昨年末に「酸ヶ湯温泉」に一泊してきました。ヒバ千人風呂は有名過ぎるほど有名です。私は今回で3回目の訪問でしたが、前は近くのホテルに泊まったので、「酸ヶ湯温泉」の本館に泊まるのは初めてでした。

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東京を朝出ると青森駅に昼頃に到着。こんなに便利になってびっくりします。もともと寂れた感じの青森駅ですが、新幹線の開通を間近にして、あちこち工事をしていたり、ちょっと活気が感じられました。「酸ヶ湯温泉」への送迎バスは予約制だったので予約しておいたのですが、どこから乗るのかがよくわからなくて、最初JRの窓口で聞いてみました。「オレンジ色のバスで目立つからくればわかると思うけど、正確な場所はわからない」ということでしたので、今度は観光協会に行って聞いてみました。

なにしろこのバスに置いていかれると、その後どうやって宿まで行っていいのかわからないので必死でした。観光協会はさすがに詳しく「正式な停車場所はなく、駅前のどこかに止まる。交通状況にもよるが、駅ビルの前か、ロータリーに面した交番の前あたりに止まることか多い」と、かなり正確な回答をいただきました。その節はお手数をおかけして申し訳ありませんでした。

時間よりだいぶ前から必死に探していたので、無事にバスを見つけ乗り込むことができました。しかし出発時間になっても、予約していながらこない客が何組かいるのです。宿とバスの運転手は携帯で連絡を取り合いながら確認をしたりして、結局遅れて全員到着しましたが、遅れた客は余裕の表情でヘラヘラ乗り込んできます。なんというか「どうせ待ってもらえる」と慣れているのか、必死のこっちがばかみたいでした。

この日は雪がちらついていて、自分が運転するわけではないという状況なので、なかなかいい風情だと感じました。八甲田山方面に登っていくと、路肩の雪がだんだん高くなり、宿付近はけっこう雪が降っていました。

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お昼を食べていなかったので、チェックイン前に隣接のそば屋さんでそばを食べました。なかなかおいしかったです。

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そのあとフロントに行くと、「バスでこられたと思ってお待ちしていたのですが、見えないので心配していました」といわれました。そばなど食べる前にまずチェックインしなければいけなかったようです。

そんなこんなで7号館という棟にある部屋に案内されました。有名な大規模旅館ではありますが、期待通りの古い建物で、ボロ宿ブログ的にもかなり良かったです。まさに湯治場という感じ。廊下はよく磨かれて黒光りし、素朴な感じの部屋の造りも気に入りました。

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トイレや洗面所も共同の湯治場らしい感じでしたが、設備的に先端設備が導入されており、不便はありません。ガラス窓には透明なビニールでカバーしているところが多かったのですが、これは防寒のためでしょう。

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7号館の部屋からみた景色は下の写真のような感じ。棟がいくつかあり、自炊客用の棟はほかにあるのですが、だいたいみんな同じような造りのようです。そのあと自炊棟も探検に行きましたが、炊事設備などが完璧に整っており、売店にはいろんな食品や雑貨がおいてあるので、自炊で泊まるにもまったく問題ないと思います。

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ここの名物はなんといってもヒバ千人風呂で、私も久しぶりなので行ってみようと思いましたが、ここはあせらずにまずは男女別の玉の湯という小さい風呂に行ってみました。お湯はたぶん千人風呂と同じです。宿の人によると「温泉は石けんなどが効きませんが、こちらにはシャワーなどもあるので、髪を洗うこともできます。どうぞ両方に入ってみてください」ということでした。

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上の写真のようにあまり大きくありませんが、浴槽が深く、少し熱めのなかなかいいお湯でした。時間帯のせいか誰もいませんでしたが、掃除のおばちゃんが入ってきて、「きょうは久しぶりに冷え込んでるので、積もるかもしれませんよ」などと世間話をするので、思わぬ長湯をしてしまいました。女湯のほうは混んでいたようです。

食事は、部屋に運んできてくれてけっこう豪華でした。山奥の湯治宿でここまでする必要があるのかなと思いましたが、まあ、客の要望なのでしょうか。部屋ごとにガスコンロが用意されていたので鍋か何かやるのかと思って期待していたら、味噌汁用でした。寒い地方では味噌汁は熱いことが尊ばれるので、食べる時に熱い状態を確保するためだと思われます。味噌汁鍋もなかなかいい味を出しています。

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宿のスタッフによると「昔からこれくらいのボリュームで食事を部屋出ししています。食べきれないという方も多いです。部屋出しのぼうがお客様もゆっくり食事できるのではないですか」ということでした。ただ経営的な問題としては「最近は部屋が埋まっていても大人数の客は少なく、せいぜい2人ぐらいが多い。また自炊の客も多いので、全体として売上効率は落ちている」ということを内緒で教えてくれました。

私としては申しわけないことながら、ひそかに「次は自炊にしよう」と思っていましたので、「大変なんですねえ」とかいいながら、その点はだまっていました。私の場合、そんなに豪華な食事は別にいらないですからね。

とにかく宿のスタッフはみんな親切で、布団を敷く時も、「廊下側に枕を置くと外の廊下がギシギシしてうるさいので、窓側を頭にしましょう」などときめ細かい配慮も。お風呂の配置やトイレなどの説明も、行き届いているので広い建物の中で迷うこともありませんでした。

そうしていよいよ千人風呂に行ったわけですが、前にきた時とはけっこう変わっていました。まず、男女別に境界線が設定されていて、標識が立っていました。こんなのは前はありませんでした。この標識を越えないように男女が分かれて入りなさいということです。

らに女性用の脱衣所付近に、一部ついたてがあったのですが、これが浴舎の奥のほうまで延長されていました。女性はこのついたての陰の通路状のところを通って大きな浴槽に出る構造になっていました。直接大きな浴槽に出る出口もあるようでしたが、誰も使っていませんでした。

結局、これも最近の温泉マナーの問題なのでしょうか。確かな有名な混浴温泉に行くと、どうしようもないおやじたちが群がっているのをよく見かけます。その気持はよくわかるのですが、そこをグッとがまんして女性がいてもあえて見ない。そばに女性がいたら、近寄っていきたいところをがまんして、むしろさりげなく離れていく。これが混浴における男性側の一般的な心得だと思います。一応。

こうしたマナーが崩れているので、やむなく無粋な防御措置を取らざるを得ないのでしょう。残念なことです。

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そういうわけで写真撮影などはとんでもないことで、上の千人風呂の写真は宿のHPからお借りしました。写真の右側に少し見えているついたてが、今では奥まで続いているわけです。いずれにしても当日は、締め切っているせいか湯気でほとんど視界がきかない状態でしたので、カップルはみんな仲良く混浴を楽しんでいたようです。

まあとにかくいいお風呂であることはまちがいなく、人気があるのも納得できます。泉質はけっこう酸性がきつくていきなり長湯すると湯あたりしそうです。それだけ効能も強いと思われます。

また夏や秋にいくと、付近にある「ふかし湯」なども体験できるのですが、今回は雪が深くてとても散策などできる状態ではありませんでした。紅葉の時期などは予約自体が難しいかもしれません。

朝食はバイキングで、きれいな山並みが見える食堂でとりました。朝、送迎バスを待っていると、宿の人が「ゆうべは15センチ積もりました」と教えてくれました。のんきに湯治をしてきましたが、ここは過酷な自然に囲まれた山奥であり、雪中行軍の悲劇の舞台ともなった場所です。私自身も前日の夜、窓の外で缶コーヒーを冷やそうと思って屋根の上に落してしまい、それを取るために屋根の上に下りようとして足を滑らせ、あやうく大惨事を招きそうになったのです。翌朝缶コーヒーは雪に埋もれてまったく見当たりませんでした。便利になったとはいえ、やはり自然をなめてはいけないなあ、とつくづく感じた次第です。

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そういうことをしみじみ考えながら、でもまた絶対に自炊で来て、滞在してやろうと思いながら山を下りました。

[酸ヶ湯温泉](2009年12月宿泊)
■場所 〒030-0111 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
■泉質 酸性硫黄泉(含石膏、酸性硫化水素泉)(緊張低張性温泉)
■楽天トラベルへのリンク→酸ヶ湯温泉旅館

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