日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

埼玉の宿

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

秩父往還に面した小さな集落の素朴な民宿 [秩父市 みたけ]

旧大滝村時代にも一度訪問したことがある奥秩父。前に来た時は大滝村から雁坂トンネルを通って甲州方面に出ました。秩父往還から雁坂みちを経て、塩山に出るすごく印象的なルートだった記憶があります。

今回は西武秩父駅からバスで紅葉まつりのイベント会場である三峯神社をめざしました。秩父鉄道沿線から見える山々は、まだほとんど紅葉していなかったので、たぶん時期的には少し早かったのだと思います。

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バスは1時間くらいかけて三峯神社までの山道を登っていきます。乗ってみてわかったのですが、このバスは特急バスで、すべての停留所には止まりません。ただ秩父湖から三峯神社までの区間は自由乗降できることになっています。

細かいことがよくわからないまま、とにかく三峯神社へ。もう夕方になっていたので、紅葉まつりの露店なども撤収を始めていました。オープニングイベントのゲストとして「おぼんこぼん」が来ていたはずなのですが、当然もういません。残念。

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バスの運転手さんに聞いたところ、帰りのバスも特急で、「とにかくここから出るバスはみんな特急なので、特定のバス停にしか止まらない」ということでした。

そうなると、このあと泊まる予定の民宿「みたけ」がある落合停留所にも泊まりません。こんな奥秩父の山の中で、歩いて宿を探すことができるのかどうか。ただ、落合集落の近くの大滝温泉には止まるので、そこから歩くのが一番近いようです。

そうなると、どれくらい歩くことになるのかよくわからないので、早めに山を降りることにしました。

三峯神社参拝も中止。一応鳥居の前まで行って、アリバイのために写真を撮ってきました。

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紅葉にはまだ早いのは明らかですが、一部は色づいていました。しかしこのへんの紅葉は自然の植生というより、紅葉まつりのためにあえて植えたような感じもします。たぶん最盛期はすごくきれいになると思います。夕方ですがまだ観光客もけっこういて、おみやげさんもやっていました。

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暗くなってから宿まで歩くのは大変なので、最終よりひとつ早いバスに乗りました。

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そして大滝温泉で下車。ここは道の駅に併設された入浴施設がありますが、前にバイクで来たので、今回は入浴はパス。宿までどれくらい歩くことになるのかわからないので、それどころではありません。

そうはいっても秩父湖から三峰口駅の間は、旧大滝村の中でも中心市街地に当たるので、それなりに人家もあります。いくつかの小さな集落があって、民宿なども多いのです。しかし人通りはまったくありません。

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大滝温泉から歩き始めると、意外なことに10分くらいで落合バス停を発見。思ったより近かったようです。そしてすぐに民宿の「みたけ」を発見しました。これで一安心。まだそんなに暗くなっていませんでした。

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しかも宿について見ると、歓迎ビラまで出ていました(笑)

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このへんは秩父御岳山の登山口に当たるので、登山やハイキングの客が多いのだと思います。

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声をかけるとご主人らしきおっちゃんが出てきて、すぐに2階の部屋に案内してくれました。部屋もこじんまりとしていますが清潔な感じの部屋。最近冷えこんだせいか、こたつが出ていました。

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内装はみたところそんなに古く感じないのですが、基本構造自体はけっこう古い家だと思います。しかしいろいろ手が入っているようで全体的にきれいな感じ。見た目よりかなり大きな建物で、部屋数もたくさんありました。

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ふすまを勝手にあけて隣の部屋も撮影。

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部屋でのおっちゃんとの会話。

おっちゃん「お風呂は温泉になっていて、もういつでも入れますから」
私「温泉ですか。それはいいですね」
おっちゃん 「夕食は下の食堂に用意します。準備できたら呼びにきますから。朝食は何時くらいがいいですか?」
私「別に何時でもいいですけど、じゃあ8時くらいでお願いします」
おっちゃん「いや~できたら、もう少し早く食べてもらうと助かるんだけど」
私「いいですよ。7時半にしますか」
おっちゃん「すみませんがそうしてもらえますか。実は明日葬式があって、8時には出なくちゃならないんで。8時過ぎると食事の用意できる人間がいなくなっちゃうんですよ」
私「では7時半で」

ということでしたが、たぶん葬式などというものは急に入るわけですから、予約時には予定もしていなかったことでしょう。そういう事情を先にいってくれれば、朝食なんて何時でもよかったのに。

ご主人は恐縮しつつ去っていきました。

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早速お風呂に行ってみると、けっこう近代的な大きめ湯船でした。浴室は2箇所あり、この日はほかに客がいないのでひとつだけ使っているようでした。はっきりとはわかりませんが、鉱泉を汲んで使っているものと思われます。

お風呂から出ても、食事前に少し時間があったので外に出てみました。缶コーヒーでも買おうと思っていたのですが、商店らしき廃墟はあるのですが自販機ひとつみつかりません。

最初山のほうをめざしたのですが、神社や公民館みたいなのがあるだけで、何もなさそうだったので、Uターンして山を降りる方向へ歩いてみました。結局バスを降りた大滝温泉の道の駅まで歩いてようやく自販機を発見。ここでお茶とか缶コーヒーを買って宿にもどりました。

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もう付近はまっくらで、この道の駅付近の明かりだけが目立ちます。

部屋にもどってしばらくすると、おっゃちんが夕食ができたと呼びにきてくれました。もうめしを食う以外やることがないので、待ちに待った感じ。

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1階の広間におりると、やはりこたつが出してあって夕食の準備がしてありました。この日は使っていませんでしたが囲炉裏らしき部分もあるなかなか快適な居間で、大きな神棚がありました。また先代か先々代がもらったと思われる勲六等瑞宝章の授与状も飾ってありました。なかなかえらい人がいたようです。

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食事はボリューム感いっぱい。登山客向けなのか炭水化物、たんぱく質がありあまるような内容でした。特にうどんは小麦の素朴な味がしっかりしていておいしかった。スーパーで売っているのとはだいぶ違う感じがしました。川魚も焼きたてでした。この宿は2食付きで5000円くらいだったと思いますが、すごく良心的です。こんな値段でもうけは出るのでしょうか。心配になるくらいです。

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この日、部屋では秩父で買った武甲正宗は飲まずに、持ち込んだジャックダニエルを飲んで、寝てしまいました。

翌朝は時間より少し早めにおっちゃんが朝食の準備ができたと呼びにきました。

朝食も同じ部屋。山の中なのに鯵のひらきがすごくおいしいやつでした。

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おっちゃんは8時に葬式に向かわなくてはいけないので、とっとと朝食を食べ、精算もしました。おっちゃんは「食事さえすましてもらえれば、留守番にばあさんもいるから、精算は出る時でいい」といっていたのですが、ついでなので朝食後にすませました。

入り口付近でうろうろしていると、どこかの親戚のおっちゃんらしき人が奥から出てきて「これはつまらんもんだけど」といってタオルをくれました。

部屋に戻ってしばらく休憩していると、礼服でバチッとキメたおっちゃんがやってきて、入り口にひざを付き、「すまんことですが、それではこれからでかけますのでよろしく」といって去って行きました。

こういう小さな集落では葬式ともあれば一大重要行事でありましょう。偶然のこととはいえ、間の悪い時に泊まってしまい、留守番状態になってしまいました。

9時頃になって、そろそろ出ようかなと思って荷物をまとめ、下に行きました。精算はすんでいるのですが、「ばあさん」がいるはずなので声をかけましたが、誰も出てきません。

玄関そばの厨房をのぞくとついに「ばあさん」を発見。でかい声で「お世話になりました」というと、ようやく気づいて出てきました。どうやら少し耳が遠いようでした。そういえばこの家はやたらとテレビの音量が大きかったのですが、そのせいかもしれません。

「この家はずいぶん立派な家ですね。だいぶ長く宿をやってるんですか」と聞いてみましたが、どうも普通の声ではあまりよく聞こえないようでした。

ばあちゃんは、「立派だなんてことはないよ。古い家だから」というので、「でも神棚なんてすごく大きくて立派ですね」というと、「ああ、神様のことをいってくれて、本当にありがとうね」といって大喜びしながら握手を求めてきました。

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さらに「うちはそこらの畑で百姓もやっているから、ふだんなら何かあるんだけど、今日は何もあげるものがなくて」と、おろおろ回りを探し始める雰囲気。食事にも自家で作った野菜を使っているので何とかなるのでしょう。

私は「いやさっきタオルをもらいましたから」といったのですが、「ふだんなら何かあるんだけど、今日は誰もいなくてね。すまないね。それにしてもいろんなところに遊びに行くのはいいことだね。本当にうらやましいね。私も昔はじいさんと日本全国回ったもんだけどね。だいたい、私も九州の生まれだから」などと。

こんな会話を耳に口を近づけながらでかい声でしました。ばあさんは、どうしても野菜を持たせたかったらしく、ずっときょろきょろ探していました。しかしこういうところで大きな野菜をもらうと、お持ち帰りが大変なので適当にお暇してきました。

東京に近いとはいえ、山の中に住む人は本当に純朴で気分がいいです。

さてこの宿を出て、すぐ隣に普寛神社というのがあったので寄ってみました。

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この普寛という御方は木曽の御嶽山の大滝口を開いたえらい上人で、秩父御岳山はそれにちなんで名付けられたもののようです。いろいろ由来が書いてあり、像もありました。この落合集落の出身であったようです。


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普寛上人、なんか微妙な表情をしておられます。このへんに木曽御嶽山の講もあったようで、現在はどうなっているのかわかりませんが、やはり山岳信仰が根強く残っているのではないでしょうか。

このあと再び大滝温泉の道の駅まで歩き、少し地元産品の売店などを冷やかして、山くるみを買ってみました。

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さらにバスで今度は三峰口駅へ。かなり渋い駅でした。

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この日も天気はいまいちなのでまっすぐ東京に帰ることにして、秩父鉄道で御花畑駅へ。この駅には立ち食いそば屋が2軒もあってそそられたのですが、おなかがすいていなくて食べられませんでした。

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御花畑駅からは徒歩で西武秩父駅へ。特急でまっすぐ池袋まで帰りました。

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結局紅葉狩りが目的の今回の秩父の旅も、時期が早く紅葉はまだそれほど始まっていなくて残念でした。しかし素朴な民宿に泊まることができたのが何よりでした。

このしばらく後、紅葉狩りのリベンジを目的に今度は奥多摩の御岳山にいってみたのですが、その話は次回に。

[秩父市  みたけ](2011年10月宿泊)
■所在地 埼玉県秩父市大滝940
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明治時代の商人宿を改造した渋い無料休憩所 [秩父市 ほっとすぽっと秩父館]

古い宿をいろいろ探索していて、秩父に古い商人宿を改装した観光拠点「ほっとすぽっと秩父館」があることを知りました。今回、秩父の紅葉を見学に行くついでに、絶対に寄ってみたいと思っていたところです。

この日は寄居を朝早く出て、とりあえず長瀞に寄りました。今年6月にも来たばかりなので、特別の感慨はありませんが、やはり川沿いまで行ってみました。

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この日の天気は曇り。前日は雨だったので、降っていないだけましという程度で、あまり良い天気ではありませんでした。

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前に来た時も、この近くのおみやげ屋だかお菓子屋だかの主人が、川原で観光案内をしていたのですが、今回もいました。かなりしゃべり慣れてしまった、くだけた口調なのですが、話がなかなかおもしろいです。

岩畳の上での話を聞いていると、3月の大震災の時、周辺の町は震度5以上の揺れがあったのに、この長瀞は震度3程度だったそうです。それはこのあたりの土壌が岩畳のような岩盤になっているからだそうで、地震には強いかわり長らく農業には向かない貧しい土地柄だったそうな。

この後はいよいよ念願の秩父市街に向かいます。再び秩父鉄道に乗って秩父駅へ。

秩父駅は大きな駅でした。ATMでお金をおろしたいと思っていて、コンビニくらいあるかなあと心配していたのですが、行ってみると銀行なんかいくらでもありました。

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この日の予定は、最終的に三峰口駅からバスで三峯神社まで行って紅葉を見学。その後再び下界に降りてきて大滝の民宿に泊まるというもの。しかしよく調べてみると、秩父駅の近くの西武秩父駅からもバスが出ているようなので、そこまで歩くことにしました。どうせ秩父市内を見学するわけですから、その散歩ついでに西武秩父駅まで歩こうという計画です。この作戦だと、秩父から三峰口までの電車賃も節約できます。

そういうわけで、まずは秩父駅に近い武甲酒造へ。このあたりの銘酒として知られる「武甲正宗」のを作っている酒造メーカーで、古い店構えを見学したいと思ったからです。

駅から歩いてすぐ。実際に行ってみると酒蔵見学には予約が必要なようでしたが、「奥の井戸なんかは自由に見学していいですよ」というので、奥まで入らせてもらいました。

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古い酒蔵特有の雰囲気が漂っています。ここでお酒の小瓶を買いました。場合によっては今日の夜、宿で飲んでもいいなというつもり。

次に目的地のひとつであった「ほっとすぽっと秩父館」へ。ここも思ったより近くてすぐに見つかりました。

外観はまさに商人宿そのもの。だいぶ手を入れたらしくきれいになっていますが、雰囲気は江戸時代の秩父往還の気分を伝えています。

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ここは地元の商店会が運営している多目的スペースで、売店や休憩所、喫茶・軽食コーナーなどがそろった観光拠点になっています。

とりあえず中に入って上がろうとすると、スタッフの奥さんが話かけてきて、いろいろ説明をしてくれました。「2階の広間をぜひ見ていってください」というので、早速上がらせてもらいました。

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現在は集会などにも使用できるよう、襖を取り払って広間になっています。しかし、窓の庇などを見ると、まさに商人宿。この家はもともと明治12年に立てられた宿ですが、そんな時代にここから秩父往還を眺めて見たかった。ここも宿泊させてくれるなら絶対に泊まりたいと思いました。

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急な階段のところに、当時からのものと思われる大きな神棚発見。これはかなり珍しいものではないでしょうか。

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1階に降りると無料休憩スペースになっています。

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このあたり、「あのはな」の関連ポスターだらけ。私はうといのですが、アニメの舞台として有名だったのでしょうか。

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1階の囲炉裏のそばに井戸がありました。これも商人宿時代からの内井戸で、最近はパワースポットとして有名だそうです。

こういう建物をどんなかたちにせよ、残していこうとする努力は敬服に値します。そうしないとどんどんなくなってしまうからです。本当はガラス戸なども使わないでほしいのですが、とにかく建物の古い構造を生かして現代の用途に活用しているということに価値があると思います。

名残を惜しみつつ外に出ると、やはりこの街道沿いにはなかなか渋い雰囲気が残っています。

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古い蕎麦屋もあり、
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うどん屋もありました。
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「あのはな」グッズを売る店も発見。
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さらにすぐ先に「秩父ふるさと館」を発見。こちらは大正から昭和初期の秩父銘仙の問屋を改造した建物で、観光資料コーナーや飲食店が入っていました。ここでお昼近かったので、秩父蕎麦でも食べようと思ったのですが、ちょっと高級そうなのでやめておいてもう少し歩くことにしました。

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2階の窓からは雲がかかった山が見えます。
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「ほっとすぽっと秩父館」の奥さんに聞いたところ、西武秩父駅に行くには、向こうに見える「矢尾」というデパートの角を左に曲がれ、ということでした。

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歩いていると寺で何かイベントをやっていました。秩父も札所巡りで有名なので、この寺もそのひとつとして有名みたいです。

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いったい何の儀式だったのでしょうか。子供も大勢参加していました。

さらに歩いて坂を上がると西武秩父駅に到着。「秩父仲見世通り」でお昼を食べることにしました。この駅は池袋は直行の特急が往復していて、前にも来たことがあります。

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広場では地元の太鼓演奏のイベントが行なわれていました。由来はわかりませんが、しばし聞き入りました。

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ここで入ったのが秩父そばの武蔵屋。普通の観光地にある蕎麦屋という感じでしたが、やはり季節柄か、蕎麦はおいしかったです。

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ムダ寄り!!(©ドンさん)
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この後、バスで三峯神社方面に向かいましたが、その話は次回に。

[秩父市  ほっとすぽっと秩父館](2011年10月見学)
■所在地  埼玉県秩父市宮側町18-2
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明治8年創業の貴重な建物。でも気楽に泊まれる感じの宿 [寄居 山崎屋旅館(再訪)]

今年の6月頃に寄居に行った時に、町を歩いていて発見した「山崎屋旅館」。
(その時の記事はこちら。→
東京からも近い忘れられかけた観光地 [寄居 山崎屋旅館])

その「山崎屋旅館」にいよいよ泊まることができました。

東京からはかなり近いので、泊まる機会はないと思っていたのですが、先日秩父三峯神社の「紅葉まつり」を見物に行くことにしたので、そのついでに泊まってみることにしました。秩父にもいろいろいい宿や温泉もあるのですが、今回はまずは寄居に一泊し、翌日は秩父の民宿に泊まることにしました。

出発当日は早めに行って長瀞なんかを改めて見物して、それから寄居に戻って泊まろうと思っていたのですが、この日の仕事が終わらずいつしか時間はお昼を過ぎ、夕方に。もうこの日のうちに到着するのがやっとという時間になってしまいました。

最初は池袋から東武東上線経由で行くつもりだったのですが、少しは早いかと思って、熊谷まで新幹線で行き、秩父鉄道で寄居に行くルートをとってみました。

熊谷駅に着いた時点で、もう日が落ちかけてきました。秩父鉄道の改札口はなかなか渋い感じ。

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寄居駅に到着した時はすっかり暗くなっていました。

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家を出る前に宿に電話して「予定より到着が遅くなる」といったのですが、電話に出たおっちゃんは「ああ、大丈夫、大丈夫」とまったく意に介していないようすです。この日は素泊まりだったので食事の問題がなかったせいもありますが、なんとなく、到着時間なんか最初から気にしていないような、鷹揚というかテキトーな感じでした。

すでに前回の視察で場所はわかっているので、寄居駅からまっすぐ宿へ。いよいよあこがれの宿に一泊することになります。

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玄関のガラス戸を開けて中に入ると、生活感いっぱいのあがり。そういえば昔、「リアリズムの宿」というマンガがありましたが‥。すぐにおっちゃんが出てきて部屋に案内してくれました。

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建物がどういう構造になっているのかわかりませんが、思ったより奥行きが長く、その途中にトイレやお風呂がありました。1階で兼業している食堂には、数人の客が入っていました。

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通された部屋は2階の1番奥。この宿は明治8年創業ということですが、おそらくその当時からの状態に近い感じのなかなか雰囲気のある部屋。

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テキトー鷹揚なおっちゃんらしく、布団は何となく曲がって敷いてある感じ(笑)。

↓このシーツはどういう運命の変転で、この宿で使われるようになったのでしょうか。

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おっちゃんが「今風呂は使っているけど、すぐ空くから空いたら呼びにきますよ」というので、「できたら先に食事に出て、それからお風呂に入りたい」というと、「ああ、いいですよ。いつでも」というテキトーな返事。

こういう宿は決まった時間にお風呂に入れといわれることが多いので、私は「いつでも入れるんですか。そりゃあ便利ですね」と聞いてみると、おっちゃんは「そりゃあ、いつでも入れるよ。朝でも夜でも、夜中の2時でも3時でも4時でも。別に一緒に入ろうってわけじゃないんだから、好きな時間に入るといいよ」と笑っていました。

そういうわけで夜の寄居の町に出て、どこか飲食店を探すことにしました。この宿自体が食堂をやっているので、そこに入る手もありました。

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しかし、それも芸がないし、駅前には「華屋与兵衛」があることも知っていましたが、仮にも旅先でそういう店に入ってもしょうがないので、散歩がてら、夜の寄居の町を歩いてみることにしました。
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実は前にみかけたこの食堂を狙いたい気持もあったのです。↓

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しかし営業しているのかどうかはっきりしない感じ。この食堂を写真に撮っていると、通りかかりのばあちゃんが「なんだってそんな写真を撮ってるんだね」と聞いてきました。

ボロい家が好きなんだ、などといっても理解してもらえないと思ったので、「いや別に‥。」とごまかしつつ、立ち去ろうとすると「どっから来たね」と聞いてきます。「東京から」というと、「私も昔は東京に住んでたんだ。新橋だけどね。古い話だから懐かしいね。今は年を取って足腰が弱るので、毎日このへんを散歩してるんだ」などと、いろいろ話好きな感じです。

かなりの年のばあちゃんにしては、妙に派手に化粧をしていて、ウィッグらしきものを使用している感じは、ちょっと不気味というか、おもしろそうなばあちゃんだったのですが、つきあっていると長くなりそうだったので、適当に逃げて食堂探しを続けました。

前に来た時に駅近くの路地で飲食店を何軒か見かけたのですが、結局そのとき見かけたような店以外は見つけられず、路地奥にあるラーメン屋に入ることにしました。

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確か「横浜屋」とかいう店名。ラーメンののぼりが出ているので入ってみると、何となく雰囲気がラーメン屋というより、昔のスナックみたいな感じ。

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若い女将さんがいて「食事できますか」と聞いたら「できます、できます」というので、ここで生ビールを飲んで、ラーメンを食べました。メニューにある「大人のラーメン」は、ラー油がきいた辛口ラーメン。そのほかいろんな変わったラーメンがあって、けっこうメニューに凝るタイプの店だということがわかりました。

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女将さんというか、ママというか、そんな感じの女性に、いちいち「このラーメンはどんなやつですか」と聞くと、ていねいに教えてくれます。「本当は違う名前にしたかったんですけど、それで定着してしまったものですから」などと。

私はビールと野菜炒めの後に、半ラーメンを頼んでみました。オーソドックスな醤油ラーメンでしたが、化学調味料の味がしない自然派ラーメン。私は化学調味料がきいていないとおいしいと思えないほうなのですが、ここはけっこう気合を入れてダシをとっているようで、それなりにおいしく感じました。

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その後常連らしきおっちゃんがきて飲み始めたので、適当に店を後にしました。この店はたぶんラーメン屋でもあるけれど、主に飲み屋として地域に親しまれている店だと思います。

食事後は再び寄居駅前を通って山崎屋旅館へ。駅前も薄暗く、あまり人通りはありません。
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宿に戻って早速お風呂に行きました。思ったより広い近代的浴槽でしたが、浴室自体はかなり古いものだと思います。天井の感じからして、もしかしたら明治時代のものかもしれません。なかなか快適でした。

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全体的にかなり古い旅籠の雰囲気は残しているものの、それなりに便利なように工夫されていることがわかります。地デジがスタートしたせいなのか、薄型テレビも完備。シャワートイレもありました。

何となく玄関といい、廊下といい、片づかない感じのテキトー素朴な感じの宿なのですが、要所要所に近代設備が導入されており、古い宿にありがちな不便というのはあまり感じませんでした。

ほかに宿泊客もいないようだったので、隣のふすまも開けてみました。隣の部屋と比べると、私が通されたのは角部屋のなかなかいい部屋のようです。

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掛け軸や置物なんかもあるし。

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この日は部屋で少しテレビを見て、翌日の山歩きに備えて早寝しました。

翌朝起きてみると天気は曇りでした。雨の予報もあったので、降ってないだけましです。

改めて泊まっている2階を探検してみました。かなり古い建物ですが、明治というほどではないような気もします。


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階段なんかも相当古そうでいい雰囲気です。

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期待していた以上に古い宿で私としてはすっかり気に入りました。こういう宿は本当に貴重なので、長く営業を続けてほしいと思います。

朝食も頼んでいないので、早めにチェックアウトしようとすると、おっちゃんは見当たらず、食堂の厨房にいた女将さんが対応してくれました。

素泊まりだったこともあり、ほとんど野放し状態の対応でしたが、なかなか快適な宿でした。必要以上に客をかまわないというのもある意味気楽に感じます。

改めて外から見ると本当に貴重な建物だと思います。

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できたら、奥の部屋ではなく通りに面した側の部屋に泊まってみたい気もしました。

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通りに面した本館は、奥の部屋とは別棟になっているらしく、階段も別にありました。この通りも古くは栄えた街道筋の雰囲気がありますし、往年の繁栄時代に訪ねてみたいという妄想も。

隣にはよくわからない「美髪忍館」という古い電髪屋さん?もありました。

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このあと秩父鉄道を乗り継ぎ、長瀞、秩父、三峯神社などを巡ったのですが、その話は次回以降にします。

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[寄居  山崎屋旅館](2011年10月宿泊)
■所在地  埼玉県大里郡寄居町寄居938
■楽天トラベルへのリンク→山崎屋旅館

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東京からも近い忘れられかけた観光地 [寄居 山崎屋旅館]

近頃暑い日が続きますが、この前すごく暑い日に埼玉の寄居に行く用事がありました。

埼玉県中部・北部は暑いので有名です。東京からそんなに遠くないのに、気候がずいぶん違う感じ。寄居に行くには池袋から東武東上線で小川町まで行き、そのまま東上線を乗り継ぐルートもあるし、八高線に乗り換える手もあります。

私は寄居に行くのが初めてだったので、この日は朝早くとにかく東武東上線に乗り、小川町か寄居で立ち食いそばで食べようと思って、でかけました。

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しかしそんな機会もなく、ついに寄居駅に到着。この日の用事はここからもさらに高崎寄りの用土というところが近いのですが、いろいろ不便なので、寄居からタクシーに乗って済ませて、昼頃また寄居駅に戻ってきました。朝ごはんを食べていないのでおなかがすいています。

寄居には秩父鉄道というのが交差していて、あの有名な長瀞にもつながっています。タクシーの運転手さんに聞くと、長瀞駅前はこのへんでは唯一観光地らしい雰囲気があって、飲食店やおみやげ屋さんもたくさん並んでいるということです。

そういうことであれば、東京から近いとはいっても行く機会があまりない景勝・長瀞を見物してみようと思いました。帰る時間には制約がなかったので、のんびり荒川で舟遊びでもしようかなと。

秩父鉄道で寄居から長瀞は20分もかからないくらいでした。

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何というか、古くて懐かしい感じの駅。私はこういうのが好きなほうなので、駅の雰囲気だけでも来てよかったと思いました。

もうおなかがすいていてどうしようもない感じだったので、駅前の食堂に即入り、ラーメンを頼みました。この店も昔の観光最盛期を思わせるなかなかいい感じ。お店の人がすごく親切で、いい店でした。ラーメンはシンプル系の懐かしいラーメンでおすすめです。でも全体的に観光地値段というか、値段がやや高い。ラーメンは確か650円くらい。

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とにかくここまで来たら、荒川の川辺に出なくてはしょうがないので、よくわからないままで踏み切りを渡り、川の方面に歩いてみました。

明らかにメインストリートらしいにぎやかな通りがあるので、そこを歩きました。両側にはおみやげ屋さんとか、飲食店が並んでいます。長瀞といえば、今どきあまり人が行かない観光地イメージがありましたが、すごくにぎやかだったので、今でもけっこう人気があるんだなと思いました。

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川に到着。きれいで印象的な風景です。長瀞ライン下りの舟も繋留されていましたが、この時は、いつになったら舟が出るのかもよくわからないし、乗るのをやめました。団体の観光客もいて、けっこう繁盛しているような気配もあります。

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川原の岩畳というのものぼってみましたが、私みたいにスーツと革靴のやつはいなくて、すごく浮いていました。

しかしどうして“ライン下り”などという、まったく縁もゆかりもないヨーロッパの地名を冠にする必要があるのか。確かに川下り観光をやっている地域はたくさんあって、木曽でも鬼怒川でも、どこでも“ライン下り”という表現を使っていますが、こういう名称づけには私としては賛成できません。ただの“長瀞下り”でいいと思うのですが。

とにかく暑いので、そのへんのおみやげ屋さんを見ながら、喫茶店を探しました。川に面した大きな展望食堂があったので、入って「アイスコーヒー」といったら、レジの食券売場にいた若い女性が「うちはアイスは置いてないんです」といわれました。

このクソ暑い中を歩いてきて、ホットコーヒーはいらないな~と思っていたら、おばちゃんが出てきて、「冷たいものといったら、コーラとかジュースになりますけど、もしコーヒーがいいなら、自販機の缶コーヒーでも買ってきて飮んだらどうですか」といいます。

外の自販機も当店の機械なので、それを買ってくれれば中で休んでもかまわないということでした。それはすごくいい提案です。コーヒーだと400円くらいするやつが、自販機だと120円くらいですし。

それで外でアイスコーヒーを買って店の席に座り、少し休みました。店のおばちゃんはグラスに氷を入れてやるといってくれましたが、それは申し訳ないので断り、缶コーヒーを飮んで、川の風景を見ながら涼むことができました。

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少し休んで汗も引いたので、そのへんを少し散策してみました。

脇道に入ると旅館の廃墟を発見。こんな大きな宿があったということは、昔はもっと宿泊客が多かったのでしょうが、今だと東京からだと近すぎて、なかなか泊まることも難しいエリアです。

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裏に小川が流れていて、雑草に覆われていました。

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このへんは昔はけっこう繁盛していたような雰囲気もあり、商店街の廃墟もありました。不動産広告も。

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さらになかなか魅惑的なホテル看板も遠くに発見。「科学の温泉」。どういうやつなのか、興味深いです。

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ほかに立派な旅館も何軒かありました。また駅まで戻る道を歩いていると、味噌おでんをやっているそば屋があって、なかなかいい雰囲気でした。私は味噌おでんはあまり好きではないので食べませんでしたが、店の雰囲気だけでも寄ってみたい感じ。

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そして長瀞駅から再び寄居駅へ。もうまっすぐ東武東上線で帰ろうと思っていたのですが、次の電車まで40分くらいあったので、寄居の町を改めて歩いてみることにしました。

本当はもう暑くて疲れていたので、喫茶店でもあればそこにいたかったのですが、そういう店は見当たりませんでした。

しかしこの40分は後から考えると貴重でした。駅前は寂しい感じですが、少し通りを入ると古い家がたくさんありました。

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駅のすぐ近くの齒科医院跡。こんな歯医者が近くにいたら、ぜひ虫歯治療を頼んでみたい。

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寄居という町がどういういわれで発展したのか、私はいまいちよくわかりません。戦国初期の鉢形城というのは有名ですけど、城下町にも見えません。とにかく歩いていると、いくらでも古い家が発見できます。

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原口食堂も、もしやっていなら、入ってみたい。

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歩いているうちにメインストリートらしいにぎやかな街道筋に出ました。

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これを区切りに、いいかげん駅に戻ろうと思って、ふとふり返ると、「旅館  山崎屋」を発見。営業もしているようすです。これは私の趣味でいうとかなりハイレベルの優良旅館です。いつから営業しているのでしょうか。

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こんなのがあるとは寄居もあなどれません。よく見ると食堂も兼業しているようで煮鮎や麦とろが看板に出ています。テレビの取材も来ているそうな。もしかしたら有名物件なのかもしれません。

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本当なら泊まりたいところですが、さすがにSUICAですぐ帰れるようなところに泊まる酔狂はできません。後ろ髪を引かれながら「旅館  山崎屋」を後にしました。

この通りのすぐ先に今度は酒蔵発見。近代的な建物になっていますが、そういえばタクシーの運転手さんが「このへんはいい水が出るので、酒蔵が発達した」といっていました。そういうことなので、「白扇酒造」にも寄り、四号瓶を1本買いました。

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後でのんだらすごくすっきりしたおいしい酒でした。

ちょっと近所まで用事ででかけるつもりだったのですが、結局あちこち歩いて帰ったのは夕方になってしまいました。私としては、東京の近所でもなかなかおもしろいところがあるなあ、という発見がありました。

[寄居  山崎屋旅館](2011年6月見学)
■所在地  埼玉県大里郡寄居町寄居938
■楽天トラベルへのリンク→山崎屋旅館

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中山道の宿場風情を残す江戸時代の旅籠建築 [桶川 武村旅館]

先日埼玉の「羽貫」というところに用事があって、埼玉新都市交通・ニューシャトルに乗りました。休日だったので、「鉄道博物館」まではすごく混んでいました。

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その帰りに大宮から高崎線に乗って、「桶川」までいってみました。中山道の宿場風情がけっこう残っているというので、一度行ってみたいと思っていたのですが、ちょうどいい機会だと思ったのです。なんといっても国指定登録文化財の「武村旅館」の見学が最大の目的。泊まるわけではないのが残念ですが、東京からは近すぎるので、今後も泊まる機会を得るのは難しいかもしれません。

桶川駅に降りるのは初めて。中山道側の出口は狭い道路に面していて、渋いラーメン屋がありました。入ってみたいところでしたが、昼食後だったのであきらめました。こういう店のラーメンは、すごくうまい場合もなきにしもあらずなので、うしろ髪をひかれます。

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この右側の道を5分程度歩くと、旧中山道の街道筋である県道に出ます。

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旧中山道に続くこの道は、昔の街道そのものではありませんが、どことなく古色がうかがえるというか、素朴ないい感じの商店街になっています。江戸時代というより、昭和の雰囲気かも。

中山道に出ると案内看板があって、名所や旧跡の方向が書いてありました。旧中山道自体は今どきの普通の自動車道として整備されており、あまり宿場風情は感じません。昔の旅人は江戸を出て、一日でこのへんまで歩いたとか。40kmくらいの距離はともかく、今だとクルマが多くて、危ないかもしれません。

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とにかくまずは「武村旅館」をめざしました。歩いていると、やはり古い家が目につきます。まんじゅう屋も。

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この向かいにもかなりいい感じの古い家がありました。そこは魚屋さんでした。今時、こんな魚屋さんは全国探してもそんなに多くは残っていないのではないかと思います。

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ちゃんと商売が成り立っているようで、品数も豊富。近所の人がいまだに利用しているのでしょう。

そして、この魚屋さんのすぐ先に「武村旅館」はありました。

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期待以上にいい感じの外観です。江戸時代の建物をほとんどそのまま生かして使っているようで、これが現在も宿泊できる旅館として営業しているのはたいしたものです。

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実際に建物を見て、こんな家なら用がなくても泊まってみたいと思いました。建物の中は見ていませんが、由緒を紹介する看板が立っていて、間取りも紹介されていました。これで見ると、入ってすぐが土間になっていて、部屋数は6部屋。そんなに大きくない宿です。

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これだけでも来たかいがあったと満足したのですが、ついでに少し街道を北に向かって歩くと、皇女和宮様が泊まられたという本陣跡というのがあって、冠木門もありました。しかし、どうも公開はしていないようで、一般の民家みたいになっていたので中に入るのはやめておきました。

このほか土蔵のある家などがいくつか続きます。

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明治時代に作られたという大きな蔵造りの商家跡もありました。豪商の家らしくかなりの規模です。

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この家の向かいにもカフェみたいになっている古い建物がありましたが、これは元は旅籠だった家だそうです。

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仕事のついでだったのでスーツを着て、けっこう暑い中を汗をかきながら歩きました。とはいえ、これらすべてが比較的短い距離の中にコンパクトにまとまっていて、見学するには便利でした。ただ、佐原などと比べると、古い家以外の建物は秩序なく立て込んでいて、風情やロマンを感じることはできませんでした。これだけの遺産が残っているからには、もう少し街全体として宿場の歴史を意識した街づくりをすれば、もっと魅力が出てくると思うのですが。

帰りは来た道を戻るのも芸がないので、裏道に入ってみました。するとあちこちに「自転車預かります」という看板が。これは自転車で駅まで通う通勤客向けのサービスなのでしょうか。やたらとたくさんありました。

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昔の宿場町も、現在では東京に通うベッドタウンと化してしまい、通勤客が非常に多いのでしょう。中には「自転車預かり」の看板は出ているのものの、「本当にここに預けて大丈夫か?」と思うような家もありました。下の写真です。でも考えてみれば自転車を預かるのに必要なスペースさえあれば、建物の古さは関係ないといえばないのでしょう。

桶川のこの地区の開発がどのように行われてきたのかはわかりません。しかし、桶川駅近くの街道筋は、基本的には江戸時代の町割を残しているのだと思います。考えてみれば明治以降の鉄道や国道など交通機関の整備も、多くは江戸時代の街道を基本に進められてきたと思います。街道を整備した徳川幕府の事業は、今の日本にも大きな影響を与えていることを実感することができました。

[桶川・武村旅館](2010年4月見学)
■所在地 〒363-0015 埼玉県桶川市南1-8-8
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