大分にいく予定があったので、ついでに別府温泉に泊まってみようと、選んだのがこの「別府温泉保養ランド」です。別府の中でも「明礬温泉」にあり、建物は会社の保養施設のような飾り気のない無愛想な雰囲気。1泊7500円くらいだったと思いますが、いろんな風呂がたくさんあるということでここを選びました。別府の駅からは山のほうにかなりのぼったところにあります。

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内部はかなり大きな建物で、1階のフロントに隣接して宿泊客が利用する食堂があります。部屋はあまり印象に残っていないので、とりたてて変わったところはなかったと思います。

問題は風呂でした。夕方宿について、とりあえずメインの内湯に行ってみたのですが、「コロイド湯」というやつです。これに隣接して鉱泥浴場、蒸し湯などがあり、薄暗い照明の中で数人の客が入浴していました。

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鉱泥浴場というのは、プレハブのような別棟にあり、あたりが満足に見えないくらいの暗さで、お湯の下には泥が沈んでいて、これを体に塗ったりして入浴します。床からお湯がわきだしているのがわかります。つかまり棒があるのですが、お湯の比重が重いため浮力が大きくて体が浮くため、この棒につかまるのだということでした。

こういった説明書きがあちこちに貼り出してあるのですが、微妙に日本語がおかしく意味不明なところも不気味でした。

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上の写真は宿のHPからお借りしました。
このほか、屋外に混浴の鉱泥大浴場があり、こちらは混浴です。夜中にいってみることにしました。夜中になると、そもそも温泉のあるブロックにいくまでが不気味です。とにかく暗いです。温泉エリアは渡り廊下を渡った先にあるのですが、だいたいこの渡り廊下が暗くて、地獄の底に続く通路のようです。温泉の入り口には広い座敷の休憩所があり、一応売店などもありますが夜は閉まっていました。

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内湯も含めてすべての温泉はつながっているのですが、通路や案内版がわかりにくくて、本気で迷子になってしまいました。コロイド湯から外に出ると建物の裏側を回って比較的小さな露天風呂(とはいえ普通で考えれば大きい)に出ます。この先に蒸し湯などがあり、さらに行くと大露天風呂があるのですが、内湯の鉱泥湯からも大露天風呂に抜けられるようになっており、ぐるぐると迷ってしまったのです。

最初に内湯の鉱泥浴場にもう一度入ってみましたが、夜に入ると、暗くて本気で不気味で、広い湯船の向こうに何かいそうな気がします。泥のまじったお湯は透明度ゼロで、誰かの手とか首とかがヌッと現れそうな妄想にかられました。

とにかく露天にいこうと、適当にドアやカーテンを開けて暗い中を移動しているうちに、ようやく電灯のついた内湯に出たのでひとまずホッとしていると、そこは女性用のコロイド湯。「変態つかまる」というニュースが頭をよぎりました。あわてて別のドアを出て、従業員通路のようなところを小走りしていくと、「露天鉱泥大浴場」という看板があったので、これを頼りに何とか無事にたどりつくことができました。


この大露天風呂もいくつかのブロックに分かれていて、ものすごく広いです。いまだに正確な位置関係はわかりません。混浴ですがあまりに広く、男女別の内湯とそれぞれ別の通路で直結していて、仕切りもあるので、女性もけっこう入っているようです。

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上の写真も宿のHPからお借りしました。あまりに広いので一部分しか写っておらず、全体像はわかりにくいと思います。

この露天風呂には内風呂以上に泥がたまっているのですが、なにしろお湯が非常にぬるく、泥だけは温かいので、なるべく泥を塗って温まるしかありませんでした。この風呂に若い男性が一人だけいたので、ちょっと話しをしてみたところ「神戸から旅行にきて、とくにあてもなくこの宿に泊まった」ということでした。一緒にきた彼女もどこかで入浴しているそうです。「どうやってこの風呂に出られたのかわからない。すごい温泉ですね」と彼もいっていました。二人で比較的温かい場所を教えあいながら長湯しました。

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一応休憩所に案内図があるので、あとで自分はどういうルートを歩いてしまったのか確認しようと思いましたが、マップを見ても結局よくわかりませんでした。夜でもあり、とてもカメラを持って歩ける広さではないので、露天風呂の写真は撮れませんでしだ。もっと明るい時にいけば良かったと思います。結局この露天風呂で出会ったのは神戸からきたカップルと、おっちゃんが一人、おばちゃんが一人でした。

ちなみに食事はまあなんというか、けっこう粗末です。粗末なのはまったくかまわないのですが、あまりおいしくないというか、なんというか。このときはハンバーグみたいなやつがメインでしたが、不思議な味でした。

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とにかくこれほど変わった温泉にきたこともなかったので、驚きの連続でした。東北の湯治場などには見られないダイナミックな迫力があり、露天風呂などはろくにメンテナンスもしていないのではないかと思いましたが、たぶんあれだけの泥にまみれて入浴すれば、お肌にはいいかなと思います。

いまとなっては、強力に印象に残っている個性的な温泉のひとつです。お湯も効きそうなので、長期滞在すれば体に良さそうな気がしました。夜なら肝試しにも最適です。

[明礬温泉・別府温泉保養ランド](2006年10月宿泊)
■場所 〒874-0843 別府市明礬紺屋地獄(?)
■泉質 硫黄泉、含鉄泉、酸性明礬緑礬泉(源泉かけ流し)
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