日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

群馬の宿

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

うらぶれた温泉街に、総檜造りの不思議構造の風呂 [沢渡温泉 まるほん旅館]

「沢渡温泉」といえば草津の上がり湯として古くから有名ですが、「まるほん旅館」には万座温泉の帰りに立ち寄りました。宿泊はしていません。「沢渡温泉」は、渋川から中之条までいき、そこからそれて県道を走るとすぐです。この付近は「草津温泉」や「四万温泉」に行く時になどに何度も通っており、一度いってみたいと思っていました。

この県道55号自体、なかなか味のある街道で、六合村方面にいくと「暮坂峠」という峠があり、頂上に古くて素朴な茶屋があります。昔通った若山牧水の碑などもありました。路面はあまりよくありませんが、交通量も少ないので、バイクで通るにはおもしろい道だと思います。「暮坂峠」という名前自体、単なる地名なのでしょうが、昔の旅人が苦労してこの道を通ったんだな、という感じがします。このへんで日が暮れたら、途方に暮れたことでしょう。地蔵様もいました。

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いまは宇都宮起点で、「日本ロマンチック街道」などともいっているそうですが、こういうネーミングは、やめたほうがいいといつも思います。ヨーロッパとは全然別系統の豊かな歴史があるのに、何でわざわざバッタ物になりたがるのでしょうか。

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県道に「沢渡温泉」の入り口看板があり、少し脇道に入ると温泉街です。かなりうらぶれた雰囲気なので、観光目的の客は少ないと思います。ボロ宿といえば、この寂しげな雰囲気がそうかもしれません。このへんは例の「川原湯温泉」にも近く、廃墟のような小さな温泉地がいくつかあって大好きなエリアでもあります。とにかく「まるほん旅館」は有名なので、お風呂に入ってみたくて寄りました。

ところが玄関にはカーテンがかかっていて、照明もついておらず休業みたいな雰囲気。ガラス戸を開けてみると鍵はかかっていなかったので、呼んでみたらしばらくしておっちゃんが出てきました。「今日は休みなんだけど、お風呂だけだったらいいよ」というので、迷惑かとも思いましたが、お言葉に甘えさせていただきました。その節はありがとうございました。

「まるほん旅館」は、見た目も素朴な集合住宅風で、格別の風情はありません。しかし、ここのお風呂はかなり変わった造りになっていました。

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木造の広い浴槽ですが、まず浴場に行くまでに年季の入った廊下を通り、さらに湯船の上を空中で渡るような形の廊下と階段を通って下っていきます。渡り廊下からは下の湯船が見えます。階段を降りたところが湯船の脇の脱衣棚になっているという構造。混浴ですが、別室の脱衣所はないようでした。なぜこんな不思議な造りにしたのが理由がわかりません。

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この日は休業中を入れてもらったので、当然客は一人もいなくて、かなり広い浴室は貸し切り状態でした。なぜか石臼が置いてあります。まだ明るい昼間でしたが、不思議な構造のせいか独特の雰囲気というのか、空間演出というのか、気分がはまってしまって、思わぬ長湯に。しみじみとやすらいでしまいました。湯温は、2つの浴槽で違っていて、全体的に熱めだったような気がします。

檜の板張りの床と壁が素朴で、清潔感のあるすっきりしたいい雰囲気です。一回宿泊して夜にも入ってみたいと思いました。このほか、家族風呂などにも入った気がしますが、あまり覚えていないのは、こっちの浴場の印象が強かったせいかもしれません。

[沢渡温泉・まるほん旅館](2005年9月立ち寄り湯)
■場所 〒377-0541 群馬県吾妻郡中之条町沢渡温泉
■泉質 カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉
■楽天トラベルへのリンク→沢渡温泉 まるほん旅館
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リゾート地にひっそり残る半自炊の貴重な湯治宿 [万座温泉 湯の花旅館]

万座温泉には何回かいきましたが、印象に残っているのは「湯の花旅館」です。

万座温泉といえば、プリンス系のリゾート開発やスキー客の増加で俗化した印象がありますが、「湯の花旅館」は昔の湯治宿的雰囲気を残しています。けっこう人気があって混んでいます。初めていった時は、こんなところが群馬にあるのか、と驚きました。

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関東近県では珍しく、ごはんと味噌汁、おしんこだけ出してもらい、あとのおかずは自分で用意するという半自炊システムで泊まることができるそうで、常連は半自炊を選ぶようです。もちろん、普通の素泊まりや二食付きでもオーケー。

私が泊まったのは二食付きでしたが、はっきりいって食事はそれほどどうということもなかったです。半自炊は4500円くらいで、二食付きになると確か3000円くらいは高くなることを考えると、半自炊のほうがお得かもしれません。ただ食堂で同じ飯を食いながら、ひとり熱燗をゆっくり飲んでいるじいさんを見て、ああいうくつろぎ感は食事付きでないと出ないかなあとも思いました。

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↑食事はこんな感じ。おいしいですが、普通の旅館食。

ここも全体的に掃除が行き届いていて「ボロ宿」というのは申し訳ないのですが、建物は古い山小屋みたいな雰囲気で、部屋も清潔ではありますが、素朴な感じ。建物の内部は広く、特にお風呂がかなりいいのがさすが万座温泉。お風呂は古い階段を少しくだったところにあります。

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男女別の内風呂の「さるのこしかけ風呂」と、その隣に混浴の露天風呂。内湯にはさるのこしかけのエキスが溶かしこまれているみたいでした。露天風呂はけっこう広い岩風呂風の造りですが、囲いがあって特に眺めは良くありません。ですが、泉質はかなりいいと思いました。

万座温泉特有の青みがかった白濁湯で、夜の露天風呂で一緒になったおっちゃんやおばちゃんによると「草津より泉質がいいので、沼田からいつも来ている」ということでした。それならここまでくるまでにいくらでもいい温泉がありますが、やはりここが気に入っているそうです。

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このおっちゃん夫婦は、5日間くらい半自炊で滞在する予定で、おかずは缶詰を用意してあるだけだそうです。「それで十分だよ」といっていました。全般的に常連風の客や宿の人たちの応対があたたかく、親切なのも特徴です。山奥の宿なので遠くからわざわざ来た客をもてなす気持が強いのかもしれません。入り口付近にはきれいに手入れされた囲炉裏があり、知らない同士が風呂上がりに世間話をしたりしています。

昼間は立ち寄り入浴の客でかなり混んでいましたが、夜になると泊まり客だけになり、のんびりくつろいで入浴できました。天気がいい日だったので、露天風呂からの星空の眺めも最高でした。

近くには白根山の火口湖の湯釜があり、すごくきれいなので、おすすめです。私は何回も万座や草津や志賀高原には行っていながら、山のぼりの行列を見てうんざりしてしまって1度も行かず、去年草津にいった時にようやく初めて見て感動しました。

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[万座温泉 湯の花旅館](2005年9月宿泊)
■場所 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401
■泉質 含硫黄マグネシウム・ナトリウム硫酸塩泉・源泉かけ流し
■楽天トラベルへのリンク→万座温泉 湯の花旅館

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プロフィール

もんすけ

 古い湯治宿や駅前旅館など、日本が高度成長時代に入る前からあったような雰囲気の宿が大好きで、各地を回っています。
 どこにいってもそれなりに立派な宿が多く、個性的なボロ宿に出会うことは少なくなりました。
 10年、20年前ならもっといろんな宿が残っていたと思いますが、しかしいま現在でも、10年後、20年後に比べたら多くの貴重な宿が残っているはずです。そうした宿を記録に残していけたら、と思っています。

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楽天トラベルで予約できる宿(書籍で紹介した宿を含む)
北海道
大和旅館(洞爺湖温泉)
花びしホテル(湯の川温泉)
プレミアホテル‐CABIN-旭川(旭川市)
札幌プリンスホテル(札幌市)
つつじ荘(温根湯温泉)
洞爺サンパレス(洞爺湖温泉)
定山渓ビューホテル(定山渓温泉)
ホテルグランティア知床斜里駅前(斜里町)
えべおつ温泉(滝川市)
ホテルサハリン(稚内市)

青森県
酸ヶ湯温泉旅館(酸ヶ湯温泉)
飯塚旅館(温湯温泉)
星野リゾート 青森屋(三沢市)
石場旅館(弘前市)

岩手県
藤三旅館(鉛温泉)
旅館 福山荘(遠野市)
大沢温泉 自炊部(花巻市)
水沢 翠明荘(奧州市)
元湯夏油(夏油温泉)
新清館(湯川温泉)
旅館大正館(盛岡市)

宮城県
高友旅館(東鳴子温泉)
最上屋旅館(鎌先温泉)
休暇村気仙沼大島(気仙沼市)
いさぜん旅館(東鳴子温泉)

秋田県
尾張屋旅館(横手市)
打当温泉マタギの湯(北秋田市)
民宿 水月(能代市)
ドーミーイン秋田(秋田市)

福島県
元湯甲子温泉旅館大黒屋
分家(岩瀬湯本温泉)
旅館金勝寺(白河市)
民宿すずき屋(湯野上温泉)

山形県
最上屋旅館(酒田市)
松井旅館(肘折温泉)
若松屋村井六助(肘折温泉)
亀屋旅館(肘折温泉)
福島屋(滑川温泉)
亀屋万年閣(小野川温泉)

栃木県
雲海閣(那須湯本元温泉)
江戸屋(板室温泉)

群馬県
伍楼閣(老神温泉)
汪泉閣(宝川温泉)
長寿館(法師温泉)
奈良屋(草津温泉)
浜屋旅館(川古温泉)
まるほん旅館(沢渡温泉)
積善館本館(四万温泉)
松坂屋旅館(草津温泉)
湯の花旅館(万座温泉)

千葉県
第八福市丸(御宿町)

埼玉県
山崎屋旅館(寄居町)

東京都
駒鳥山荘(青梅市)

神奈川県
岩亀荘(湯河原温泉)
富士屋ホテル(箱根宮ノ下温泉)

山梨県
古湯坊 源泉館(下部温泉)
赤石温泉(山梨県増穂町)
元湯 蓬莱館(西山温泉)
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長野県
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つるや旅館(白骨温泉)
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金具屋(渋温泉)
野沢温泉ホテル(野沢温泉)
河鹿荘(鹿教湯温泉)
井出野屋旅館(佐久市)
金具屋(渋温泉)

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旅館 薫楽荘(伊賀市)
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