日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

大分の宿

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

天領日田を訪問。豆田町の古い町並みを散策する [日田市 伯亭 若の屋(見学)]

天ヶ瀬温泉駅を出発して日田駅へ向かいます。

私がこの世に「日田」という町があることを知ったのは小学生の時でした。テレビの高校野球で「ひたりんこう」という珍妙な?名前の高校が甲子園に出ているのを見て、この学校が「日田林工」であり、「ひた」という町にあることを知ったわけです。

その後、年を経てものを知るにつれ、日田が代官支配の天領であったことや、古くから林業が盛んだったことなど、断片的な情報を知るようになりましたが、小学生の時の不思議な校名の印象が消えず、いつかは行ってみたいと思っていました。

天領というのは、飛騨高山もそうですが、独特のムードがあります。やはり大名支配とは違う“緩さ”が独特の町人文化を生み出すものなのでしょうか。

そんなわけで今回機会を得て、あこがれの日田にとりあえず寄ることができました。残念ながら宿泊はなし。2~3時間の滞在予定です。

日田駅到着。駅前には「天領日田」の看板。

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この日かなり寒かったので、駅前にあるバスターミナルに入ってみました。すると、ここから博多行きの高速バスが出ていることを発見。時間によってはバスで帰るのもおもしろいかも、と思い、時間をチェックしておきました。

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さらにバスターミナル内でそば屋を発見。最近日田では「日田やきそば」というご当地グルメがあるそうで、それを食べてみようかと思っていましたが、目の前にそば屋があり、寒いことでもあるので、歩いてやきそば屋を探すのをやめて、鍋焼きうどんに変更。

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鍋焼きうどんは、煮込んだ牛肉やもやしが入っていて、普通の鍋焼きとはイメージが違います。しかしそれはそれでおいしかったです。

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後からきた地元常連客はだいたい日替わり定食を頼んでいて、この日は「塩サバ付きのうどん定食」でした。                                                       

これで温まったので、再び駅に戻り、隣の観光案内所へ。

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案内所の前には主のような猫がいてにらんでいました。

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案内所で市内の地図をもらい、チェックしてみると、「豆田町」という重要伝統的建物群保存地区があるので、ここに行ってみることに決定。案内所で聞いてみると、歩くと20~30分かかるということだったので、自転車を借りることにしました。案内所でレンタサイクルをやっており、安く借りることができます。

自転車を出してもらい、さっそうと出発。だいたいの道筋を聞いていたし、案内完売も出ていたので問題なく豆田町の町並み地区に到着。

「天領まちの駅」もあり、その前には古い薬屋の建物も。ここは公開しているようです。

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とにかくひと通り巡ってみることにしました。

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私が興味を持ったのは昭和12年建築の料亭「伯亭  若の屋」。現在も旅館として営業しているようなので、見学に行ってみました。

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なかなか渋い家です。たぶん実際に泊まるとなると、かなり高そうではあります。

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町内をひと通り巡って、もう一度古い薬屋さんにもどり、内部を見学してみることにしました。「岩尾薬舗」という店で「日本丸」というヒットした薬を作っていたそうです。この建物は「日本丸館」という名称で公開されていました。

内部はこんな感じ。

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昔の薬の広告やポスターなども展示されていました。「寝小便専門薬 ネショーピン」(笑)

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古い座敷が迷路のようにつながっています。

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豪商らしく豪華な調度なども展示。

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上層の天守閣に展望室があり、豆田の町並みがよく見えました。

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だいたい気が済んだので帰ることにして自転車を走らせていると、かなり渋い歯医者を発見。大正時代の建築だそうな。

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さらに行くと垂れ幕がかかった「草野本家」を発見。この家の公開は期間限定だそうなので、ぜひ入ってみることにしました。

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この家は、昔の武家草野家の人が、江戸時代に製蝋業で成功した屋敷らしいです。

ここの見学は自由見学ではなく、ガイドがマンツーマンでついて、テープの音声などを使いながら解説付きで見ていく方式でした。私は古い家の座敷があると寝っころがってみる癖があるのですが、そういうことはここではできませんでした。

しかし見学する価値は十分で、由緒ある雛飾りや、大阪の豪商天王寺屋藤兵衛から贈られた「天王寺住吉屏風」、松方正義初代日田県知事の揮毫など、貴重なものがたくさん展示してありました。私が知らないえらい人の書や掛け軸もありました。頼山陽なども訪問したそうな。

季節ごとに年4回の公開を行っているそうで、春にはひなまつりがあるので「ぜひまたおいでください」といわれました。ぜひそうしたいものです。

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時間もそろそろ押してきたので、再び駅に戻って自転車を返し、電車の時間をチェックしたところ、だいぶ空きがあったのでやはり高速バスで博多に向かうことにしました。

途中、大分自動車道では甘木、朝倉などの地名も。筑後川の支流を含む流域一帯は、邪馬台国の所在地だったという説もあり、なかなか興味深いところです。今度また機会があれば寄ってみたいところです。

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バスは博多駅ではなく、天神バスセンター行き。そこで途中の福岡空港で降りて、空港から地下鉄で博多駅に向かいました。たぶんこのほうが早いだろうという判断。

博多駅では新幹線の待ち時間を利用して居酒屋に入り、ビールといかの刺身。最初いかの姿のまま活け造りで出してくれて、「ゲソはあとで焼くか、唐揚げにしてお出しします」といわれたのですが、あまり時間がなかったので、最初から両方出してもらいました。新鮮ないかで、かなりおいしかったです。

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博多から東京までは長旅になるので、おにぎりを2個買い、新幹線に乗り込みました。

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今回はけっこうあちこち回って疲れましたが、天ヶ瀬温泉や日田の豆田町を見学できたのは何よりでした。

[日田市  伯亭  若の屋(2013年11月見学)
■所在地  大分県日田市豆田町7-31
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久大本線で日田へ。天ヶ瀬温泉で共同露天風呂を巡る

別府で一泊した後東京に戻るのにどういうルートで帰るか。ギリギリまで迷っていました。素直で日豊本線で小倉まで出て新幹線で帰るか。しかしやはり久大本線で久留米経由、博多に出てみるルートも行ったことがないので捨てがたい。しかしかなり遠回りになりそう。日田によって散策などしていたら,よけいに帰りが遅くなりそうです。

しかしせっかくここまできたからには、次にまたいつ機会があるかもわからないので、久大本線に乗ることに決めました。

そうと決まれば早めに出発。朝の別府駅へ。

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久大本線に乗るにはいったん大分駅まで戻って乗り換えることになります。通勤、通学客でけっこう混んでいます。

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大分からは博多行きの特急ゆふに乗換。これにそのまま乗っていれば、博多に着くのですが、今回は日田で下車して歩いてみるつもり。

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大分付近は住宅地が多かったですが、しばらく行くとのどかな山村風景に。しかし湯布院駅だけは豪華駅舎で人も多い。いずれはちらっと寄ってみたい温泉地です。

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豊後中村駅。茅葺き屋根が印象的。本当はこのへんで降りて、少し山に入るといい温泉がたくさんあるので、寄ってみたかった。しかし今回はパス。

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豊後森駅ではなぜか駅員一堂がホームにならんでおじぎ。なかなか珍しい風景でした。久大本線の各駅は、観光客誘致のためにいろいろ努力しているようです。

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日田の少し前が天ヶ瀬駅。駅に近づき、車窓から天ヶ瀬温泉の温泉街風景を見ているうち、突如としてここで途中下車してみる気になりました。天ヶ瀬温泉といえば川沿いの共同露天風呂で有名。ちょっと見学だけでもしてみようと思ったわけです。

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降りてみると、ちゃんと駅員がいる駅で、隣に「天の国プラザ」という観光案内所もありました。

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私はとにかく衝動的に途中下車してみたものの、次の電車の時間を確認しておこないとまずいと思い、時刻表を見つけてメモがわりに写真を撮りました。

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そんなことをしている私を見た駅員さんが窓口から声をかけてきて、印刷した時刻表をくれました。「そこに貼ってあるのと、同じやつですから」と。親切です。

観光案内所でパンフをもらって見ると、共同湯は駅のすぐ近くにもあります。だいたい1時間30分くらいは時間がありそうなので、そうと決まれば入ってみることにしました。

私は仕事できたのでスーツ姿でちょっと大きなバッグを持っています。これだと共同湯に入るのも面倒なので荷物を預け、タオルだけ持ってまずは「駅前温泉」へ。

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駅前に旅館や商店街があり、その一軒の脇の道に案内板が出ていました。

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川に向かって路地を降りていくと、路地奥に「駅前温泉」「100円」などの看板。

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左に折れるとすぐにありました。

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かなりいい感じではないですか。

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ビニールシートがなければもっといい感じかもしれませんが、川に面した風情のある共同湯です。

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早速入ってみました。いい湯加減で非常に快適です。お湯は掛け流されているようでした。11月の寒い時期だったので余計にお湯が気持ちいい。外気がやや冷たいのも、のぼせなくて済むのでいい感じです。

しばらく浸かっていましたが、誰も来ないので貸し切り状態。あがって服を着るのもスーツなのでなかなか面倒でしたが、のんびり涼みながら着替え。そんなことをしているとおっちゃんが一人やってきました。

「もう入りましたか」と聞かれたので「いま出たところです」というと、「いいお湯でしょう!!」といいます。「いや~すばらしい共同湯ですね」と私。

おっちゃんは地元の人らしく、「この川沿いに7つか8つくらいは共同湯があるから、入ってみるといいですよ。右岸と左岸と両方にあります。まあ、どこも似たような感じだけどね」といいます。

そういうことであれば、まだ時間もあることだし、温泉街にまで入り込み「別の共同湯にも入ってみようか」という気になりました。

そこでまたも駅前へ。

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駅から温泉街へ向かう道はまさに線路沿いで、線路に上がることもできます。

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まだ午前中なので、あまり人影もない温泉街。何だか古そうな廃屋もありました。元は旅館か何かでしょうか。

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少し行くと川に出ます。両側に旅館やホテルが立ち並ぶ温泉街。私は右岸を進みました。

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途中の路地奥に湯船が見えたので、降りてみました。

ここは旅館が運営する露天風呂で料金は少し高めのようだったので、パス。しかしなかなか良さそうな露天風呂でした。

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さらにいくと、「薬師湯」という看板がありました。

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階段を川べりに向かって降りてみると、ここは簾で囲われた露天風呂で、少しワイルドな感じ。

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さっきの「駅前旅館」より少しお湯が熱めに感じました。ここも100円。

天気もいいので気分がいいです。やはりここも貸し切り状態でした。

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それにしても浴衣か何か着ていると便利なのですが、スーツだと着替えが面倒です。

「薬師湯」を出て、ついでなのでもう少し奥へ行ってみました。

今度は「神田湯」。

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ここはもっともワイルドで、囲いも何もありませんでした。100円。こんなに安くいい露天風呂に入れるなんで本当にありがたいです。

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川向こうからも丸見え状態ですが、この雰囲気を味わうためには、入ってみるしかないでしょう。

もうこのさいなので、もう1個行ってみようとさらに奥へ。「鶴舞の湯」というのがあったので降りてみたのですが、ここは掃除のためか、お湯が抜いてありました。

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このへんでだいたい満足したので、再び駅まで戻ることにしました。時間もちょうどいい感じ。駅からここまで徒歩10分かそこらの距離だったと思います。意外と近場にたくさんの共同湯がある感じ。温泉ファンの間では有名なところですが、私も初めて寄ってみて、なかなかの温泉場だと思いました。

少し早めに駅のホームへ。

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これで日田に行って昼食を食べて、2時間くらいそのへんを歩いても、まだ3時かそこら。それからでも新幹線で東京に帰ることができるという作戦です。

露天風呂に3つも入ったので、寒い日ではありましたが実に爽快な気分で、風も気持いい。やっぱり温泉はいいですね(笑)。次に下車した日田の話は次回にします。

[天ヶ瀬温泉共同露天風呂](2013年11月訪問)
■所在地  JR久大本線天ヶ瀬駅から徒歩1分~10分くらい
■泉質  「駅前温泉」単純硫黄泉
            「薬師湯」 単純硫黄泉
            「神田湯」 ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉
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上品な隠れ家風・自家源泉の宿[別府温泉 御宿 新ほり井]

2013年の11月に大分出張があり、日帰りも可能だったのですが、せっかくなので別府で温泉にでも入ってやろうと思い、宿を探しました。本当は鉄輪温泉の自炊宿などにも行きたかったのですが、翌日には帰らなくてはならなくてあまり時間がないこともあって、別府駅から近くて便利な「御宿  新ほり井」を楽天トラベルで見つけ、朝食付きで予約しました。夕食は別府市内で関アジとかを食べようという作戦。今回はあまり趣味に走った宿ではなく、便利さを優先したため、まったく“ボロ宿”ではありません。申し訳ありません。

大分での仕事は昼頃からだったので、朝早く大分空港に向けて出発。最近は朝早い出張の時のパターンになっている朝食用の弁当を持っていきました。今回はサバ塩焼きと焼肉とミートボール弁当。貧乏くさいながらも内容は豪華になってきています。これがうまい。これを羽田空港で食べて飛行機に搭乗しました。

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この前の台風時の岩国出張と違い、天気が良く窓からの景色もよく見えました。知多半島と渥美半島が一望に見えるシーン。朝日で海が光っていてきれい。懐かしい神島も小さく見えています。

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香川の坂出付近と思われる独特の地形も。瀬戸大橋もちらっと見えています。

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いくつもの島が橋でつながっているのは大崎下島と岡村島だと思われます。手前の大崎上島の木江集落ではなかなか楽しかった想い出があります。

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晴れた朝に飛行機で瀬戸内海上空を飛ぶのは本当におもしろいです。

そんなことをしている間にあっという間に大分空港に到着。大分空港は国東半島の不便なところにあり、これまで利用する機会がなく初めての訪問。温泉宣伝用のアニメキャラがいました。

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バスで大分市内に向かい、仕事をすませて夕方再び大分駅へ。駅前には銅像がいろいろありました。

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渋い商店街も。

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駅中には「BUNBUNGO」が展示してありました。これは時間によっては子供を乗せて実際に動くそうです。

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大分駅に前に来たのはずいぶん前のことですが、その後駅そのものは近代化されておりました。

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たぶん通勤快速だと思われる列車で別府へ。

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別府駅到着。5時か6時くらいだったでしょうか。11月なのでけっこう寒いです。宿のある西口に出ました。こっちはどちらかというとメインの繁華街の反対側になり、静かな雰囲気。

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住宅街のような路地を歩いていくと「御宿 新ほり井」がありました。徒歩2、3分の近さです。

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宿の裏側は大きな鉄筋の建物になっているのですが、入口はしっとりした和風の雰囲気。隠れ家のような落ち着きを感じる宿です。

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玄関を入るとすぐに宿の人が出てきて、いろいろ説明をしながら部屋に案内してくれました。お風呂は2つあって、いずれも中から鍵をかけて貸し切りで利用するスタイル。ほかの客と一緒になることは基本的にないそうです。ますます隠れ家風ですね。

案内のおばちゃんは「ちょっと人手が足りなくなって、急に手伝いにきたもんだから慣れなくて」といいながら、宿帳を書いてもらうのを忘れたといって、後でもってきたりしました。なかなか親切なおばちゃんでした。

入口に畳敷きのスペースがあり、その奥に座敷。なんだかとってもきれいなだけでなく、座敷も広いので一人ではもったいない感じ。

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「一人だともったいくらいのいい部屋ですね。この宿はみんなこんな広い部屋なんですか」と聞くと、「もう少し狭い部屋もあるんですけど、お一人のお客様が何人か滞在していて埋まっているんです」ということでした。

窓側に縁側と洗面所のスペース。トイレは入口和室の奥にあり、クロゼットもそちらのほうに付いていました。

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かなりの専有面積を持った部屋だと思われるゆったりした作りです。しかも新しい。「新ほり井」という名称は、もしかしたら建て替えに伴う名称なのかもしれませんが、そのへんは聞く機会がありませんでした。

とにかく夕食を食べるために外へ。お風呂に入ってしまうと出るのが面倒になるので先に食事に行くことにしました。

別府も名だたる観光地なので名物グルメもいろいろありますが、別府冷麺というのが最近は人気がそうです。しかし寒いのでそれはパス。

歩きながら適当に店を探すことにしました。目標はアジかサバの刺身。

おばちゃんに「食事にいってきます」といって外に出ました。東口側に出るとにぎやかで怪しい路地もあります。

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繁華街を歩いていると駅近くで見つけました。「駅前高等温泉」。歴史のある公営の銭湯ですが、宿泊することもできます。ここはなかなか予約が取れないと聞いていたのですが、「空室あり」の看板が。高級感あふれる「新ほり井」より、ここにしたほうが良かったか、と思いましたが、たぶん空室も雑魚寝部屋だと思うので、ちょっと出張の時は厳しいかもしれません。次の機会にはぜひ泊まってみたいと思います。

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一応門前の手湯だけつかってきました。

さらに歩いていくと渋そうな民宿などもあり、宿泊については善し悪しは別として、いきなり来てもなんとかなりそうな気がします。

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だんだん飲み屋街の雰囲気も出てきました。

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時間が早いせいかまだあいていない店も多かったですが、結局昭和レトロ演出の居酒屋に入ってみました。

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お通しは、そうめんみたいなやつに卵を落としたもの。なかなか美味。

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レトログッズも置いてありました。しかし最近はこの手の店が多くて、あまり珍しくもない感じでしょうか。

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とにかく刺盛りを頼んで、後はゆっくり考えようと思っていましたが、刺身が異常に大盛り。これを食うだけでも精いっぱいで、ほかのものは食べられませんでした(笑)

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やはり何というか、東京あたりとは醤油が違うのでちょっと違和感があります。甘いというか濃厚というのか。慣れるとおいしいのでしょうが。

とにかく満足したので素直に宿に帰ることにしました。帰りは裏道を通ってみましたが、いよいよ怪しい歓楽街が本格的に稼働し始めていました。しかし寒いので早く宿に帰って温泉に入ろうと道を急ぎます。

宿に戻ると布団を敷いてくれていました。

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まずは広めの温泉に。

こちらは2~3人でも入れそうな広さですが、ぜいたくに貸し切り。お湯はやや熱めで長湯は厳しいですが、自家源泉のかけ流しで、なかなか良かったです。

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翌朝は狭いほうに行ってみました。こちらあまり熱くなく、ゆっくり入ることができました。温度は時間帯によっても多少違うのかもしれません。

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しかしこういう感じの風呂が貸し切りで使えるというのは本当にぜいたくです。出張で来るビジネスマンなんかは、こういう宿を知ってしまうとビジネスホテルに泊まるのがいやになりそうです。

朝食は3階の大広間で。ちょっと上品な感じでボリューム感はないですが、だご汁もあり、私としては十分な内容でした。

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そんなわけで、珍しく上品な旅館に泊まってみましたが、駅から近いことや静かな環境を考え合わせると、当たりだったのではないでしょうか。

この日は東京に帰るわけですが、例によってまっすぐ帰らず、久大本線で日田方面に向かってみました。前からあこがれの地だった天領日田。その話は次回以降に続けます。

[別府市  御宿 新ほり井](2013年11月宿泊)
■所在地  大分県別府市田の湯町8-27
■泉質  炭酸水素塩泉.(源泉かけ流し)
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国東半島・昭和レトロの町を散策 [豊後高田市 亀の井ホテル 大分豊後高田店(後編)]

豊後高田のビジネスホテルで一夜を明かし、いよいよ「昭和ロマン蔵」をめざします。ホテルは朝食付きなので、昨夜の居酒屋に行くと、朝食バイキングの用意ができていました。

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品数はあまり多くはありませんが、まあ十分な内容。コーヒーを飲んでゆっくりしながら、今日の予定を考えました。「昭和ロマン蔵」を見た後、どうやって帰るか昨夜から迷っていたわけです。

基本的に当日中に東京に帰る必要がありました、普通に日豊本線で小倉まで戻って新幹線で帰るか、あるいは大分空港から飛行機で帰るか。もうひとつ魅力を感じたのが、豊後高田から少し離れた竹田津港から出る徳山行きのフェリー。パンフレットなどに出ている「スオーナダフェリー」という名前に惹かれます(笑)。この海域を船で渡ってみるのもおもしろそうだな、と思ったわけです。

しかし、便数が少なく思うような時間には乗れません。竹田津港へ行くバス便も少ないのです。このフェリーを利用して広島まで行く高速バスもあり、その乗り場は昨日のバスターミナルにもあるようでしたが、やはり時間が合わない上に、予約が必要なようでした。

この日は雨模様になりつつあり、しかも傘を持っていなかったので、結局あきらめて普通に新幹線で帰ることにしました。

そうと決まればのんびりしたものなので、ゆっくり宿を出て、再びバスターミナルをめざして歩き始めました。

ホテルを出ると、なかなか古びた町並みが続きます。すごく近くに「和風スナック夕子」も。ここに行ってもよかったかも。

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赤い鳥居が並ぶお宮。宮町の名前はこのお宮からきているのかもしれません。

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交差点の広場にはレトロ感のある子どものオブジェが。

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「新町ナイトセンター」というのもありました。やはりこのへんは飲食店街というか、飲み屋が多いエリアのようです。

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路地を通って,再び新町通りに出ました。

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昨夜は気がつきませんでしたが、再現された昔のガソリンスタンドなどもありました。

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駅前のタクシー会社の壁面に地元の祭の写真などが飾ってあります。

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そしていよいよ「昭和ロマン蔵」へ。

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最近各地に昭和回顧をテーマにした観光施設をみかけますが、ここはけっこう規模が大きい感じです。たぶん団塊世代の郷愁を誘い、集客につなげようという作戦なのだとおもいます。豊後高田の場合、実際に懐かしい商店街が残っているのが強みですね。

レトロなクルマや、古い教室のようすを再現した部屋。

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スマートボールも体験できます。しかしこういうものは射幸心があおられるからこそやる気になるもので、無料で景品なしだと何となくむなしいですね。

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受付に行くと、展示区画ごとに料金が設定されています。私は「昭和の夢町三丁目館」と「駄菓子屋の夢博物館」に入ることにしました。

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受付付近は売店になっていて、懐かしい雰囲気を演出。展示されているクルマには「ぜひ乗ってみてください」と受付の女性にいわれたので素直に乗ってみました。私はクルマに詳しくないのでよくわかりませんが、けっこう値打ちもののレトロカーなのでしょうか。

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「昭和の夢町三丁目館」は、要するに昔の生活を再現したスペース。古い家が夕焼けに染まっていく演出。

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ここの壁に除き穴が空いていて、のぞくと「こらー!」という音声が出るのでびっくりします。

居間や台所も当時の雰囲気で再現されています。ちゃぶ台とかいいですね。

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ここを出るといったん売店に戻り、さらにいったん外に出て「駄菓子屋の夢博物館」へ。

鉄人がお出迎え。

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食堂ののれんが博物館の入口になっています。

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ここの展示スペースは昔のおもちゃなどが中心。かなり広く、展示物の数も多いです。ここにも鉄人がいました。私は鉄人というと、かなり好きなほうですがアニメより横山光輝せんせいのマンガのほうの記憶が強い。

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ここも入口付近が駄菓子を中心にした売店になっていたので、おみやげようにシガレットチョコのセットとか、昔の薬風にデザインされている風船ガムなどを買いました。

この時点で11時くらい。レストランも併設されていて豊後そばなど食べてみたいと思ったのですが、やはり時間が早いのであきらめて帰ることにしました。

再びバスターミナルへ。

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宇佐駅からは、いかにもJR九州風の列車に乗って小倉をめざします。

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小倉で立ち食いのかしわうどんを食べてさらに明太子おにぎりを1個買い、新幹線に乗車。
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東京までの長い乗車時間も、最近慣れてきたのでまったく苦になりません。今回のツアーはあまりにも無計画だったため、時間がありませんでした。しかし豊後高田の古い町並みを初めて歩いてみたのは、なかなかおもしろい体験でした。

[亀の井ホテル 大分豊後高田店](2013年1月宿泊)
■所在地  大分県豊後高田市高田2861-1
■楽天トラベルへのリンク→亀の井ホテル 大分豊後高田店
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国東半島・昭和レトロの町を散策 [豊後高田市 亀の井ホテル 大分豊後高田店(前編)]

今年1月にまたも大分県中津市に行く用事がありました。このへんは十分日帰り圏ではあるのですが、例によってどこかに一泊しようと思い、あまり行ったことがない国東半島方面で宿を探してみることにしました。

その結果、豊後高田市が「昭和の町」をテーマに町おこしをしているというネタを発見し、そのへんを歩いてみることに決定。しかしボロ宿が見つからなかったし、当日は夕方まで仕事があって、ゆっくり宿探しをしている時間もなさそうだったので、九州中心のホテルチェーン・ビジネスホテルの「亀の井ホテル 大分豊後高田店」を予約。つまり今回の宿はまったく“ボロ宿”ではありません。

今回も飛行機は使わず、新幹線で小倉へ。もう慣れてしまっているのであまり遠く感じません。小倉で日豊本線に乗り換え、中津へ。

次回のNHKの大河で黒田官兵衞をやるみたいで、パネルが出ていました。

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中津はいわずと知れた福沢先生の故郷ですが、今回は背中側から駅を撮影してみました。

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もう何回も来ている中津。ちょうどお昼だったので、アーケードモールで、店を探しました。今回は中津の唐揚げでも食べてみようかと思っていたのですが、やはりラーメン屋に入ってしまいました。自分でよくこう年中ラーメンばかり食べているものと感心してしまいます。

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渋い店内。意外と客がいて、一席しかあいていませんでした。私は味噌ラーメンを頼んでみました。懐かしい感じで
なかなかおいしかったです。

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食後、仕事までまだ30分くらい時間があるので、中津市内で行ったことがない寺町方面を駆け足で散策してみることにしました。

途中、赤い欄干の橋などを作る整備事業をやっています。全体として公園として整備しているような感じ。

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さらになかなか魅力的なボロ宿も発見しました。営業しているのかどうかは確認していません。

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中津の寺町もなかなか風情のあるところです。派手な赤い壁のお寺や、

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かっぱの墓などがありました。

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さて、夕方仕事が終了したのでいよいよ豊後高田をめざします。まったく初めての町ですが、途中でバスに乗り換える宇佐駅には行ったことがあります。

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宇佐駅到着。

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豊後高田に行くバスは駅前から出ていて、けっこう本数もありそうです。

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バスに乗るとたぶん10分くらいで豊後高田のバスターミナルに到着。乗客は3人くらい。着いてみるとターミナル前にはタクシーもいて、交通の中心っぽい雰囲気です。

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「想い出の宇佐参宮鉄道資料展示中」と書いてありましたが、中には何もなさそうでした。昔はここにも鉄道駅があって、宇佐神宮まで結んでいたようです。

このターミナルに隣接して「昭和ロマン蔵」というのがあったのですが、すでに閉館時間を過ぎていたので、これは翌日に回して、宿まで歩いてみることにしました。その途中の商店街を「昭和の町」として観光開発しているというわけです。

地図を持っていないので、スマホのマップを頼りに歩いて行きました。ターミナル前の「駅通り」からして、なかなかいい雰囲気です。

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自販機も町の雰囲気を壊さないように、レトロ感を演出しています。

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喫茶店では昔風の「学校給食メニュー」も。こういう昭和レトロ的な町おこしというのは各地にあって、私もいくつか行ったことがあるのですが、ここは本物の町並みを使っているというのがすごい。

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少し行くと右る折れる「新町通り商店街」の看板。

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もう暗くなってきましたが、ひと通り歩いてみました。かなり本格的なレトロ商店街が続いています。営業している店も多かったです。

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「神仏習合発祥の地」の看板。これはちょっといわれがわかりませんでしたが、とにかく歴史のある町のようです。

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豊後高田は国東半島の入口にあたりますが、考えてみれば、古代からいろいろネタの多い地域で、日本神話にも出てきますね。姫島とかもいつかぜったい行ってみたいところです。古いお寺や磨崖仏などもあるので、本気で観光しようと思えばみどころは多そうですが、ちょっと市街地からは離れているので今回はあきらめました。私みたいに仕事のついでに来てしまうのはもったいないかもしれません。

商店街をさらに進み、「宮町通り」というのに左折すると、大きな鳥居が見えてきました。たぶんお宮があるので「宮町通り」なんでしょうね。

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映画館らしきレトロ物件も。

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この近くの川沿いにホテルがあるはずですが、探しているといきなり巨大ホテルと駐車場に行き当たりました。

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このへんも古い町並みが続いているのですが、いきなりの近代的豪華建築物です。

最近こういうチェーン系のビジネスホテルにあまり泊まらないのですが、結果的にけっこう便利なホテルでした。

部屋は普通。

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夕食は付いていませんが、一階にファミレスみたいな居酒屋があってそこですませました。すごく安かったです。

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マグロ赤身とタコの刺身。

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鶏の唐揚げ。

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締めに鍋焼きのチャンポン。

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これが全品280円です。特に地場の物ではないと思いますが、ついつい生ビール2杯とお酒1本飲んでしまいました。

このホテルに豊後高田市内の飲食店の案内パンフレットが置いてあって、「宮町商店街」の店が1軒ずつ紹介してあります。なかなか魅惑的なスナックやバーも紹介されていたのですが、居酒屋で酔っぱらってしまい、昼間も歩いて疲れていたせいか寝てしまいました。夜の豊後高田を散策できなくて残念でした。

翌朝はいよいよ「昭和ロマン蔵」に向かいましたが、その話は次回に。

[亀の井ホテル 大分豊後高田店](2013年1月宿泊)
■所在地  大分県豊後高田市高田2861-1
■楽天トラベルへのリンク→亀の井ホテル 大分豊後高田店
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中津城下の風情を感じる木造3階建て [中津市 旅宿 伸榮]

大分県中津市に用事があり、でかけたのは今年の2月。その時は小倉と門司に宿泊し、その話しも以前に書いたのですが、中津でもかなり惹かれる宿を発見しました。

外観を見ただけでどんな様子なのか、営業をしているのかもわかりません。しかし、歴史を持つ名旅館という雰囲気です。

中津に行くのは3回目で、数年前に一度、中津城や福沢諭吉せんせいの生家などを訪ねたことがありました。今回も少し時間があったので、もう一度中津城でも行ってみるかと思って歩いていて発見した宿です。

中津駅につくと駅前に福沢せんせいの像。

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前に来た時におひるを食べた駅前商店街に入ってみました。

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商店街の中に休憩所みたいのがありました。そこで時節柄、雛人形が飾ってあったのでしばし見学。

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城に向かう路地の先に「旅宿  伸榮」を発見しました。

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もう、たたずまい全体がたまらなくいい雰囲気。こんなのがあるのなら、中津に泊まることにすれば良かったと思いました。しかし、営業の状況については詳しく調べていないので、わかりません。ネットで調べた範囲では営業しているようにも見えるのですが。

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最近は木造3階建てを発見するだけで、うれしくなってしまいます。こんな貴重な宿は、ぜひ長く残してほしいと思わずにはいられませんでした。

歩いていると、あちこちに城下町時代の遺構を紹介する看板もあります。

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そして中津城に到着。なかなかきれいな城なのですが、天守は模擬天守で、さほどの価値はありません。前にここにきた時は野良猫と遊んだ記憶があるのですが、寒いせいか、彼らは見当たりませんでした。

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中津が城下町だということはわかりますが、詳しい歴史は知りません。しかしかなり古い雰囲気の建物が残っている感じがします。

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比較的新しく見える市営住宅を発見しましたが、なかなか渋い雰囲気で、街の雰囲気をこわさないようなデザインを意識しているようです。

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さらに駅に戻る途中で宿を発見。「旅館 大同館」。

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いろいろ宿があるということは、明治、大正以降もそれなりに需要があったのだと思います。最近はどうなのか‥。ビジネスホテルに負けずにがんばってほしい。

[中津市  伸榮旅館](2012年2月見学)
■所在地  大分県中津市京町3−1453
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地獄の迷宮に迷い込んだような不思議感覚の大露天鉱泥浴場 [明礬温泉 別府温泉保養ランド]

大分にいく予定があったので、ついでに別府温泉に泊まってみようと、選んだのがこの「別府温泉保養ランド」です。別府の中でも「明礬温泉」にあり、建物は会社の保養施設のような飾り気のない無愛想な雰囲気。1泊7500円くらいだったと思いますが、いろんな風呂がたくさんあるということでここを選びました。別府の駅からは山のほうにかなりのぼったところにあります。

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内部はかなり大きな建物で、1階のフロントに隣接して宿泊客が利用する食堂があります。部屋はあまり印象に残っていないので、とりたてて変わったところはなかったと思います。

問題は風呂でした。夕方宿について、とりあえずメインの内湯に行ってみたのですが、「コロイド湯」というやつです。これに隣接して鉱泥浴場、蒸し湯などがあり、薄暗い照明の中で数人の客が入浴していました。

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鉱泥浴場というのは、プレハブのような別棟にあり、あたりが満足に見えないくらいの暗さで、お湯の下には泥が沈んでいて、これを体に塗ったりして入浴します。床からお湯がわきだしているのがわかります。つかまり棒があるのですが、お湯の比重が重いため浮力が大きくて体が浮くため、この棒につかまるのだということでした。

こういった説明書きがあちこちに貼り出してあるのですが、微妙に日本語がおかしく意味不明なところも不気味でした。

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上の写真は宿のHPからお借りしました。
このほか、屋外に混浴の鉱泥大浴場があり、こちらは混浴です。夜中にいってみることにしました。夜中になると、そもそも温泉のあるブロックにいくまでが不気味です。とにかく暗いです。温泉エリアは渡り廊下を渡った先にあるのですが、だいたいこの渡り廊下が暗くて、地獄の底に続く通路のようです。温泉の入り口には広い座敷の休憩所があり、一応売店などもありますが夜は閉まっていました。

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内湯も含めてすべての温泉はつながっているのですが、通路や案内版がわかりにくくて、本気で迷子になってしまいました。コロイド湯から外に出ると建物の裏側を回って比較的小さな露天風呂(とはいえ普通で考えれば大きい)に出ます。この先に蒸し湯などがあり、さらに行くと大露天風呂があるのですが、内湯の鉱泥湯からも大露天風呂に抜けられるようになっており、ぐるぐると迷ってしまったのです。

最初に内湯の鉱泥浴場にもう一度入ってみましたが、夜に入ると、暗くて本気で不気味で、広い湯船の向こうに何かいそうな気がします。泥のまじったお湯は透明度ゼロで、誰かの手とか首とかがヌッと現れそうな妄想にかられました。

とにかく露天にいこうと、適当にドアやカーテンを開けて暗い中を移動しているうちに、ようやく電灯のついた内湯に出たのでひとまずホッとしていると、そこは女性用のコロイド湯。「変態つかまる」というニュースが頭をよぎりました。あわてて別のドアを出て、従業員通路のようなところを小走りしていくと、「露天鉱泥大浴場」という看板があったので、これを頼りに何とか無事にたどりつくことができました。


この大露天風呂もいくつかのブロックに分かれていて、ものすごく広いです。いまだに正確な位置関係はわかりません。混浴ですがあまりに広く、男女別の内湯とそれぞれ別の通路で直結していて、仕切りもあるので、女性もけっこう入っているようです。

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上の写真も宿のHPからお借りしました。あまりに広いので一部分しか写っておらず、全体像はわかりにくいと思います。

この露天風呂には内風呂以上に泥がたまっているのですが、なにしろお湯が非常にぬるく、泥だけは温かいので、なるべく泥を塗って温まるしかありませんでした。この風呂に若い男性が一人だけいたので、ちょっと話しをしてみたところ「神戸から旅行にきて、とくにあてもなくこの宿に泊まった」ということでした。一緒にきた彼女もどこかで入浴しているそうです。「どうやってこの風呂に出られたのかわからない。すごい温泉ですね」と彼もいっていました。二人で比較的温かい場所を教えあいながら長湯しました。

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一応休憩所に案内図があるので、あとで自分はどういうルートを歩いてしまったのか確認しようと思いましたが、マップを見ても結局よくわかりませんでした。夜でもあり、とてもカメラを持って歩ける広さではないので、露天風呂の写真は撮れませんでしだ。もっと明るい時にいけば良かったと思います。結局この露天風呂で出会ったのは神戸からきたカップルと、おっちゃんが一人、おばちゃんが一人でした。

ちなみに食事はまあなんというか、けっこう粗末です。粗末なのはまったくかまわないのですが、あまりおいしくないというか、なんというか。このときはハンバーグみたいなやつがメインでしたが、不思議な味でした。

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とにかくこれほど変わった温泉にきたこともなかったので、驚きの連続でした。東北の湯治場などには見られないダイナミックな迫力があり、露天風呂などはろくにメンテナンスもしていないのではないかと思いましたが、たぶんあれだけの泥にまみれて入浴すれば、お肌にはいいかなと思います。

いまとなっては、強力に印象に残っている個性的な温泉のひとつです。お湯も効きそうなので、長期滞在すれば体に良さそうな気がしました。夜なら肝試しにも最適です。

[明礬温泉・別府温泉保養ランド](2006年10月宿泊)
■場所 〒874-0843 別府市明礬紺屋地獄(?)
■泉質 硫黄泉、含鉄泉、酸性明礬緑礬泉(源泉かけ流し)
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“貸間旅館”という独特のシステム。食事は温泉の噴気で調理 [鉄輪温泉・陽光荘]

「別府温泉」は日本でもトップクラスの規模の温泉地で、いろんな宿がありますが、「鉄輪温泉」は湯治色が強くて、独特の雰囲気を感じる温泉街でした。「陽光荘」は、この地で独特の“貸間旅館”というシステムを取っており、要するに食事なしの素泊まりが基本。自炊か外食しながら滞在するのが基本です。このシステムは「鉄輪温泉」のほかの旅館にもあるようで、湯治で長期滞在するのに向いている、昔からのやり方なのだと思います。おそらく昔の湯治客はこうした宿で部屋を借り、各自で共同浴場に通っていたのではないでしょうか。

私たちは一泊しただけですが、確か料金は3000円ちょっとだったと思います。できたらまたいってみたいと思わせる、おもしろい宿でした。

鉄輪温泉には前泊地である別府八湯のひとつ「明礬温泉」からバスで行きました。別府八湯はそれぞれ雰囲気が違いますが、鉄輪温泉周辺はにぎやかな温泉街になっていました。歓楽色はあまりありません。古びた商店やお寺などもあり、なかなかいい雰囲気で、中にはちょっと場違いな感じの大衆演芸の劇場(なぜかヤングセンターという名前)なんかもありました。バス停の案内所で宿への道を聞いて、この温泉街を歩いているだけで、ちょっとしたタイムスリップ感を味わいました。

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宿につくと、最初に「足などが悪くありませんか」と聞かれました。つまり急な階段を上がった部屋に通してもいいかということでした。おそらく3階だと思うのですが、廊下や階段が入り組んでいて、どうも正確な配置はわかりませんでした。部屋は2面が廊下に面していて、非常に古い造り。部屋の独立性はほとんどなく、湯治宿というより、昔の安い下宿部屋のような感じでした。

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この宿の特徴は共同自炊場に温泉の噴気を利用した「地獄蒸し」という釜が1階と2階にたくさんあることで、これを使うとご飯も炊けるしさまざまな料理ができます。私たちは近くのスーパーで海老とじゃがいもと卵を買ってきて、夕食はこれらを蒸して食べました。ざるに並べてふたをして待つだけなのですごく簡単。調理器具や食器は借りました。調味料類も借りましたが、長期滞在するなら持っていったほうがいいと思います。地獄釜で蒸したいもや海老は、塩くらいしか使っていないにもかかわらず絶品でした。

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私たちがいった大きなスーパーのほか、すぐ隣にコンビニもどきの商店もありますのでいろいろ便利です。そのほか周辺には共同浴場や日帰り入浴施設の「ひょうたん温泉」もあり、一泊ではとても入りきれないので、もったいないと思いました。「ひょうたん温泉」にも行ってみましたが、ここはお湯をたっぷり使った豪華入浴施設で、休憩スペースや食事処も充実していて、とても良かったです。

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「陽光荘」自体、内風呂のほかにいろいろお風呂があって、内湯には薬草を使ったむし湯もついていました。このほか近くの別館にも岩風呂や露天風呂などがあって、宿泊客は入ることができます。私たちも宿のおばちゃんに勧められたので行ってみましたが、当日ほとんど人影が見当たらず、どこのお風呂もゆっくり入ることができました。

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旅館には表の玄関のほかに裏口もあり、構造が複雑です。1階には「地獄釜」の炊事場近くに洗濯機が2台おいてあり、宿泊客は自由に使うことができます。私たちも使わせてもらいましたが、炊事場や洗濯機置場周辺は生活感にあふれ、他人の家の裏口にきたみたいな雰囲気でした。宿の人もみんな何かと親切で、次第に旅館に泊まっているという意識は薄れ、知り合いの家にでもきたように気分になってきます。

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とにかく全体的にすべてが貧乏くさく、まさにボロ宿なのですが、何となく自分の家のようにくつろいでしまう感じ。宿泊当日には温泉街の道路工事をしていて、石畳などを敷いてきれいにするということでした。それもいいのですが、なるべくなら今のままの雑然とした雰囲気を壊さないでほしいと思いました。せっかく古い時代の雰囲気を残しているわけですから、その価値を大切にしてほしいと思います。


[鉄輪温泉・陽光荘](2006年10月宿泊)
■住所 〒874-0043 大分県別府市鉄輪井田3組
■泉質 塩化物泉(源泉かけ流し)
■楽天トラベルへのリンク→入湯貸間 陽光荘
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プロフィール

もんすけ

 古い湯治宿や駅前旅館など、日本が高度成長時代に入る前からあったような雰囲気の宿が大好きで、各地を回っています。
 どこにいってもそれなりに立派な宿が多く、個性的なボロ宿に出会うことは少なくなりました。
 10年、20年前ならもっといろんな宿が残っていたと思いますが、しかしいま現在でも、10年後、20年後に比べたら多くの貴重な宿が残っているはずです。そうした宿を記録に残していけたら、と思っています。

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