日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

青森の宿

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

弘前城に至近。登録有形文化財の宿 [弘前 石場旅館(後編)]

弘前の石場旅館の続きです。

お城などを見学して、暗くなってから宿にもどりました。

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隣の教会がライトアップしているのが見えます。行ってみるとクリスマスみたいな雰囲気。

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この夜は「温泉につれていく」といわれていたのですが、それは遠慮して内風呂へ。ご主人は「もし良かったら朝の5時くらいからやってますから、朝でも送っていきますよ」といってくれました。結果的に朝はバタバタしていけませんでしたが、次の機会にはぜひ温泉にいってみたいと思います。

しかしこの家の内湯もなかなか広くて、ゆったりしたいいお風呂でした。しかし気温が低いせいか湯気がすごくて、写真は撮れませんでした。脱衣所でもこんな感じ。

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この日はすごく寒い日でした。部屋の中は暖かいのですが、廊下に出るとすごく寒いです。

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食事は部屋で、最初に案内に出たおばちゃんが運んでくれました。

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貝焼きがあるのがうれしい。

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食事のあと、おばちゃんが「後でふとんを敷きにきます」というので、それも悪いので勝手にふとんを敷いてしまいました。

さて食事の後、近くのバーに行くことにしました。実はご主人が「宿泊のお客様には一杯サービスしてくれる店なので、石場旅館の客だといって入ってください」と店を教えてくれたのです。

そういうことであれば、何はともあれ行ってしまいます。しかしどうも入口がわからなくて迷ってしまいました。普通の家みたいな玄関に小さい看板が出ていたのでピンポンして「石場旅館の客です」というと入れてくれました。ちょうど他の客が帰るところでした。

何やら怪しい雰囲気のバー。最初は宿泊客へのサービスだというシングルモルトを出してくれました。


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後はバーボンを頼みましたが、なんだか飲んだことのない高そうなバーボンを勧められたので、それを飲んでみました。しかしやはりふだんから飲みつけた安い酒のほうがいいと思ったので、その後からはジャックダニエルに変更。

要するにこのバーは、会員制の秘密バーだそうです。つまり常連客かその紹介客しかきません。秘密の話があるような客、落ち着いて飲みたい客などが来るそうです。特別な会合に使う秘密の部屋も見せてもらいました。

地元出身のママはなかなか話がおもしろく、ほかに客もいなかったので、いろんな話をしました。市内に残る古い建築物の話とか。ちなみに弘前城周辺の古い商家には、昔は「南部藩のスパイではないか」という噂があったような店もあったそうです。そんな話が残っているなんて、さすが歴史のある城下町です。そのうち世代的に近いせいか、なぜか子供の頃に祭りで見た夜店の話になって、お化け屋敷とか、おどろおどろしい見せ物なんかの話で盛り上がりました。

そんなわけでかなり飲んだのでそうとう高くつくな、と覚悟していたのですが、勘定を頼んだら2000円だというので拍子抜けしました。やはり石場旅館の客だということで気をつかってくれたとしか思えません。普通の安いショットバーでも5000円するくらいは飲んだような気がします。

とにかく上機嫌で宿にもどると、ご主人はまだ帳場で起きていて「どうでしたか」というので、「いやあ~すっかり飲みすぎてしまって、しかも安いので恐縮しました」というと、「明日の朝、もし気が変わって温泉に行きたくなったら、朝からここにいますからいってください」といってくれました。やはりせっかくなので温泉につれていきたいみたいです。しかしたぶん早起きできないだろうなあ、と思いつつ寝てしまいました。

そんなわけで、やはり朝起きた時はもう朝食時間ぎりぎりでした。廊下に出てみると、朝刊と新しいお湯が置いてありました。すごく気配りのきいた宿です。

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窓を開けてみると、夜のあいだにまたも積雪が増えたような気がします。

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朝ごはんはこんな感じ。

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結局、この日は五所川原でストーブ列車に乗り、さらに青森経由で十和田まで行く予定だったので、早めに出発することにしました。出がけにご主人が「もっとゆっくりしていってください」といってくれたのですが、そういうわけなのでタクシーを呼んでもらいました。

このとき少し話したところ、弘前にはいろんな芸術・文化のグループがあり、活動が盛んなようです。そういえば昨夜のバーでも、しびれた頭で記憶が定かではありませんが工芸か何かの展示会のパンフレットをもらったような。それに古い喫茶店がかなり残っていて、通う客も多く、昔の喫茶店文化が残っているそうです。

ぜひまたゆっくり泊めてもらいたいと思って宿をあとにしました。弘前市内観光もお城以外はほとんど見ていないので、再訪したいと思います。

さてJR の弘前駅まで行き、ここから五所川原をめざしました。

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弘前駅には市内の古い建築物の模型がたくさん展示してありました。新しい新幹線も。

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弘前から五所川原までは途中で五能線への乗り換えがありますが、けっこう近いです。

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五所川原から津軽鉄道で金木をめざしました。私は2年くらい前にもストーブ列車に乗って金木まで行ってますので、今回は再訪。

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行きの電車は普通の電車に乗りました。電車の中では女性の車掌さんが地図をくれ、「金木に行く」というと、いろいろ見どころを教えてくれました。

金木では例によって斜陽館に向かいます。しかし途中で太宰治が疎開していたという家があり、そこに移築された斜陽館の離れみたいな部屋を公開していました。せっかくなのでちょっと入って見学。なかなか雰囲気のある部屋でした。

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斜陽館もあいかわらずでかい。ここはひと頃は宿をやっていたのですが、ぜひとも泊まってみたかったです。残念。

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帰りはいよいよ待望のストープ列車に。

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前に乗った時にお酒を買わされてしまったおっちゃんがあいかわらずいました。今回は自主的にお酒とスルメを購入。スルメは若くて美人の車掌さんが手早く焼いてくれます。「軍手を二重にしているけど、やっぱり熱いっちゃー熱い」といってました。

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さすが「奥津軽トレインアテンダント」。

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さらに五所川原にもどったあとは、前にも寄った駅前の「平凡食堂」を再訪。

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ここも健在で、あいかわらずおっちゃんが一人でやっていました。われわれは熱燗を頼んだほか、ラーメンと鍋焼きうどんを注文。ちょっと貧相な雰囲気はあるのですが、やはり懐かしい感じの味で捨てがたいものがあります。

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ここから青森駅まで行くのにもいろんな手があるのですが、食堂のおっちゃんにきいてみると「みんなバスで行く。電車はあてにならない」ということでした。30分に1本とか、それくらいひんぱんに青森行きのバスが出ているそうです。所要時間については「まあ、この時期だと1時間半みておく必要がある」ということでした。何を聞いても的確な答えが帰ってくるなかなかただ者ではないおっちゃんでした。

そういうわけなので、ちょっと付近を散策したあと弘南バスの待合所へ。とにかく寒い日なのでストーブがありがたい。けっこう大勢の客がいました。

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ここにも立ち食いそば屋があり、なかなかそそるものがありました。特に「じょんがらそば」500円に興味を持ちましたが、いまラーメンを食べたばかりなので今回はあきらめました。

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そしてバスに乗車。青森駅に着いた時はもう暗くなりかけていました。

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さらに青い森鉄道に乗り換えて三沢駅へ。かなり長い移動距離になりました。

ここで十和田観光電鉄に乗り換えるのですが、この鉄道は今年廃線になることが決まっているそうで、おそらく最後の乗車機会。また三沢駅の駅そばも存続するのかどうかわからないので、まだあまりおなかがすいていませんでしたが、無理やり食べてきました。

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寒い冬の夜なので、よけい侘しさを感じます。しかし捨てがたい風情を持った駅。

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こんなのがなくなるなんて本当に残念です。とにかくようやく十和田についたのはもう夜の8時くらいになっていました。

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[弘前  石場旅館](2011年12月宿泊)
■所在地  青森県弘前市元寺町55
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弘前城に至近。登録有形文化財の宿 [弘前 石場旅館(前編)]

弘前の石場旅館といえばボロ宿業界では有名な由緒ある宿であり、私としては以前から機会があれば泊まってみたいと思っていました。明治12年創業で弘前城にも近い古格を感じる宿だとか。いわゆる安宿ではありません。こういう名旅館はちょっと敷居が高い感じがしていましたが、しかし泊まってみたい気持は抑えきれず、試しに電話してみました。

そうすると意外に若いにいちゃんが電話に出て、料金体系を説明してくれました。素泊まり料金に加えて夕食の料理によっていくつかプランが選べます。また朝食も付けたり付けなかったり、自由に選択できます。非常に明解な料金システムになっています。私は常に一番安いプランを選ぶのですが、その場合8000円ちょっとでした。

そんなわけで、今回は秋田から弘前に回り津軽鉄道で金木まで行くという企画を立てている中で、弘前の石場旅館はそのハイライトともいえる重要イベントと位置づけていたわけです。

途中、大鰐温泉にも泊まりたい気持がありました。大鰐温泉には今では珍しい客舎形式の宿があり、そういう宿にも泊まってみたいと思っていたのです。しかし今回はスケジュール的な事情で大鰐温泉では乗り換えるだけで、客舎には泊まらないことに決定。

鷹巣からの奥羽線普通列車は、雪のため遅延していて、ダイヤは乱れていました。この日、まれにみる大雪が津軽、秋田地方で降り続いており、雪に慣れた地域とはいえ、けっこう大変なことになっていました。

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大館から弘前に行くのにも、そのまま弘前に行く手もあれば、大鰐温泉から弘南鉄道に乗り換えていく手もあります。今回はとにかく大鰐温泉駅で降りてみました。

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大鰐温泉駅も、昔のにぎわいからすると寂れているのでしょうか。ちょったした商店やおみやげ屋はありますが、ちょっと寂しい感じ。しかしワニの像がありました。

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こういうオブジェで媚びるような観光化には、私は否定的です。せっかく古い湯宿があるのですから、そのままのイメージを大切にしてほしい。しかし私の意見はしょせん少数派ですので、仕方がないことなのでしょう。

ここでせめてお昼ぐらいは食べていきたと思い、店を探すとすぐ駅前にありました。「山崎食堂」。この時期、大鰐温泉の名物は温泉熱で育てたモヤシだそうです。モヤシラーメンを食べました。

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モヤシもおいしかったですが、ラーメン自体が素朴な味付けでおいしかったです。東京にあったら、毎日食べにいくのに。

このあと弘南鉄道で弘前に向かいます。質素な駅。

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乗り込んで大鰐の観光パンフレットなどを眺めていると、謎の女性がいきなり話しかけてきました。「観光ですか?  今の時期だとモヤシラーメンがおいしいですよ」などと。モヤシラーメンなんか、今食べてきたばっかりで、何をいまさらいうのかと思っていたのですが、いろいろ話していると、どうもこの女性は弘南鉄道の車掌さんのようでした。一見して気がつきませんで失礼しました。観光案内をしたり、お年寄りの世話をしたりいろいろ働いていました。

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それで「これから弘前に行く」というと、弘前の観光マップをくれました。古い洋館などが多いそうで、いろいろ見どころを教えてくれたので、そういう知識がなかった私は大変助かりました。このマップも大変役に立ちました。

「吊革がリンゴをかたどっているんですよ」とか。

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こういう地域の鉄道もいろいろ工夫をこらしていますね。本当にがんばってほしいです。

弘南鉄道・弘前中央駅に到着。

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この日も雪が断続的に降っており、少し風があるため寒さもひとしおでした。駅前でコーヒーを飲み、いろいろ考えましたが、まずはお城の近くにある石場旅館に荷物を預け、それから市内散策をしたらいいのではないかという結論に至りました。

まだ2時前だったのですが宿に電話すると「チェックインはまだできないけれど、荷物はいつでも預かる」ということでしたので、とにかく歩いて宿に向かうことにしました。

そんなに遠くはないはずのですが、雪が激しく降ってきたせいで、宿までいくのは大変でした。土手町という繁華街も通ったのですが、みんな傘を斜めにさしながら無言で歩いています。

こんな感じだとお城を見学するのもちょっと無理かな、と思いながら宿に到着。

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やはりかなりいい感じの宿です。

つららがすごい。

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声をかけるとおばちゃんが出てきました。「いやあ、荷物を預けようと思ったけど、この天気なので、もう入ってしまおうかな。いいですか」と聞くと「ああ、いいですよ」といって2階の部屋に案内してくれました。

もうすでに入り口付近から部屋に向かう階段に到るまで、すごく古そうでいい感じの宿です。

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よくも今まで保存してくれたものとうれしくなるような宿でした。

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宿への意見、苦情は投書箱へ。

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部屋も古いとは思いますが、ストーブも暖かく、設備も近代化していてなかなか快適です。窓は中庭に面していて、すごい積雪があったことがわかります。

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部屋でお茶を飲みながらおばちゃんと話してみると「弘前も雪が多いところで、1月、2月ならこれくらい降るけれど、12月にこんなに降るのは珍しい」といってました。

ちなみにこのおばちゃんに「女将さん」と呼びかけると「私は女将さんではなく手伝いです。この宿は今、若主人がやっております」ということでした。

とにかく雪がすごいのでこのまま夕食まで引きこもろうと思っていたのですが、少しすると外が明るくなり、雪がやみました。そうなるとせめて弘前城くらいは見学したい気分になってきます。

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下に降りてさっきのおばちゃんに見送られ外に出ました。帳場には若主人もいて「家にも風呂があるけれど、もし良かったらあとでで近くの温泉まで送っていく」といってくれました。かなり若いご主人でした。それもいいな、と思ったのですが、とにかくそれは後で考えることにして、お城見学へ。雪が積もって歩きにくいですが、弘前城は宿からすぐ近く。高さもあまりないので、すぐに到着しました。

途中、津軽為信と思われる像も発見。

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弘前城のお堀は凍っていました(笑)

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歩いているうちに再び雪がひどくなってきて、天守あたりではもう豪雪状態。それでも数人の觀光客が見物していました。

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写真ではわかりにくいですが、このへんではそうとうすごく降っています。

私はお城の北門を出たところにあるという古い商家を見学したいと思っていたので、このあと大雪が降るなかを北門方面に向かいました。

これが北門。

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門を出るとすぐに古い大きな家がありました。これが代々続く商家です。

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今でも酒屋をやっているようで、店に入って「見学したい」というと、「今はあまり片づいていなくて、土間だけなら見せられるけど」というので、100円払って見学することにしました。

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中に入ると薄暗くて大きな土間に面して座敷があります。土間と座敷の天井はひたすら高い。というか天板はなく、屋根組が見えていたような。囲炉裏では炭ではなく薪を燃やしていました。本当に昔のままのたたずまいのような気がします。

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ここのおばちゃんが「本当に昔のままなんですよ」というので、「いやあ、本当にうらやましい。いい家ですね」というと、「あんまり古くて住むのはいろいろ大変だ」といってました。そうでしょうね。でも雰囲気のあるいい家でした。

この近くにいろんなおみやげを売っている大きな売店があり、そこにも寄ってみました。結局ここでは地酒を買って、宿に戻ることにしました。このへんでもうだいぶ暗くなってきました。

あとは宿に戻ってお風呂に入り、夕食を食べたのですが、そのへんの話は次回にまわします。


[弘前  石場旅館](2011年12月宿泊)
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昭和を感じさせる団体向けホテルから、新感覚のレジャー温泉へ [古牧温泉 青森屋]

去年のゴールデンウィークに立ち寄った温泉です。東北本線と十和田観光電鉄の線路にはさまれた広大な敷地に展開する大規模温泉。昨年久しぶりにいってみて、まったく様がわりしているのにびっくりしました。

大浴場には、隣接する形で池に突き出した露天風呂があり、水に浮かぶ露天風呂「浮湯」と称しています。この宿はいったん破綻したはずなのですが、経営が替わり、再生をめざして大変豪華なお風呂に生まれ変わったようです。最近温泉一朗さんがリポートしていたとおり(笑)、米軍三沢基地関係のアメリカ人も慣れた感じでくつろいでいました。

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上の写真は宿のホームページからお借りしました。昔は私からするとあえて行きたいとは思わない、いかにも団体客向けの温泉宿でした。一部では、旅館の敷地内を十和田観光電鉄の線路が通っているため、敷地内に踏み切りがあることで有名でした。最近はパックツアーの宿泊先として、よく旅行広告などで見かけます。

団体向けのレジャー温泉という意味ではいまも同じかもしれませんが、温泉のあるフロアに配置された売店や休憩施設、食事処なども一新されており、けっこう青森らしい雰囲気を演出していました。この一帯を「じゃわめぐ広場」と名付けてレトロ感覚で統一しているほか、金魚ねぶたの提灯をぶら下げた屋台風の居酒屋や、リラクゼーション施設なんかもありました。「じゃわめぐ」というのは、方言で“ザワザワする”という感じの意味ですが、祭りで“心騒ぐ”というか、そんな意味合いを持たせているのだと思います。

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「ねぶた祭り」の山車も。本来「ねぶた祭り」はこのあたりの祭りではないのですが、八戸の三社祭りの山車なども展示してあって、なかなかこっています。このときはちょうどお昼時だったので、食堂で「八戸ラーメン」を食べました。煮干しベースのシンプルな懐かしい感じの味で、おいしかったです。

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そのほか昔のこの地方の雑穀中心の食事を再現して展示したり、おばあちゃんの居間をミニチュアで再現したり。お風呂あがりに休憩する時もけっこう楽しめる工夫がこらされていました。

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そういうわけで、団体旅行が隆盛だった昭和を感じさせる「古牧グランドホテル」の面影は、現在あまり残っていません。昔なら大規模ボロ宿として紹介できたのですが‥。ボウリング場もなくなったみたいですし。昔の内湯は残っているようでしたが、やはり閑散としていました。

いずれにしても東北の温泉らしい風情などはどこにもないのですが、それなりにおもしろい宿として生まれ変わり、集客にも成功しているようです。

余談ですが、実は十和田観光電鉄・三沢駅の立ち食いそばがかなりいい味出していることは、地元以外ではあまり知られていません。

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このときもラーメンを食べた上に、天ぷらそばも食べてしまいました‥。反省しています。

[古牧温泉 青森屋](2009年5月立ち寄り)
■所在地 〒033-8688 青森県三沢市古間木山56
■泉質 単純温泉
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共同浴場に通う湯治客を泊める客舎が原型。やさしい美人女将の宿 [温湯温泉 飯塚旅館]

寒波が押し寄せた今年2月の青森ツアーで、五所川原の次にいったのが「温湯温泉・飯塚旅館」です。

「温湯温泉」といえば、宮城の「温湯温泉」が有名で、地震前に「佐藤旅館」に泊まったことがありましたが、ここもなかなかの宿でした。こっちもある程度有名だと思います。

温泉街の中心に共同浴場があり、まわりの宿は「客舎」と称するお風呂のない宿で、湯治客はここに泊まって「鶴の名湯」という共同浴場に通うかたちで湯治をするシステムです。昔の湯治場はみんなこうだったわけですが、その古い形式が残っているのが黒石の「温湯温泉」です。

この日は前日五所川原に泊まり、昼過ぎに弘前に着きました。弘前から弘南鉄道弘南線にのって終点までいくと黒石駅です。「温湯温泉」は、ここからさらに十和田湖方面に車で15分か20分くらいあがっていったところにあります。この日は寒かったのでとにかく早く宿に入りたいと思っていて、黒石駅前についたのはまだ2時くらいでした。

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それでお昼を食べようと思って駅前の食堂にいきました。黒石名物だという「つゆ焼きそば」を食べたのが下の写真の「すごう食堂」です。外観はかなりいい感じだったのですが、中は普通のきれいな食堂でした。

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その後タクシーで「温湯温泉」へ。黒石には古い町並みも残っていて本当は見たかったのですが、徒歩で散策できるような天候ではなく、足元も危なかったのであきらめました。

飯塚旅館は昔は飯塚客舎といって、湯治宿のひとつだったのだと思いますが、現在は内風呂ができていて、温泉旅館として営業しています。

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建物は大正時代の建築だそうで、なかなか風情があります。入口を入ると土間風の広いスペースがあり、のれんの奥から50歳前後かと思われる(自信なし)美人女将が出てきて部屋に案内してくれました。通された部屋は通りに面した開口部の広い明るい部屋で、歴史を感じさせる床の間などもありました。古い建物なので寒いのですが、風情のあるいい部屋でした。

女将がお茶を入れてくれました。津軽美人というのか色白の美人で、秋田美人とも似通ったものを感じました。やはり津軽地方や秋田の血統には、はるかな古代にニブヒやウィルタといった北方系の民族の血が混ざっていることはまちがいない、と改めて思いました。距離からいっても近いわけですし、交易とまでいかなくても、ちょっと漁民が漂流しただけで日本海沿岸にも着いてしまうわけです。「そうした人々との混血によって現在の色白の美人が存在しているのではないか」などと妄想しました。

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とにかく早く着いたので部屋はまだ暖まっていませんでしたが、ほかに客がいないということだったので、さっそく内湯をチェックしてみることにしました。

内湯は廊下の奥の別棟にあり、いかにも新しく作った感じでした。お湯は小さめの檜の浴槽にかけ流しされていて、ちょっと熱め。水が出る蛇口もついていて、自由にうめることもできます。とても清潔で気持のいいお風呂だったので、いきなり長湯しました。

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そうして時間をつぶしているうちに夕食になりました。夕食は部屋にすべて美人女将が運んでくれました。

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湯治宿としてはかなり豪華な食事で、やはり魚がおいしかったです。なまこ酢とか白子の揚げ物とかちょっと変わった料理もあって、ごはんの時には蕎麦も出ました。この蕎麦がまたおいしかったです。なまこもおいしかったので、熱燗を頼みましたが、何もいわずともいきなり2本持ってきてくれました。美人女将はお酌もしてくれて、やはり美人女将は何をやっても気がきくというか、客は自分の家のような気分でくつろぐことができます。


この温泉場はあくまでも外湯が本来なので、1度は外湯に入ろうと思いましたが、お酒を飲んですっかりいい気分になり、しかも外は寒い。もう面倒になって、外風呂は中止。外湯は朝4時からやっているというので、早く起きていくことにしました。女将にそういうと「では履物を出しておきますから、それを履いておでかけください」と、とっても上品にいってくれました。

寝る前にもう一度内湯に行って、お風呂を独占して寝湯なんかしていましたが、ほかに客がいないはずなのに脱衣所に人の気配が。見ると小学生くらいの男の子が入ってきて、無言でシャワーで体を流しています。「ボク、ここの子?」と聞いてみると「ぼく、ここの子です」とオウム返しに返事しました。たぶん宿の家族もこのお風呂を使っているのでしょう。その子は熱いお湯がきらいなのか、けっこう水でうめていました。

ふとんは向かいの狭めの部屋に敷いてあり、足元には電気アンカが入れてありました。非常に寒い日でしたが、あの美人女将が私のためにアンカまで入れてくれたのかと思うと、心まで暖かくなり、すっかり満ち足りた気分で寝てしまいました。唯一の問題といえば、テレビをつけるとどこの局でも朝青龍の引退ニュースばかりやっていてうんざりしたことです。こんな湯治場にきた時くらい、テレビなんか見ないほうがいい、とつくづく思いました。

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翌朝は4時に起きるつもりが、気がついたら5時くらいで、とにかく外湯にいこうと思いましたが、やはり死ぬほど寒くて布団から出るのがつらかったです。しかしここで二度寝してしまったら、「鶴の名湯」に入れずじまいでなので必死に起きました。

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もちろん外はまだ真っ暗でしたが、共同浴場を取り囲む客舎のようすなどもなかなか夜だけに風情があり、これで寒くなければゆっくり散策したいところでした。実際にはそれどころではなく、宿から1分もかからないのですが必死
に外湯にたどりつき、一応入浴しました。5時ともなると、さすがに近所のじいちゃん連中が集まっていて、それなりに人も多かったです。

この共同浴場は比較的新しくできたらしく、外観はあまり場違いにならないような地味な感じに造ってありますが、中は温泉銭湯というか、設備が整った今どきの入浴施設で、湯治場風情はまったくありませんでした。しかしとにかく朝の新鮮なお湯に入る目的も果たすことができ、まだねぼけつつも休憩所でジュースを飲んで宿に戻りました。

朝食も温泉らしいシンプルな感じでおいしかったです。でも女将が食事を並べながら「でも朝青龍もちょっとかわいそうな気がしますよね」とかいうではないですか。「美人女将よ、お前もか…」とがっくりきましたが、やはり青森といえば相撲どころなので、角界への関心も高いようです。私は「まあ今回だけならともかく、前からさんざん問題があったのでしかたないのでは…」と答えておきましたが。

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この日の朝は、黒石駅までバスが出ているというので、それに乗っていくことにしました。女将の「何もタクシーをあえて使う必要はないと思いますよ」という助言に従いました。バスの時間をいくつか書いてわたしてくれたそのメモも、とてもありがたかったです。その節はお世話になりました。

時間より早めに宿を出て周囲をひとまわりしてみましたが、やはり寒いなかにもなかなか風情を感じる温泉街でした。古そうな商店などもあり、客舎の中にはすごく安いところもあるそうなので、今度行くときは2~3泊はしてみたいと思いました。

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[温湯温泉・飯塚旅館](2010年2月宿泊)
■場所 〒036-0411  森県黒石市温湯鶴泉60
■泉質 弱食塩泉(源泉かけ流し)
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工事のおっちゃんたちのパラダイス。心も体も温まる“イー温泉” [五所川原 音治郎温泉旅館]

今年の2月、地吹雪の五所川原を訪問し、「音治郎温泉旅館」に泊まってきました。

こはいわゆる温泉銭湯に宿泊施設が併設されているという宿で、全体に貧乏くさい作りといい、何の飾り気もない殺風景な合宿所のような部屋といい、なかなか好みの感じだったのですっかりくつろぐことができました。

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上は五所川原駅前の写真。寒そうです。この日青森空港から入ったのですが、飛行機は天候次第で着陸をあきらめて、羽田に引き返すか、仙台空港に降りるというのですが、五所川原に行くのに仙台に降りてもどうしようもないと思うのですが。

とにかく気温が今季いちばんというくらい寒い日で、その分雪は少ない1日でした。去年の暮れも酸ヶ湯温泉や八戸にいったのですが、その時の比ではないくらいの寒さでした。バスで五所川原駅に到着して、あまりの寂れ方にショックを受けながらも、お昼を食べる店を探すとありました。「平凡食堂」。まさにおなかがすいていなくても入ってみたいようなボロ食堂です。

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じいちゃんがひとりでやってましたが、メニューも豊富で観光客らしき客も一人。その客はむすっとした顔で鍋焼きうどんか何かを食べてましたが、私は例によってラーメンにしました。非常にさっぱりした昔風の味でとってもおいしいです(おいしかったです)。

このラーメンを食べて元気が出たので、津軽鉄道のストープ列車にも乗ってみることにしました。噂には聞いたことがあるストープ列車ですが、初めてのことでどうすればいいのかわからないので、とにかく津軽五所川原の駅に行ってみました。そうすると、待合室にいたおっちゃんが「今出たばっかりで、次は1時間ちょっとあとになる」と教えてくれました(なおおっちゃんの言葉はすべて標準語に変換してあります)。

空港からのバスで一緒だった女性(千葉県在住)も一緒だったのですが、その女性はちゃんと計画を立ててきていて、津軽鉄道の時刻表まで用意してありました。しかし、飛行機が大幅に遅れたために役に立たなくなっていたわけです。

おっちゃんによると「金木までタクシーでいけば、帰りにストーブ列車に乗れる。そういうふうにする人も多い」ということなので、悩みました。もしその案で行くとしたら、千葉の女性と相乗りすれば料金は安くあがるわけで、何となくどうする?というムードでしたが、私も彼女も別に急ぐ旅でもなく、結局次の電車まで時間つぶしをして待ちました。

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まあ津軽鉄道や斜陽館は本題ではないのではしょりますが、とにかくこの津軽鉄道で乗客係をしていたおっちゃんは営業上手で「今の時期はストーブ列車で観光客もくるけど、とにかく赤字なので大変なんです。するめもお酒もありますからどうですか?」といってきます。私はいったん断ったのですが、客も少ないのでずっとそばにいて、「吉幾三の出身地はこのへんだ」とか「やたらといろんな選挙に出ている羽柴秀吉の家がこの先見えるけど、大富豪なのでお城みたいな家だ」なとと、解説してくれるわけです。「販売しているお酒は去年の12月に新発売されたストーブ列車専用酒なので、味見をしてみたらどうか」というので、ついに根負けして買ってしまいました。けっこうおいしいお酒でした。するめもほかの客がみんな買っていて、手早くおっちゃんが焼いてあげていました。

斜陽館も一応興味があったのでいってみて、なかなかいい家だと思ったのですが、何しろ寒く、金木駅から7分くらいの往復は泣きそうなくらい風が冷たかったです。

そのあと時間はまだ早かったのですが、温まりたいと思って「音次郎温泉」に向かいました。

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ここは基本的に温泉銭湯ですので、多くの入浴客は近所から銭湯として通ってきます。夕方はだいぶ混んでいました。まあ部屋は写真のような感じで、まさに工事などの長期滞在に向いた機能一点張りの風情もない部屋です。

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お風呂は10時くらいまでで終わり、朝は6時くらいから入ることができます。青森の温泉銭湯によくある作りですが、大きな浴槽が2つ区切られていて、片方は熱め、片方はぬるめのジャグジーで、そのほかにサウナや水風呂などもありました。この日寒かったのですが、温泉に入るとかなり長時間暖かい状態が続く、なかなかいいお湯でした。朝6時にいってみると誰もいなくて、照明もついていなかったので、薄暗い中で入浴してすっかりくつろぐことができました。

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食事は食堂で食べます。基本的にセルフなのですが、この日は客が私ひとりだったので、おばちゃんがいろいろ世話をやいてくれました。「この宿も古くて、もう100年近くにはなる」といってました。時期によっては工事の長期滞在客でかなり盛況だそうです。「工事の人は、広いお風呂のほうがいいからねえ」といってました。

食事もまあなんというか、おいしいといえばおいしい、普通の内容でした。おかわりしたければ、自分でいくらでも盛ることができます。この点も、量が大切な工事関係者にとっては気楽でいいのではないでしょうか。

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この日の夜はかなり冷え込んだので、ストープを付けたまま寝ましたが、3時間ごとに自動消火する設定になっているので、何度か起きて付けなおしました。こんな宿はおそらく温泉としては知られていないものの、地元の人と、一部工事関係者の間では高く評価され、長く続いてきたものと思われます。

翌朝は鶴田町というところで仕事がある日なので、タクシーを呼んでもらって再び駅に向かいました。宿のおばちゃんによると「歩いても15分くらいだからどうってことないけど、この雪だとあぶないから車のほうがいい」ということでした。確かに地元の人の装備と比べると靴が圧倒的に見劣りします。スパイク付きの長靴を履いていても危ないそうです。「もしころんだら痛いですめばいいけど、骨とか筋とか痛めることになるから、車でいきなさい」といってくれました。

今回、五所川原を手始めに周辺を回ったのですが、最後は秋田を経由して山形の酒田まで行くつもりでした。遅ればせながら「おくりびと」のロケ地巡りでもしようかと。しかし、今季最大級の寒波は日本海側に大雪を降らせ、6日の朝、秋田駅で羽越線が全面不通になったことを知りました。

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それなら奥羽線で新庄まで行って、陸羽西線で酒田をめざそうと思ったのですが、陸羽西線も酒田の手前で折り返し運転に。結局酒田はあきらめました。結果的に無事新庄に到着できてよかったです。

[音治郎温泉旅館](2010年2月宿泊)
■場所 〒037-0005 青森県五所川原市石岡字藤巻56-1
■泉質 藤巻温泉源泉 ナトリウム-塩化物泉
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伝統のヒバ千人風呂が心ゆくまで味わえる山中の大規模湯治宿 [青森市 酸ヶ湯温泉]

昨年末に「酸ヶ湯温泉」に一泊してきました。ヒバ千人風呂は有名過ぎるほど有名です。私は今回で3回目の訪問でしたが、前は近くのホテルに泊まったので、「酸ヶ湯温泉」の本館に泊まるのは初めてでした。

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東京を朝出ると青森駅に昼頃に到着。こんなに便利になってびっくりします。もともと寂れた感じの青森駅ですが、新幹線の開通を間近にして、あちこち工事をしていたり、ちょっと活気が感じられました。「酸ヶ湯温泉」への送迎バスは予約制だったので予約しておいたのですが、どこから乗るのかがよくわからなくて、最初JRの窓口で聞いてみました。「オレンジ色のバスで目立つからくればわかると思うけど、正確な場所はわからない」ということでしたので、今度は観光協会に行って聞いてみました。

なにしろこのバスに置いていかれると、その後どうやって宿まで行っていいのかわからないので必死でした。観光協会はさすがに詳しく「正式な停車場所はなく、駅前のどこかに止まる。交通状況にもよるが、駅ビルの前か、ロータリーに面した交番の前あたりに止まることか多い」と、かなり正確な回答をいただきました。その節はお手数をおかけして申し訳ありませんでした。

時間よりだいぶ前から必死に探していたので、無事にバスを見つけ乗り込むことができました。しかし出発時間になっても、予約していながらこない客が何組かいるのです。宿とバスの運転手は携帯で連絡を取り合いながら確認をしたりして、結局遅れて全員到着しましたが、遅れた客は余裕の表情でヘラヘラ乗り込んできます。なんというか「どうせ待ってもらえる」と慣れているのか、必死のこっちがばかみたいでした。

この日は雪がちらついていて、自分が運転するわけではないという状況なので、なかなかいい風情だと感じました。八甲田山方面に登っていくと、路肩の雪がだんだん高くなり、宿付近はけっこう雪が降っていました。

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お昼を食べていなかったので、チェックイン前に隣接のそば屋さんでそばを食べました。なかなかおいしかったです。

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そのあとフロントに行くと、「バスでこられたと思ってお待ちしていたのですが、見えないので心配していました」といわれました。そばなど食べる前にまずチェックインしなければいけなかったようです。

そんなこんなで7号館という棟にある部屋に案内されました。有名な大規模旅館ではありますが、期待通りの古い建物で、ボロ宿ブログ的にもかなり良かったです。まさに湯治場という感じ。廊下はよく磨かれて黒光りし、素朴な感じの部屋の造りも気に入りました。

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トイレや洗面所も共同の湯治場らしい感じでしたが、設備的に先端設備が導入されており、不便はありません。ガラス窓には透明なビニールでカバーしているところが多かったのですが、これは防寒のためでしょう。

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7号館の部屋からみた景色は下の写真のような感じ。棟がいくつかあり、自炊客用の棟はほかにあるのですが、だいたいみんな同じような造りのようです。そのあと自炊棟も探検に行きましたが、炊事設備などが完璧に整っており、売店にはいろんな食品や雑貨がおいてあるので、自炊で泊まるにもまったく問題ないと思います。

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ここの名物はなんといってもヒバ千人風呂で、私も久しぶりなので行ってみようと思いましたが、ここはあせらずにまずは男女別の玉の湯という小さい風呂に行ってみました。お湯はたぶん千人風呂と同じです。宿の人によると「温泉は石けんなどが効きませんが、こちらにはシャワーなどもあるので、髪を洗うこともできます。どうぞ両方に入ってみてください」ということでした。

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上の写真のようにあまり大きくありませんが、浴槽が深く、少し熱めのなかなかいいお湯でした。時間帯のせいか誰もいませんでしたが、掃除のおばちゃんが入ってきて、「きょうは久しぶりに冷え込んでるので、積もるかもしれませんよ」などと世間話をするので、思わぬ長湯をしてしまいました。女湯のほうは混んでいたようです。

食事は、部屋に運んできてくれてけっこう豪華でした。山奥の湯治宿でここまでする必要があるのかなと思いましたが、まあ、客の要望なのでしょうか。部屋ごとにガスコンロが用意されていたので鍋か何かやるのかと思って期待していたら、味噌汁用でした。寒い地方では味噌汁は熱いことが尊ばれるので、食べる時に熱い状態を確保するためだと思われます。味噌汁鍋もなかなかいい味を出しています。

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宿のスタッフによると「昔からこれくらいのボリュームで食事を部屋出ししています。食べきれないという方も多いです。部屋出しのぼうがお客様もゆっくり食事できるのではないですか」ということでした。ただ経営的な問題としては「最近は部屋が埋まっていても大人数の客は少なく、せいぜい2人ぐらいが多い。また自炊の客も多いので、全体として売上効率は落ちている」ということを内緒で教えてくれました。

私としては申しわけないことながら、ひそかに「次は自炊にしよう」と思っていましたので、「大変なんですねえ」とかいいながら、その点はだまっていました。私の場合、そんなに豪華な食事は別にいらないですからね。

とにかく宿のスタッフはみんな親切で、布団を敷く時も、「廊下側に枕を置くと外の廊下がギシギシしてうるさいので、窓側を頭にしましょう」などときめ細かい配慮も。お風呂の配置やトイレなどの説明も、行き届いているので広い建物の中で迷うこともありませんでした。

そうしていよいよ千人風呂に行ったわけですが、前にきた時とはけっこう変わっていました。まず、男女別に境界線が設定されていて、標識が立っていました。こんなのは前はありませんでした。この標識を越えないように男女が分かれて入りなさいということです。

らに女性用の脱衣所付近に、一部ついたてがあったのですが、これが浴舎の奥のほうまで延長されていました。女性はこのついたての陰の通路状のところを通って大きな浴槽に出る構造になっていました。直接大きな浴槽に出る出口もあるようでしたが、誰も使っていませんでした。

結局、これも最近の温泉マナーの問題なのでしょうか。確かな有名な混浴温泉に行くと、どうしようもないおやじたちが群がっているのをよく見かけます。その気持はよくわかるのですが、そこをグッとがまんして女性がいてもあえて見ない。そばに女性がいたら、近寄っていきたいところをがまんして、むしろさりげなく離れていく。これが混浴における男性側の一般的な心得だと思います。一応。

こうしたマナーが崩れているので、やむなく無粋な防御措置を取らざるを得ないのでしょう。残念なことです。

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そういうわけで写真撮影などはとんでもないことで、上の千人風呂の写真は宿のHPからお借りしました。写真の右側に少し見えているついたてが、今では奥まで続いているわけです。いずれにしても当日は、締め切っているせいか湯気でほとんど視界がきかない状態でしたので、カップルはみんな仲良く混浴を楽しんでいたようです。

まあとにかくいいお風呂であることはまちがいなく、人気があるのも納得できます。泉質はけっこう酸性がきつくていきなり長湯すると湯あたりしそうです。それだけ効能も強いと思われます。

また夏や秋にいくと、付近にある「ふかし湯」なども体験できるのですが、今回は雪が深くてとても散策などできる状態ではありませんでした。紅葉の時期などは予約自体が難しいかもしれません。

朝食はバイキングで、きれいな山並みが見える食堂でとりました。朝、送迎バスを待っていると、宿の人が「ゆうべは15センチ積もりました」と教えてくれました。のんきに湯治をしてきましたが、ここは過酷な自然に囲まれた山奥であり、雪中行軍の悲劇の舞台ともなった場所です。私自身も前日の夜、窓の外で缶コーヒーを冷やそうと思って屋根の上に落してしまい、それを取るために屋根の上に下りようとして足を滑らせ、あやうく大惨事を招きそうになったのです。翌朝缶コーヒーは雪に埋もれてまったく見当たりませんでした。便利になったとはいえ、やはり自然をなめてはいけないなあ、とつくづく感じた次第です。

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そういうことをしみじみ考えながら、でもまた絶対に自炊で来て、滞在してやろうと思いながら山を下りました。

[酸ヶ湯温泉](2009年12月宿泊)
■場所 〒030-0111 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
■泉質 酸性硫黄泉(含石膏、酸性硫化水素泉)(緊張低張性温泉)
■楽天トラベルへのリンク→酸ヶ湯温泉旅館

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明治時代の遊廓建築がそのまま宿屋に。古格漂う貴重な旅館 [八戸 新むつ旅館]

ちょっと前にJR東日本のCMで吉永小百合が八戸の横町を巡っていました。そのイメージを念頭に、2009年末、八戸を訪問しました。泊まったのは「新むつ旅館」です。夕方、本八戸駅からタクシーに乗って到着。タクシーの運転手さんは「あのへんは昔の漁師なんかが遊んだ花街で、今は住宅地になっているけど、けっこう古い建物が残っているんだ。八戸は地震が多いけど、古い建物ほど丈夫だ」と教えてくれました。

この日、雪はほとんどないものの、やはり冷え込んでいて、宿で早くお風呂に入りたい気分でした。

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「新むつ旅館」は、八戸線の小中野駅と陸奥湊駅の中間くらいにあります。明治31年創業の遊廓「新陸奥楼」が、戦後旅館に転業したもので、随所に遊廓らしき雰囲気が残っています。正確には芸者もいる「貸し座敷業」という業態であったそうです。建物は登録有形文化財になっています。

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入り口付近は上の写真のような感じ。黒光りする柱や床板、凝った造りの階段はY字型に分かれています。まるで映画のセットのような、たまらない雰囲気。もう入った瞬間、最高にうれしかったです。実際に映画のロケも行われたことがあるそうです。到着前に「これからタクシーにのる」と電話してあったので、女将がさっそく出てきて部屋に案内してくれました。

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2階には1階の吹き抜けの上を渡るようなかたちの空中廊下があり、ここも凝った造りになっています。通された部屋は2間合わせておそらく14畳くらいでかなり広く、縁も付いていて中庭に面しています。部屋の裏にも下におりる階段があり、後でおりてみたところ、食堂に続く廊下につながっていました。

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間取りが迷路のようになっており、思わぬところで廊下につながっているのがおもしろく、建物の古さを感じましだ。ボロ宿を求めて訪ね歩いているものの、こういう宿はボロ宿というより、かなりの高級宿というべきでしょうか。料金は1泊2食付きで7000円ちょっとでした。こういう歴史のある古い部屋に、今でも普通に宿泊できるというのは本当に貴重なことだと思います。

食事前にお風呂に入れてもらいました。お風呂は普通の近代設備が整った風呂でした。

食事は厨房につながっている食事部屋でとります。写真をとるのを忘れて鯖の塩焼きを少し食べてしまったので一部欠けています。朝や夜も、八戸だけに魚介類がおいしく、イカは刺身やぬた、ゲソ揚げなどいろいろ出ました。

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食事の時に女将さんが宿の歴史などをいろいろ教えてくれました。明治時代の遊廓から、戦後売春が禁止されて以降、さまざまな紆余曲折があったようです。女将さんは土地の人ではないので、この周辺が当時の花街であるということも、嫁に来るまで知らなかったそうです。その当時は古い建物が並びにずいぶん残っていたそうですが、さまざまな事情で建て替えが進み、現在残っている家は少ないということでした。

風格もあり、風情もある立派な建物ですが、実際に維持していくのはなかなか大変で、弱ってきた土台の補強にはかなりの費用がかかるため、募金なども行ったそうです。「ここにきた時は、まだ蔵や土間の台所なども残っていたのに、改造してしまった。当時は価値がよくわかっていなかった」と女将さんは残念がっていました。しかし外観や客室など、建物の主要部分は明治時代のままで、現在でも十分に価値があると思います。

古い建物を維持していく苦労は持ち主にしかわからないところです。たまに訪問する宿泊客の目には風情が感じられる部分も、実際の生活には不便な面が多いのかもしれません。また「最近はスポーツの遠征や団体旅行などでも、子供たちはホテルのほうがいいといいます。うちなんかは大部屋だし、冬は寒いので嫌がられるんですよ」といっていました。商売上はそういう団体が多いといいのでしょうが、価値がわからない子供を泊めるのはもったいない気もしました。

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女将さんの話がおもしろいので、聞きながらビールを2本飲んで、次に熱燗を1本飲んだのですが、それでも足りずもう1本熱燗を頼んでしまいました。その節は長酒してしまい、もうしわけありませんでした。

部屋には遊廓時代の遊客帳が展示されていて、客の人相・服装や支払った費用、相方の名前などが記録されていました。ちょっと中味を見てみると、鮫村の西野万次郎さんは、当時17歳のくせに登楼しており、中肉中丈で、目鼻は尋常であったと書かれています。こんな貴重な資料を気軽に客に触らせてもいいのかと思いましたが、そのへんがおおらかです。

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女将は「近所にも客として来ていた人の家が残っており、何かの時にそんな話が出ることもある」といっていました。いくら現在立派にしていても、その父親や祖父の時代にどの相方に入れこんでいたかなど、すべての記録がわかってしまうわけです。

この日、宿泊客は私たちだけだったので、朝方ほかの部屋も探検してみました。同じ棟の2階にあるのは4部屋ですが、そのうち1部屋はふとん部屋になっていて、あとは6畳ひと部屋と、続き間の20畳くらいの広い部屋がありました。

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細部を詳しく見ると、折り鶴型の釘隠しがあったり、ずいぶん贅沢な造りだったことがわかります。建物の正面の細工なども凝ったもので、古くなってわかりにくくなっていますが、遊廓時代は艶やかで、遊客から見れば、うきうきするような外観だったのではないでしょうか。

窓の格子や戸袋、屋根の細工や飾りなどもすごく凝っています。玄関の唐破風の屋根は戦後のものらしいですが、全体として非常にいい雰囲気の建物だと思います。

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朝、女将さんが「朝市に興味があるなら車で送ってあげる」というので、吉永小百合も訪ねたという陸奥湊駅前の市場通りまで送ってもらいました。この日は年も押し迫っていたので、買い出し客でにぎわっていましたが、「昔はいつもこれくらい人出があった」ということで、やはり市場通りとしては衰退傾向にあるようです。

駅前の通りには公営の共同市場などもあり、この日は活気にあふれていました。市場では250円の立ち食いそば(天ぷらサービス付き)もやってましたが、朝食後なので食べられなかったのが残念です。

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駅付近には古い家や食堂もあり、「旅館 大洋荘」というそそられるような宿もありましたが、今回は外観を見学だけしてきました。建物は古くても、市場や旅館がきちんと営業し、機能しているようすを見ると、うれしくなります。

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陸奥湊の駅のホームからみた廃屋のような家の裏には魚を干していました。なのでこれも廃屋ではないと思われます。こんな感じの古いたたずまいが随所に残っており、陸奥湊駅や、八戸線沿線そのものをもう少しじっくり回ったらおもしろいだろうと思います。

[八戸・新むつ旅館](2009年12月宿泊)
■場所 〒031-0802 青森県八戸市小中野6-20-18
■楽天トラベルへのリンク→新むつ旅館
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プロフィール

もんすけ

 古い湯治宿や駅前旅館など、日本が高度成長時代に入る前からあったような雰囲気の宿が大好きで、各地を回っています。
 どこにいってもそれなりに立派な宿が多く、個性的なボロ宿に出会うことは少なくなりました。
 10年、20年前ならもっといろんな宿が残っていたと思いますが、しかしいま現在でも、10年後、20年後に比べたら多くの貴重な宿が残っているはずです。そうした宿を記録に残していけたら、と思っています。

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