2009年の夏に佐渡島に遊びに行く時、新潟からのフェリーが満員で、直江津経由の船があいていたので直江津に一泊することにしました。そのときに泊まったのが昔の駅前旅館のような「附船屋」でした。

新潟というと、新潟市方面や糸魚川方面は行ったことがあったのですが、上越方面は初めてでした。それで目的地の直江津に行く前に、古い城下町の高田エリアにも寄り、有名な雁木造りの町並みや、そこにある古い商店、上杉謙信公の逸話が数多く残る春日山城跡などにも寄ってみました。

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この時期、例の大河ドラマ「天地人」の影響で春日山城跡は大盛況で、大変な人出でした。駐車場はだいぶ下のほうにあり、そこから無料シャトルバスが出ていました。

ちなみに「天地人博」を直江津の港のほうでやっていたので見物に行き、ドラマで実際に阿部寛が着たという衣装を着て記念写真も撮りました(無料)。この時、エキストラで変な足軽みたいな人が一緒に写ってくれるんですが、次から次へと流れ作業で写真に写らなくてはいけないので、もう疲れ切った表情をしていてかわいそうでした。

高田では、城下の職人町にある「金津桶屋」という古い商家を開放していたので寄ってみました。そこに待ち構えていた案内のおっちゃんが、いろいろ古い家の造りについて教えてくれました。昔の積雪量の話しとかおもしろかったです。「高田では2階から出入りするなんてのは当たり前だけど、子供の頃は1階から雪にトンネルを掘って、向かいの家まで遊びにいったりしてたんだ」ということでした。

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この家の構造でおもしろかったのは、入り口から裏口まで細長い土間が続いていて、昔は近所の人が誰でも勝手にそこを通っていたということです。土間口には作業部屋から居間まで並んでいますので、囲炉裏で酒でも飲んでいると、近所の人がちょっとあいさつしながら通ったというのです。

今では考えられない習慣ですが、雪が多くて冬は通行が不便な地域なので、現実的な必要性から生まれた習慣かもしれません。

そのあと、「今井染物店」という古い家も見学しました。ここで印象的だったのは屋根裏の職人部屋です。これぞボロ宿の極致というか、板張りにむしろが敷いてあるだけの天井が低い薄暗い部屋で、ここで団体生活をしていたそうです。

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写真はうまく撮れませんでした。

実際に宿泊した「附船屋」は、港にも近いですが、直江津駅のすぐ前にある駅前旅館です。港が近代化される前はもっと海に近かったのでしょう。このあたりも高田の雁木通りに似たような造りになっていて、なかなか風情がありますが、町並みが何となく寂れた感じがあるのもなかなか良かったです。
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宿ではバイクをなんと玄関の中に入れてくれました。こんなことをしてほかのお客さんの邪魔にならないのでしょうか。若くて元気いっぱいの女将さんがいて、かまわないから入れろといってくれました。

この宿は、建物は古いと思いますが、居室の内装はかなり新しくリフォームされていて、狭いけれどもむしろちょっと上品で、高級感さえありました。備品なども洗練された感じで、けっこう流行っている宿だと思います。


食事もかなりおいしいらしいのですが、この時は翌朝の出発が早い時間だったので、素泊まりでお願いしました。それで夜、近所に食事に行こうと思って例の女将さんに店を聞くと、飲食店街をいくつか教えてくれました。「ただ気をつけなければならないのは、寿司屋でも居酒屋でも値段が書いてあるのを頼むこと。よく珍しいからとか、ノドグロを食べてみたいとかいって、“時価”のものを頼んで、あとでびっくりしたというお客さんがいるから、気をつけてください。それ以外はだいたいどこにいってもがおいしい魚が食べられますよ」ということでした。

女将にいわれた通りにいって、いくつか店を探してみましたが、けっこう混んでいたり、見るからに怪しげだけど魅力的な感じの店があったりして迷っているうち、「居酒屋平次」という店をのぞいてみたら、空いていたので入りました。

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ちなみにこの店のおやじは「平次」さんではないそうで、いろんな事情があって「居酒屋平次」になったのですが、ここでは省略します。

ここは居酒屋といってますが、内実はほとんどお寿司屋さんみたいな感じだったので、刺身の盛り合わせなんかを食べましたが、やはりおいしかったです。

最初おやじはこっちの様子をうかがっていましたが、徐々にいろいろ話しかけはじめ、東京からきた観光客で、明日は佐渡に渡る」ということがわかると、いろんな情報を教えてくれました。佐渡で砂金取り体験をする時のコツなども教えてくれました。

いろんな話しをしているうち、店内に相撲の手形がやたらとあるので、聞いてみたら相撲については「好き」どころか、昔は自分でもかなりのレベルまでやっていて、今でも相撲部屋を後援しているそうです。確かに体も大きく、しっかりした感じでした。さらに聞くと、そばで手伝っていたお母さんも昔は体が大きくて有名だったそうで、確か女相撲でもならしたといっていたような。見た感じ、だいたい70歳前後かと思うのですが、すごく背の高いおばあさんでした。

そのうち昔の関取の手形や古い写真などを出してきて見せてくれました。自分が試合に出た時の写真やら、高見山と一緒に写っている写真などもあり、かなり貴重なものだと思います。機会があれば客に見せびらかそうと、すぐに出せるところに用意してあるのもサービス満点です。

その後、特別に珍しいものを食わせてやるということで、イカのルイベ状のスライスを出してくれたり、「野菜や調味料を長く新鮮な状態で保存するコツ」などにもついても教えてもらいました。そばで聞いていたお母さんは、最初口数が少なかったのですが、相撲の話し以降積極的に話しに参加してきて、昔の直江津の海がどんなにきれいだったか、特に早朝のうちに海にいくと信じられないくらいきれいだったのだ、などという話しなどをしてくれて、とてもタメになりました。

ご主人とお母さん、その節は大変お世話になり、ありがとうございました。

この後、もう一軒「まおや」というちょっと変わった居酒屋に寄り、ラーメンなどを食べて帰りましたが、きりがないので省略します。とにかく女将が心配していたようにボラれることもなく無事に宿に帰りました。

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実際にいってみて感じたのは、直江津にしても高田にしても、今は「上越市」などという名前になっていますが、古い歴史を背景にした風情が十分残っているということです。このときは通過しただけになってしまいましたが、「平次」のおやじによると、親鸞ゆかりの地や、「安寿と厨子王」に絡む名所などもあり、すごくいいところなのだということでした。あらためてゆっくり訪問する機会があればいいな、と思います。

[直江津・附船屋](2009年8月宿泊)
■場所 〒942-0001 新潟県上越市中央1-2-16
■楽天トラベルへのリンク→旅館 附船屋
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