寒波が押し寄せた今年2月の青森ツアーで、五所川原の次にいったのが「温湯温泉・飯塚旅館」です。

「温湯温泉」といえば、宮城の「温湯温泉」が有名で、地震前に「佐藤旅館」に泊まったことがありましたが、ここもなかなかの宿でした。こっちもある程度有名だと思います。

温泉街の中心に共同浴場があり、まわりの宿は「客舎」と称するお風呂のない宿で、湯治客はここに泊まって「鶴の名湯」という共同浴場に通うかたちで湯治をするシステムです。昔の湯治場はみんなこうだったわけですが、その古い形式が残っているのが黒石の「温湯温泉」です。

この日は前日五所川原に泊まり、昼過ぎに弘前に着きました。弘前から弘南鉄道弘南線にのって終点までいくと黒石駅です。「温湯温泉」は、ここからさらに十和田湖方面に車で15分か20分くらいあがっていったところにあります。この日は寒かったのでとにかく早く宿に入りたいと思っていて、黒石駅前についたのはまだ2時くらいでした。

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それでお昼を食べようと思って駅前の食堂にいきました。黒石名物だという「つゆ焼きそば」を食べたのが下の写真の「すごう食堂」です。外観はかなりいい感じだったのですが、中は普通のきれいな食堂でした。

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その後タクシーで「温湯温泉」へ。黒石には古い町並みも残っていて本当は見たかったのですが、徒歩で散策できるような天候ではなく、足元も危なかったのであきらめました。

飯塚旅館は昔は飯塚客舎といって、湯治宿のひとつだったのだと思いますが、現在は内風呂ができていて、温泉旅館として営業しています。

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建物は大正時代の建築だそうで、なかなか風情があります。入口を入ると土間風の広いスペースがあり、のれんの奥から50歳前後かと思われる(自信なし)美人女将が出てきて部屋に案内してくれました。通された部屋は通りに面した開口部の広い明るい部屋で、歴史を感じさせる床の間などもありました。古い建物なので寒いのですが、風情のあるいい部屋でした。

女将がお茶を入れてくれました。津軽美人というのか色白の美人で、秋田美人とも似通ったものを感じました。やはり津軽地方や秋田の血統には、はるかな古代にニブヒやウィルタといった北方系の民族の血が混ざっていることはまちがいない、と改めて思いました。距離からいっても近いわけですし、交易とまでいかなくても、ちょっと漁民が漂流しただけで日本海沿岸にも着いてしまうわけです。「そうした人々との混血によって現在の色白の美人が存在しているのではないか」などと妄想しました。

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とにかく早く着いたので部屋はまだ暖まっていませんでしたが、ほかに客がいないということだったので、さっそく内湯をチェックしてみることにしました。

内湯は廊下の奥の別棟にあり、いかにも新しく作った感じでした。お湯は小さめの檜の浴槽にかけ流しされていて、ちょっと熱め。水が出る蛇口もついていて、自由にうめることもできます。とても清潔で気持のいいお風呂だったので、いきなり長湯しました。

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そうして時間をつぶしているうちに夕食になりました。夕食は部屋にすべて美人女将が運んでくれました。

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湯治宿としてはかなり豪華な食事で、やはり魚がおいしかったです。なまこ酢とか白子の揚げ物とかちょっと変わった料理もあって、ごはんの時には蕎麦も出ました。この蕎麦がまたおいしかったです。なまこもおいしかったので、熱燗を頼みましたが、何もいわずともいきなり2本持ってきてくれました。美人女将はお酌もしてくれて、やはり美人女将は何をやっても気がきくというか、客は自分の家のような気分でくつろぐことができます。


この温泉場はあくまでも外湯が本来なので、1度は外湯に入ろうと思いましたが、お酒を飲んですっかりいい気分になり、しかも外は寒い。もう面倒になって、外風呂は中止。外湯は朝4時からやっているというので、早く起きていくことにしました。女将にそういうと「では履物を出しておきますから、それを履いておでかけください」と、とっても上品にいってくれました。

寝る前にもう一度内湯に行って、お風呂を独占して寝湯なんかしていましたが、ほかに客がいないはずなのに脱衣所に人の気配が。見ると小学生くらいの男の子が入ってきて、無言でシャワーで体を流しています。「ボク、ここの子?」と聞いてみると「ぼく、ここの子です」とオウム返しに返事しました。たぶん宿の家族もこのお風呂を使っているのでしょう。その子は熱いお湯がきらいなのか、けっこう水でうめていました。

ふとんは向かいの狭めの部屋に敷いてあり、足元には電気アンカが入れてありました。非常に寒い日でしたが、あの美人女将が私のためにアンカまで入れてくれたのかと思うと、心まで暖かくなり、すっかり満ち足りた気分で寝てしまいました。唯一の問題といえば、テレビをつけるとどこの局でも朝青龍の引退ニュースばかりやっていてうんざりしたことです。こんな湯治場にきた時くらい、テレビなんか見ないほうがいい、とつくづく思いました。

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翌朝は4時に起きるつもりが、気がついたら5時くらいで、とにかく外湯にいこうと思いましたが、やはり死ぬほど寒くて布団から出るのがつらかったです。しかしここで二度寝してしまったら、「鶴の名湯」に入れずじまいでなので必死に起きました。

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もちろん外はまだ真っ暗でしたが、共同浴場を取り囲む客舎のようすなどもなかなか夜だけに風情があり、これで寒くなければゆっくり散策したいところでした。実際にはそれどころではなく、宿から1分もかからないのですが必死
に外湯にたどりつき、一応入浴しました。5時ともなると、さすがに近所のじいちゃん連中が集まっていて、それなりに人も多かったです。

この共同浴場は比較的新しくできたらしく、外観はあまり場違いにならないような地味な感じに造ってありますが、中は温泉銭湯というか、設備が整った今どきの入浴施設で、湯治場風情はまったくありませんでした。しかしとにかく朝の新鮮なお湯に入る目的も果たすことができ、まだねぼけつつも休憩所でジュースを飲んで宿に戻りました。

朝食も温泉らしいシンプルな感じでおいしかったです。でも女将が食事を並べながら「でも朝青龍もちょっとかわいそうな気がしますよね」とかいうではないですか。「美人女将よ、お前もか…」とがっくりきましたが、やはり青森といえば相撲どころなので、角界への関心も高いようです。私は「まあ今回だけならともかく、前からさんざん問題があったのでしかたないのでは…」と答えておきましたが。

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この日の朝は、黒石駅までバスが出ているというので、それに乗っていくことにしました。女将の「何もタクシーをあえて使う必要はないと思いますよ」という助言に従いました。バスの時間をいくつか書いてわたしてくれたそのメモも、とてもありがたかったです。その節はお世話になりました。

時間より早めに宿を出て周囲をひとまわりしてみましたが、やはり寒いなかにもなかなか風情を感じる温泉街でした。古そうな商店などもあり、客舎の中にはすごく安いところもあるそうなので、今度行くときは2~3泊はしてみたいと思いました。

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[温湯温泉・飯塚旅館](2010年2月宿泊)
■場所 〒036-0411  森県黒石市温湯鶴泉60
■泉質 弱食塩泉(源泉かけ流し)
■楽天トラベルへのリンク→温湯温泉 飯塚旅館
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