀地方独特の様式らしいのですが、詳しいことは運転手さんも「知らない」ということでした。

「もし中が見たければ、そこの角の家が管理しているので声をかければ見せないということもないはずだけど」ということでしたが、今回は時間も限られているのであきらめました。「お客さんがもしまたくるようなことがあれば、今度は天気のいい日にして、歩いてみるといいですよ。古い住宅もけっこう残っていて、最近は観光客も遠くからくるようになってますよ」ということでした。

それにしてもこの運転手さんにはずいぶんお世話になったのに、タクシー料金は1200円くらいでした。まっすぐ目的地まで行くのとあまり変わりません。その節は離れたところまで連れていってくれて、ありがとうございました。

その後肝心の仕事を済ませて、再びタクシーで肥前鹿島駅に向かい、特急つばめに乗車。博多までは1時間くらいで到着するので、確かにこのへんの人は新幹線はいらないんじゃないかと思いました。

博多駅前には山笠の山車が出ていたので見学しました。初めて見ましたけど、けっこうみごと。このテーマも坂本龍馬でした。

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福岡空港から東京に戻る予定でした。まだだいぶ時間があったのですが、福岡市街に行くのも面倒なのでそのまま地下鉄で空港へ。ここでようやく博多ラーメンにありつきました。しかし麺がフニャフニャ。私は博多ラーメンの場合、ばりかたか生くらいが好きなので残念。天神とか長浜まで行くことも可能だったのですが、横着をしたのが失敗でした。

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なので改めて居酒屋に入って時間つぶし。おでんとアジの刺身を食べました。空港内の店なので限界はありますが、前にもきたことがあってけっこうおいしかったのでここを選びました。

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結局佐賀は通りすぎただけでしたが、思わぬ古い町並みを発見して得した気分でした。でももう少し時間を取ってこないと、通りすぎるだけではもったいないですね。

[肥前浜宿 酒蔵通り](2010年6月見学)
■所在地 佐賀県鹿島市浜町八宿乙2696(継場)
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