高崎は何度も通っているけど、東京から近いせいか宿泊したことのない町です。昨年用があって行った時に、昔から交通の要衝なので「けっこう渋い建物があるかな」と思っていたら、いきなり駅のすぐ近くにありました。

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それが「豊田屋旅館」です。まわりは味気ないビルに囲まれていますが、軒先の唐破風づくりなど、見るからに光り輝くような個性がありました。これが駅から市役所にいく途中の広い道路脇に、普通に残っていました。外観を見ただけですが、私としては、もうすごく魅力的でした。

後で調べてみると、昭和初期の建物で創業はもっと古いみたいです。昔は高崎の著名な駅前旅館だったようですが、再開発でじゃまになり、建物ごと移動した上に、料亭みたいな商売に変わっているようです。昔は規模ももっと大きかったようです。

結局のところ、高崎の西口は本当にどこにでもある田舎町のターミナルみたいになっていました。高崎のような昔から宿場として栄えたところは、こんな旅館が町の顔としてあったほうがはるかに魅力的なのに、なんであんな風に無味乾燥に作り替えてしまうのか。まったく理解できません。


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関係ありませんが、行ったのは去年の2月なので、高崎商業の選抜出場を祝うのぼりなどがあちこにありました。

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また駅には、一応昔の高崎駅のタイル絵が貼ってありました。いまさらながら昔の価値に気づいたのかもしれません。

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もし、この時代の高崎にこれたら、どんなにおもしろかったでしょう。

そんなことをいくらいってもしょうがないので、展望台がある市役所をめざしました。私は一般論として、地方自治体がこんな豪華な施設を作ることには賛成できません。でもそこは高崎市民ではないので、なんともいいようがないわけです。一応見に行きました。ここの眺めがすごいものでした。

まず浅間山。この日は少し霞がかっていましたが天気がよく、よく見えました。危険な山だと知りつつも、つい拝みたくなります。

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さらに東方向には前橋市街の向こうに赤城山らしき山塊が。私の価値観としては、歴史的背景だけでなく、非常に恵まれた自然環境の中にある町だということが実感できます。町の発展という観点では逆説的な言い方になりますが、もしこのあたりに与党の有力政治家が次々と出ていなければ、もっと素朴な状態が残されていたかもしれません。

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さらにもっと近くの西側には謎の観音様が。

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この観音様、ものすごく目立ちます。市役所から見ると、南西方面だと思うのですが。なんか妙義山らしき山影も見えるような?

このあと駅前の裏通りなどを少し歩いてみましたが、けっこう古い建物が残っていて、やはり相当な歴史がある町だということがすぐわかります。あのあまりにもひどい駅ビル(ただのさえない大型ビル)さえなければ、まだしもどれだけいい雰囲気だったことか。

再開発の問題に踏み込むと、いろんな議論があって収拾が付かなくなります。また何でも古ければいいという議論は現実的ではないとも思います。

しかし、私としては目に見えにくい文化的資産というものに対して、もう少しデリカシーを持ってもいいのではないかと思います。別に観光でもうかるとかそういう意味ではなく、民間はまだしも行政は、「価値なし」と見なして壊す決定を、なるべく簡単に下さないないようにしてほしいのです。

そういう気持が強かったせいか、帰りの電車もついビールを飲み過ぎてしまいました。東京にはすぐ着いてしまうのに。

さらについでに「だるま弁当」と、「D51弁当」を買ってしまいました。これらの弁当は、おかずにこんにゃくが多すぎるという難点はありますが、伝統的な中身を持ったおいしい駅弁で、しかも最近では陶器製の復刻版「だるま弁当」もあるみたいです。その容器はすごくほしい(笑)。

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そういうわけでこの時は、何度も通過していながらほとんど立ち寄ったことがない“高崎”という町をかいま見る機会となりました。まあ、ちょっときつい言い方をするようですが、やっぱり「役人や政治家に街づくりさせちゃダメだ」、というのが正直な感想でした。今回は文句ばかりで、大変もうしわけありません。

[高崎・豊田屋旅館](2009年2月見学)
■所在地 〒370-0849 群馬県高崎市八島町68
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