「鳴子温泉」といえばさまざまな泉質の温泉が楽しめる東北屈指の湯治場として有名です。古川方面からJR陸羽東線で行くと、鳴子温泉駅の手前にあるのが鳴子御殿湯という駅で、この駅周辺に「東鳴子温泉」の宿が集まっています。こっちも広くいえば「鳴子温泉郷」の一部なのでしょうが、にぎやかな鳴子温泉とはまったく違い、まさに湯治場そのものの雰囲気があります。

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ここの「高友旅館」を訪ねた時で、「東鳴子温泉」は3回目でした。なぜか「鳴子温泉」より、遊ぶところもなく、寂れたムードの「東鳴子温泉」に惹かれてしまう。最初は「田中旅館」という宿に泊まり、次は「勘七湯」という宿に泊まりました。

「ボロ宿」ということでいえばこの「田中旅館」が最高でした。見るからにまさに廃墟のようなモルタル作り。とても営業しているとは思えないムードでした。電話予約して行ったので営業していないということはないのですが、ひと気もなく、崩れ落ちそうな建物がひっそりと道端にたたずんでいました。一応2食付きで頼んだのですが、夕食にはそのへんで買ってきたクリスマスの鶏のもも肉を焼いたようなのが出てきて、ボロい湯治宿とのギャップが激しかったです。

部屋には窓の外に向かって「避難器具」という矢印が出ていたので確認してみると、ところどころ結び目を作ったロープがぶら下がっていました。その窓から見ると宿の裏には芦が生い茂った沼があり、白鷺が一羽、ぼうっとしていたのが印象的でした。

風呂は広くて明るいコンクリート作りでしたが、印象でいうと昔のサナトリウムのようなむなしい明るさというか、あまりにも古びているので、明るいのに何か出そうな雰囲気でした。当時、写真をほとんど撮っていないのが残念です。

次にいった「勘七湯」は、これとはうって変わって健康的で明るい宿で、湯治もできますがまあ普通に家族で泊まれる温泉宿だと思います。

こういう経験を経て、東鳴子周辺の一種独特なムードに惹かれていたので、今度は「高友旅館」に泊まってみることにしたわけです。行ってみたら、例の「田中旅館」のほぼ向かいにあったのでびっくりしました。「田中旅館」は現在はどうも営業していないみたいです(未確認)。

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さて「高友旅館」ですが、このときは自炊で2泊しました。1泊4000円くらいだったと思います。ここもかなり古びたボロい建物ですが、全体的に重厚感があります。内部は非常に入り組んでいて、本気で迷子になりそうでした。浴場の入り口も2箇所にあるなど、不思議な造りで、最後まで構造を把握できませんでした。近所に一軒だけ生鮮食品もおいてある古い食料品店があったので、そこにいって材料を買い込み、豚汁を作って2日間食べました。

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食器や鍋もあるし、ガス台は部屋にあるのでもっと本格的に自炊する場合でも便利です。部屋はかなりボロかった記憶があります。

それからお風呂は、なんというかかなり特徴のあるお湯でした。メインの「黒湯」という混浴内湯は、少し石油のようなにおいがして、お湯も黒いです。そのほか貸し切り可能な家族風呂などがいくつかありましたが、いずれも成分が濃い感じでかなり効きそうでした。実際のところ、いつもの調子でお風呂に何回か入っていたら湯あたりしてしまいました。こんな経験は初めてでした。

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上の写真は家族風呂です。この時はあまりほかの客がいなくて、「黒湯」もほとんど独占状態だったのですが、入り口が二カ所にあり、脱衣所で誰もいないと思ってカメラを持って入ったら、先客がいたのであわててカメラをもどしたりしました。結局あまりお風呂の写真は撮っていません。

「東鳴子温泉」に泊まると「鳴子温泉」も近いので、日中は電車にのって鳴子温泉駅までいきました。こっちはにぎやかで人も多かったです。共同浴場も「鳴子温泉」の名物でもある有名な「滝乃湯」や、比較的新しくできた「早稲田桟敷湯」などがあり、けっこう楽しめます。お昼を食べるにも、うーめん屋さんとかいろいろあり、近代的なスーパーもあり、こけしやさんもあります。温泉神社にも鳴子のこけしがいました。

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早稲田桟敷湯

そういうことなので、普通に温泉らしい風情を楽しみたいなら「鳴子温泉」のほうがいいことはまちがいありません。療養目的でもないのにあえて「東鳴子温泉」ばかりいっている私は、かなり酔狂なのだと思いますが、「高友旅館」は泉質といい、宿の雰囲気といい、一度はたずねてみる価値があると思います。また、温泉好きな人の間ではそれなりに有名な宿らしいです。

[東鳴子温泉・高友旅館](2005年3月宿泊)
■住所 〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉字鷲ノ巣18
■泉質 含重層-硫黄泉、重層硫化水素泉、含土類-重層泉、純重層泉など
■楽天トラベルへのリンク→東鳴子温泉 高友旅館
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