東大正門近くにある「本郷館」は、現在では貴重な大型木造建築として有名です。明治時代に賄い付きの学生下宿として建てられ、その後奇跡的に生き残ってきた建物です。有名とはいっても、見に行ったことはありませんでした。

それで思い立って、実際にいってみました。今も住んでいる人がおり、見物客が写真を撮ろうと勝手に入り込んだりして問題になっているときいていたので、なるべくさっさと写真を撮って帰ってきました。

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実際にいってみると、確かに迫力のある大きな建物で、その古さも圧倒的です。だいぶ前から建て替え問題が起こっていますが、単純に建て替えるのは確かにもったいないと思います。

古い建物も利用してこそ寿命が伸びます。実際にまだ住んでいる人がたくさんいて、そのことが生きた建物としての存続に役立っているはずです。居住者と所有者の間で、うまく話がつけばいいと思いますが、確かに防災面でもいろんな問題がありそうです。ビジネス上も非効率で、所有者が個人的に維持しいくのは難しいと思うので、ここはやはり行政の支援が必要なのではないでしょうか。それだけの価値がある建物だと思います。

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まあ機会があったら一度中も見てみたいと思いますが、難しいでしょう。おそらくこれに近い下宿はたくさんあったのでしょうが、明治時代からですから東京大震災や空襲などで、すべて消えてしまったわけです。かりに生き残っても、もっと収益性の高い建物に建て替えられているはずですから、本当にこの建物が残っているのは奇跡的です。

とはいえ実際にここに自分が住めるかというと、住んでみたい気持は非常に強いのですが、さすがの私も簡単ではないなと思います。酔狂で1泊するくらいなら問題なくても、長く住むとすれば給湯や空調などの設備面や、安全面で考えるべきことが多そうです。耐震性などはかなり問題があるはずですし。

それにしても、この本郷あたりはけっこう雰囲気のある建物が多く、おもしろかったです。樋口一葉の住居があったという菊坂あたりは、古い質屋の土蔵が残っていたり、路地の雰囲気自体がちょっと時代を超越しています。あちこちに土地の由緒や関わりのあった有名人の住居を説明する看板などもあり、けっこう有名エリアなのだと感じました。

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このほか、石川啄木がここの3畳半に住んでいたという「太栄館」という旅館もありました。当時は「蓋平館」という下宿屋だったそうですが、今の建物とは再建されたものです。とはいえ、かなりいい感じの立派な日本旅館で、いまでも旅館を営業しています。ちゃんと商売をして、存続しているというだけでありがたいと思います。

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東京のど真ん中にこんなエリアがあることは、それだけで価値があると思います。保存の問題は部外者がとやかくいえることではありませんが、一度壊してしまったらすべては元に戻りませんので、そのへんをよく考えてほしいと思います。

[本郷館](2009年11月見学)
■住所 東京都文京区本郷6-20-3

[旅館太栄館](2009年11月見学)
■住所 東京都文京区本郷6-10-12
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