私の住んでいる中野区にはすでに廃業している「中野光座」という古い映画館の建物が残っていました。

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場所は通称「中野五差路」と呼ばれている大久保通りと中野通りの交差点の角で、JR中野駅からも歩いて3分ほど。私が知っている時代にはポルノ映画ばかりやっている映画館でした。実際にここで映画を見たことはありませんが、内部は大正ロマンを感じさせる吹き抜けの独特の構造になっていたらしいです。

現在の自宅にはごく近いので、いつも付近を通っていました。映画館としては、廃業してもうだいぶたちますが建物はつい最近までそのまま残っていて、小劇団の公演などにも使われていたようです。1階には小さな飲食店が入れ代わり立ち代わり入っては消えていきました。立ち飲み屋とか、一度は場違いな佐世保バーガーの店なんかも入りましたけど、すぐにやめてしまったみたいです。

また隣接していた建物と連結する形で「ファミリー中野センター」というマーケットがあり、零細の肉屋、八百屋や乾物屋なんかが並んでいて、終戦直後の闇市を思わせる雰囲気があった一角でもあります。私はここの肉屋でよくメンチかつなんかを買っていました。また市場にはあまり大手スーパーなどでは売っていない、マイナーなカップ麺なども置いてあったりして、そんな意味でも、不思議な雰囲気を持つ周囲に取り残されたような空間でした。

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上は2008年頃の写真ですが、「ファミリー中野センター」の建物は昨年暮れにすでに取り壊されました。この2階には「中野ヘルスクラブ」という、よくわからないスポーツジムみたいなのが昔は入っていて、大きな古い映画看板みたいな男性と女性とマッチョ姿が描かれていました。デッサンの狂った色褪せた絵が、一種異様な雰囲気をかもしだしていたものです。


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上の写真は2009年の12月、取り壊し工事中に撮影したものです。

その後今年4月にこの前を通ると、ついに「中野光座」の建物が取り壊されるような雰囲気だったので、写真を撮ってきました。入居している飲食店などはすでに立ち退いているようでした。

市場があった通路も、すでに廃墟のようになっています。もっと中に入って確認したかったのですが、工事関係者らしき人が作業していて、逮捕されるとまずいのでやめておきました。

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建物は老朽化が進み、もはや限界だったと思われます。商売をする上でも難しい状況になっていたことは想像に難くありません。

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一般的には文化財的な価値も認められない建物だと思うので、建て替えは仕方ないと思います。しかし中野のような街中で、いまや貴重な戦後まもない頃の貧相な建物が消えていくのは残念な限りです。現在では完全に取り壊されています。

ますます街はきれいになっていくんでしょう。ちょっと寂しいですね。

[中野光座] (2010年4月見学)
■場所 〒164-0011 東京都中野区中央4-61
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