山形県の天童にいく仕事があり、前泊しようと思って宿を探したのですが、天童市内では空いている宿を見つけることができず、結局いろいろ迷ったあげく上山温泉に泊まってみることにしました。山形市内や、その他の温泉地も泊まれるところはあったのですが、上山は通るだけでまともに行ったことがなかったので、いい機会だと思ったわけです。ちょっとお城なども散策してみようかなどと。
東京駅からつばさに乗車。
しかし当日の山形はけっこうな雪でした。新幹線でかみのやま温泉駅に到着。駅には「おくりびと」ロケ地のガイドが貼ってありました。「おくりびと」といえば酒田でロケ地巡りをしたことがありますが、こんなところでも撮っていたとは知りませんでした。
駅を出るとかなりの降り。こんな雪で長く歩くのは無理だと思いましたが、直接宿に行くには時間も早いので、とりあえず駅からそんなに遠くないロケ地である、モッくんと広末が住んでいた家に行ってみることにしました。
ひたすら降る雪の中を歩き、川沿いの道ですぐにめざす物件を発見。ロケ地の看板も出ています。
何だか喫茶店を改造したような不思議の作りの印象的な家として登場していましたが、実際も変形敷地に建てられた不思議な構造の家でした。
スナックの看板が出ていました。しかし何かの創作工房のような看板もあり、現在何に使われているかよくわかりません。中の見学はあきらめました。
雪がますます降ってきましたが、川沿いに「ラーメン」の赤いのぼりを発見。ちょうどお昼を食べるところを探そうと思っていたので、入ってみることにしました。
川に沿った小さいそば屋というか、食堂というか。私が入ったのは店の裏側からだったせいか、こんなところに店があるのかと不思議な感じのする立地でした。
店に入るとおやじがひとり客でいて、あとは子供があがりでテレビを見ていました。私がカメラを持っていたのでおやじが「この雪じゃ写真撮影は大変だべえ」みたいなことを話しかけられたので、適当に返事をしたのですが、私をプロカメラマンか何かだと思ったみたいでした。「お城は近いですか」と聞くと「近いけど、この雪じゃあ写真はなあ~」ということでした。
私がオーダーしたのが「チャーシューメン」だったのか、何かほかの名前がついた「ラーメン」だったのかは忘れましたが、なかなかうまいラーメンでした。そば屋のわりにはかなりレベルが高い。これでだいぶ暖かくなりました。
ここを出て、川をのぞいてみると、鴨がこの寒いなか泳いでいました。
さらに歩いていると「二日町共同浴場」という看板を見つけたので、寄ってみることにしました。
しかしよく温泉場にあるような渋い共同湯ではなく立派な銭湯みたいなお湯だったので、入るはあきらめ、すぐ近くにある「カミン」というショッピングセンターに避難。雪が多く寒いので、またも少しあたたまろうという魂胆です。
「カミン」の中には小さな食堂もあり、私はそこでコーヒーを飲みながら、今日の計画をいろいろ考えたのですが、やはりこの雪ではお城や武家屋敷の散策は厳しいと判断し、早めではありますが宿に行くことにしました。私が泊まる宿は数ある上山温泉街の中で「高松」というエリアに立地しており、市街地から少し離れていますが、地図でみる限りそんなに遠くない感じで、道も1本でわかりやすいので歩いていくことに決定。
「カミン」でだいぶ時間をつぶした後、中にあったスーパーで、牛丼弁当を買いました。宿は素泊まりで予約してあるので、これが夕食になります。
しかし歩いてみるとかなり遠く、やはりタクシーを呼ぶべきだったか、と泣きそうになりましたが、もはや遅い。黙々と歩いてようやく宿に到着しました。
この日の宿は「三木屋」とかいて「さぎや」と読みます。適当に安い宿を選んだのですが、かなりの高級温泉旅館風です。歓迎看板に私の名前も書かれていました。素泊まりで一泊だけなのに、申し訳ないような気持です。
玄関を入ると仲居さんたちが迎えてくれて、「こんな雪のなかを駅から歩いてきたんですか」と驚かれたので「いや、あちこち回りたかったので‥‥」とごまかしつつ、本当は「タクシーで来れば良かった」と改めて思いました。やはり歩いてくる酔狂な客はあまりいないのでしょう。基本的に駅からの送迎もしてくれるようでした。
部屋に通されました。床の間などもある立派な座敷でした。素泊まりだとそんなに高くなかったのですが,やはり本当は高級宿なのでしょう。
一応部屋にお風呂もあり、もちろん洗面台もありました。
とにかく早速大浴場へ。雪の日とか、寒ければ寒いほど、温泉というのは実にありがたいものだと感じます。部屋からすぐのところが大浴場。
大きな内湯と小さい露天風呂があります。露天風呂はかなり熱かったので、私は主に内湯に浸かりました。
部屋に戻っても特にやることもなく、テレビなどを見ていましたが、時間も遅くなったので牛丼弁当を食べて寝ました。
風呂に行く前、布団をもっと部屋の真ん中に敷いてくれようとしたのですが、私は端ほうが何かと便利だからというので、部屋のすみのテレビの前に敷いてもらいました。牛丼弁当は冷たくなっていました。わびしい夕食です。
翌朝、早く出て天童に向かう必要があったので、とっとと宿を出ます。改めてみると、部屋は中庭に面していてなかなかい風情のある眺め。
廊下を歩いていると、何だか、単なる高級宿ではなく、それなりに湯治場っぽい雰囲気もあるような気がします。
この日も雪でしたが、宿から駅までクルマで送ってくれました。送ってくれたおっちゃんの話はおもしろかったのですが、ちょっと公開するとまずいかもしれないので省略。あれほど苦労して歩いた道のりもクルマだと10分かそこらでした。
かみのやま温泉駅から天童駅へ。考えてみれば山形新幹線というのも実態は奥羽本線なので、普通列車も走っていますが、今回は特急つばさ(要するに山形新幹線)で向かいます。
天童駅の駅ビル内で朝食の立ち食いそば。さすが山形だけあって、立ち食いもそれなりにうまい。
天童駅。駅ビルの中に将棋資料館がありましたが、時間がないのでパス。
このあたりは昔はよくバイクで走ったところです。銀山温泉とか、肘折温泉など、よく行った温泉もあるので、時間があれば今回ももう一泊くらいして、天童をゆっくり歩いてみたかったところでした。
[上山温泉 三木屋](2014年3月宿泊)
■所在地 山形県上山市高松283
■泉質 ナトリウム、カルシウム、塩化物、硫酸塩泉
■楽天トラベルへのリンク→三木屋(かみのやま温泉)