このブログは、ボロ宿にあこがれボロ宿探しを続けている旅の記録です。これまで訪ねたり、これから訪ねたいと思っている私にとって魅力的な宿のことを書いていこうと思っています。今まで1年間ほどアメーバブログにいたのですが、引っ越してきました。

私の場合、いつも旅行に行くたびに古い商人宿やひなびた湯治宿を探してしまいます。子供の頃、かいま見た
つげ義春の影響もあるかもしれません。旅行が好きなのであちこち出かけたいけれど、お金がないので安い宿を探す。そういうことからボロ宿と出会ってきたという面もあります。

宮本常一の本などを読んでみても、日本独特の宿文化が昔から続いてきたことがわかります。しかし、大戦や高度経済成長を経てこうした宿文化は失われ、今残っているのはそのわずかな名残なのかもしれません。それでも完全になくなったわけではなく、古い建物で昔ながらの営業を続けている宿もあります。

私がいう“ボロ宿”というのは、単に管理の悪い古い宿ということではなく、たとえ貧しげであっても、昔の面影を残し、伝統や歴史を感じられる宿のことです。だからけして悪い意味ではありません。豪華旅館であっても、古い時代の雰囲気を残している宿はかなり好きなのです。

だいたい宿の快適さというのは、旅先の不自由がある中で、宿の持っている雰囲気や、応対、気配りによって無理なく過ごせるということではないでしょうか。建物の豪華さや設備はあまり関係ないと思っています。

実際に旅をしていると、一見古い建物でも中身が近代化されているきれいで快適な宿もあれば、見たまんまの中身で設備も古く、時代に取り残されたような宿もあります。不便な山奥にさびれた温泉宿があれば、街中には古い駅前旅館があり、それぞれいい味を持っていて、どちらにも魅力があると思います。

ここで紹介している宿は私が実際に泊まったり見たりして、気に入った宿ですが、必ずしも“ボロ宿”ではありません。しかし、これからもできる限りいい意味での“ボロ宿”を探し続けていきたいと思っています。