先日埼玉の「羽貫」というところに用事があって、埼玉新都市交通・ニューシャトルに乗りました。休日だったので、「鉄道博物館」まではすごく混んでいました。

DSCN5882

その帰りに大宮から高崎線に乗って、「桶川」までいってみました。中山道の宿場風情がけっこう残っているというので、一度行ってみたいと思っていたのですが、ちょうどいい機会だと思ったのです。なんといっても国指定登録文化財の「武村旅館」の見学が最大の目的。泊まるわけではないのが残念ですが、東京からは近すぎるので、今後も泊まる機会を得るのは難しいかもしれません。

桶川駅に降りるのは初めて。中山道側の出口は狭い道路に面していて、渋いラーメン屋がありました。入ってみたいところでしたが、昼食後だったのであきらめました。こういう店のラーメンは、すごくうまい場合もなきにしもあらずなので、うしろ髪をひかれます。

DSCN5890

この右側の道を5分程度歩くと、旧中山道の街道筋である県道に出ます。

DSCN5892
DSCN5971

旧中山道に続くこの道は、昔の街道そのものではありませんが、どことなく古色がうかがえるというか、素朴ないい感じの商店街になっています。江戸時代というより、昭和の雰囲気かも。

中山道に出ると案内看板があって、名所や旧跡の方向が書いてありました。旧中山道自体は今どきの普通の自動車道として整備されており、あまり宿場風情は感じません。昔の旅人は江戸を出て、一日でこのへんまで歩いたとか。40kmくらいの距離はともかく、今だとクルマが多くて、危ないかもしれません。

DSCN5922

とにかくまずは「武村旅館」をめざしました。歩いていると、やはり古い家が目につきます。まんじゅう屋も。

DSCN5920

この向かいにもかなりいい感じの古い家がありました。そこは魚屋さんでした。今時、こんな魚屋さんは全国探してもそんなに多くは残っていないのではないかと思います。

DSCN5900
DSCN5902

ちゃんと商売が成り立っているようで、品数も豊富。近所の人がいまだに利用しているのでしょう。

そして、この魚屋さんのすぐ先に「武村旅館」はありました。

DSCN5904

期待以上にいい感じの外観です。江戸時代の建物をほとんどそのまま生かして使っているようで、これが現在も宿泊できる旅館として営業しているのはたいしたものです。

DSCN5915
DSCN5907

実際に建物を見て、こんな家なら用がなくても泊まってみたいと思いました。建物の中は見ていませんが、由緒を紹介する看板が立っていて、間取りも紹介されていました。これで見ると、入ってすぐが土間になっていて、部屋数は6部屋。そんなに大きくない宿です。

DSCN5912
DSCN5911

これだけでも来たかいがあったと満足したのですが、ついでに少し街道を北に向かって歩くと、皇女和宮様が泊まられたという本陣跡というのがあって、冠木門もありました。しかし、どうも公開はしていないようで、一般の民家みたいになっていたので中に入るのはやめておきました。

このほか土蔵のある家などがいくつか続きます。

DSCN5928
DSCN5968

明治時代に作られたという大きな蔵造りの商家跡もありました。豪商の家らしくかなりの規模です。

DSCN5944

この家の向かいにもカフェみたいになっている古い建物がありましたが、これは元は旅籠だった家だそうです。

DSCN5948

仕事のついでだったのでスーツを着て、けっこう暑い中を汗をかきながら歩きました。とはいえ、これらすべてが比較的短い距離の中にコンパクトにまとまっていて、見学するには便利でした。ただ、佐原などと比べると、古い家以外の建物は秩序なく立て込んでいて、風情やロマンを感じることはできませんでした。これだけの遺産が残っているからには、もう少し街全体として宿場の歴史を意識した街づくりをすれば、もっと魅力が出てくると思うのですが。

帰りは来た道を戻るのも芸がないので、裏道に入ってみました。するとあちこちに「自転車預かります」という看板が。これは自転車で駅まで通う通勤客向けのサービスなのでしょうか。やたらとたくさんありました。

DSCN5975

昔の宿場町も、現在では東京に通うベッドタウンと化してしまい、通勤客が非常に多いのでしょう。中には「自転車預かり」の看板は出ているのものの、「本当にここに預けて大丈夫か?」と思うような家もありました。下の写真です。でも考えてみれば自転車を預かるのに必要なスペースさえあれば、建物の古さは関係ないといえばないのでしょう。

桶川のこの地区の開発がどのように行われてきたのかはわかりません。しかし、桶川駅近くの街道筋は、基本的には江戸時代の町割を残しているのだと思います。考えてみれば明治以降の鉄道や国道など交通機関の整備も、多くは江戸時代の街道を基本に進められてきたと思います。街道を整備した徳川幕府の事業は、今の日本にも大きな影響を与えていることを実感することができました。

[桶川・武村旅館](2010年4月見学)
■所在地 〒363-0015 埼玉県桶川市南1-8-8
人気ブログランキングへ にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ