ケイズハウス伊東温泉に一泊し、翌日は隣にある文化財の観光施設で、内部を見学できる東海館に行きました。今回伊東をめざしたのは、この家を見学するのが最大の目的。
チェックアウトしてから出かけましたが、荷物はケイズハウス伊東さんに預かってもらいました。
入り口付近の造作もかなり凝っています。この宿は平成9年まで営業していたそうですが、たぶんけっこう高級で料金も高い宿だったんでしょう。たぶん私が泊まれるような料金ではなかったはずです。
入口左側に入り口があり、料金を払って見学。当時のままのお風呂は土・日・祝にお湯を入れて立ち寄り入浴もできるようになっています。もちろん入っていくつもり。
また館内にある畳み敷きのカフェにも寄るつもりでしたが、まだ時間が早くて営業していなかったので、まず先に館内を見学させてもらうことにしました。
写真もたくさん撮ったのですが、きりがないくらいいい感じの部屋が続きます。1階には改築工事の様子を紹介する資料なども展示されており、中庭からは望楼を見上げることもできます。
いろんな部屋があって、それぞれテイストが違います。
各部屋にいちいち上がり込んで、火鉢の前に座ってみたり、松川沿いの縁に出てみたり。
飾り障子の造作や、電灯の造りなどに凝っているのは各部屋共通。とにかく感動的です。これだけの部屋がありながら、宿泊できないとは何とももったいない気がします。
廊下の雰囲気もなかなか最近では見られない独特の風情があります。
階段で3階まで行くと、大広間や資料室などがありました。
さらに望楼に上がると、伊東市内を一望できます。ケイズハウスにも望楼がありましたが、こちらのほうが広く、高さも少し高いようです。
ひと通り見学するだけでも1時間くらいかかってしまいました。やがて喫茶店があいたので、広い和室でお茶などを飲んで休憩。
お風呂は11時からなので、それまで待つつもりだったのですが、スタッフの人が少し早めに「準備ができた」と知らせにきてくれたので、早速お風呂に向かいました。お風呂は1階奥にあります。
浴槽は円形で古びた感じはなく、むしろちょっとモダンな感じ。昭和初期としては近代的なお風呂だったのでしょうか。
現在この建物は伊東市の所有で観光・文化施設として大切に保存されています。泊まれないのは残念ですが、全部見学できますし、“保存目的”という意味では、すごくいい状況なのかもしれません。
伊東温泉ツアーの目的を果たしたので、この日は商店街のそば屋で、昼間っからいかの塩辛をおつまみにして風呂あがりのビールを飲み、そばを食べて、さらにあじの干物を買って帰ってきたというわけです。
さて、話は変わりますが、書籍版「日本ボロ宿紀行」の続編が刊行されます。現在、1月発行をめざして作業中。表紙はほぼできていて、下の写真のような感じ。
1冊目もごく一部の間では非常に好評で、たくさんの人が自分のブログで紹介してくれたり、マスコミでも紹介してもらいました。本当にありがたかったです。おかげで現在ほぼ品切れ中。増刷検討中だとか。
まるみや旅館のきくちゃん、ようやく本で紹介できます(笑)
とにかくブログに載っていないいい宿も、たくさん取材してきたのでお楽しみに。2冊目の発行スケジュールが決定したらまたここで宣伝します。
[東海館](2012年9月見学)
■所在地 静岡県伊東市東松原12−10