今年3月、長年の憧れであった「道後温泉」についにいってまいりました。

共同湯の西の横綱としてあまりにも有名ですが、これまで行く機会がありませんでした。「道後温泉本館」そのものには宿泊施設はないので、近くのホテルに宿泊。そこはそこでおもしろかったのですが、その話は別の機会にすることにして、「道後温泉」はやはり良かったです。

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この日は午前中に松山空港に到着し、とりあえずバスで松山駅まで行ってみました。到着日は「道後温泉」に行く以外なんの計画もなかったので、まず駅の立ち食いで「じゃこカツうどん」を食べてみて、それから路面電車に乗って、まずは松山城方面に行くことにしました。蒸気機関の「坊っちゃん電車」なども走っていて、なかなかおもしろかったです。

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途中、大手町という駅付近で、路面電車の線路が、別の線路と交差している部分を発見。前に何かの本で読んだ、日本では珍しい「路面電車と近郊電車の平面交差」というやつはこれではないかと思って、あわてて写真を撮りました。

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あとで調べてみたところ、やはりそうで、しかも鉄道好きの人にとっては「何をいまさら」というくらい有名すぎるほど有名なスポットであるということです。

この日は、あいにくかなりの大雨と突風という天候だったので、あまり遊び歩くこともできず、早々に温泉に行くことにしました。

松山城からタクシーに乗ったのですが、運転手さんによると「「3月20日を過ぎたくらいから観光客が増えるが、まだこの時期だし、時間も朝とか夕方は混むけど、今ならゆっくり入れるぞなもし」ということでした(「ぞなもし」は嘘)。

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行ってみると、お風呂が2種類あるのと、休憩室もいくつかあったのですが、私は「霊の湯2階」というコースをよくわからないまま選んで、1200円でした。皇族用のお風呂の見学料金も含まれるということでしたので、これにしたわけです。休憩所は下の写真のような感じで、入浴後にお茶とお菓子が出ました。

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天候が悪いせいか、かなりすいていて、「霊の湯」にはあがりかけのおっちゃん一人しかいなかったのて、勝手に湯船や脱衣所も撮影しました。

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なかなかいい雰囲気です。しかもお湯がすごくいいです。アルカリ単純泉なのですが、お肌がツルツルになる感じがしました。大量のお湯がかけ流されています。

このあと、皇族専用のお風呂である「又新殿」の見学に案内され、実際に豪華なお風呂や休憩室などを見学しましたが、いわばボロ宿の対極ともいえる金箔・銀箔張りの豪華な部屋で、浴槽のお風呂も大きな石を掘り抜いたというもの。いったいどれだけの費用がかかっているのか想像もできないくらいです。未使用だというトイレも一応見せてくれました。底に砂が敷いてありました。

撮影は禁止されているので、下の写真はHPからお借りしたものです。

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建物の裏側にあたる皇族専用の御成門は、下のような感じ。この風呂は最近は使われていないそうです。本来やんごとなきご身分の御方が使われるお風呂を、こんなブログで紹介していいのかどうか。とにかく、なかなか興味深いものでした。

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そのほか、1階にある「神の湯」用の休憩室も見せてもらいましたが、こっちのほうが広くていい感じでした。案内のおばちゃんは「柱はみんなが100年以上も寄りかかってきたので背中に当たる部分が白くなってるでしょ。もしかしたら少しはすりへって細くなってるかもしれないぞなもし」といってました。

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さらに3階には個室の休憩室がいくつかあり、そのひとつが夏目漱石先生が愛用していたということで、「坊っちゃんの間」ということになっていて、公開されています。「神の湯」もちらっと見てみましたが、こっちは少し混んでいて広いお風呂でした。多分こっちのほうが古くて本来のお風呂だと思うので、次の機会があればこっちに入ってみたいと思います。

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そういうことで、憧れの「道後温泉」体験を満喫したわけですが、お風呂を出たあと、近くの「道後ビール」の直営店で飲んだビールがおいしかったです。特にケルシュが。

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それと近所を歩いていて発見したのですが「常磐荘」という、かなりいい感じのボロい宿がありました。知っていたら当然こっちを選んだと思うのですが、あとで調べてみるとけっこう値段の高い高級宿みたいてす。見かけだけで「ボロ宿」認定してすみませんでした。

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そういうわけで、いろいろおもしろくて大変満足した初訪問だったのですが、問題もあります。実はこのお風呂は大量の源泉をかけ流していながら、塩素消毒をしているのです。脱衣所の壁に貼り出してあったのですが、その理由は愛媛県条例で、すべての公衆浴場は消毒しなけれぱならないことになっているからだそうです。せっかくのいいお湯をだいなしにしかねない塩素消毒。衛生上の問題の有無に関わらず義務づけるなんて、いかにもお役人が考えそうなことです。

何か問題が起こって責任を問われるのがこわいのでしょうが、温泉の価値をわかっていない愚かな行為だと思います。「道後温泉本館」としては、塩素消毒をせずに条例の条件を満たす方法を模索しているという感じのことが書いてありましたが、県条例を変えたほうが早いのでは? と思いました。

[道後温泉 本館](2010年3月立ち寄り入浴)
■場所 〒790-0842 愛媛県松山市道後湯之町5-6
■泉質 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
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