日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

長野の宿

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

「犬神家の一族」の“那須ホテル”を三たび訪ねる [佐久市 井出野屋旅館(再々訪]

前にも紹介した佐久市の井出野屋旅館にまた行ってきました。かの「犬神家の一族」でロケに使われた宿ということは前に紹介した通り。→「犬神家の一族」に那須ホテルとして登場する老舗旅館

この宿に最初に行ったのは、確か2012年だったと思いますが、この宿の話を人にすると、「行ってみたい」という人が多く、今回も宿泊希望の知り合いを連れて3人で出かけました。私は3回目の宿泊になります。

今回は週末で時間もあるので、まずはのんびり池袋発の高速バスで上田駅まで行くことにしました。新幹線よりだいぶ安くつきます。宿の最寄駅は佐久平駅なのですが、その前に上田市内で「犬神家の一族」のロケ地巡りをするのが狙い。この企画は、前に書籍版で紹介した時にやったのですが、改めて歩いてみることにしました。

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上田駅に昼頃ついたので、荷物をコインロッカーに預け、まず食事。かの有名な刀屋でそばを食べてもよかったのですが、今回の参加者はみんな行ったことがあったので、そこはやめて、普通のラーメン屋に入りました。ここは残念ながら失敗でした。

さて、駅から10分程度歩いたところに、柳町という北国街道の商人町の雰囲気が残された一角があります。ここでは「犬神家の一族」で、石坂浩二と“那須ホテル”の女中役の坂口良子様が初めて出会って、ホテルの場所を聞くシーンが撮影されています。

今回、上田のあちこちに真田十勇士のオブジェが設置されていて、スタンプラリーの目印になっていました。柳町の入口には、霧隠才蔵。

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柳町の町並み。左側奥に酒蔵がありますが、ここの「亀齢」というお酒を前に来た時に買って、おいしかったので今回も買いました。

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右側にふとんの打ち直し屋。「犬神家の一族」では、坂口良子様がふとんの打ち直しに行く場面があり、たぶんここで撮影されたのだと思われます。

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もっとも奥にある湧き水「保命水」。このあたりで映画の最初のシーンが撮影されていて、その雰囲気も残っていますが、そのへんは本のほうで書いたので省略。

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このあたりの古い味噌屋さんで味噌を買ったりして、だいぶ時間をつぶした後、再び駅方面に歩き始めました。

途中に池波正太郎真田記念館があります。だいぶ前に中を見学したことがあります。

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今回は中にあるカフェによって休憩しました。

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もう3時くらいになったので、佐久平駅に向かうことにします。新幹線で行けばすぐなのですが、今回も前回同様、時間があるのでしなの鉄道で小諸まで行き、小海線に乗り換えて向かうルートを採用。

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佐久平駅からバスで宿に向かいました。

井出野屋旅館は前にも紹介した通り、望月宿という旧中仙道の宿場町にあります。小規模な宿場ではありますが、街道筋らしい町並みが少し残っていて、立派な歴史民俗資料館などもあります。そのへんの詳しいところは前回記事で書いた通り。

すでに3回目なので、余裕で宿に到着。

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部屋に通してもらいました。過去2回と同じで「犬神家の一族」の撮影に使用された部屋です。

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続きにもうひと部屋あり、そちらに布団が敷いてありました。もう一人分のふとんは、さらに別室に敷いてもらいました。

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とにかく早速お風呂に入り、夕食まで待ちます。同じ2階の別室で。だいたいこれまで泊まった時と同じで、鯉の甘露煮や川魚などが中心。前にも書きましたが、ここの宿のご主人が手打ちした蕎麦が非常にうまいです。

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食後、ちょっと外を散策。街道筋らしい雰囲気。

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夜の井出野屋旅館。

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その後部屋に戻ってお酒を飲み、かなり酔っぱらって寝てしまいました。

翌朝はかなり爽快ないい天気。暑くなりそうでした。井出野屋旅館の前も、古そうな宿なのですが、前は営業していないような感じでした。今回見たところ営業をしているように見えます。「山しろ屋」という看板もちゃんと出ていました。

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この日は朝飯ができるのを待ちながらサッカーのワールドカップを見ていたのですが、どうも手違いで朝食はありませんでした。私が朝食なしプランで予約してしまったようです。残念。

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ご主人にクルマで佐久平の駅まで送ってもらい、駅の中で朝食を食べました。ご主人は別れ際に「また寒い時期に来てください」といっていました。朝食は焼きおにぎりのセット。なぜか、朝から地ビール付き。

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前に来た時はこのあと小諸に寄ったのですが、今回は最初に来た時に寄った中込周辺に行ってみることにします。

小海線で佐久平駅を出発。

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中込駅に到着しました。

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前に来た時は駅前の商店街の通りを工事していたのですが、今回はそれが完成し、七夕の飾りが出ていました。たぶん夏祭の時期だったらしく、屋台も出ていましたが、午前中なので、ほとんど営業はしていませんでした。たぶん夜が本番なのでしょう。

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今回も以前と同じくひまなので、野沢方面に歩き、ぴんころ地蔵を訪ねてみることにしました。途中の千曲川を渡る橋から見ると、大勢の人が釣りをしています。

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かなり歩いてぴんころ地蔵参拝。見た通り、古いいわれのある地蔵ではありませんが、最近の高齢化社会の中で、ぴんぴん長生きして、死ぬときはころっと死ぬという願いが込めれられているそうで、けっこうな人出がありました。私もこの旅の前に、病院の検査で問題が見つかるなど、大変な時期でもあったので、念入りに拝んできました。

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暑い日であった上に、私はこのとき病み上がりだったために体力がなく、ふらつきながら参道にある無料休憩所にたどりつきました。冷たいお茶と漬物を出してくれて、気力回復。あまりにおいしかったので、生姜の漬物をここで買ってきました。

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さらに歩いて富岡街道と佐久甲州街道の分岐点だったという交差点に行き、女男木を見学。前にも見たのですが。また「北木曽路」「東岩村田道」と掘られた道標も見学。

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そしてもはや体力の限界だったところにちょうどタクシー会社があったので、タクシーで中込駅に戻りました。今回中込にきた最大の目的は、前に食べておいしかったとんちんめんを食べること。「とんちんめん」というのは駅前の食堂「頓珍館」で出している名物ラーメンです。

こんな感じ。

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こちらは普通のラーメン。ちょっとスープを比べてみたところ、普通のラーメンのほうが全体的にあっさりしていて、チャーシューも脂が少ない感じがしました。今度来た時は普通のラーメンにしたほうがいいかな、と思いました。

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しかしわざわざラーメンを求めて中込まで来るという、自分でもひま人だなあと思います。今回はいろいろ手違いがありましたが、やはり宿は最高でした。井出野屋旅館さんは私が何回も訪ねたせいか、少し後になって畑でとれたという馬鈴薯を送ってくれました。みんなで分けていただきましたが、大変おいしゅうございました。その節はありがとうございました。

ちなみにこの間テレビを見ていたら、住みやすい町として佐久が紹介されていて、望月宿の井出野屋旅館も紹介されていました。ご主人も登場して「犬神家の一族」のロケの話を紹介するなど、なかなかおもしろかったです。

[井出野屋旅館](2014年7月宿泊)
■所在地 長野県佐久市望月254
■楽天トラベルへのリンク→井出野屋旅館
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「犬神家の一族」に那須ホテルとして登場する老舗旅館 [佐久市 望月宿 井出野屋旅館]

去年、書籍「日本ボロ宿紀行2」の書き下ろしネタを書くために泊まった宿にはすごくいい宿が多く、ブログでも紹介したいと思っていました。ふだんのように仕事のついでではなく、本に書くために自分で選んで出かけたわけなので、いい宿が多いのは当然としても、ブログでは紹介できなかったのです。

しかし今回「井出野屋旅館」については、昨年の11月に再訪しました。書籍とは別にその時の話を紹介したいと思います。何といってもこの宿は、映画「犬神家の一族」のロケが行われた宿として有名。ここの“女中”として登場していたのが坂口良子様で、石坂浩二扮する金田一耕介が滞在する、古びた旅館「那須ホテル」として登場します。

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この映画を見た時から、「こんな宿が実際にあったら泊まってみたい」と思っていたわけですが、実際にあったので泊まってみることにしたわけでした。そのほか、私は見ていませんが、「君を忘れない」(木村拓哉・水野真紀・反町隆史出演)という映画の撮影にも使われたようです。

実際に泊まってみて非常に良かったので、長野で仕事があったついでにかみさんを連れて再訪することにしました。今回はその時の話です。

当日は取りあえず長野電鉄の「村山」という駅近くに用事があったので新幹線で長野をめざします。天気が良く浅間山もきれいに見えました。

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長野駅で長野電鉄に乗換。前に来たのはだいぶ前で、今から思えばその時は中国国旗を持った中国人群衆とチベットの旗を持った人々が争っている最中でした。

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村山到着。なかなか渋い駅舎です。

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仕事は午前中でちゃらっと終わり、再び長野電鉄へ。今度は善光寺でかみさんと待ち合わせをしていたので、善光寺下駅で下車。少し歩いて善光寺前で落ち合いました。泣く子も黙る名刹善光寺。

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おばちゃんたちが群がる「びんずる尊者」。

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六地蔵。

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門前を歩いていると、なかなか良さそうな宿も発見しました。今度機会があれば泊まってみたいと思います。

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お昼はこのへんのそば屋で食べました。かなり寒い日だったので、鍋焼きうどんと熱燗にしてみました。

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せんと君みたいな仏像も発見。

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ここから宿に向かうわけですが、宿はJR佐久平の駅からバスで20分くらいのぼったところにある、旧中山道沿いの望月宿にあります。

宿のおっちゃんご主人が、佐久平駅に着く時間がわかったら迎えに行くといってくれたのですが、送迎を軽く頼めるような近い距離でもないし、バス停も宿の近くで便利なので、バスで行くつもりでした。しかしせっかくの心配りなので、今回は、だいたいの時間をみはからって電話し、迎えに来てもらうことにしました。

長野駅から佐久平駅までは新幹線に乗ればすぐですが、この日は急ぐ旅でもないのでしなの鉄道で小諸まで出て、小海線で佐久平へ。ご主人はすでに駅前で待っていてくれました。

クルマの中でご主人がいうには、「11月ともなると望月はだいぶ冷えるので、まあ寒さを楽しんでいってください」ということでした。前に来たのは確か9月頃で昼間はまだ暑いくらいの日でしたが、宿に着くと涼しい風が通って、クーラーもいらないほどだったことを思い出しました。

宿に到着。外観は映画「犬神家の一族」よりかなりきれいですが、大正時代の建物。2回目なので勝手知ったる家のように、上がり込みます。

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↓映画「犬神家の一族」より
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玄関口も映画のまま。ここで原作者の横溝正史氏が、宿の主人役で登場していました。映画の中で坂口良子様は「ホテルなんて名前だけで古びた旅館よ」と紹介しておりました。

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↓映画「犬神家の一族」より
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この上がりのところで金田一耕介は宿帳を書き、坂口良子様は下足箱からスリッパを出して、ほこりをはたいてから出してくれます。その下足箱がこれ。これも映画のまま。

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↓映画「犬神家の一族」より
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前に泊まった時と同じ2階の部屋へ女将さんに通してもらいます。この廊下の雰囲気が非常にいいです。

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前回と違って今回はこたつが出ていました。

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↓映画「犬神家の一族」より
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ふとんは隣の部屋に敷いてありました。

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正直いってこの宿は“ボロ宿”というのではなく、古い建物ですがしっかり手入れされていて、すごくきれいで上品な雰囲気があります。

まだ夕食までに時間があるので、付近を散策してみることにしました。

この望月宿は平安時代から知られた馬産地らしいのですが、江戸時代には中山道の宿場として栄え、戦前までは花柳界の町としても大変に繁盛したそうです。「井出野屋旅館」も町の中に数件の支店を持ち、芸者衆も総勢50人ほど抱えていたそうですが、この建物だけが残って旅館を営業しているわけです。

付近には旧宿場町らしい雰囲気も残っています。

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旧本陣と脇本陣のあったところ。現在の建物がいつ頃のものかはわかりませんが、脇本陣のほうはかなり古そうです。

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重要文化財「真山家」。中は見学できませんでした。

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「井出野屋旅館」からも近い、望月歴史民俗資料館。前回はここに入ったので今回はパス。道祖神も飾ってありました。

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そんなことをしているうちに寒くなってきたので再び宿へ。

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お風呂の準備ができていました。かなり大きい家族風呂です。

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お風呂からあがり、部屋でのんびり風情を味わっていると、おかみさんが食事の準備ができたと知らせてきました。前は部屋出しでしたが、今回は廊下をはさんで別部屋に用意してくれたようです。この廊下の奥の階段を降りたところは、映画では、タバコに仕込まれた青酸カリで探偵の若林さんが殺された現場になります。

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食事はかなり手が込んでいて上品な感じ。しかも地物が多く、いかにも山中の旧宿場町に来たという、旅の気分を味わうことができました。


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焼きたてがうれしい川魚の塩焼き。ヤマメかも。

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馬刺し。凍らせたのが溶け始めたくらいの感じ。にんにくをつけて食べました。

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佐久といえば欠かすことができない鯉の煮付け。佐久地方の長寿の秘訣は鯉を食べるから、という説もあるそうな。

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箸休めのなめこ。

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後から出てきた天ぷらには地元産の藥用ニンジン付き。このへんでは昔からニンジンの畑を作っていて出荷していたそうです。

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最後に近で採れる蕎麦をひいてご主人が手打ちしたそば。前に来た時は一人だったので、食べられなかったやつです。非常にうまいです。

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さらにデザートのりんごも出てきました。

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みんなおいしくて、けっこう満腹になります。われわれはビール2本とお酒2本飲みました。

食事が終わるともう夜が更けて、部屋に戻ってテレビなどを見ていましたが、早めに寝てしまいました。夜になるとひときわ寒いですが、石油ストーブのほか、毛布も電気で温めるやつが仕込んであって快適。夜は本当に静かでした。

2006年に「犬神家の一族」がリメイクされた時も、「井出野屋旅館」にロケハン隊が来たそうです。しかしその時は監督の市川昆さんが高齢で体調に不安があったため、結局はセットでの撮影に切り換えたそうです。しかしリメイク版でもこの宿の雰囲気はそっくり再現されていました。

廊下には原作者横溝正史氏の色紙や坂口良子様と石坂浩二のサインも。

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さて翌朝も同じ部屋で朝食でした。こんな感じの部屋。

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朝食はこんな感じ。

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この日の予定は決めていませんでしたが、近くを少し歩いて早めに東京に戻ろうと思っていました。またも佐久平までご主人が送ってくれました。前回は、ご主人ともいろいろ話して、余計なことまで本に書いてしまったのでその点は怒られましたが、おおむね喜んでくれたようでした。

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ご主人は「こういう田舎は土地も安いし、畑もやれるし、田舎暮らしには興味はないの」と聞いてくるのですが、私としては田舎や古い家に興味はあるものの、こういうところでのんびり暮らせるようになるためには、まだまだ働かないと厳しいというのが実感です。


余談ですが、坂口良子様と石坂浩二が出会う場面は上田市内で撮影されています。井出野屋旅館に泊まったら、ついでに寄ってみるのも一興かも。

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↓映画「犬神家の一族」より
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[佐久市  井出野屋旅館](2013年11月宿泊)
■所在地   長野県佐久市望月254
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効能の高い飲泉で有名な、谷底の一軒宿 [佐久市 初谷温泉]

このあいだ長野の佐久方面にキャンプに行った時に、初谷温泉に立ち寄り入浴しました。地元民の話では、昔はかなり古い湯治宿だったそうですが、近年はリニューアルしてきれいになっているということです。しかし明治時代創業の山奥の一軒宿というだけで魅惑的。しかし、今回は宿泊はしていません。

まずは佐久インター近くの「おぎのや」で峠の釜飯定食。

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このへんに来るとつい食べてしまいます。器はすでに家にいくつかあって、持って帰っても使い道がないので泣く泣く返却してきました。

初谷温泉に行くには、国道254号を群馬方面にのぼっていきます。この日は天気がはっきりせず、小雨模様。

国道からそれるといきなり狭い林道みたいになっていて、5分か10分くらい走るとすぐに看板が見えました。

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この下がどんなふうになっているのかわからないので、道路際にクルマを停めて、徒歩で谷を下っていくことにしました。国道から少しそれただけなのに、かなりの深い谷です。

しかし距離的には近く、すぐに宿に到着。きれいな建物ですが、なんとなく長屋風の湯治棟らしき雰囲気も残っているような気がします。できればリニューアル前に訪ねてみたかった。

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玄関には「日本秘湯の会」の提灯もありました。

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中に入ると、女性が出てきたので料金を払いました。「お風呂から出たら、そこのラウンジを待ち合わせや休憩にお使いください」と、とても親切です。

とにかくお風呂が目当ての立ち寄りなので、とっととお浴室に向いました。なかなか雰囲気のあるきれいな内装。ボロ宿どころかむしろ洗練された高級感を感じます。こうなると、もう湯治宿という感じの客層狙いではないのでしょう。

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お風呂もなかなかきれいで快適です。鄙びた鉱泉宿の風情はなし。備品などもそろっています。

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手前側の浴槽が沸かした白湯で、奥が源泉だそうです。源泉といっても、14度くらいの冷泉なので沸かしています。成分の強さがうかがえる茶褐色。成分の固化層も少しできていました。源泉は温めなので長湯できそうです。

大きな窓が川に面していて、眺望もなかなか。すごく静かで落ち着いた感じなので、真冬の人の少ない時期に、ひっそりと連泊などしてみたい気がしました。

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初谷温泉の「しょや」は「塩谷(しおや)」の転訛であるという説もあるそうな。要するに塩分や炭酸が強い泉質のようです。宿の裏には「宝命水」という源泉が湧き出しており、これを飲みながら入浴するとますます効果的だということでした。

お風呂から上がって、タオルをパンパンならしながら体を拭いていると、脱衣所の窓から裏の細い山道を歩いていくおばちゃんが見えました。そうすると向こうからもこっちが丸見えだったのでしょうか。

とにかくお風呂からあがってラウンジで休息。やはり誰も人がいないので、静かな落ち着いた雰囲気です。

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私はあまり飲泉をしないほうなのですが、せっかくすぐ裏に出ているということなので、ちょっと飲んでみることにしました。

出がけにご主人らしき人が「ありがとうございました」と声をかけてきたので、「例の源泉を飲ませてもらってもいいですか」と聞くと「どうぞどうぞ。玄関を出て右手に回ってください」ということでした。

宿の裏には川があり、砂防ダムみたいなのもすぐ近くにありました。

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「宝命水」の看板と、観音様みたいな像もありました。

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炭酸が抜けないよう栓をしてあるそうです。とにかくすくって一口飲んでみましたが、何というか、はっきりいうと非常にまずかったです(笑)

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サイダーに塩を混ぜて、ぬるくして飲んでいるような感じ。健康にはよさそうですが、私はおかわりはしませんでした(笑)

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そういうわけで初谷温泉は、深い谷底にひっそりと立つ静かないい宿でした。あまりにもきれいなので、私としてはあまりそそられないのですが、聞くところによると佐久鯉のあらいや旨煮など、食事もかなりおいしいそうです。できれば泊まってみたいところでした。

[佐久市  初谷温泉](2011年8月立ち寄り)
■泉質  含二酸化炭素・ナトリウム・塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
■所在地  佐久市内山352

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築数十年のボロいバンガローでしみじみ過ごす [佐久市 山荘あらふね 内山牧場キャンプ場]

松原湖高原を後にして、翌日の宿泊地は山荘あらふね・内山牧場キャンプ場にあるバンガロー。佐久市域内ですが、もう群馬県境に近い山中にあります。

佐久市内で食事をしたり、買い出しをしたり、初谷温泉に立ち寄り湯したりして、それでも午後2時くらいには「山荘あらふね」に到着。ここで手続き後、バンガロー付近までクルマを入れて荷物をおろしました。

このあたりの山は標高が1200mくらいもあって、「妙義荒船佐久高原国定公園」内に当たるそうな。

それにしても、天気が悪いというか激しい雨ではないけれど、ずっと小雨が降り続き、遠くの山は霧がかかったようになっていて眺望も何もありません。

山荘あらふねの前の「あらふね湖」もこんな感じ。

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バンガローは、最近あまり使っていないのではないかと思われるほど、かなりボロくなっていました。畳敷きですが、かなりいたんでいます(笑)。前日の豪華コテージとは大違い。

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しかし炊事場やトイレなどの設備は整っており、この日も雨にも関わらず何組かの家族客が来ていました。自然も豊かで、たぶん天気が良かったらけっこう快適なキャンプ場のような気がします。

この日の予定としては、夕方くらいに佐久に住んでいる友人が遅れて参加するのを待って、焚き火でもして盛り上がろうと思っていたのですが、それは無理。他の客もいるので炊事場を占拠することもできず、バンガローの中で焼肉をやることにしました。

どうせ設備の整ったバンガロー泊まりだ、となめきっていた私たちは、ガスストーブやランタンも持っていかなかったので、佐久の友人にガスコンロやフライパンを持ってきてくれるように頼みました。情けない。

それまでの間、近隣の山中を散策。

荒船山中の別荘村を訪ねてみましたが、別荘はあまり建っておらず、原生林のような雰囲気。

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さらにクルマで近くの神津牧場にも行ってみました。明治20年にできた日本初の洋式牧場で、けっこう有名なところらしいです。

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この牧場に行くと、県境を越えて群馬県に入るようです。途中妙義山の独特の山影もちらっと見えましたが、基本的にはずっと小雨という状況でした。

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草をやると食べにくる人懐こいヤギ。

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今年生まれたばかりの子牛もいました。

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↓こっちはだいぶ前に生まれたらしい、でかい牛たち。

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6時頃、佐久の友人がコンロやフライパン、それに自宅でとれたとうもろこしやきゅうり、トマトなんかを持って合流。ようやく全員そろったところで、酒盛りを始めました。

バンガローの中でしみじみ飲んでもしょうがないかな、と思っていましたが、意外に盛り上がり、友人が持ってきた野菜がおいしいので、かなり飲み、食べました。実際のところ、ガスコンロで焼肉をやるなら、家でホットプレートでやるのと大差ないのですが、ボロいバンガローのおかげで、何となくキャンプ気分は味わうことができました。

いくらボロくても、こんな天気の時、やはりバンガローは便利だなと思いました。

だいぶ泥酔したので、2つのバンガローに2人ずつに分かれて解散。

マットを敷いて寝袋で寝たわけですが、8月なのに寒いくらいでした。私が泊まった部屋は壁に穴があいていて、そこから風が吹き込んできます。

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それでも酔っぱらっているので熟睡してしまいましたが、朝は4時くらいに眼が覚めました。夜中、かなり激しい雨の音もしていて、明け方もやはり雨でした。

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明るくなりかけたバンガローでじっと横になっていると、こんな天気ならもう一泊して昼寝したいという欲求が起こってきます。一棟5000円なので、1か月滞在すると15万円。ちょっと高いな、などとあれこれ妄想しながら、5時過ぎくらいに隣のバンガローを携帯で呼んでみると、もう起きていました。

また集合して朝はロールパンに茹でたフランクフルトをはさんだやつを食べ、もう8時くらいには撤収しました。あとはクルマで群馬側に山を下り、下仁田インターから高速を飛ばしてまっすぐ東京に帰りました。

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今回キャンプ場に2泊して、ずっと天気には恵まれませんでしたが、しかしだいたい後から考えると、こんな条件の悪かったキャンプのほうが、強く思い出に残っているような気がするのは不思議です。

[山荘あらふね  内山牧場キャンプ場](2011年8月宿泊)
■所在地  長野県佐久市内山352-1
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20年ぶりに訪ねた懐かしい高原のキャンプ場 [小海町 松原湖高原コテージ]

先日小海町の松原湖高原を訪ねました。昔何度もテントを持って、バイクで訪ねたキャンプ場。それから20年ぶりくらいに再び訪ねてみました。しかも今回は豪華コテージ泊まり。この夏、どこにも遊びに行く機会がなかったので、楽しみにして出かけました。

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松原湖高原に初めていったのは20代で、あちこちバイクで回っていた頃でした。その日も朝早く数台のバイクで東京を出発し、最初の狙いだった清里のキャンプ場に9時くらいについてしまいました。

この頃はキャンプするにも場所を決めず、ある程度現地で判断をしてキャンプ地を決めていました。到着した清里のキャンプ場はあまりにもきれいで設備が整っているので、「これだとキャンプにならない」という判断から、 別のキャンプ地を求めて北上することにしました。

しばらく行くと野辺山あたりに「滝沢牧場」という観光牧場があって、そこも寄ってみましたが家族連れの多いにぎやかな観光施設で、ここもお呼びでない感じなのでやめておきました。

さらに走って小海町に入り、ようやく見つけたのが松原湖高原のキャンプ場だったのです。結局ここが気に入ってその後10回以上は行っています。残念ながら当時の写真は残っていませんが、自然が豊かでそこそこ設備も整っているのに人が少ないという、絶好のキャンプ場。古くからの観光地ではあるようなのですが、何となく誰も知らない穴場を発見した気分。

ここを何回も訪ねる間には、いろんなことがありました。あまりにも快適なので滞在を延長したり、八ヶ岳の登山口にある稲子湯に行ってみたり。そのほかちょっとここでは書けないようなことも‥。当時は一般的に直火の焚き火も禁止ではなく、盛大な焚き火のそばで飲み明かしたりもしました。

今回は20年ぶりの松原湖のほか、荒船山にも一泊する予定で、最初からテントを持たずコテージやバンガローを予約して出かけました。総勢3人。天気は下り坂です。

中央道談合坂SAの天ぷらそば。

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野辺山では必ず寄ってしまう和風レストラン「最高地点」のソフトクリーム。個人的な意見としては清泉寮よりおいしいと思います。

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この日はバイクではなく4輪なので荷物積載能力も充分。松原湖高原に上がる前に、小海町のスーパーで食糧とビールとワインを買い出し。クルマのクーラーに詰めて、松原湖高原に向いました。

このへんで雨はかなり本格的になっていました。霞がかかって視界も悪く、周囲の山や湖はほとんど見えない状態。暑い東京を抜け出して高原で避暑をと思っていましたが、寒いくらいでした。

あまりにも久しぶりなので周囲の雰囲気も変わっていました。うら寂しい感じだった高原には美術館や温泉施設ができていて、別荘もかなり増えています。駐車場には雨にも関わらずかなりの台数が停まっていて、盛況な感じ。

ちょうどお昼過ぎくらいでコテージのチェックインにはまだ早いので、クルマだけ置いて温泉に入り、ビールを飲むことにしました。温泉施設は「八峰(ヤッホー)の湯」。八ヶ岳に引っかけた名称でしょうか。

こんな豪華施設ができるなんて、昔は想像もつきませんでした。昔も管理事務所くらいはありましたが、夜になると人っ気がない感じでした。

入り口付近に地場野菜を売っているコーナーもあり、売店も充実。奥には食堂や休憩室もあります。けっこう人が多くにぎやか。

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お風呂は露天風呂やサウナ、岩盤浴(別料金)もついた豪華温泉施設で、なかなか快適でした。やっぱりこういうのができると訪問客が増えるのでしょうか。

下の写真は「八峰の湯」のHPからお借りしました。

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その後、食堂でビールを飲みました。地酒「井筒長」も。ここはテーブルごとに仕切られたなかなか快適な座敷で、客も大勢いました。最近寂れつつある観光地が多い中で、松原湖高原一帯が昔とは比較にならないほどにぎやかになったのは、どういうわけでしょう。すごくいいところだということが、知れ渡ったからかもしれません。

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結局ここで本気を出して飲んでしまい、かなり酔っぱらったのでコテージで休憩しようと思い温泉の入り口にある受付でチェックイン。歩いてコテージに向いました。雨なのに傘を持っていなくて、カッパをかぶって歩きました。でもわずか3分くらいです。

雨に煙る林の風景もなかなか幻想的。

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コテージは思った以上に豪華で、キッチンには炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫など、何でもそろっています。このほか普通のオートキャンプ設備やバンガロー、貸し別荘などもあるので、目的に合わせていろんな用途に使えると思います。

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コテージの洗面所やお風呂もすごくきれい。

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2階の屋根裏部屋が主寝室になっていてベッドが3つありました。

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周囲に何軒かコテージがありますが、なかなかいい環境です。

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ここで夜まで休憩してまた飲むつもりだったのですが、なぜかそのまま続行してワインなどを開けてしまい、結局夜8時くらいには酔いつぶれて寝てしまいました。このへんは夜になると星もきれいなのですが、どうせ雨なのでそれを見ることもなく。

夜中の2時頃、2階のベッドでいったん目が覚めました。あいかわらず雨が降り続いています。もしこれがテントなら、けっこう厳しいキャンプになったでしょうが、コテージにいると「雨もなかなか風情があるな」などと感じてしまいます。

結局みんな早く寝てしまったので翌日は早朝から起き出して、残ったおつまみやカップスター醤油味を食べたりしました。

しかし自然の中でじっくり過ごすという意味で、こういう楽で快適なのがいいのかどうか。翌日のバンガローはかなりボロだということだったので、そちらに期待しつつ、朝9時くらいに松原湖を後にしました。

[松原湖高原コテージ](2011年8月宿泊)
■所在地  長野県南佐久郡小海町大字豊里 5918-2(社団法人 小海町開発公社)

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さわやかな高原観光の拠点に便利な格安宿 [野辺山 民宿 ロッヂ飯森山]

このあいだテレビ東京の旅番組を見ていたら、風間トオルと相田翔子の小海線の旅をやっていました。小淵沢から清里、野辺山を通って小諸まで行くルート。昔は本当に何度となく遊びにいったところで、野辺山と聞くとさわやかな高原の風景が浮かんできます。なつかしかったので昔の写真を探したら2005年に野辺山に泊まった時の写真がありました。

このとき泊まったのが「ロッヂ飯森山」。飯森山の登山口にあり、登山の拠点になっている宿ですが、周辺観光に利用する人も多いようした。なんといっても確か2食付き5000円くらいという安さ。部屋はまあ殺風景ですが、清潔で設備も整っていました。

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食事は1階の食堂で取ります。一緒にいたおっちゃんたちと話してみたら、基本的にゴルフに利用しているそうです。「前日の夜にこの宿に入って泊まれば、翌日は朝早くからゴルフができる。5000円で食事まで付くんだから、朝東京から来るより絶対楽だから」ということでした。

その日の食事は異様に鯉だらけで、これだと鯉が苦手な人はダメでしょう(笑)

ロッヂ飯盛山

昔は近くの「清泉寮」なんてのも大人気で、ソフトクリームがおいしいということでした。でも実は野辺山駅のすぐ近くにある「最高地点」というレストランのソフトクリームのほうがおいしい、ということはわれわれの間では密かに知られていました。地元の農協かなんかの乳製品の販売所も近いので、そこにも必ず寄ってソフトクリームを食べていました。

ちなみに野辺山駅はJRでは最高地点にある駅で、標高が1300m以上あります。鉄道路線の最高地点もこのすぐ近く。旅番組にも登場していました。鉄道ファンの間ではあまりにも有名な駅です。

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「ロッヂ飯森山」の近くには「しし岩」という展望スポットがあって、八ヶ岳の雄大な景色が展望できます。

しし岩?
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わずか5年前だというのに、何となく写真が古くさい。やはりデジカメの性能の違いでしょうか。この宿は泊まった翌日出発後に、冷蔵庫に預けたハムを忘れたことに気づき、清里から取りに戻った思い出があります。

清里や野辺山、松原湖高原や小諸、佐久といった141号線をたどるルートは、私にとってまさに青春そのもの。キャンプをすることが多かったのであまり宿には泊まっていませんが、本当に気持のいい高原ルートなのです。

[野辺山・民宿 ロッヂ飯森山](2005年5月宿泊)
■所在地 〒385-1304 長野県南佐久郡南牧村平沢75-1
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薪でわかしたお風呂でくつろげる設備完璧のキャンプ場 [辰野町 しだれ栗森林公園キャンプ場]

だいぶ前の6月、とりあえず長野方面でキャンプをしようと、バイクででかけてみつけたのが「しだれ栗森林公園キャンプ場」です。まったく無計画にとにかく中央道に乗り、岡谷ジャンクションで迷いましたが、結局岡谷でおりてみました。それで周辺を走っているうちに見つけたキャンプ場です。

なかなか立派な施設の整ったいいキャンプ場でしたが、ほとんど人がいなくてすいていました。とにかくたまには自然の中でワイルドな一夜を過ごそうと思っていたので、どこでもよかったのです。設備が整っていて、あまりワイルドではありませんでした。

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上の写真は総合案内所前。本格的なキャンプをするためにとテントも持っていったのですが、結局へたれてしまい、せっかくあるのだから、とバンガローに泊まることにしました。年を取るにつれ、こういうケースが増えています。

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泊まったのは上の写真の左側の小さいやつです。隣にバルコニー付きのキャビンもありましたが、安いバンガローにしました。内部は下のような感じ。

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けっこう深い山奥にある感じのアクセスなのですが、少し走ると商店などもあります。一度荷物を入れて、そのあと買い物にバイクででかけて、カレーをやることにしました。結局キャンプに行くとカレーばかり作っています。

カレー制作中。

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カレー完成。見た目よりおいしい。

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ここのキャンプ場の特筆すべきはお風呂です。お風呂に入る人は受け付けで自己申告して薪代を払います。私たちがついた4時くらいには、バンガローの近くにあるお風呂をわかしているおっちゃんがいました。「もう入れるんですか?」と聞いたら、「まだ少しぬるいかもしれないけど、大丈夫だぁ。薪でわかしたお湯だから、やわらかくて気持いいぞ~っ」というので、早速入ることにしました。

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簾がかかったきれいな風呂です。誰もいなかったので混浴しました。キャンプ場でこんないいお風呂に入れるとは誰が期待するでしょう。なかなかいいお湯加減でした。

キャンプ場周辺にはパターゴルフみたいなところや、大人数でバーベキューができるような設備もあり、水道・トイレも完璧。人がいないのは、6月でまだ寒いせいでしょうか。

われわれは焚き火をしました。最近焚き火禁止のキャンプ場も多いですが、焚き火用のコンクリートの側溝があったので、そこで拾ってきた木を燃やしてみました。

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暗くなるとだんだん雰囲気が出てきます。食事はランタンのあかりで外で食べ、そのあとバンガローに入ったランタンを消して、ローソクの明かりで過ごしました。

最初に狙っていたようなワイルドなキャンプにはなりませんでしたが、自然は豊か。人がいなくて寂しい感じが、なかなかよかったです。しかしこのキャンプ場が東京の近くにあったら、ずいぶん混雑するだろうなと思いました。

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翌朝、早起きして周辺を散歩してみると、バンガロー地帯から少し離れたオートキャンプサイトに、2~3グループの家族がいました。ちょっと聞いてみると名古屋方面からの人が多く、「ここは穴場だ」といってました。

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この後、足を伸ばして馬籠や妻籠あたりの旧中山道をめぐって帰ってきました。なかなか思い出深いキャンプとなりました。ただ無計画にさまよいながら、結局妻籠にもう1泊してしまったため、翌日お金がすっかりなくなりました。ガソリン代と高速代はカードで払えるので、お金がなくても大丈夫ではないか、という計画だったのですが、結局お昼にしょうが焼き定食が食べたくなり、お金をおろしてしまいました。

妻籠で「松代屋」に泊まった話しは前に書きました。

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ちなみにこのキャンプ場付近で、やたらと「チロルの森」という看板が出ていて、何かと思ったのですが、結局行きませんでした。あとで調べてみると、遊びながら農業体験ができるテーマパークみたいなところで、いろいろおもしろそうなので寄ってみればよかったと思いました。ポニーにも乗れるし。

[しだれ栗森林公園キャンプ場](2005年6月宿泊)
■所在地 長野県上伊那郡辰野町大字小野5983-1
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深い峡谷の最奥にある隠れ里のような秘境の宿 [切明温泉 雄川閣]

またも古い話しになりますが、秘境といわれる秋山郷の切明温泉を訪ねたことがありました。泊まったのは秋山郷の最奥に当たる「切明温泉・雄川閣」でした。

ここを訪ねるきっかけになったのは、江戸時代の文人で「北越雪譜」で知られる鈴木牧之が書いた「秋山紀行」です。

秋山記行・夜職草 (東洋文庫 (186))秋山記行・夜職草 (東洋文庫 (186))
著者:鈴木 牧之
平凡社(1971-01)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

この本によると、交通の便が極端に悪い秋山郷はまさに秘境の趣があったということで、平地のない隔絶した山奥に、いくつかの集落が営まれていた様子が報告されています。民俗学的にもひところは注目されていたエリアでしたが、最近はけっこう観光開発も進んでいるようです。

焼き畑で作った稗や粟を主食とし、小豆やこんにゃくの根、木の実や川魚を取って命をつなぐ生活は非常に貧しく、厳しい土地柄に適応するために、古い遺風や独特の生活様式が残されてきた秘境。その姿が明治以降もかなり残っていたといわれています。例によって、平家の落人伝説も残っています。鈴木牧之が残した絵図面が残されており、この地図でだいたいの地理的な感覚を知ることができます。

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こういう土地であるならば、もはや当時の面影は残っていないにしても、ぜひ一度は行ってみたいという好奇心で出かけました。場所としては信越国境にまたがる形で谷が形成され、新潟側と長野側に双方に集落があります。苗場山と鳥甲山にはさまれた狭い渓谷で、私が訪問した当時もかなりの難所でした。ただ道路はすべて舗装されており、バイクで十分に行くことができました。デジカメも持っていきましたが、なぜかあまり写真が残っていません。紛失したのかもしれません。

この時は、東京から行くと遠回りになりますが、まず新潟側の津南町方面から南に向かって秋山郷をめざしました。途中、見玉不動というお寺があり、ここまでは平坦な道で、ここの茶店で休憩しました。

この茶店で「平家の谷~信越の秘境 秋山郷」という本を見つけました。あとでじっくり読んでみたのですが、この本は昭和35年に発刊された本を昭和52年に復刻したのもので、近代以前から昭和初期あたりの秋山郷のようすが紹介されていました。

冬場は3メートルを越す積雪があり、無医村であったため、重病人を戸板に乗せて運んだ話し、過去の歴史の中で、飢餓によって何度も集落が滅びた話しなどが紹介されています。死人が出ても5月までは弔いもできなかったそうです。「秋山紀行」で鈴木牧之が泊まった民家は、集落の中でも裕福な家だったようですが、それでも食事の貧しさ、夜具のとぼしさなどに驚いたという話しが出ています。

下は昭和初期ぐらいの民家だと思います。写真は「秋山郷観光協会」のHPと、国立民俗学博物館のHPからお借りしました。近世以前だと、柱や床のない土間造りの広間型が多かったようです。

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国立民俗学博物館06

もちろん、私が訪問した時はそんな状況とは大きく変わっていたわけですが、途中の崖沿いの国道はかなり狭いヘアピンの連続で、舗装されているとはいっても道が荒れていてバイクをあまり寝かせることもできず、相当ゆっくりと走りました。途中から雨もポツポツと降ってきて、人家も途絶えたため心細かった覚えがあります。峡谷はかなり深く、苗場山を裏から見る景色も印象的でした。

「雄川閣」は実際に着いてみると、ちょっとロッジ風の新しい立派な宿でした。(財)栄村振興公社が運営する公共の宿です。ですから、あまり建物自体に秘境感はなく、ロビーなどは民芸調になっていましたが、まあきれいで設備の整った宿です。

雄川閣

ここで有名なのは裏の川原を自分で掘って入る露天風呂です。宿でスコップを貸してくれます。実際に行ってみると、掘るまでもなくすでに誰かが入った跡がたくさん残っていて、湯加減を調整すれば、けっこうそのまま入ることができます。

宿にも露天風呂があり、下の写真のような感じ(雄川閣HPからお借りしました)。私はこの露天に入った記憶がないので、当時はなかったのかもしれません。

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内湯は下の写真のような感じです(これもHPからお借りしました)。

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客室は普通の和室なのですが、夜になると蛾や蚊がものすごく部屋に入ってくるので困りました。「さすがに秘境の虫は強力だな」などと思ったのですが、20匹くらい退治したところで、あまりにおかしいのでよく調べてみると、高い天井の天窓のようなところがモロに開いており、そこから自由に虫が入ってきていました。それを閉めて、ようやく安眠することができました。

食事はあまり印象に残っていませんが、食堂で食べる非常に素朴な内容だったと思います。なぜか朝食しか写真が残っていません。夕食には「今日採ってきたやつだ」という山菜がたくさん出ました。


雄川閣朝ごはん

昔は栃の粉を溶いた汁を食べ、稗や粟などが口に入れば贅沢だという土地柄です。それに比べれば、ずいぶん豪華な食事内容です。

翌日はさらに厳しい山道を通って奥志賀方面に抜けました。道路が通れるかどうか宿の人に聞いたのですが、どうもよくわからないという感じでした。「奥志賀公園栄線」という道ですが、結果的には志賀高原に抜けることができました。自然のままのようなきれいな渓谷と、山の木々がトンネルのようになった幻想的な道で、まるで夢でも見ていたような感覚。どれくらいかかったのか、どんな思いで走ったのかといった記憶はあまりないのです。

その後、現地の様子はだいぶ変わってしまったことと思いますが、ほかにも「和山温泉」、「屋敷温泉」などの有名温泉があり、ぜひ再訪してみたい場所のひとつです。

[切明温泉・雄川閣](2004年8月宿泊)
■所在地 〒949-8321 長野県下水内郡栄村切明
■泉質 カルシウム・ナトリウム‐塩化物硫酸塩泉
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130年前の「藤村式」病院跡地。古民家を利用した自家製粉の蕎麦屋 [北杜市 蕎麦いち(転業したもよう)]

蕎麦が好きで、秋になるとおいしい蕎麦屋を目的地として出かけたりします。というわけで今回は宿ではなく、古い建物を利用した蕎麦屋さんの話です。その後の情報によると、この店はすでに蕎麦屋をやめたみたいなのでご注意ください。

前は中央道を走って、長坂の「翁」に行くことが多かったのです。有名な店です。しかしどうも創業者の手を離れて以来、味が変わったような気がするし、蕎麦屋としてはなんとなく敷居が高いというか、静かに食べないと怒られそうな雰囲気や、やたらと人気になって行列ができたりしているのがいやで、ほかを探してみることにしました。

それで行ってみたのがやはり長坂I.Cの近くにある「蕎麦いち」でした。朝早く家を出て、とりあえず野辺山まで行ってアイスクリームを食べ、お昼時になったら蕎麦を食べに行くという計画でした。しかし「蕎麦いち」の場所がどうも地図などでもわかりにくいので、まず先に所在地を確認することにしました。

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秋は気候がツーリングに最適なので、高速道路もバイクが増えますね。みんな高そうなバイクに乗っています。

しかし現地近くに行ってみても、どうしても見つけることができません。バイクで付近をうろついていると、富士山に珍しい雲がかかっているのが見えました。「このへんに住んでいる人は、富士山を見ているだけでも毎日あきないだろうな」などと思いながら探しました。でも、やはり見つかりません。

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付近で工事のための交通整理をしている兄ちゃんに聞いてみたら、「このへんの人間ではないのでよくわからないけど、確か蕎麦屋の看板が出ているところがある」というので、そこに行ってみました。そうするとありました、看板が。

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900mなのでまだ遠いですが、気づいてみると同じような看板が要所要所に出ていて、結局たどりつくことができました。住宅と畑と山林が入り交じったような寂しいところにあるので、ちょっとわかりにくいのは確かです。場所を確認できたのでいったん野辺山まで行ってソフトクリームを食べ、紅葉などを見物したあと、再び「蕎麦いち」に向かいました。

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渋い建物です。病院時代の看板もそのまま。だいたい130年くらい前の建物で、山梨特有の「藤村式」という擬洋風建築だそうです。なぜか当時の山梨県令が強くこの様式を推進したために、山梨県内にたくさん残っているということでした。確かにバルコニーらしきものも見えて、洋風といえば洋風のテイストもあります。

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また見方によっては病院跡なのでちょっと不気味。しかしよくぞこんな建物が残っていたものです。蕎麦屋さんが活用しなければ、取り壊されてしまったかもしれないので、すごく貴重だと思います。

こんな辺鄙なところにわざわざ蕎麦を食べに来る物好きは少ないだろうと思ったら、けっこう客が多くて、名前を書いて10分くらい外で待つことになりました。評判の店にはすぐ人が集まってしまうという、ヒマ人だけらの日本‥‥。そういう自分もそのヒマ人の一人なのでおとなしく待ちました。庭木や庭石も少し残っているので、見ているとすぐ呼ばれました。

内部も古い作りですが、ちょっとおしゃれな感じに改造してありました。民芸品や陶芸品みたいな飾りもあります。でも床や柱など内装のほとんどは当時のものらしく、かなり古びた感じになっています。

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かんじんの蕎麦はやはりそれなりにおいしかったです。十割の細めの麺で、白っぽい蕎麦でした。碾きぐるみとか、田舎系が好きな人には香りなんかが、ちょっと物足りないかもしれません。当然自家製粉で、たぶん石臼碾きをしていると思います。

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蕎麦の量は少なく、いろんなおいしい蕎麦屋さんがある中で、遠くから何度も行きたいかといわれると、ちょっと悩むところです。建物が非常に珍しいので、一見の価値はあると思いますが。このへんに別荘でも持っていればいいのですが(笑)。

次の客が待っているのでさっさと食べ終わり、裏の駐車場に出てみました。家の裏手はまさに古民家のような外観になっていて、柿がなっています。畑や田んぼの向こうには八ヶ岳が。秋らしいいい風景でした。

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清里、野辺山あたりは秋に行くとひときわ爽快感を感じます。そうした観光のついでに見学するのもいいかもしれません。

※読者様からの情報によると、現在は蕎麦店としては営業していないようです。

[長坂・蕎麦いち](2008年10月訪問・現在は転業しているもよう)
■所在地 〒408-0012 山梨県北杜市高根町箕輪1830
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諏訪湖岸にも上諏訪駅にも近くていい宿なのに、やたらと低姿勢の民宿 [上諏訪温泉 民宿すわ湖]

諏訪というと、前から通過することは多かったものの、どうもあまり立ち寄って泊まりたいとは思いませんでした。

神代からの歴史を持つ土地柄でありながら、それを大切にせず、まず生活排水で汚染されてしまった湖をイメージしてしまうからです。湖岸にならぶ豪華温泉ホテルも、あまり魅力を感じませんでした。例えば中央道のSAから諏訪湖を見ても、湖の周囲に立て込んだ市街地が目について、印象は良くありませんでした。

今年、用事があって上諏訪温泉に泊まることになり、久しぶりに1泊しました。寒い時期なのであまり歩き回ることもできませんでしたが、やはり歴史を感じさせる雰囲気があり、あんまり食わず嫌いみたいに敬遠してばかりいてはいけないな、と思いました。

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今回の訪問では、まず上諏訪駅に到着して近くで仕事を済ませたあと、昼頃にまた駅に戻りました。東京からだと日帰りで十分なのですが、とにかく泊まるつもりで宿をとっていたので、午後は上諏訪周辺で時間をつぶすことにしました。前にもきたことはあったのですが、駅の周辺は再開発というか、何かの工事をしていて、ちょっと雰囲気が変わっていました。駅のホームに立派な足湯を作ってあって、入る気はまったく起きませんでしたが、旅行気分を盛り上げる意味ではいいのではないかと思いました。

まだお昼過ぎなので食事しようと思って店を探しました。それなりに繁華でいろんな店があったのですが、再開発工事に取り残されたような、戦後のヤミ市のような一角があり、ここにラーメン屋さんがあったので入ってみることにしました。

カウンターとテーブルひとつの店内には、先客がひとりいて、昼間っから酒ビンを前に突っ伏して寝ています。こういう反社会的な行為を見ると、こっちもだまっていられません。もし店に迷惑をかけているようならたたき起こしてやろうと思ってそのおっちゃんに近づいていくと、店のご主人が人指し指を口に当てて、「いいからほっとけ」という合図をするので、たたき起こすのはやめてテーブルのほうに着席しました。たぶん憎めない常連なのでしょう。

こういうおっちゃんがいるようなら、こっちも見せしめのために昼間っから飲んでやろうかと思いましたが、夜は宿で食事が出ることでもあり、ここは勘弁しておくことにしました。しかし、この店の味噌ラーメンが上品な味付けで、意外においしかったのは得した気分でした。


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さて上諏訪温泉というと、有名なのは「片倉館」です。財団法人が運営するというちょっと変わった温泉施設として有名です。建物もかなりの渋さです。

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実際、入浴したかったのですが、諸事情があり、ここはがまんして見学だけしてきました。ちょっと排他的な雰囲気で、入浴客以外は一切中には入れてくれないというところも気に入りました。

一応お風呂の写真が掲示されていたのですが、下の写真のような感じ。大正モダンというのか、ちょっと四万温泉の積善館みたいな雰囲気を持ち、レトロでなかなかいい感じです。

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ここまで来ると湖岸にも近いので、一応湖に行ってみました。氷は張っていませんでしたが、御柱の年でもありいろいろ観光客向けの仕掛けもあって、意外におもしろかったです。間欠泉が噴出するのを見学できるというので、いってみました。

例によって団体旅行のガイトの解説を盗み聞きしたところ、去年の7月くらいから間欠泉の出が悪くなって、最近は噴出の高さが不安定だということでした。「高くあがるかどうかはみなさんの日頃のおこない次第です」などどいってましたが、こういうギャグは函館の夜景とか、条件に左右される観光地に行くと必ずガイドがいいますね。

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とにかく前おきが長くなってしまいましたが、この日泊まったのは「民宿すわ湖」という非常に安い宿です。

見た目はかなりのボロさというか、歴史を感じさせる建物でもなく、ただ古いだけの安宿という感じでした。新札(野口英世)が使えない自動販売機も久しぶりにみました。

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実際、中に入ってみても特別な風情はなく、ビジネス旅館という感じだったのですが、そうした見立ては結果的には裏切られ、想像以上にいい宿でした。料金は2食付きで6500円前後です。女将さんらしき人が出てきたのですが、とにかくやたらとていねいかつ低姿勢で「こんなボロい家ですみません」と、本当にいうのです。「いや、ボロを狙ってきたんですけど…」といいそびれました。

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諏訪湖の温泉はみんなそうなのだと思いますが、市が管理する源泉を配給しているので、お湯自体はどこに泊まっても質的な違いはあまりありません。その中でこの宿は、「民宿」とはいいながら、なかなかいいお風呂を持っていました。

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お風呂は男女別の内湯と、実質的に貸し切り使用の露天風呂があり、この中庭に面した露天風呂がなかなか良かったです。もう1時間以上独占してしまいました。内風呂も深夜にいってみましたが、しみじみとした感じがなかなか良かったです。

部屋は古い造りではあるものの、テレビとか空調とかは完全に近代化されており、設備的には非常に優れています。部屋に案内されて、ちょっと世間話をしたあとに「やれやれ」と思って油断してると、女将が再び戻ってきて、「一輪挿しを置き忘れていた」といって花瓶を持ってくるのです。こっちはそういうことに気づかない客ではありますが、宿の矜持として立派だと思います。

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そんな感じで、宿の設備は民宿というよりそこそこ立派な旅館レベルです。非常に実用的で必要なところは新しい設備を入れており、トイレも部屋についているのですがシャワートイレでした。要するに建物が古いだけであって、宿泊施設としては十分な内容を持っています。

その女将に聞いてみると、この日は工事関係の4人と、ビジネス客2人がいるということでした。その後、夕食の大広間にいってみると、私を含めて7名が、かなり広い部屋で少し距離を取った座席設定で食事をすることになりました。この時の工事のおっちゃんチームによると「片倉館の風呂はすごく深くて、おぼれそうになった」ということです。

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夕食はセルフのすき焼きでした。夕食の世話に出てきた若い男性は、ご主人なのかもしれませんが、「すき焼きはご自分で焼いていただくことにしております。申し訳ありません」とやたら低姿勢でいいます。コストを抑えながらも、それなりに満足感のある食事を出そうと苦労している感じがうかがえます。

こっちとしてはすき焼きを焼かせたら泣く子も黙る、というくらいのもんなので喜んで焼きましたが、工事のおっちゃんたちは、「まずは焼酎を一升瓶で持ってきてくれや」というところから始まって、飲むほうに重点があったようです。宿としては焼酎の一升瓶など備えていなかったようですが、「ちょっとお時間をいただけますか」といって、結局調達してきたみたいでした。

こういう宿で長酒するなら「自分の部屋で」というのは鉄則です。そういうことならこっちも本気出して飲んでやろうかと思いましたが、この日はお銚子2本で勘弁しておきました。とにかく宿の人がとてもていねいで親切なのがとても印象的で、非常に気分よく食事することができました。

朝食もいち早く広間にいって食べようとしていると、女将がテレビを付けてくれて「すみません、テレビをご覧になりたいところ気がつきませんで…」などというのです。この“ていねいな言葉使いと低姿勢”は、もはや宿の方針なのでしょう。

そういうわけでえらく長くなってしまいましたが、とても居心地のいい宿でした。こういう家は、何とかがんばって長く商売を続けてほしいと思います。

[上諏訪温泉・民宿すわ湖](2010年1月宿泊)
■場所 〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り5-13-21
■泉質 アルカリ単純泉
■楽天トラベルへのリンク→上諏訪温泉 民宿すわ湖
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「日本ボロ宿紀行」文庫版発行



ボロ宿紀行・続編




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