ちょっと古い話しになりますが、お金をかけずに温泉に行こうと思い立ち、キャンプ場付設の温泉に行くことにしました。それで行ってみたのが「塩原グリーンビレッジ」というキャンプ場です。静かな山のキャンプ場で焚き火を起こし、星を眺めながらバーボンでも飲もうかな、などと期待していました。

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昔からけっこうキャンプが好きで、テントひとつでどこにでも寝ていた時もありました。近頃世の中も世知辛くなり、キャンプ場でないところでテントを張るのは難しくなってきました。「塩原グリーンビレッジ」は、いかにもファミリー向けの甘っちょろいキャンプ場だとは思いましたが、温泉があるのが魅力で選びました。

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バイクなのであまり荷物は詰めません。その窮乏を楽しむのがキャンプの醍醐味であり、四輪で大量の物資を持ち込む最近のキャンプには与しません。ただ今回はテントをやめて、軟弱にもバンガローに泊まることにしました。行ってみるとまさに典型的なオートキャンプ場です。何しろ炊事場や水場、トイレなどの設備が完全に整っているのはもちろん、売店ではバーバキューや鍋物用の食材セットや燃料まで売られているのです。


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こんないたれりつくせりの環境でやってキャンプといえるのか、と思いましたが、やはり温泉だけはありがたかったです。塩原温泉郷の中でも「福渡温泉」は「岩の湯」とか「不動の湯」とか、ワイルドな露天風呂が有名ですが、現実問題として、女性が入れるような雰囲気ではありません。

このキャンプ場には「福の湯」という日帰り温泉施設が付いているほか、貸し切り風呂などもあるのです。料金は高いですが。私たちは貸し切りのひとつ「展望のゆ」というのに入ってみました。ここが想像以上にいい雰囲気の風呂で、箒川を見下ろす崖上の森の中にあり、すごく眺めがいいのです。お湯もふんだんにかけ流されていました。

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夏場のバイクツーリングはヘルメットの中がどうしても蒸れて頭がカッパみたいになるので、お風呂に入れるのはありがたいのです。ここですっかり気分もすっきりしたので、食材を買いに塩原の市街地に出かけました。


街の人に聞くと「一応スーパーがある」というので行ってみると、小さい店がありました。生鮮食品もおいてあるので、いつもキャンプの定番メニューになっているカレーを作ることにして、肉や野菜なんかを買い込みました。ここにあった牛肉は、半年くらい前に冷凍した合成肉でいかにもまずそうです。しかしほかを探すのも面倒なのでそれを買いました。

結果的にこのカレーは古い合成肉のおかげで、カレーとしてはありえないほどまずいものになりました。しかたなく食べましたが‥‥。およそカレーのような味の濃いメニューでも、あまりにひどい肉は使えない、という教訓になりました。それ以来、どこに行っても古い肉は買わないようにしています(笑)。

夜、少し近所を散歩してみたら、クリスマスでもないのにライトアップしていました。

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こういうものを求める観光客が実際に多いのか、あるいは静けさと自然を楽しむキャンプとしては場違いなところにきてしまったのか。よくわかりません。しかし考えてみれば、自分自身も「温泉があったほうがいい」とか、「カレーがまずい」とか、軟弱に流されていることに気が付きました。


そうしてみると、外でバカ騒ぎをしている高校生ぐらいのグループのうるささも、自業自得のこととあきらめる気持になったのです。

[塩原グリーンビレッジ](2005年7月宿泊)
■所在地 栃木県那須塩原市塩原1230
■泉質 ナトリウム・炭酸水素塩泉
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