日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

長野の宿

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

思い出が詰まった懐かしい温泉。あまり変わってほしくないのですが‥‥ [白骨温泉 湯元齋藤旅館]

「白骨温泉」には、あまりにもいろんな思い出がありすぎて、ブログの記事としてはなかなか手がつけられませんでした。回数でいえば10回以上は行っているので、たぶん一番多く行っている温泉だと思います。

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まず最初の印象は「大菩薩峠」に出てくる「ハッコツ」です。盲目の剣豪・机竜之介が、眼病の治療のために白骨温泉に滞在する巻では、江戸時代末期の湯治場風情が表現されていて、虚無的な主人公なのにどこか牧歌的です。机竜之介はすでに宿守も山を下りてしまった冬に、湯小屋に泊まって湯治をします。昔の湯治場は米や味噌を持ち込んで、療養にはげむのが一般的。あくまでも病気やけがを癒す場所であり、気が済むまで滞在することができて、けっして観光地ではなかったことがよくわかります。

著者の中里介山も何度か「白骨温泉」を訪ねたそうですが、おそらく昔の「白骨温泉」は、人にもあまり知られていないひっそりとした山の湯治場だったのだと思います。「白船」とも呼ばれていた名称が「白骨温泉」として定着したのも、この小説が人気になったせいだといわれています。

大菩薩峠〈1〉 (ちくま文庫)大菩薩峠〈1〉 (ちくま文庫)
著者:中里 介山
筑摩書房(1995-12)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

「大菩薩峠」は30年も新聞連載されたやたらと冗長な小説で、いろんな伏線を張りまくったあげく、最後は不思議な架空世界に没入し、しかも作者が途中で亡くなってしまい未完に終わる、という一種の奇書です。どういうエンディングの構想があったのか、作者以外には知るすべもありません。

そんなイメージと「白骨」という不気味な名前に惹かれて、実際に訪ねたのは20年以上前のことです。15人くらいでバイクツーリングで行きました。泊まったのは「ゑびすや」という宿で、けっこうボロでしたが木造の渋い宿でした。「大菩薩峠」に出てきてもおかしくないような…。

私は都合があって一人遅れていったので、暗くなった乗鞍スーパー林道を月明かりだけを頼りに走りました。晴れ渡った夜空の向こうに北アルプスの山々の雪が光っていたり、うさぎが道の真ん中で月を眺めているのを見て、しみじみと感動したことを覚えています。

11月初旬だったのでものすごく寒く、遅れて到着して宴会に参加する前に入った露天風呂が、最高に気持良かったことも忘れられないほど強烈に記憶に残っています。

このツーリンググループは、学生時代の友人関係を中心とした男女20人くらいのグループで、しょっちゅういろんなところに行きました。毎年恒例の目的地がいくつかあったのですが、白骨温泉もそのひとつで11月初旬に必ず行くようになりました。

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11月初旬というと、すでに雪や凍結で道路が危ない時期で、一度は白骨から降りる山道が凍結して昼頃まで帰ることができない時もありました。この時はさらに松本からビーナスラインに登って、結局夕方になって道路の凍結が始まり、進退極まったこともあります。オンロードもオフロードもみんな転倒し、クラッチレバーを折ったり、電気系統がいかれたり、かなりのピンチだったのですが、すごく若かったせいか、みんなけっこう笑いながら「どうしよう」なんていっていたものです。

でもこのときみた夕暮れのビーナスラインからの景色は、今までを振り返ってみても一番美しかったです。

この頃(20年くらい前)は、白骨温泉も一種のブームになる前で、まさに素朴な秘湯感がありました。泊まった宿はそのつど「つるや旅館」や「柳屋旅館」「泡の湯」「新宅旅館」などで、どこも個性的でなかなか良かったです。しかしバブル以降、温泉の雰囲気は大きく変わってしまいました。例の温泉偽装問題も、ブームに乗って大量の観光客を集め始めた結果のできごとだと思っています。

その後、「泡の湯」なども再訪してみましたが、すっかり趣が変わってしまい、ちょっとした高級旅館になっていました。露天風呂が有名で、あまりに人気が出たせいでしょう。もはやまったく湯小屋風情はなく、露天風呂は昔のままですが、近代的な宿になっています。

さて前置きが長くなってしまいましたが、「白骨温泉」に最近行ったのは2007年の6月です。この時は松本から新島々を通る国道を通っていきました。ついでに何回も白骨に行っていながら、バイクは乗り入れできないし、どうもチャラチャラした感じが嫌だったので、あまり行かなかった「上高地」にも行ってきました。

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まあ行ってみればやはりきれいなところです。でも人があまりにも多い。


この時はついに「湯元齋藤旅館」に泊まりました。昔のバブル期には常に満室状態で、なかなか予約が取れなかった白骨の原点ともいえる有名旅館です。この時は簡単に取れました。国道から白骨温泉に分岐する道も、昔のような難所はなくなりスムーズに行けるようになっていました。まあ、実際に泊まってみたところ、やはり高級旅館で部屋も食事も豪華、お風呂も立派と、文句のつけようがありません。

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上のお風呂の写真は露天風呂などが撮影できなかったので、小さな家族風呂のものです。それでもけっこう立派。食事にはお品書きなどもついています。でも昔の写真をみると、「昔のほうがずっと魅力的だ」と主張したい気持を私は抑えきれません。

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上の写真は宿のHPからお借りした明治時代の「齋藤旅館」。すごくいい感じです。どこの温泉地でも、こうした風情はいろいろな事情で失われていくわけですが、けっこうがんばって守っているところもあります。結局、「白骨温泉」はバブル期の需要に振り回され、せっかくの伝統的な価値を自ら失ってしまったのではないでしょうか。温泉ハップの投入も、“乳白色の湯”という観光客のイメージに迎合しようとしたため。もちろん私も海だ山だと、遊び回っていた観光客の一人であったわけで、責任の一端があるのかもしれません。

私は自分の特殊な趣味を他人に押しつけようとはまったく思いませんが、団体旅行に便利な機能的・近代的な温泉旅館と、古い趣を残した伝統的な個性を持つ宿と、どっちが貴重かを考えてほしいと思います。さらには一度失われたら、けして取り返しがつかないことも…。

その上で、どうしても変わらざるをえないものなら変わっていくしかないのでしょう。

[白骨温泉・湯元齋藤旅館](2007年6月宿泊)
■場所 〒390-1515 長野県松本市安曇白骨温泉4195
■泉質 炭酸水素塩温泉(硫化水素型)・源泉かけ流し
■楽天トラベルへのリンク→白骨温泉 湯元齋藤旅館
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旧軽銀座にも近い好立地。シーズンオフの夜の軽井沢を体験 [軽井沢 ペンションウエハラ]

今回は、ボロ宿というテーマから少しはずれます。

軽井沢はその昔はちょっとハイソな観光地として、あこがれの地でありました。昔、お金持ちの友達の家が別荘を買ったというので夏休みに遊びに行き、混雑する旧軽井沢銀座で“アンノン族”なんかを見物したものでした。

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最近では冬を越してバイクのエンジンがなまっている時期に、ならし運転をするための手頃な目的地としてよくでかけています。昔と比べると喧騒が薄れ、やや落ち付いた雰囲気に変わったような気がする軽井沢ですが、逆に駅付近には巨大アウトレットモールもできて、あいかわらず観光客には大人気です。峠の釜飯も必ず買ってしまいます。

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とはいえ元はといえば、旧中山道の江戸から18番目の宿場町であり、碓氷峠越えの拠点となっていた重要な宿場です。旧軽銀座もそうした目でみれば、単なるリゾート地ではなく、歴史も感じられます。いつも日帰りなので、もう少しゆっくり遊びたいということで、とりあえず便利な場所にある安い宿として探したのが「ペンションウエハラ」でした。

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素泊まりで5000円弱だったと思います。とにかく場所がよく、軽井沢駅から旧軽井沢に行く途中にあって、早い時間に到着してもバイクを置かせてもらえるので散策にも便利でした。すごく親切で、翌朝チェックアウト後も必要であればバイクを駐車していてかまわないといってくれました。


ペンション自体は洗練された清潔な宿で、けしてボロ宿ではありません。部屋は三角屋根の斜めの天井がおしゃれで、雰囲気もよかったです。食事なしで泊まりましたが、けっこう凝った料理を出しているようなので、シーズン中は大繁盛している宿だと思います。

このときは日曜日の昼頃に到着して、付近を散歩しました。だいたい必ず寄るのは「はちみつソフトクリーム」を販売している杉養蜂園と、旧軽銀座の奥にある茶店の「あづまや」です。ここではそばを食べます。

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旧軽銀座の途中には、浅間山がよく見えるスポットもあります。“アンノン族”ももはや死語となり、子供が何人もいる世代なので、最近の軽井沢は家族連れが目立ちます。そんなこんなで、いったん宿に戻って夜になってから食事をしにでかけました。ところが夜になると昼間とうってかわって、一人も街を歩いていませんでした。店もほとんど閉まっていて、食事をする場所を探すのに苦労しました。

昼間の混雑している軽井沢が表の顔なら、ひとけのない夜の旧軽銀座は裏の顔か。そんなことを思いながら、居酒屋か何かないかと思ってさまよい歩いているうち、せまい路地奥にうどん屋さんを見つけたので入りました。入ってみるとうどん屋というより居酒屋の雰囲気で、カウンターのみの店内で2人ほど飲んでいたので、やれやれと思ってカウンターに座りました。

この店はうどん屋と看板が出ていますが、基本的に飲み屋で、おつまみ類が充実していました。私たちは場違いとは思いつつも、刺身の盛り合わせを頼んでしまいました。

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うどん屋なのにけっこう豪華です。そうやってビールを飲んでいると、少し離れた席に座っているおっちゃんが、チラチラとこっちを見て、何か話しかけたそうにしています。しかしこっちはこっちで話しが盛り上がっているので、とりあえず話しかけてはきませんでした。

そのうち連れがトイレにいって私がひとりになると、ついにチャンス到来とばかりに、話しかけてきて「どこからきたの?」とか、「観光できたの?」というところから始まって、本格的に盛り上がっていったわけです。

軽井沢の昔の話しとか、最近の観光客の動向なんかも聞いていておもしろかったのですが、そのうちそのおっちゃんは満を持して正体を白状しました。実は旧軽銀座に店を持つ、知る人ぞ知る有名な某パン屋さんのご主人であり、特に最大の自慢は、かの「ジョン・レノン」がその店にしょっちゅうパンを買いにきていたという事実です。

日曜日の夜は、要するに観光客がみんな帰ってしまうから、すっかり人通りがなくなるんだよ。きのうの土曜日の夜なんかはたくさん人もいたし、店ももっと開いてるよ」と教えてくれました。

話しがおもしろいのでいろいろジョン・レノン滞在時の逸話などを聞いていたりして、すっかりこの店に長居してしまいました。大量のビールを消費しつつ、とにかく「うちのパンはおいしいよ。東京からわざわざ買いにくる客もいる」ということでしたので、翌朝行ってみました。

店にはジョン・レノンが来店した時の古い写真も貼ってありました。下の写真はパン屋さんのウェブサイトからお借りしましたが、店にはもっといろいろ貼ってありました。貴重な写真だと思います。

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とにかくここで朝食のパンを買おうと思って、レジにいった時に「今日はご主人はいらっしゃいますか。実はゆうべうどん屋で一緒に飲んだんですけど」と聞いてみると、レジの女性は「ああ、またか」といった顔で奥の工場にいるご主人を呼んでくれました。

ご主人はゆうべの酔っぱらいムードとはうってかわって、パン作りの白衣と帽子をかぶったりりしい姿で登場しました。「いやあどうもどうも。まあおいしいから食べてみてください」ということで、店内のイートインスペースで食事しました。その節はいろいろありがとうございました。

まあパンもおいしかったのですが、ここのご主人はいつも飲み屋で会った観光客をつかまえては、「ジョン・レノン」ネタなどをまじえて店の宣伝に励むのが習慣になっているようです。その後も軽井沢に行くと、ついこの店をのぞいてしまいます。

たぶん今でも夜は飲みにでかけて、カモになる新顔を見つけてはいろいろおもしろいネタを披露しているのではないでしょうか。

[軽井沢・ペンションウエハラ](2006年5月宿泊)
■場所 〒389-0102  長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1274-17
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居心地が良さが魅力の温泉街。安宿でも温泉は充実 [渋温泉 かめや旅館]

「渋温泉」にいったのは2005年のことで、目的は「金具屋」という旅館に泊まることでした。ここはけっこう料金は高いものの、いろんな風呂があり、建物も歴史を感じさせる情緒のある旅館として有名です。ここに泊まることを第一に、できれば2~3泊したいと思っていたのですが、「金具屋」は高いので1泊だけにし、次の日は「かめや旅館」という、やはり「渋温泉」の中心にある比較的安い宿に朝食付きで泊まることにしました。「金具屋」はたぶん2万円くらいで、「かめや旅館」は朝食付きで6000円以内だったような気がします。このへんは、残念ながら記憶が定かではありません。

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上の写真が「金具屋」。みた通り立派な木造4階建てで、温泉ファンの間では超有名な、泣く子こもだまる名旅館。国の有形文化財になっている伝統建築です。「渋温泉」自体も、上信越自動車道の信州中野ICから行くと手前の「湯田中温泉」から、ひとつながりになっているような温泉街で、ずっといい感じの情緒のある町並みが続きます。金具屋前の細い道は、タイムスリップしたような古い湯治場風情が漂っていました。

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上の写真は「金具屋」のお風呂です。このほかにも家族風呂がたくさんあって、一応全部入りましたが、それだけでけっこう忙しいです。このほか、「渋温泉」には共同浴場の「大湯」をはじめ外湯がたくさんあるので、とても1泊では満喫できないわけです。外湯は裏道を入った意外なところにもあるので、散策していて、けっこう飽きないのです。

「金具屋」は入り口を入ったときから高級感あふれ、帳場の前は広い座敷になっており、大きな古い置き時計なんかもあります。上品な中庭や渡り廊下なんかもあって、全体的にかなり古いのですが、洗練された雰囲気がありました。いつもボロ宿ばかり泊まっているので、こういう宿にくると妙に興奮します。

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この日は館内の風呂に入り、別館の食事処で豪華な夕食を食べ、2間続きで縁側などもある豪華な部屋でくつろぎました。そして次の日が問題の「かめや旅館」に移動する日でした。とりあえず朝のうちは大湯前の朝市などをひやかし、昼間は近くにある「地獄谷温泉」に猿が温泉に入るのを見に行きました。

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「渋温泉」から林道を通って「地獄谷温泉」の駐車場まで行くと、そこのおっちゃんが「今日は猿が山からおりてこないみたいだ」とショッキングな発言。しかしせっかくここまできたので、「まあ散歩がてら行ってみます」といって、15分くらい歩いて「野猿公苑」で待っていると、「猿がおりてきた」という声がかかり、待っていた観光客みんなで猿の温泉場まで歩きだしました。ここの猿はいつまで見ていても飽きませんね。

ここには「後楽館」という一軒宿がありますが、前に一度泊まったとがあり、猿の温泉は2度目でした。しかしボロ宿ということになると、この「後楽館」はかなりいい線いっています。昔のことで写真も残っていないのが残念です。「後楽館」に泊まった時は、群れからはぐれた猿が宿の屋根まできていて、「不用意に窓を開けておくと猿が財布などを持っていくこともあるので、絶対に開けないように」といわれたことを思い出しました。

午後になって「かめや旅館」にチェックインしました。ここはかなりのボロ宿というか古い木造建築ですが、「金具屋」と違って高級感というものはまったくなく、廊下の床に赤いじゅうたんが敷いてあったり、インテリアなんかも何かちぐはぐな感じなのです。帳場や受け付けも雑然とした感じ。「金具屋」とのギャップにショックを受けつつ、部屋に落ちつきましたが、全体的に薄暗い感じで、不気味なムードもありました。外観についてはつい写真をとるのを忘れてしまいました。

ただ風呂だけはすごくて、男女別の内風呂のほか、貸し切りの庭園露天やお座敷露天風呂など、いくつもの家族風呂があり、けっこう楽しめます。この日、ほかの客とはまったく出会いませんでした。

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上の写真は「かめや旅館」の貸し切り風呂の一例です。渋温泉の宿はだいたい立て込んだ温泉街にあるので、山の中ではないのですが、一歩宿の中に入ると、異次元の世界が広がる感じでした。この宿でも、そういう不思議な気分を味わいながら、いくつも風呂に入りました。

夕食は外に出て、すぐ近くの居酒屋さんで飲んだあと、ラーメンを食べました。射的屋などにもいってみましたが、そこのおばちゃんがやたらと愛想が良く、客を乗せるがうまいので、けっこう真剣になってやってしまいました。温泉街の夜の散策もなかなか風情がありました。

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ちなみにこのときは、草津に抜ける国道を通って草津に寄って帰りました。途中に最「国道最高地点」の標識がありました。

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とにかく「渋温泉」は、実際にいってみると、思いのほか高級感のある温泉街でしたが、安い宿もあります。湯治場であると同時に行楽地的な要素も強いような気がしました。ともあれ、じっくり長期滞在したい温泉でした。今度はもっと強烈な“ボロ宿”を探して、もう一度いってみたいと思っています。

[金具屋](2005年9月宿泊)
■住所 〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町 渋温泉
■泉質 弱アルカリ性低張性高温泉、弱酸性低張性高温泉など(源泉かけ流し)

[かめや旅館(2005年9月宿泊)
■住所 〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町 渋温泉
■泉質 地獄谷源泉(おそらく含食塩石膏泉・源泉かけ流し)

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地元民が温泉で野菜をゆがく生活感をあふれる温泉街 [野沢温泉 野沢温泉ホテル]

温泉地に滞在する時、街全体の雰囲気を味わうのも楽しみ。その意味で「野沢温泉」は村全体で温泉街を形成している大規模な街なので、前から行って滞在してみたいと思っていました。外湯めぐりなども期待していました。宿はまあどこでも良かったのですが、このときは「野沢温泉ホテル」というところにしました。

バスで温泉街の中央ターミナルに到着すると、そこから商店町を抜け坂道をのぼってすぐのところにホテルはありました。高台にあるので見晴らしがいいです。ただコンクリートの外観は何か冷たさを感じる、いまいちのムード。新築当時は近代的ホテルとしてスキー客でにぎわったのでしょうが、いまとなってはうらさびしい印象が強い外観です。でも「ボロ宿」とはまではいえないと思います。

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ここに安い宿泊プランで2泊しました。2食付きで1泊9000円前後だったと思います。照明を落しているのか中は何となく薄暗い感じで、壁や床なども古びていますが、それなりに手入れが行き届いています。食事処でとる食事も、一見したところ普通の温泉旅館風のきれいな盛りつけになっていました。お風呂も貸し切り露天風呂などを含めていくつかあり、館内だけでもけっこう楽しめました。

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翌日から、町を散策しながら外湯を巡りました。外湯は13箇所もあり、すべてはまわれませんでしたが、すべてが異常に熱くて残念ながらほとんどまともに入れませんでした。

しかしこういうところはあまり水でうめると地元民におこられるので、一瞬だけ入りました。他の客も多少いましたが、湯船に浸からず、縁のあたりでちょっとずつお湯をかぶっている感じ。唯一なんとか浸かることができたのが「熊の手洗湯」という共同浴場です。湯温についてはたぶん時間帯や季節にもよっても違うと思います。まあ雰囲気だけでも質素でいい感じの外湯を楽しみました。

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温泉街は商店や酒店、おみやげ屋さんなどが多く、飲食店などもまともに営業しているので、廃れた感じはあまりありませんでした。歓楽街的なスポットもありましたが、やはりどことなく不況の温泉街のにおいを感じ、全体的に古びています。古くても例えば宮城の「鳴子温泉」や山形の「肘折温泉」のような活気を感じないのです。スキー客の多い冬場はいいとしても、いまや素朴な湯治場でもなく、たぶん団体旅行向けの歓楽街という選択肢はいまさらないでしょう。外国人旅行客に頼るにも、アクセスがあまり便利なところではないのです。これからどうやってせっかくの温泉資源を生かしていくのか。中途半端なリゾート開発やありきたりなイベントなどでは難しい気がしました。

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散歩していておもしろかったのは山のほうに登っていった「麻釜」付近にある屋台街です。おみやげや地元の農産物などを売っていました。これは別に下の商店街でも手に入るのですが、この付近は眺めがよく、地元の人が野菜を温泉でゆがいていたりして、ちょっと街の生活に触れたような気分になりました。スキーが盛んなだけあってリフトもあり、地形が複雑でおもしろいところでした。

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結局「野沢温泉」は、不便な山奥にありながら豊かな温泉資源を持つため、昔から温泉を中心に村人の結束が図られたきたのではないでしょうか。湯治客だけを細々と受け入れていた昔のほうが、幸せな暮らしだったような気もしてしまいます。

ちなみに野沢温泉にいく途中、長野市で北京オリンピックの聖火リレーをやっていて、中国人が集まって大騒動になっていました。聖火リレーには別に興味がなかったのですが、火事場見物みたいな気分でつい見に行ってしまいました。けっこうもめてました。

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[野沢温泉ホテル](2008年4月宿泊)
■住所 長野県下高井郡野沢温泉村
■泉質 ナトリウム-硫酸塩泉
■楽天トラベルへのリンク→野沢温泉 野沢温泉ホテル
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歓楽色のない療養目的のひっそりとした温泉街 [上田市・鹿教湯温泉]

長野県上田市の温泉といえば「別所温泉」が有名ですが、「鹿教湯温泉(かけゆおんせん)」は別所から山を越えた旧丸子町に立地します。上田駅と松本駅からバスが通っています。

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ここに初めていったのは2005年で、結局4回行っています。町はまったく歓楽色がなく、商店や飲食店も数える程度しかないため、にぎやかな温泉街をイメージする人がまちがってきてしまうと、ひっそりとした雰囲気が耐えられないかもしれません。私はもともとそういう寂れた温泉街が好きなので、わざわざでかけてみました。

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町の中には鹿教湯病院という大きな病院や本格的なクアハウスがあり、「国民保養温泉地(環境庁指定)」にもなっていますので、基本的には湯治や療養目的の客が多いところです。ただ一見すると山に囲まれた狭い温泉町が小さな別世界のように静かで、俗世間から隔絶してしまったような町です。変わった形の山もありました。

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宿は大きな温泉ホテルから小さな旅館までたくさんあります。最初は数ある中から国民宿舎の「鹿月荘」に2泊してみました。ここは典型的な“公共の宿”的雰囲気でお風呂も食事も温泉風情はまったくありません。企業の研修所みたいな宿でした。

鹿月荘二日目

この宿の近くの山をのぼると、月見堂というお堂があるというので夜中にいってみましたが、まったく明かりがなく道も険しいので、肝試しみたいでした。私たちは懐中電灯を持っていたので何とかのぼることかできました。

そんな感じでしたが、なぜかゆったりした街の雰囲気が気に入ってしまいました。ここで年末をゆっくり過ごしてみようと、次に行った時は河鹿荘の湯治プランにしました。ここは「河鹿荘」という立派なホテルの別館で、私たちは12月の25日前後に3泊ほどしたのですが、ほかに客がいなくて貸し切り状態でした。

1階には観光協会の事務所が入っていて、地下には大きな内湯が2つあり、貸し切り札をかけて入浴することができます。また本館のお風呂にも入ることができます。飾り気のない作りですが、部屋もきれいで設備も整っていました。

自炊者用のキッチンには、炊飯器や鍋、食器なども整っているので、とても便利です。ただ以前は比較的大きな食料品店があったのですが、どうも営業をやめたみたいなので、本格的に自炊をする場合は、上田や松本で買物をして材料を持ち込まなくてはならないと思います。ここは気に入って、2回いきました。だいたい素泊まり1泊4500円くらいだったと思います。

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もう1回は2008年のやはり年末に「みやこ旅館」という宿に、2食付き湯治プランで泊まってみました。場所が温泉街のど真ん中というか、便利なところにあるのが気に入りました。蕎麦屋の辰巳屋の向かいで、サカエヤという商店の並びといえば、「鹿教湯温泉」では最高の中心街になります。

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とにかくお風呂がいろいろ楽しめるのがよかったです。中庭の露天風呂もぬるくて長湯できたし、貸し切り風呂もいくつかありました。ただこのときは着替えのパンツを持ってくるのを忘れて、近所のふる~い雑貨店で買いましたけど、当然のことながら今どきのパンツは置いてなく、小学生時代を思い出すような、どこか懐かしい感じのパンツを買いました。

みやこ旅館の食事はおそらく通常の2食付きのおかずから品数を減らしただけだと思われます。湯治プランでも8000円くらいするので、料金的にはそんなに安いわけではありません。

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町の中には「文殊の湯」という公共の外湯と地元民のための共同浴場がありますが、どこもいい雰囲気です。

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川には五台橋という屋根付きの木橋がかかっていて、渡った向こうの丘には文殊堂と薬師堂いうお堂があります。お墓などもあって不気味なムードです。最近は年末に氷灯籠などを灯してライトアップしており、観光集客を意識するようになっているようです。

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「鹿教湯温泉」にいく魅力のひとつは、辰巳屋という蕎麦屋さんです。ここは蕎麦がおいしいだけでなく、ラーメンや定食、おつまみなども充実しており、広い座敷もあります。私はここのラーメンに完全にはまっていて、行くと必ず食べています。昔風の「中華そば」という感じで、懐かしい味です。食事なしのプランで泊まって、昼と夜は辰巳屋に通うというかたちでも、まったくあきないと思います。

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[上田市国民宿舎  鹿月荘](2005年5月宿泊)
■住所  〒386-0323  長野県上田市鹿教湯温泉1295番地2

[河鹿荘別館](2005年12月宿泊)

■住所  〒386-0323  長野県上田市鹿教湯温泉

[みやこ旅館](2008年12月宿泊)
■住所  〒386-0323  長野県上田市鹿教湯温泉

■泉質 単純泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
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ちょっと観光化されすぎか? でもやっぱり良かった!! [妻籠 松代屋]

古い宿が好きなので、いちおう妻籠や馬籠、奈良井などにもいってみました。

最初に馬籠を見て歩き、何となく帰るのがいやになったので、妻籠の「松代屋」という宿に電話してみたら、泊めてもらえることになりました。実際に泊まってみてかなり感動しました。当日急にお願いしたにも関わらず気持ちよく応対してもらい、客は私たち一組だけだったのに、食事や風呂も急きょ用意してもらいました。その節はありがとうございました。

こういう宿は「ボロ宿」というより、立派に旅籠の伝統を守っている宿だと思います。下の写真の奥のほうに見えているのが「松代屋」です。

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古くて小さい宿なので、混んでいる時は不自由もあるかもしれませんが、そのときはほかに客がなく、独立性の薄い部屋でも気兼ねなく過ごすことができました。食事も自分たちだけだったので、広間でゆっくりビールやお酒を飲み、ボロ宿の侘しさなどはまったく感じず、ぜいたくな気分を味わいました。

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渡り廊下の下に池を泳ぐ大きな鯉がたくさん見えました。「すごいなあ」と思って見ていたのですが、後から食卓でも輪切りになったやつに再会することになりました。

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妻籠の通りは、夜になると昼間とうって変わってひと気が少なくなり、まさに江戸時代にきたような気分になれました。

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ただ妻籠や馬籠はあまりにも有名で、かつメンテナンスが行き届いているので、町並みがきれい過ぎるというか、ちょっと人工的な感じがします。古い町並みの価値に気づき、いち早く修復や保存に乗り出したところなので、今となってはちょっと観光化され過ぎている感じがしてしまうのかもしれません。

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とはいえ通りすぎるだけでなく、一度は泊まってみる価値があると思いました。

このときは帰りに奈良井宿にも寄りましたが、中山道沿いのほかの宿場にも、素朴というか、飾り気のない宿がまだまだあるようです。

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上は妻籠の「阪本屋」さんです。泊まってはいませんが外観が気に入ったので写真をとりました。

いま全国で古い町並み保存が盛んになっています。あまり知られていない宿場町でも、いい感じのところに突然出会うこともあります。もっとあちこちいってみたいと思っています。

[松代屋](2005年6月宿泊)
■所在地   長野県木曽郡南木曽町吾妻妻籠807
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「日本ボロ宿紀行」文庫版発行



ボロ宿紀行・続編




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浜屋旅館(川古温泉)
まるほん旅館(沢渡温泉)
積善館本館(四万温泉)

千葉県
第八福市丸(御宿町)

埼玉県
山崎屋旅館(寄居町)

東京都
駒鳥山荘(青梅市)

神奈川県
岩亀荘(湯河原温泉)
富士屋ホテル(箱根宮ノ下温泉)

山梨県
要害(積翠寺温泉)
古湯坊 源泉館(下部温泉)
赤石温泉(山梨県増穂町)
元湯 蓬莱館(西山温泉)

新潟県
ホテル瀬波観光(瀬波温泉)
旅館 附船屋(上越市)
海老名旅館(佐渡市)

富山県
大黒屋旅館(高岡市)
勝江旅館(富山市)

長野県
民宿すわ湖(上諏訪温泉)
湯元齋藤旅館(白骨温泉)
つるや旅館(白骨温泉)
泡の湯(白骨温泉)
金具屋(渋温泉)
野沢温泉ホテル(野沢温泉)
河鹿荘(鹿教湯温泉)
井出野屋旅館(佐久市)
木や伝旅館(上田市)

静岡県
長八の宿 山光荘(松崎町)
白壁荘(湯ヶ島温泉)
ケイズハウス伊東温泉(伊東温泉)

愛知県
平野屋旅館(常滑市)
尾張温泉 湯元別館(蟹江町)

岐阜県
お宿 吉野屋(高山市)
湯之島館(下呂温泉)

三重県
旅館 薫楽荘(伊賀市)
旅館 海月(鳥羽市)
山田館(伊勢市)
星出館(伊勢市)
セレクトグランド伊勢志摩(志摩市)

滋賀県
ホテル大津(大津市)
清瀧旅館(彦根市)

奈良県
旅館 白鳳(奈良市)

兵庫県
やなぎ荘(城崎温泉)

和歌山県
金剛三昧院(高野山)

広島県
ふろや旅館(広島市)
佐藤旅館(尾道市)
ホテル清風館(きのえ温泉)

鳥取県
旅館常天(鳥取市)

島根県
持田屋旅館(出雲市)

愛媛県
旅館 常磐荘(道後温泉)
ホテル椿館(道後温泉)

大分県
陽光荘(鉄輪温泉)
亀の井ホテル 大分豊後高田店(豊後高田市)

長崎県
長崎にっしょうかん(長崎市)

鹿児島県
旭屋旅館(白木川内温泉)






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