日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

岩手の宿

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

自炊湯治の風情を残す露天風呂が豊富な温泉宿 [夏油温泉 元湯夏油]

水沢で仕事があったついでに、夏油温泉に寄ってきました。夏油温泉にはだいぶ前にバイクで行って以来。泣く子も黙る東北の名湯のひとつですが、その時は北上からのアクセスが、山道に入るとかなり走りづらかった記憶があります。雨が降っていたせいもありますが。

しかし湯治場風情の残る元湯夏油の一角は、本当にすばらしい露天風呂天国だったので、いずれまたゆっくり行ってみたいと思っていたわけです。それが今回かないました。

昼頃北上駅到着。今回夏油温泉へは送迎バスで向かいます。その時間まで2時間近くあるので、駅周辺で昼食を食べ、時間をつぶす作戦でした。

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西口駅前にある複合施設の「おでんせプラザぐろーぶ」。これに入ってみることにしました。

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1階に北上ケーブルテレビのブースがあり、アジア大会の男子駅伝を放映中。もう40km過ぎの大詰めだったので、見ていくことにしました。川内選手残念。

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「おでんせプラザぐろーぶ」にはおみやげ屋やスーパーのほか、飲食店も入っていましたが、地下飲食店街ではあまり営業している店はありませんでした。射的場の廃墟も。

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このほか「クレヨンタワー」という建物にも飲食店街がありましたが、やはりあまり営業しておらず、適当な店がみつかりません。

何か北上らしい食事をしようかと思っていましたが、結局ホテルメッツの中華料理店でラーメン。名物の北上コロッケというのがありましたが、今回は食べませんでした。

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送迎バスの時間が近づいたので東西自由通路を通ってバス乗場のある東口に向かいます。

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時間にやってきた元湯夏油のマイクロバスに乗り込み宿へ。私のほかに10人くらいの客が乗り込みました。前に来た時の記憶より道がよくなっているような気がしますが、やはりかなり標高があり、宿の直前あたりはヘアピンカーブの連続。

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ついにあこがれの夏油温泉に到着。見た感じは前に来た時と特に変わっていないようでした。

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ここは普通の旅館設備もありますが、自炊部というのがあって、格安で素泊まりできます。というか、素泊まりが本来の湯治の形だったのだと思いますが、最近は旅館形式で泊まる人のほうが圧倒的に多いようです。今回、同じバスに乗っていた人々もみんな旅館。私はもちろん自炊部です。

フロントに入ると、「自炊の方はいらっしゃいますか」と呼ばれ、部屋に案内してもらいます。

両側に見えているのは旅館棟。

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こちらが敷地の奥に向かって並ぶ自炊棟で、今回は「夏油館」という建物の2階に部屋を取ってもらいました。このいかにも昔の湯治場を思わせる風情だけでも来たかいがあります。

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前に来た時は自炊客がかなり多く、もっとボロい大部屋に泊まった記憶があるのですが、今回は立派な個室。

食事も到着時に頼めば作ってもらえるそうです。前に来た時は食堂やうどん屋があったのですが、それはなくなっていました。

仲居さんに「20年以上前に来たことがある」というと、「それならずいぶん変わったでしょう」といわれたのですが、それほど変わっていない。前に来た時は食堂で晩飯を食おうと思っていたら、営業時間を過ぎてしまって、一晩をかっぱえびせんで過ごすことになりました。今回も食事ができないケースを想定して、北上のスーパーでおにぎりを買い、前日の残りのかっぱえびせんがあったので、食事は頼みませんでした。思えば私はかっぱえびせんのおかげでこれまでずいぶん危機を乗り越えてきました。ただし帳場付近には売店もあるので、とりあえず何か食べ物を入手することは可能です。

夏油館入口。

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熊の注意書きも。

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夏油館向かいのやはり自炊の「紅葉館」には団体が入っているようでした。

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部屋はこんな感じ。到着した時は布団干しの最中でした。

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自炊部といっても、こんな部屋に泊まれるので、まったく不便はありません。今回は冷蔵庫まで付いています。

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窓から見た景色。まだ紅葉には早いようです。川の音も聞こえますが、この川沿いに露天風呂が並んでいるわけです。

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夏油館の廊下。

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休憩所。夏油間では唯一ここにテレビがある部屋です。

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自炊場。今回は若い長髪のにいちゃんが一人で自炊していて、夕方になると何か炒めものを作っていました。ちゃんと自炊するとはえらいものです。

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お風呂は露天風呂がいくつかあるほか、本館の内湯も使えるので、全部入ろうと思うとなかなか大変です。昔あった洞窟風呂は入浴中止になっていました。

私はまだ明るいうちに、まずは一番近い「真湯」と「女の湯」に向かいます。お風呂自体は撮影禁止なので写真は宿のホームページからお借りしました。

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↓真湯。

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↓女の湯。

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どちらも適温で、女の湯は少し温いくらい。真の湯から女の湯にぽくには橋を渡るのですが、一緒に入っていたにいちゃんがタオル一枚の姿で「このままで行っちゃっていいんですかね」と聞いてきたので、「問題ありません」と応えておきました。前は川原沿いに裸のまま移動する人もいたくらいの温泉場です。川向こうに行くくらい、どうってことはありません。

基本的に混浴の露天風呂が多いのですが、最近は時間帯で分けているようで、女性には一回も合いませんでした。また女性専用の露天風呂も「滝の湯」という、かなりよさそうなやつがあります。

それと、以前と比べると視線を遮るような囲いが増えているような気がしました。前は本当に湯壺があるだけの露天風呂が多かったような記憶があります。

川向こうの女の湯は岩から流れ出る源泉のあたりには鳥居が作られており、なかなか風情があります。どこかの公務員のようなバリっとした髪形の眼鏡をかけたおっちゃんがじっくり浸かっていました。「ここは温いですね」と声をかけると、「そうですね。ここは長く疲れますが、向こうの大湯は、ちょっと入れないくらい熱いですよ」ということでした。

その後食事をして、ほかにやることもなくまたお風呂へ。食事はおにぎり一個とかっぱえびせん。

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熱いという「大湯」には暗くなってから行ってみましたが、じいちゃんが一人で湯船のそばに座っていて、お湯をすくって掛けていました。私は「そんなに熱くないのかな」と思って、いきなり入って奥まで歩いて行きましたが、その瞬間、とんでもなく熱いことがわかって、あわてて飛び出しました。じいちゃんが見ているのでさりげない風を装い、「なかなか熱いですな」と余裕を見せてきました。

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そのまたすぐそばにある「疝氣の湯」というのは狭い湯壺で、前に来た時は気に入って何回も入ったお風呂です。今回もかなり温くてゆっくり長湯できました。例の公務員風のおっちゃんとは、ここでも遭遇。ここは入りやすいせいか、けっこう人が集まり、自炊していた長髪のにいちゃんとも遭遇。なんだかこういう湯治場に慣れない感じのにいちゃんに対し、ほかのじいちゃんたちがいろいろ教えてあげていました。若い客がいると何となくうれしいのかもしれません。

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露天風呂は川沿いに降りた谷底にあるので、お風呂ごとに8時~9時過ぎくらいからの夜間は入浴禁止になります。だいたい11時以降はすべて入れなくなるようです。朝は明るくなってきたら入ることができます。

私は、朝はかなり早く起きて、旅館棟にある内湯の「小天狗の湯」というのに入りました。前に来た時は「白猿の湯」という内湯に入ったので、今回は違う内湯を狙ってみたわけですが、ここもかなりいいお湯でした。

最初電灯のスイッチがわからなくてうろうろしていると、跡から従業員らしき人がきて、付けてくれました。その人も一緒にサラッと入浴してすぐに出て行ったのですが、たぶん調理場の板前さんではなかったかと思います。

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朝も送迎バスの時間が決まっているので、それに合わせてフロントに行って精算をしました。自炊の料金は寝具などの借り方によって違うのですが、今回は3000円くらいだったと思います。

宿の入口付近には小さな祠と、樹齢850年という大きな杉の木が。

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今回も一泊だけだったのが残念。せっかくの露天風呂をじっくり堪能するには、せめて2泊はしたいところでした。

このあと、北上駅から帰るだけですが、そのまま東京に帰るのも味気ないので、平泉に寄ってみることにしました。

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平泉駅前。観光客多し。

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観光ポイントを巡回する「るんるんバス」に乗って中尊寺をめざします。じいちゃんの運転手さんが「るんるんバス発車しま~す」といちいち発声します。たぶんそんなことを大きな声でいうのは嫌だけど、運行マニュアルで決まっているんだろうなあと思って、少し同情しました。

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中尊寺の手前に「平泉文化遺産センター」というのがあったので下車してみました。平安時代を再現したオブジェなどなかなかおもしろいところでした。

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またるんるんバスに乗って中尊寺へ。

周囲はおみやげ屋さんや食堂もあり、このへんで朝食を食べることにしました。店の前には船橋とは関係ない、ふなっしーも発見。

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なぜにこんなところにふなっしーが。

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「ひらっしー」でした。

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このあたりの店で山菜そばを食べて中尊寺へ。観光地価格で高いけれど、このそばはけっこうおいしかった。

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最初、けっこう登りがきついです。

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上がってしまうと平地に。

お堂がいろいろあります。

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とにかく金色堂へ。

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金色堂を囲っている建物の中は撮影禁止なので、外から望遠で狙ってみましたが、何だかわからない写真になってしまいました。

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実物はやはり世界遺産というだけあって、なかなか迫力がありました。

こちらが中尊寺の本堂。

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帰りは下るだけなので楽です。

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途中平泉の町並みも見下ろすことができます。藤原三代の栄華をしのぶ。

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そしてまたるんるんバスに乗って駅まで戻り、一関で新幹線に乗り換えて東京に戻りました。水沢~夏油温泉と今回は2泊だった上に、平泉で歩いてやや疲れました。しかしやはり夏油温泉は最高でした。

[夏油温泉 元湯夏油](2014年10月宿泊)
■所在地  岩手県北上市和賀町岩崎新田1-22
■泉質  ナトリウム・カルシウム塩化物泉など
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夏油温泉 元湯夏油
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和室と大浴場が魅力の超格安ホテルに泊まる[奧州市 水沢翠明荘]

近頃東北地方の出張が多いです。今回は岩手県の水沢へ行った話です。というか、今は「奧州市」などというわけのわからない自治体名になっています。こんな市名に反対する人はいなかったんでしょうか。この時の合併で、水沢市をはじめ、歴史を感じる「江刺」「前沢」「衣川」などといった自治体名も消えました。今は奧州市内の区名になっています。

水沢といえば高野長英、斎藤實、後藤新平などの偉人を輩出した歴史のある城下町。付近には俘囚の長・アテルイ時代の史跡も多いところで、市名が消えたのは本当に残念。

しかし駅名は残っています。水沢駅は新幹線の水沢江刺駅から少し離れているので、私は一ノ関で在来線に乗り換え、水沢駅に向かうことにしました。

一関に来るのは7月以来。ピカチューも前に紹介しました。この立ち食いそば屋もいったい何回来たことか。ちなみにここの立ち食いのメニューには350円の「学割ラーメン」というのがあるのですが、どんなやつなのか一回見てみたいものです。

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一ノ関駅から在来線で水沢駅へ。私は水沢駅に降りるのは初めてです。

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水沢駅前。タクシーも多いしなかなか栄えています。さすが岩手県第3の都市。

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この日の宿は予約済みです。市内のホテルで、駅から10分くらい歩きます。朝食付きのプランなので、夕食は途中で食べるか、何か買っていこうという作戦でした。

しかし大通りはそれなりににぎやかですが適当な店はなし。私が好むような寂れた感じの店は裏通りにあるはず、と思い裏道に入ってみました。

飲み屋街なのでしょうが、まだ時間が早いせいか、どこもやっていません。

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そもそも営業しているのかどうかあやしい店も多かったです。

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そんなことをしているうちにホテルが見えてきてしまいました。

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その周辺にも店は見当たらず、こうなればとにかくホテルに入ってしまい、その後で改めて出かけるべきだろうと作戦を変更。そのままチェックインしました。

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普通のビジネスホテルかと思っていたのですが、けっこう独特の雰囲気を持った古そうな宿。フロントで浴衣やタオルを受け取るシステム。鍵をもらって部屋に向かいました。

ランドリーコーナーなどがあるところを見ると、長期滞在客も多そう。

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廊下は節電中。

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部屋はこんな感じの和室。ホテルにしてはかなりいい味を出しています。布団が出してあるのも好印象。必要なアメニティは揃っており、冷蔵庫も自由に使うことができます。お湯が入ったポットは廊下の流し台のところに置いてあって、必要な人はそこから各自で持っていくシステムでした。

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窓から見えた水沢の町並み。

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私はまずはさっさと布団を敷いてしまいました。

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その上で宿の案内を眺めていると、ルームサービスでいろいろ食事ができることを発見しました。これは好都合。「玉子丼(味噌汁、香の物付き)430円」がなかなか魅惑的です。もう出かけるのも面倒なので、これで食事を済ませることにして、お風呂に行きました。風呂帰りにフロントに寄って「ルームサービスがあるんですか」と尋ねたところ、「時間は決まっていますが、やっております」ということでした。

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お風呂は大浴場で、24時間入ることができます。これも非常に便利。行ってみると数人の先客がいましたが、円形の大きな浴槽が中央にあり、かなりの深さがあります。全体的に銭湯みたいな感じの風呂でした。なかなか快適です。

部屋に戻って布団で横になっているうち、うとうとしてしまい、気がつくと8時20分。合わせて起きてルームサービスのメニューを見ると、やはりオーダーは8時15分まででした。今夜のめしがない…。

まあそこから出かけて居酒屋などを探してもいいのですが、もう気力もなく、ホテルの1階売店でかっぱえびせんを買ってきて食べました。カップ麺なども売っていたので、お湯をわかせばそういうのも食べられます。

翌朝は早起きしてまたもお風呂に入り、朝食時間と同時に食堂へ。しかしすでにけっこう客がいます。

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こんな感じ。あまり種類は多くありませんが、洋食を選ぶこともでき、ドリンクバー付き。朝食としては十分で、味も悪くなかったです。私は昆布とこんにゃくを煮たやつが気に入ったのでおかわりをして、それをメインにご飯を食べました。そもそも朝食付きで3700円くらいの安さだったので、朝食のメニューなどに文句をつける筋合いではありません。

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この日は水沢区内での仕事があり、場所が少し遠いのでフロントにタクシーを呼んでもらって宿を出ました。夕食を食べられなかったのは残念でしたが、私としてはかなり納得感のあるホテルでした。

しかし本当の楽しみはこれから。この日はそのまま帰るのではなく、北上まで足を伸ばし夏油温泉に泊まる予定。

仕事が終わって水沢駅に戻り、在来線で北上駅をめざします。水沢も城下町なので武家屋敷など見どころがあるのですが今回はパス。下の写真は水沢駅の待合室。

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菊池雄星くんはさすが岩手県の有名人だけあって、純情米のキャラクターになっていました。

駅前で見つけたポスト。国立天文台の観測所が水沢にあるのにちなんだもののようです。

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改札が開いたのでホームへ。この時、窓口でチケットを買っていたじいちゃんの動きが緩慢で、間に合わないのではないかと心配して見ていました。しかもようやく買ったチケットをすぐに床に落としてしまい、それに気づかずに列に並ぼうとする始末。しかし列でそれを見ていたおばちゃんたちがキップを拾ってあげて、寄ってたかって世話をしたので、じいちゃんは無事に列車に乗ることができました。こういうお節介というか世話焼きのおばちゃんがいるおかげで日本の平和が保たれているのだ、と改めて感心しました。私も旅先ではよくうかつなことをしでかしますが、面倒見のいいおばちゃんに助けられることが多いのです。

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さて、いよいよあこがれの夏油温泉に向かいますが、その話は次回にします。

[奧州市  水沢翠明荘](2014年10月宿泊)
■所在地  岩手県奥州市水沢区大手町5丁目33番地
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ほっとゆだ駅からバスで行く山間の温泉宿 [湯川温泉 新清館]

東鳴子温泉に一泊後、次の目的地は岩手と秋田県境にある「ほっとゆだ駅」。湯川温泉の「新清館」という宿をめざします。駅に温泉が付いているので有名な駅です。

湯川温泉とはいうのは、東鳴子温泉・まるみや旅館のご主人キクちゃんによると、おすすめの自炊宿がある渋い温泉場だそうです。私は初めて。しかし、今回はメインの温泉街の手前にある「水清館」を選びました。ボロ宿ではなく普通の立派な温泉旅館です。前日は自炊宿だったので、一応2日目はまともな食事を食べてみようという魂胆でした。

陸羽東線に乗って、小牛田到着。東北本線の乗換駅でなかなか混雑しております。

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しかし少し時間があったので1階の待合室というか、観光案内所のようなところで勝手に暖を取りつつ、時間をつぶしました。少し駅前にも出てみました。

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なかなか渋い駅前旅館も発見。「旅館旭館」。由緒ありそうな宿ですが、建物自体は新しくなっているようです。

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年末の帰省時期でもあり、東北本線も混んでいました。北上まで直通列車はなく、一関で乗換。

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一関駅ホームの立ち食いそば。ここは前に気仙沼に行った帰りにそばを食べた店です。しかし今回は乗換時間が迫っていたので弁当を買いました。

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この弁当を、北上駅の待合室で食べようという作戦です。弁当はなかなかおいしかったので、「はやて」でビールと味噌汁を買って一緒に飲みました。こういう真っ昼間に弁当を食べながらビールを飲むというのは最高ですね。

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北上駅に来ると必ず撮影してしまう鬼剣舞。

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さて北上線の発車時刻が来たので列車に乗り込みました。これであとは「ほっとゆだ駅」まで1本。さらに行けば秋田の横手に到着します。横手も前に大雪の時期に行って、かまくらを見物したものでした。その時に泊まった宿「尾張屋旅館」さんにはずいぶんお世話になりました。

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雪は昨日の東鳴子でだいぶ降ったわけですが、列車が進んで山の中に入っていくと、それどころではない積雪量になってきます。

ほっとゆだ駅到着。

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駅売店は、お風呂の番台を兼ねていました。しかし、駅のお風呂は明日の帰りがけに入ることにして、とにかく宿をめざします。

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湯川温泉まで行くバスが駅前で待っていました。

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「新清館」到着。バス停の真ん前ですごく便利。道路をまたぐ形で2つの棟がつながっているという不思議な建築。

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ロビーにはクリスマスツリーが。やはり立派な温泉宿なので、ロビーも広く、なかなかゴージャスでした。

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通された部屋も立派。こういう立派な部屋に泊まるのは久しぶりです。

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浴衣もなかなかスタイリッシュなやつがそろっていました。

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外はかなりの積雪。しかも現在進行形で降っています。明日の朝、無事に駅まで戻れるか不安になります。

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しかし、この宿もこうして立派に見えますが、実はもともとは湯治宿だったらしいです。美人若女将がいうには、昔からの常連客がいて滞在することがあるので、新しい建物になったときにも、1階に引き戸の部屋を作り、湯治客を受け入れているということでした。

確かにその面影は残っていて、食事をつけてくれるプチ湯治や、格安で自炊滞在できるプランもありました。私が泊まった日にもばあちゃんが一人、湯治部屋にいました。

お風呂も混浴の大浴場と男女別の大理石風呂があります。混浴のほうが、昔からの面影を残しているのでしょうか。

まず混浴大浴場に行ってみました。こっちのほうが部屋から近いです。

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脱衣所と大浴場。レンズが曇ってよく写りませんでした。脱衣所は男女別になっていますが、中で合流するスタイル。この日の夜も、おばちゃんが入ってきましたが、あまり人が多い感じでもなく、何度もゆっくりつかりました。

道路をまたぐ通路を抜けると男女別の大理石風呂です。こちらも大浴場と似たような雰囲気でした。とにかく源泉の温度が高いので、かなり温まります。

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そしてお待ちかねの夕食。久々の豪華料理。お膳に乗り切らないくらいの感じでしたが、やっぱり冬なので、鍋がおいしかったです。またもビールを飲み、お酒の熱燗も頼みました。

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酔っぱらってしまったので、布団を敷いてもらって早めに寝てしまいました。

翌朝も早くから風呂に入り、朝食はこんな感じ。布団をあげるのも面倒だったので、少し片づけてお膳を出してもらいました。この宿は家族経営なのか、小さい子供2人が朝食準備のお手伝いにきていました。将来は女将さんになるのでしょうか。

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この日も長距離移動になるので、バスの時間に合わせて早めに出発。外はかなり雪が積もっています。

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宿の真ん前のバス停もこんな感じ。最初これが見つけられず、目の前にあるのに、女将さんにバス停はどこですか、と聞いてしまいしまた。

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しかしこのへんの人はさすがに慣れていて、道路の雪かきも始まっていました。

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そして再びバスでほっとゆだ駅へ。

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駅前も、もうどこが道やら知れずという感じですが、正面の建物はレストランや休憩所、おみやげ屋などが入った物産館のような建物で、お風呂に入った後、ここで地場産の飲むヨーグルトを飲んでみたらおいしかったです。

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さてそのお風呂ですが、売店でお金を払い、普通の銭湯のような感じで入浴します。お風呂の中には鉄道用の信号機があって、普段は青色ですが、発車時間が近づくと黄色くなるという趣向。黄色くなったらお湯から出て、必死に着替えれば、なんとかまにあうかもしれませんが、それだと落ち着かないですね。

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貸し切り風呂も付いていて、その横の階段を上がった2階が休憩室になります。

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自販機くらいしかありませんが、ここで休憩しながら何回もお風呂に入るというのもオツかもしれません。普通の温泉施設のような使い方ができそうです。何にしても、この部屋が暖かくて、外に出たくありませんでした。

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お風呂に入る前にチケットを買おうと思って、窓口に行ったら雪かきで不在でした(笑)

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駅員のおっちゃんはすぐに戻ってきて、「チケットは自販機でも替えるよ」というのですが、実はこの日、北上から盛岡に行き、さらにいわて銀河鉄道線と青い森鉄道を乗り継いで八戸まで行く予定だったので、自販機ではまずかったのです。しかし、聞いてみたら結局第3セクターのチケットはここで買うことができず、盛岡までしか買えませんでした。

雪まみれの列車が近づくほっとゆだ駅ホーム。

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盛岡ではまたも飽きずに立ち食いそば屋で昼食。ラーメンと山菜そば。実は盛岡駅の「はやて」も何回か寄ったことがある店で、私はわりと気に入っています。

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下の写真は2年くらい前に行った時にとった写真です。

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盛岡から八戸に行くのなら新幹線に乗ればあっと言う間なのですが、わざわざ第3セクターを乗り継いでいくのも酔狂なことです。料金もそんなに安いわけではありません。

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吊り広告をみていると、「ぎんが食堂」とか「列車deスイーツ」とか、いろいろ努力をして収益向上をめざしているようです。もともと東北本線という基幹路線だった第3セクターは、地元にとって大変貴重な存在なので、これからもがんばってほしいと思います。

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[湯川温泉  新清館](2013年12月宿泊)
■所在地  岩手県和賀郡湯田町湯川52地割121-2
■泉質   ナトリウム 塩化物 硫酸塩泉
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建て替えですっかりきれいになった伝統の駅前旅館 [盛岡 旅館 大正館]

去年の暮れの大雪の中、角館から弘前・五所川原あたりを回ってなかなかおもしろかったのですが、2月になってまた秋田方面に行く用事ができました。その帰りに盛岡に前から泊まってみたい宿があったので、一泊してみることにしました。

「旅館  大正館」です。かなり古い歴史を持った宿で、以前にも宿の前を通ったこともあり、機会があれば一度は泊まってみたいと思っていた宿です。近頃東北方面は、復興事業がらみで宿もけっこう混んでいるという話をどこかで聞いたのですが、電話をしてみるとサラッと予約がとれたので素泊まりでお願いしました。

とにかくこの日は日中、秋田市内で仕事があり、盛岡には何時につけるかよくわかりませんでした。

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結局秋田駅のなまはげから見送られ、こまちに乗ったのは夕方頃。

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車窓の景色からも冬の夕暮れらしい寂寥感を感じます。

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年末に泊まった角館駅などを懐かしく思い起こしながら、やがて盛岡に到着。すっかり暗くなっていました。

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もう7時くらいになっていたので、とにかく夕食をどこかで食べなくてはいけません。しかし雪が降っていて歩きにくいので、結局盛岡駅のすぐ前にある「東家」にしました。いわずと知れたわんこそばの名店。本店ではありませんが、その気になればこれからわんこそばに挑戦することもできます。

しかし私は奥の座敷に通され、ビールとおつまみ系の定食を注文。仲居さんが新聞を持ってきてくれました。

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ここで食べていると、隣のテーブルに年配の男性と若い男性のコンビ客が入り、わんこそばをやりはじめました。おもしろいので見ているとどうも素人みたいでした。若いほうがだいぶ食べたところでお椀のふたを勝手に閉めてしまったのですが、仲居さんがそばを持って戻ってくると「私たちがいる時にふたをしないとダメなんです」といわれて、また食べ続けさせられていました(笑)。

ようやくのことでふたをしたのですが、仲居さんが「本当にぜんぶ食べましたか?見せてください」といわれてふたを開けると、そこにまたそばを追加するという騙しうちをくらっていました。私も昔学生時代、まったく同じようにいじめられたことがあったので、同じ技が何年も受け継がれているんだなあ、と感動しました。

若いほうの客は結局100杯以上食べて、免状をもらっていました。私が2年前に本店で食べた時は87杯止まりだったので、たいしたものです。

駅前から宿までは歩いて5分程度なので、雪の中を歩き始めました。寒いし、滑りそうで歩きにくいです。

不来方橋付近。新しい橋みたいですが、なかなか風情がある橋です。写真は失敗。

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開運橋方面。盛岡も昔とはどんどん変わっていきます。どこにでもある近代都市になっていくのでしょうか。

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やがて宿が見えてきました。

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しかし「あれっ」という感じ。

私が以前に目撃したレトロモダン調の「大正館」は下のような感じ。この宿はどこに?

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(↑の写真は岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合さんの「岩手の宿」からお借りしました)

まったく新しく建て替えられていました。

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私としてはすごいショックです。やはり来るのが遅かったのか。

瀟洒な一軒家みたいな玄関を開けてみると、すぐに受付のカウンターがあり、奥はラウンジみたいなおしゃれな空間になっていました。

しかも出てきたのが若い美人女性スタッフ2人。とてもボロ宿ブログなどで紹介できる雰囲気ではないような気が。インテリアや小物なども洒落ています。きれいで新しいということは普通の人ならむしろ喜ぶべきところではありますが。

私は素泊まりなので前金を払い、まだショックから抜けきれないまま部屋に通してもらいました。

部屋も当然のことながら、きれいでシンプルな和室に。空調もよくきいて暖かく、まったく快適な近代的旅館でした。私は古い宿が好きなのですが、唯一困るのが真冬の寒さです。そんな心配はまったくありませんでした。

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洗面台やトイレも今どきのトレンドを取り入れたかっちょいいデザイン。トイレなどあちこちにセンサーライトが付いており、電気を無駄にしない最新型省エネ設計にもなっていました。

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建物の中央付近に大きな階段があり、吹き抜けのようになっています。

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この階段の下にお風呂があるのですが、ちょうど他の客が入浴中で、「空いたら部屋までお知らせにいきます」といってくれたので部屋で待ちました。

最初から布団が出してあったので、さっそく敷いてやれやれと横になりました。

それにしても、いったいいつ建て替えたのでしょうか。ちょっとしたリフォームではなく、全面的に建て替えたようです。昔盛岡駅周辺は古いおもしろい宿がほかにもあったのですが、もう残っていません。本当に残念。大正館はいろいろ大変な中で、まだ旅館を続けてくれているというだけでも、感謝しなくてはいけないでしょう。

そんなことを思っているとドアがノックされたので、「ああ、お風呂が空きましたか?」と立ち上がると、先程の若い女性スタッフではなく、まさにこれぞ本来の「大正館」という感じのおばちゃんが部屋に入ってきました。

「いやお風呂はまだなんだけど、どうぞこれ」といってくれたのがチョコレート。客のみんなに配って歩いているみたいでした。そういえばこの日はバレンタインデー。

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まさかきれいに建て替えられた大正館で、南蛮人の祭りがゆかりのチョコまでもらうとは‥‥。しかしその気持がうれしかったので、ありがたくいただきました。

その後お風呂へ。お風呂もきれいでゆったりしていて快適。

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廊下に共用の冷蔵庫があり、缶コーヒーなどの飲料がたくさん置いてありました。よくわかりませんでしたが、たぶんサービス品らしかったので2本もらいました。

とにかく部屋がきれいなので、私としては落ち着かず、改めて酒でも飲みに行きたい気分でしたが、ますます雪が降り寒そうなので、そのまま寝てしまいました。

翌朝も外は雪。

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8時前くらいになって、そろそろ出ることにしました。中央階段とは別の階段をおりて下に降りるとすぐに受付カウンター。勘定は済んでいるのでちょっと声だけかけると、昨夜のおばちゃんが見送りに出てきてくれました。

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私は「この家は最近建て替えたんですか?」と聞いてみました。

するとおばちゃんが「そう。道路の拡幅計画があって、前よりずいぶん小さくなりました」というので、私が「そうですか。でもきれいないい宿になりましたね」というと、「そうですね‥。前はこの3倍くらいはあったんですけどね。ちょうど100年目だったのに、すっかり建て替えてしまいました」と少し寂しそう。

私の勝手な印象ですが、どうもおばちゃんは前の家のほうが気に入っていたみたいです。やむを得ない事情とはいえ、こうして少しずつ街は変わっていくのでしょう。

見送られて宿を出ると、やはり雪。きれいになった大正館は、看板だけが伝統を伝えているような雰囲気を出しています。

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宿の前のこのへんが道路拡張部分になるのでしょう。駅から近い幹線道路沿いなのでしょうがありません。

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この日は、ちょっと盛岡駅ビルで買い物をしたい用事があったので、10時頃までコーヒーを飲んだり、立ち食いそばを食べたりして時間をつぶしました。ちくわ天そばがなかなかおいしかったです。

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さらに「はやぶさ弁当」も購入。容器が欲しかっただけなのですが、これは持ち帰って家で食べました。
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そんなわけで、今回は思った形とは違ったことになってしまったわけですが、普通のお客さんにとっては、非常に快適ないい宿であることはまちがいありません。料金も安いです。

とにかくこれも時代の流れというものでしょう。「古いほうがいい」という私のような変人は、もっとがんばって早めに泊まりにいくようにするしかありません。

[旅館  大正館](2012年2月宿泊)
■所在地  岩手県盛岡市大沢川原2-5-30
■楽天トラベルへのリンク→旅館 大正館
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車窓から見た気になる街道町の商人宿 [千厩 勢登屋旅館]

ゴールデンウィークに酒田から東鳴子温泉、さらに松島、塩釜あたりと東北地方を回ったのですが、その直後に、今度は仕事で気仙沼に行く用事ができました。

せっかくなので気仙沼で一泊しようと思っていたのですが、市内の宿は満室で取れず、しかたがないので気仙沼から大船渡線で20~30分一ノ関よりに行ったところにある千厩という町にある宿を予約しました。

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気仙沼に泊まれないのは不便ではあったのですが、このあたりも一度ゆっくり訪問してみたいと思っていたところです。これまで何度か大船渡線に乗る機会があり、途中の「摺沢」とか「千厩」という駅前が山中にも関わらず妙に人家が多く、古そうな建物が多いことを不思議に思っていました。

なぜこういうところに大きな町があるのか。この機会にその秘密を探ってみようかと。

ただちょっとネットで調べてみると、このあたりも震災後のボランティアの拠点になっているようで、気仙沼とか南三陸、大船渡あたりで働く人が、大勢泊まっているような気配でした。

しかし千厩の「勢登屋旅館」という宿に電話してみるとあっさり素泊まりで頼むことができました。どんな宿かはまったく情報なし。

気仙沼を夕方6時発の電車に乗って千厩駅に到着。もう暗くなりかけていました。

駅前はこれまでも車窓からみたように大きなロータリーになっていますが、実際に営業している店はほとんどなし。タクシーは何台かいました。駅から歩いて何分くらいなのかわかりませんでしたが、駅からの1本道に沿った旅館だし、そんなに遠くはないだろうと思って歩き始めまた。

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歩き始めて思いましたが、どうも古い街道みたいな雰囲気です。昔の宿場だったのかどうかわかりませんが、たぶん古くから栄えてきた交通の要衝みたいな雰囲気です。

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素泊まりなのでどこかで食事もするつもり。宿には到着は遅くなるといってありました。

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しかしどうも飲食店が見当たりません。ようやく10分くらい歩いたところに中華料理屋発見。もう選択する余裕はないと見て、すかさずここに入りました。

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中は普通の中華料理屋さん。ビールと餃子とラーメンで食事。すごくおいしいシンプル系ラーメンでした。

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店を出るともう真っ暗でした。さらに歩き続けましたが、なかなか宿が見つかりません。だんだん不安になってきました。

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人通りはまったくなく、たまにクルマが通りかかる程度。根本的に道をまちがえているのではないかと心細くなったりしましたが、その可能性は少ないとみて、ひたすら歩きました。

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ついに宿を発見。駅からまっすぐ歩くと15分か20分程度だと思いますが、すごく遠く感じました。

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外観はそんなにボロくないですが、さびれたいい雰囲気です。

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宿に入って「こんばんは」と呼ぶと、おっちゃんが出てきて2階の部屋に案内してくれました。部屋に荷物を置くと、おっちゃんが「先にトイレとかお風呂を案内しますから」というので、そのあとをついていきました。

廊下には明かりもなく、真っ暗。階段の電気は接触が悪いのか、ついたり消えたりしていました。

「このあたりは地震の被害はなかったんですか」と聞くと、「まあ、揺れたけれどそんなに大きな被害はなかった。でもここらでは古い蔵がずいぶん崩れたね。うちも壁がひび割れたりね」

確かに壁がひび割れて少し崩れた跡も残っていました。

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お風呂は「入りたくなったら、いってくれればすぐ準備しますから」というので、「もう食事もすませたし、すぐに入りたい」というと、「じゃあ10分くらいで入れますから、特に呼びには行きませんが、入ってください」ということでした。

改めていったん部屋に戻ると、なかなかの部屋です。これはけっこうすごい。

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テーブルもありますが、このテーブルにひじを乗せて体重をかけてやれやれと思っていると、テーブルの脚が相撲の股割のように開いて、次第に沈んでいきます。あわてて体を起こしました。

テレビもありました。

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やっぱり白黒。白黒でも星野監督が不機嫌そうなのはわかる(笑)

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そのほか何の備品もなし。歯ブラシやタオルなんかもないのですが、そのへんは予想していたので特に問題はありません。しかしハンガーもないので、スーツをタオルかけにかけるなど、いろいろ苦心しました。

お風呂は普通。お湯もよく出ました。ほかの客がいないと思ったので、風呂からでがけに開けっ放しでタオルで体を拭いていると、工事のおっちゃんらしき2人がトイレにきて「こんばんは」と挨拶していきました。パンツだけでもはいていてよかった。

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宿のご主人の話によると、この宿は確か昭和24年といっていたと思いますが、戦後まもない頃の創業。その後岩手国体の開催に合わせて大規模な補修をしたそうですが、岩手国体っていったいいつのことでしょうか。

料金の確認をしていなかったので、最初は素泊まりで3000円か3500円くらいか、と思っていたのですが、このボロさだと、2000円台もありうるな、と思いました。

まあ、私としてはすごく気に入ったので、お風呂のあとは部屋でのんびりすごしました。

早めにふとんに入って翌日の計画を考えたり、テレビを見たり。翌日は宮城の白石に泊まる予定だったので、それまでどこに寄ってみようか、などなど。そんなことをしているうちに寝てしまいました。

明け方、驟雨の激しい音で目が覚めました。「雨だとすると、どこに行くにしても面倒だな」と思いましたが、すぐにあがりました。

明るい中でみると、かなり古い宿だということがわかります。ちょっと大きそうな部屋をのぞいてみたら、いい部屋でしたが布団部屋になっていました。

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裏のほうは家族の居住スペースだったんでしょうか。

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朝食も頼んでいないので、8時台の電車に乗るために早めに宿を出ることにしました。

料金は3000円でした。出掛けにおっちゃんと話してみました。

私 「戦後すぐの創業ということだと、この宿はご主人が始められたんですか」
おっちゃん「いやいや、うちのばあちゃんが始めた。私はまだその頃はまだ子供だった」
私 「あっ、やべっ失礼しました。そりゃそうですよね。でもこのあたりに、なんでこんなに大きな町があるんですか」
おっちゃん 「ここは一関と気仙沼をつなぐ街道の拠点で、東磐井郡の中心地だったんですよ。昔はタバコの一大産地でね。それと繭だね。そういうことで通行する人も多かった。今はバイパスができてしまったけどね」
私 「それにしても、こんないい雰囲気の通りが残っているなんていいですね」
おっちゃん「子供の頃は本当によかったよ。クルマなんて通らないし、にぎやかな通りだったんだ」
私 「知らないでくると、いきなり大きな町があるんでびっくりしますよね」
おっちゃん「そういえば、つい5月の初めに“夫婦岩サミット”がこの千厩であって、全国から人が集まったんだよ。千厩にも、ここから駅に行く道沿いに大きな夫婦岩があるから、見ていくといいですよ。それは大きいもんだよ」

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そんなことを教えてもらい、名残を惜しみつつ宿を出ました。久しぶりの見事なボロ宿だったので、うれしくてしょうがありませんでした。

宿を出るとすぐ向かいにも宿がありました。「旅館こんけい」。こっちは少し洗練された感じかも。でもなかなか良さそうです。

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昨夜は暗くてわかりにくかったですが、外観はきれいなタイル貼り。駅まで歩く通りには、やはり古い風情のある家が多かったです。

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路地にもつい入ってしまいたくなるような趣が。

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ここは元は旅館か料亭でしょうか。現在は商売をやめているようでした。これが宿で、営業していたならぜひ泊まってみたかった。

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のどかな川も流れていました。

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地元中学生が「おはようございます」と挨拶をして通り過ぎていきました。私にもあんな純真な頃があったのに‥。

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途中で夫婦岩も発見。なかなか見事なやつなので驚きました。“夫婦岩サミット”なんて、まったく知りませんでした(笑)。なんとなくおごそかな感じなので、思わず拝んで、さらに駅に向って歩きます。

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古そうなだんご屋さんもあって、すでに店を開けていました。こんなのがあるということは、やはり街道筋ならではかも。

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駅前に到着。ちょっとミスマッチな像と廃業した店舗群が、過去の繁栄を伝えています。

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10分くらい前に改札にいくと駅員さんが、「ここのところだいたい遅れますけど、もう入りますか」というので、「入って待ちます」といってホームに向かいました。東京までの普通乗車券を買ってあったので、乗り降り自由自在。


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のどかな駅風景です。気仙沼で宿が取れなかったおかげで、前から気になっていた古い町に寄ることができました。古い街道の雰囲気を残した、本当に趣のある町でした。

[千厩  勢登屋旅館](2011年5月宿泊)
■所在地  岩手県一関市千厩町千厩字町25

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名湯「白猿の湯」は湯底から湧きだす深さ1.25mの源泉かけ流し [鉛温泉 藤三旅館]

花巻南温泉峡は、花巻市の西側、豊沢川沿いに並ぶ温泉群。このなかで唯一行ったことがあった大沢温泉の自炊部は、すごく気に入っていて何回も訪ねています。

今回は違う温泉にも泊まってみようと、同じく湯治部という自炊システムのある鉛温泉の「藤三旅館」に行くことにしました。ここも有名な温泉です。前日遠野から湯治部に電話してみると、電話に出たおっちゃんが休前日だというのに「部屋はいくらでもあいております」というので、予約しました。その時、花巻駅から花巻南温泉峡を巡る無料シャトルバスと、路線バスについて、時間や乗り場などを詳しく教えてくれたので大変助かりました。

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花巻駅は新幹線が通る新花巻駅とはだいぶ離れていますが、どちらからでも無料シャトルバスに乗ることができます。バスの時間より少し前についたので、駅の周辺を散策してみましたが、特におもしろいものは発見できませんでした。今はなき岩手軽便鉄道・花巻駅の駅跡の石柱があったくらい。

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バスがきたので運転手さんに行く先を告げて乗り込みます。客は全部で15人くらいでした。志戸平温泉、大沢温泉など、宿泊客が申告した宿をすべて回ってくれます。こうしてみると、花巻南温泉峡も大規模な観光ホテルが多く、あまりそそられませんが、大沢温泉は山水閣の前に停めてくれたのですが、懐かしく感じました。やはりこっちは客が多そうでした。

鉛温泉に行く前にみんな降りてしまい、私だけがバス停でおりると、宿の迎えのワゴン車が待っていて、ここでさらに乗り換えて急な坂を1分ほど下って宿の前に付けてくれます。湯治部は、旅館部とは別の入り口になっていて、久しぶりに見る本格的なボロ宿でした。

旅館部と湯治部は、一応つながっていて相互にお風呂の一部を共用しているのですが、湯治部の客はスリッパの色でわかるようになっていて、旅館部のロビーやトイレなどの豪華近代設備を使っていはいけないことになっています。また日帰り客のスリッパの色も違っていて、それぞれの身分が明確にわかる厳しい身分制がとられていました。

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大きな帳場があり、そこに通されて宿帳などに書き込みます。数人のおっちゃんが手慣れた感じで働いていました。部屋に通される前に初めての客には温泉の説明があります。なんといっも混浴の「白猿の湯」が有名。男女別の時間帯などの説明があって、それから湯治部の廊下を延々と巡り、比較的売店や「白猿の湯」に近い部屋に通されました。

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写真だとそれなりにすっきりした感じで写っていますが、かなりボロくて建てつけなども悪いです。窓際には少し食器ややかんなどが置いてありました。窓に外には豊沢川が流れます。大沢温泉より上流なので、少し流れが早く感じます。

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とりあえず売店が7時くらいには閉まるといのうで、どんなものが入手できるのかチェックしてみることにしました。

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売店ゾーンはいくつかの店に分かれていて、木戸を閉めている店もあります。ばあちゃんやじいちゃんが店番をしていましたが、みんな意外なほど営業熱心で、「幾日泊まるんだ?」とかいろいろ話しかけてきて、何かと食べ物なんかを勧めてきます。あまり多くない客をつかまえようと必死なのでしょうか。

この日の夕食をどうするか特に考えていなかったのですが、この数日、毎日食べ過ぎ感もあったので、簡単なもので十分だと思っていました。釜石のスーパーで買った「ペヤングヌードル」も持っていたし、南部せんべいやせんべいの耳も入手済で、最悪の場合、そんなのでもいいかなと思っていました。

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結局ビールだけじいちゃんの店で買ったのですが、いろんなおつまみや惣菜なんかを勧めてきます。ビールも「うちは自販機より安いんだ」といってました。確かにけっこうなんでもそろっていて、数日滞在するのに十分な品揃えでした。今でも冬の湯治シーズンなんかにはけっこう繁盛しているのかもしれません。

お風呂はいくつかあって、旅館部のほうのお風呂にも一部入ることができます。ただ基本的に写真撮影は禁止と書いてあったので、宿のHPからお借りしました。

まず白猿の湯。この廊下の右側がお風呂になります。

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湯治部の露天風呂(桂の湯)。

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このほか滝が見える「白糸の湯」とか、全部で5種類くらい入ることができたのですが、ほとんど「白猿の湯」に入っていました。「白猿の湯」はおそらく湯底の岩の間から湧き出している源泉をかけ流しています。長い階段の下にあるすごく風情のあるお湯でした。でもやたらと深く、一応段差はつけてあるのですが、お年寄りなんかは危険かもしれません。けっこう入るのにコツが必要でした。

深いところに立つと肩くらいまでの深さがありました。すごくゆったりくつろぐことができます。そのほかに温くて浅い円形の湯船もありました。

結局この日はビールと持ち込んだおつまみを食べたくらいで夕食は抜き。売店で買った地酒も飲んでみました。ほかの部屋の様子を見ると、自炊部でも食事を頼んで出してもらっている人が多いようでした。廊下に食べ終わった器などが出ていました。

とにかく全体的に時間が止まったような昔の湯治場の雰囲気が漂っています。炊事場も大きなやつがありました。

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夜は川の音くらいしか聞こえず、こんな寂しい部屋には真冬にきて数日こもってみたいと思いました。翌朝も早く起きて「白猿の湯」に長湯しました。前日、宿のおっちゃんは、「こんなにすいている日は珍しい。ゆっくり入るといいよ」といってました。

朝も食事の準備がないので缶コーヒーを飲むくらいで、またもワゴン車とシャトルバスで駅に向かいます。朝になって改めて宿の様子を見ると、やはりかなりのボロさ加減がわかりました。

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江戸時代の湯長屋から発祥したという「藤三旅館」。建物はもちろん変わっていますが、今でもその湯治の雰囲気がどこか感じられるような気がします。帳場の前には「素人演芸大会」のポスターも。けっこうこういうイベントにも固定客がいるんだろうなと思いました。

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バス停の看板の近くの木には花も咲いていました。5月のまだ寒気の残る岩手の山に咲く花は、なんだかいじらしいですね。

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このへんに来るといつも「大沢温泉」にばかり泊まっていましたが、だいぶテイストが異なり、「藤三旅館」と比べると「大沢温泉」は同じ自炊部でもだいぶ洗練された感じがするくらいです。部屋もきれいだし。値段も素泊まりで比較すると「大沢温泉」のほうがかなり安いです。

温泉はどちらも捨てがたい。一度は行ってみたいと思っていた鉛温泉を体験できてよかったです。でも、普通の人におすすめできるかというと、微妙なところです。「白猿の湯」が狙いなら、料金は高くなりますが、けっこう渋い部屋もあるので旅館部にも泊まったほうが無難かもしれません。

翌朝の新花巻駅で、ようやくありついた立ち食いの山菜そば。すごくおいしく感じました。

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[鉛温泉・藤三旅館](2010年5月宿泊)
■所在地 〒025-0252 岩手県花巻市鉛字中平75-1
■泉質 単純温泉・アルカリ性単純高温泉(源泉かけ流し)
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民話と土俗信仰の街に立つ、古格あふれる旅館 [遠野 旅館 福山荘後編)]

遠野の続きです。

朝食を終えて、いよいよ出かけることにしました。計画では最初宿の近くにある「高善旅館」を見学するつもりでした。「高善旅館」は柳田國男先生が遠野に来ると泊まっていた宿で、現在は文化財として移築保存されています。

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上の写真は柳田國男先生が泊まったという2階の部屋です。なかなかいい雰囲気の宿でした。土間に面した帳場や仏間、階段など、すべて公開されていて、とてもいい風情。こんな宿がいまあったら絶対泊まりたいと思いました。

ここを見たあとは駅まで行って、できれば南部曲がり屋が保存されているエリアと、河童が出るというカッパ淵にバスで向かいたいと思っていました。とにかく宿に戻り、荷物を引き取らせてもらって、駅まで歩きました。このときも、女将さんが「今日はどちらへ行かれるんですか」と話しかけてきたので、「夕方には花巻に行くんだけど、それまで遠野を見て歩きたい」といったら、いろいろ見どころを教えてくれました。その節は大変お世話になりました。いろいろありがとうございました。

遠野の駅は、前日もちらっと見たのですが、あらためてよく見ると、あちこに河童が表現されていて、郵便ポストの上にいたり、駅前の交番まで河童の形になっていました。

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警察がこんなふざけたことをしていいのでしょうか‥。周囲にはけっこう観光客も多く、観光ポイントがけっこう遠いのでレンタルの自転車で回る人や、観光バスで回る人が多いようでした。駅の観光案内所で聞いてみると、路線バスはあまり本数がないので、いくつかプランを紹介してくれました。「時間があるなら、こっちのコース、あまりないならこっちのコース」といった具合に。

そのおかげで「遠野ふるさと村」という昔の村を再現した体験施設と、やはり南部曲がり家を移築した「伝承園」というところへ行くバスのルートかある程度決まり、「伝承園」の近くのカッパ淵にも行けることになりました。案内所のおねえさま、その節はありがとうございました。

15年前にも「伝承園」や「カッパ淵」を見たかすかな記憶があります。しかし、まったく場所の感覚は忘れていました。

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上の写真は「遠野ふるさと村」に移築された南部曲がり家。なかなか立派な座敷もありました。

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もともと馬と同居する建築様式なのですが、実際に馬もいました。土間のかまどにも火が入っていましたが、この日は中学生の団体が体験学習にきていて、そいつらの昼食の準備をしていたようです。「ふるさと村」の中を歩いていると、いくつかの曲がり家の広間に分散して、中学生たちがそばとか、天ぷらとかを食べていました。ちょうどお昼近くだったので、紛れ込んでごちそうになりたかった。

次は「伝承園」。ここも似たような施設なのですが、こっちの家のほうが生活道具などがそろっていて生活感がありました。それにここには例の「オシラサマ」が千体かざってあります。

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こういう土俗的な信仰は、現代の日本人にとっては意味がわからなくなってしまい、不気味な感じがしてしまいます。外に出てフラフラ歩いていると、別の家にいたおじいさんが「オシラサマみだが?」と声をかけてきました。「見た」といったら、「いまだば、あったらにあるどこはねえがら、すげえべっ」といいました(雰囲気だけ再現)。

このあといよいよ「カッパ淵」まで歩きました。「伝承園」から10分かからないくらい。前にきた時はただの川の淵でしたが、いかにも河童が出そうな深い淵で妖しい雰囲気のある川辺でした。しかし今回はいろいろ看板も出ていて、観光客も多かったので、そうした深遠な雰囲気はやや薄れたような気がしました。

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だいたいカッパというのは「しりこだま」を抜くのが好きなそうですが、「しりこだま」っていったい何でしょう? よくわからないまま、おみやげ屋さんで買った「カッパちゃん」を、「カッパ淵」の木柱に乗せて写真をとってみました。このようすを淵の底から本物の河童が見ていたりして。

このあと「伝承園」附属の食堂でそばを食べました。岩手はどこで食べてもやっぱりそばがうまい。そういえば去年は盛岡のわんこそば屋でおばちゃんにいじめられましたが‥‥。

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そうして再び路線バスに乗って遠野駅へ。この後、夕方の釜石線の電車に再び乗り込み、花巻に向かいました。確かに遠野には一種独特の民話の世界の雰囲気がありました。

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観光化はしているけれど、昔の日本にはどこにでもあったはずの土俗文化が残っている気がしました。でも15年前と比べると、世俗化して少しこぎれいな街になったような気もします。

[遠野・旅館 福山荘](2010年5月宿泊)

■所在地 〒028-0523 岩手県遠野市中央通り5-30
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民話と土俗信仰の街に立つ、古格あふれる旅館 [遠野 旅館 福山荘(前編)]

今年5月に遠野に行きました。15年ぶりくらいです。前は宿泊はしていなかったので、今回は一泊してゆっくり見学しようと思いました。柳田國男先生の「遠野物語」を生んだ、日本民俗学の聖地。佐々木喜善さんの故郷です。物語に登場する座敷わらしや河童が、町の観光アイテムとして広く活用されています。

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夕方遠野駅に着いたので、まっすぐ宿に向かいました。遠野駅からも5分くらいのところにある「福山荘」という古い宿です。座敷わらしが出るという評判の宿は焼けてしまった金田一温泉の「緑風荘」や、盛岡の「菅原別館」などが有名なようです。そういう宿もおもしろかったかもしれませんが、なかなか予約がとれないようです。

「福山荘」は下の写真のような感じ。古い遊廓みたいなイメージもあり、なかなか風情があります。

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見た目は明治・大正の雰囲気ですが、実は戦後の建物。まだ60年ちょっとしかたっていないそうです。でも、若い女将さんの話しによると、この家を作った先代が木材などに凝って、自分の好みにまかせてぜいたくな造りにしたのだそうです。廊下などはワックスでも塗ったように光っていますが、これは数年に一度漆を塗っているのだそうです。

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この宿には急きょ泊まることにしたので、前日くらいに電話したところほぼ満室で、一部屋だけ空いているということでした。「狭い部屋ならあるけど、どうかなあ」と不安そうだったので、「狭くても寝れないというほどではないでしょう」といって、泊めてもらいました。部屋は下の写真のような感じ。かなり古びていて、風情がありました。期待通りのボロ部屋でした。

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トイレも昔風の造りで男女共用ですが、洗浄便座が付いていました。

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無事に宿についたので、もう5時くらいだったのですが周辺を散歩してみました。遠野の町は活気を失いつつある地方都市が多いなかで、観光でなんとかがんばっているようです。それでも裏道を歩くとけっこう廃墟が目につきました。夕方だったせいか、どこか寂しげな街角風景です。

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市内には大きな商業施設や観光開発された一角やあり、きれいに整備されていたりするのですが、通りには下の写真のような不気味な子供会のお知らせも。

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狭い市街地をひととおり廻って、飲み屋街もチェックしてみましたが、軒数は少なく、ちょっと寂しげな夜の街でした。酒屋さんで地酒などを買って宿にもどりました。

夕食はけっこう品数が多く思ったより豪華。

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これを全部、部屋に運んでくれました。その後、狭い部屋にふとんを敷きにきてくれたのですが、どうもあまり慣れていないスタッフらしく、ふとんを敷くのに2人ががりで、えらく手間取っていました。よっぽど「自分でやるから」といおうかと思ったのですが、まだ練習中なのだろうと思ってひたすら待つ。

結局、朝までの間に座敷わらしは見かけませんでした。座敷わらしはいいお化けなので、できれば会いたかったのです。

翌朝の食事は玄関の脇にある広間でとりました。この部屋もなかなかいい感じ。昔は宴会場なんかに使われていたのかもしれません。通りに面した部屋なので、夜はにぎやかな歓声や三味線の音なんかが外に漏れだして、楽しい雰囲気だったのかもしれません。

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朝食後は遠野の見学に出かけました。チェックアウトした後、宿のご主人に「荷物を置かせてもらってかまいませんか」というと「どうぞどうぞ」というので、とりあえず重い荷物は宿に預けさせてもらいました。またしても長くなってしまったので、遠野の見学については次回にします。

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盛衰の跡がうかがえる企業城下町。繁華街で見かけたビジネス旅館 [釜石 鶴千旅館]

先日気仙沼に宿泊した後に、岩手南部を少し回ってみようと大船渡線の盛行き電車で、北上を開始しました。この日の予定は釜石経由で一気に遠野まで行って宿泊するというものでした。

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海に出るまで電車はけっこう山の中を走り、トンネルをいくつも抜け、ようやく岩手県に突入します。このあたりの田んぼは8割がた田植えが終わっていましたが、そのわずかに残った田んぼにちょうど苗を植えているような時期。のどかでいい車窓の風景でした。

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大船渡近くになるとリアス式海岸を目の当たりにすることができました。

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漁村らしい古い家が続き、なかなかいい雰囲気です。この日は天気も良かったので、海もきれいでした。そうしているうちに終点の盛駅に到着。ここで三陸鉄道南リアス線に乗り換えます。
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三陸鉄道も経営的には苦しいらしく、盛駅の売店では、「三鉄赤字せんべい」などというものを売っていました。銚子電鉄のまねでしょうか。

三陸鉄道は顧客サービスにも気をつかっており、風景のきれいな海岸では徐行して、景色をみせてくれます。また「恋し浜」という駅は名所になっているようで、撮影のための停車時間を1~2分とって、カメラを持った人はホームにおりて撮影していました。

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途中、車窓からかなりいい感じの宿も発見しました。「民宿 川古荘」。「こんな宿に夏のあいだ滞在して、のんびり海ですごしたら気持いいだろうな」と思いました。けっこう繁盛している宿のように見えました。

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釜石駅では、地下道を通って駅前に出ます。三陸鉄道とJRは地下道でも相互につながっており、昔は同じ会社だったということがわかります。

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釜石駅前にはいきなり新日鉄の工場が広がります。企業城下町というのか、ほとんど新日鉄のためにできたような駅にも見えます。駅の南側一帯は新日鉄の敷地のようです。駅前には製鉄関係のモニュメントや銅像があり、中心街は駅の反対側にあたる北側に広がっていました。

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駅前には「シープラザ釜石」という観光市場のような施設もあったので、ここの市場をのぞいてみて、食事もここでとることにしました。遠野行きの電車まで3時間弱程度あったのでちょうどよかったです。2階の売店にはシーレックスショップも。ラグビー関係のグッズやお菓子なども売っていました。いまは衰えたとはいえ、こんな小さな町の「新日鉄釜石」というチームが、日本ラグビーに君臨していた時代。そんな時代があったことが、信じられないような思いがします。釜石という街にとっても、とても大きな存在だったのではないでしょうか。

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食事はこの市場の中に食堂があったのでそこで食べました。市場で買った魚を持ち込んで調理してもらうこともできるそうです。私はこの旅で必ずどこかで食べたいと思っていた「磯ラーメン」があったので頼みました。ごはんと筋子付き。ちょっとイメージと違うのですが、魚介の風味がきいていて、なかなかおいしかったです。

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食事の後もまだ時間があったので、海まで行って釜石観音でも見物するか、あるいは鉱山跡地の廃墟などをみてみたいとも思ったのですが、微妙に電車の時間が不安だったので、中心市街地を見物するだけにしておきました。

やはり人通りは少なく、ちょっと寂れた感じを受けます。しかしシャッター通りとまではいっていません。鉄鋼業はひところ構造不況業種とも思われていましたし、釜石も高炉が廃止されるなど、変転があったわけですが、最近は中国などの新興国の需要で息を吹き返しているのでしょうか。地方都市の中では、まだしも活気があるほうだと思いました。

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町中なのに干物をつくっている魚屋さんもありました。

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宿も発見。「鶴千旅館」。ビジネス旅館だと思いますが、こぎれいにしていて、しかもなかなか渋い雰囲気でした。もし次に宿泊する場合は、ここを当たってみようと思いました。

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この中心市街地の裏道に入ると、かなり古い家が目につきます。くずれかけたような3階建てのビルや、アパートみたいな建物も目につきました。おそらく最盛期と比較して人口は激減していると思われるので、そうした時代の名残なのかもしれません。古いクリーニング工場が目立っていました。

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漁業もあり、陸中海岸国立公園という観光資源もあり、巨大企業の工場もある。地方都市としては恵まれた条件を持つ釜石市ですが、実際に歩いてみるとあまり風情というものを感じません。わずかな滞在であれこれいうことはできませんが、やはり古くからの風土性はかなりの部分が失われてしまったのではないでしょうか。

三陸海岸の街や村には、漁村の風情を持った魅力的なところが多いです。しかし釜石はちょっと趣が違いました。まあ、もう少しゆっくり滞在して、せめて一泊でもしてみないと街のことは何もわかりません。

時間がきたので駅に戻り、今度は釜石線にのって、この日の宿泊地、遠野をめざしました。

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[釜石  鶴千旅館](2010年5月見学]
■所在地 〒026-0024 岩手県釜石市大町1丁目1-3
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今のところもっともお気に入りの湯治宿。 [花巻市・大沢温泉]

花巻の「大沢温泉」は、けっこう前から気に入ってしまい、6~7回は行っています。何がいいかというと、古い湯治宿の雰囲気が残っていること、料金が安いので2~3日いても普通の宿の一泊より安いこと、いい露天風呂をはじめ、お風呂がたくさんあること、それに宿が客にあまりかまわず、放っておいてくれることでしょうか。

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初めて行ったときは東北地方をバイクで放浪している時で、当日予約で、「山水閣」といういわば新館の建物に2食付きで泊まりました。「山水閣」は自炊システムではない普通の豪華旅館。その後は「菊水館」という建物に1回、それ以外はすべて自炊部に泊まっています。ここで私が好きなのは、この自炊部です。「菊水館」も今は古い藁葺き屋根の建物になっていますが、ボロではありません。確か以前は藁葺きではなかったような気がします。

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入り口付近の帳場や休憩室にも古い湯治場風情が残っています。

大沢温泉ロビー
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上の写真の橋の手前が自炊部で、向こう側が「菊水館」です。1軒宿ですが、
館内に風呂がいくつかあるので、全部入るだけでもけっこう楽しめます。橋の向こうにもお風呂があります。

最初の訪問時から見ると「大沢温泉」もずいぶん変わりました。初めて行った時は、自炊部に付属している混浴の半露天風呂の「大沢の湯」がメインでした。敷地内を豊沢川が流れていて、川に面した水車なども見えるワイルドな露天風呂。

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大沢温泉川

「山水閣」と湯治部は別棟になっていて、内部でつながってはいますが、「山水閣」の泊まり客も「大沢の湯」まで入りに来る人が多かった気がします。そのほか古い内湯や家族風呂もあったし、今は男女別のきれいな露天風呂もあるのですが、何といってもみんなこの露天風呂にはが好きなのでしょう。

夜、風呂に行くと、地元のばあちゃんたちが民謡を歌って盛り上がっていたりして、まさに田舎の湯治宿そのものでした。地元の若い女性もこだわりなく自然に入っていました。脱衣所はなく、お風呂の横の棚の前で着替えるようになっていましたが、この前行った時は女性用の脱衣所ができてました。

深夜に入浴する人はほとんどなく、夜中ならたいていお風呂を独占できたし、雨の日なども、ひと気がない露天風呂の風情はなかなか良かったです。

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露天風呂は大きくて真ん中に岩場があるので、ある程度人が多くなると男女が自然に分かれて入るような感じで、いい感じの秩序ができていたように思います。最近はそうでもないようなのが残念。

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ただ自炊部の雰囲気だけはあまり変わっておらず、いまでも2000円~2500円くらいで泊まることができます。寝具や浴衣を借りると、その料金が多少かかりますが、常連客は必要なものを用意していくので、すごく安く泊まることができます。

食事は館内に「やはぎ」という食堂があるほか、食材なども扱っている売店や炊事場などもありますので、特に用意がなくてもまったく問題ありません。1日、2日くらいの滞在なら「やはぎ」で十分だと思います。私はここのラーメンが気に入っているので、行くと必ず食べています。最近は懐かしい「中華そば」という感じから、ちょっとおしゃれな今どきのラーメン風になって少し残念です。朝食も予約制ですが、用意してくれます。

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自炊部に泊まった時に1度、3畳くらいの狭い部屋に通されたことがあります。この部屋にもガス台や冷蔵庫、食器棚などがあり、布団を敷くともうスペースがほとんどないくらいの狭い部屋でした。

布団の足のほうは、作り付けの戸棚の下に足を入れるような形でないと寝る場所がないという強烈な狭さ。こういう部屋に通されたのはこのときだけで、あとは普通の6畳~8畳くらいの部屋でした。この時は一人だったので、夜中につくづく侘しさを感じました。温泉宿で3畳間に泊まったのは初めて。もう使っていないかもしれませんが、できれば泊まってみたい。

大沢温泉ふとん

自炊部の建物は古くて入り組んでいますが、それも湯治宿らしくて楽しいです。お風呂に行く人が通る足音や気配もすぐにわかるくらいに部屋も開放的で、昔の素朴な湯治宿の雰囲気が残っています。1か月くらい滞在したい気分でした。

2008年に訪問した時はちょうど「大沢の湯」で「金勢まつり」をやっている日で、すごくにぎわっていました。こんなことも含めて、長く変わらずにいてほしい温泉のひとつです。

紹介した写真にはだいぶ前のやつも混ざっているので、多少変わっている部分もありますが、だいたい同じままだと思います。数ある湯治宿のなかでもかなり気に入っている宿のひとつで、実はあまり紹介したくないのです。

[大沢温泉・湯治部](2008年4月宿泊)
■住所 〒025-0244 岩手県花巻市湯口字大沢181
■泉質  アルカリ性単純泉
■楽天トラベルへのリンク→大沢温泉 自炊部
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