今年の2月、地吹雪の五所川原を訪問し、「音治郎温泉旅館」に泊まってきました。

こはいわゆる温泉銭湯に宿泊施設が併設されているという宿で、全体に貧乏くさい作りといい、何の飾り気もない殺風景な合宿所のような部屋といい、なかなか好みの感じだったのですっかりくつろぐことができました。

DSCN4330

上は五所川原駅前の写真。寒そうです。この日青森空港から入ったのですが、飛行機は天候次第で着陸をあきらめて、羽田に引き返すか、仙台空港に降りるというのですが、五所川原に行くのに仙台に降りてもどうしようもないと思うのですが。

とにかく気温が今季いちばんというくらい寒い日で、その分雪は少ない1日でした。去年の暮れも酸ヶ湯温泉や八戸にいったのですが、その時の比ではないくらいの寒さでした。バスで五所川原駅に到着して、あまりの寂れ方にショックを受けながらも、お昼を食べる店を探すとありました。「平凡食堂」。まさにおなかがすいていなくても入ってみたいようなボロ食堂です。

DSCN4196
DSCN4199

じいちゃんがひとりでやってましたが、メニューも豊富で観光客らしき客も一人。その客はむすっとした顔で鍋焼きうどんか何かを食べてましたが、私は例によってラーメンにしました。非常にさっぱりした昔風の味でとってもおいしいです(おいしかったです)。

このラーメンを食べて元気が出たので、津軽鉄道のストープ列車にも乗ってみることにしました。噂には聞いたことがあるストープ列車ですが、初めてのことでどうすればいいのかわからないので、とにかく津軽五所川原の駅に行ってみました。そうすると、待合室にいたおっちゃんが「今出たばっかりで、次は1時間ちょっとあとになる」と教えてくれました(なおおっちゃんの言葉はすべて標準語に変換してあります)。

空港からのバスで一緒だった女性(千葉県在住)も一緒だったのですが、その女性はちゃんと計画を立ててきていて、津軽鉄道の時刻表まで用意してありました。しかし、飛行機が大幅に遅れたために役に立たなくなっていたわけです。

おっちゃんによると「金木までタクシーでいけば、帰りにストーブ列車に乗れる。そういうふうにする人も多い」ということなので、悩みました。もしその案で行くとしたら、千葉の女性と相乗りすれば料金は安くあがるわけで、何となくどうする?というムードでしたが、私も彼女も別に急ぐ旅でもなく、結局次の電車まで時間つぶしをして待ちました。

DSCN4210
DSCN4235

まあ津軽鉄道や斜陽館は本題ではないのではしょりますが、とにかくこの津軽鉄道で乗客係をしていたおっちゃんは営業上手で「今の時期はストーブ列車で観光客もくるけど、とにかく赤字なので大変なんです。するめもお酒もありますからどうですか?」といってきます。私はいったん断ったのですが、客も少ないのでずっとそばにいて、「吉幾三の出身地はこのへんだ」とか「やたらといろんな選挙に出ている羽柴秀吉の家がこの先見えるけど、大富豪なのでお城みたいな家だ」なとと、解説してくれるわけです。「販売しているお酒は去年の12月に新発売されたストーブ列車専用酒なので、味見をしてみたらどうか」というので、ついに根負けして買ってしまいました。けっこうおいしいお酒でした。するめもほかの客がみんな買っていて、手早くおっちゃんが焼いてあげていました。

斜陽館も一応興味があったのでいってみて、なかなかいい家だと思ったのですが、何しろ寒く、金木駅から7分くらいの往復は泣きそうなくらい風が冷たかったです。

そのあと時間はまだ早かったのですが、温まりたいと思って「音次郎温泉」に向かいました。

DSCN4285
DSCN4287
DSCN4294

ここは基本的に温泉銭湯ですので、多くの入浴客は近所から銭湯として通ってきます。夕方はだいぶ混んでいました。まあ部屋は写真のような感じで、まさに工事などの長期滞在に向いた機能一点張りの風情もない部屋です。

DSCN4289

お風呂は10時くらいまでで終わり、朝は6時くらいから入ることができます。青森の温泉銭湯によくある作りですが、大きな浴槽が2つ区切られていて、片方は熱め、片方はぬるめのジャグジーで、そのほかにサウナや水風呂などもありました。この日寒かったのですが、温泉に入るとかなり長時間暖かい状態が続く、なかなかいいお湯でした。朝6時にいってみると誰もいなくて、照明もついていなかったので、薄暗い中で入浴してすっかりくつろぐことができました。

DSCN4313

食事は食堂で食べます。基本的にセルフなのですが、この日は客が私ひとりだったので、おばちゃんがいろいろ世話をやいてくれました。「この宿も古くて、もう100年近くにはなる」といってました。時期によっては工事の長期滞在客でかなり盛況だそうです。「工事の人は、広いお風呂のほうがいいからねえ」といってました。

食事もまあなんというか、おいしいといえばおいしい、普通の内容でした。おかわりしたければ、自分でいくらでも盛ることができます。この点も、量が大切な工事関係者にとっては気楽でいいのではないでしょうか。

DSCN4298
DSCN4302
DSCN4323
DSCN4326

この日の夜はかなり冷え込んだので、ストープを付けたまま寝ましたが、3時間ごとに自動消火する設定になっているので、何度か起きて付けなおしました。こんな宿はおそらく温泉としては知られていないものの、地元の人と、一部工事関係者の間では高く評価され、長く続いてきたものと思われます。

翌朝は鶴田町というところで仕事がある日なので、タクシーを呼んでもらって再び駅に向かいました。宿のおばちゃんによると「歩いても15分くらいだからどうってことないけど、この雪だとあぶないから車のほうがいい」ということでした。確かに地元の人の装備と比べると靴が圧倒的に見劣りします。スパイク付きの長靴を履いていても危ないそうです。「もしころんだら痛いですめばいいけど、骨とか筋とか痛めることになるから、車でいきなさい」といってくれました。

今回、五所川原を手始めに周辺を回ったのですが、最後は秋田を経由して山形の酒田まで行くつもりでした。遅ればせながら「おくりびと」のロケ地巡りでもしようかと。しかし、今季最大級の寒波は日本海側に大雪を降らせ、6日の朝、秋田駅で羽越線が全面不通になったことを知りました。

DSCN4331

それなら奥羽線で新庄まで行って、陸羽西線で酒田をめざそうと思ったのですが、陸羽西線も酒田の手前で折り返し運転に。結局酒田はあきらめました。結果的に無事新庄に到着できてよかったです。

[音治郎温泉旅館](2010年2月宿泊)
■場所 〒037-0005 青森県五所川原市石岡字藤巻56-1
■泉質 藤巻温泉源泉 ナトリウム-塩化物泉
人気ブログランキングへ にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ