大阪の河内長野市というところに用事があり、出かけました。早朝からの仕事だったので前泊することにして宿探しをしたところ、普通のホテルは数ある中で、なかなか渋い宿を発見しました。“ボロ宿”というよりも、高級老舗旅館風の雰囲気がありますが、建物の雰囲気は抜群。それが「あまみ温泉 南天苑」でした。

用があるのは富田林付近だったので「天見」という駅は少し遠いのですが、早起きすれば何とかなるという計算で、素泊まりで予約しました。本当は食事もおいしいらしく、二食付きにしたかったのですが、宿賃の都合で素泊まりにしました。

午後3時頃に難波付近に到着。この日はただ泊まるだけなので、のんびり道頓堀まで行ってみました。近頃の日本の観光地はどこもそうですが、外国人が多かったです。グリコの看板なんか写真に撮っておもしろいのでしょうか。試しに私も撮ってみました。

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夕食がないので、中途半端な時間ではありますが王将で餃子定食。後は南海の駅で夜食のおにぎりを買って、電車に乗り込みました。細部は忘れましたが、確か難波駅から高野線の直通電車があったような気がします。

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さほど特徴のない住宅地を車窓から眺めているうちに、急に電車が山の中に入ったかと思うと、「天見駅」に到着。もうこの先は和歌山県になるという大阪のはし。

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無人の小さな駅でした。

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ここから歩いてすぐのところに宿があるはずですが、宿の前あたりに看板が出ていました。南天苑本館の由緒を説明しています。

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この看板によると、南天苑の建物は、もともと阪堺軌道が堺市の大浜公園に建設した娯楽保養施設である「潮湯」の建物のひとつで、当時は「家族湯」と呼ばれていたそうな。この建物が昭和9年の室戸台風で損壊し、翌年に現在の場所に移築され、阿倍野の料亭「松虫花壇」の別館として営業を始めたということです。

その後の研究で、建築界では泣く子も黙るあの辰野金吾博士の辰野片岡建築事務所の設計であることが明らかになりました。現在は国の登録文化財になっています。つまり、本来であれば、こういうブログで気安く紹介していいような宿ではないわけです。

宿外観はこんな感じ。

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入口に赤い欄干の橋。さすがに風情を感じる建物です。

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あがりのロビー前や廊下は赤いカーペット敷きで、高級感を感じさせます。

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通された部屋は2階の角部屋で、次の間付きのゴージャスな部屋でした。

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基本は和風旅館なのですが、一部大正モダンというのか洋風のテイストも感じます。思った以上にいい部屋です。来たかいがありました。

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中庭はこんな感じで池があります。季節がよければ、いろいろ花や緑が楽しめそう。

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案内してくれた宿の人に、「これから早速お風呂に行くので、布団もすぐに敷いてもらってかまわない」というと、「それではお風呂の間に敷いておきましょう」ということになりました。最近めしなしの泊まりばかりのせいか、このパターンが多いような気がします。

1階の「極楽湯」へ。赤絨毯を通ると左右に休憩室があります。

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右が洋風。

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左が囲炉裏のある和風。ひな人形も飾ってありました。私はひまなので、風呂上がりに洋風、和風の両方でくろついでみました。

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極楽湯はこんな感じ。ラドン泉のようで、あまり大きな湯船ではないのですが、貸し切りだったせいもあり、ゆっくりくつろぐことができました。鉱泉でわかしているようです。なかなか効能も高そう。

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ゆっくりしてから部屋に戻るとふとんが敷いてありました。

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夜の中庭。

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私は最近夜になるとのどが乾くので、お茶などを用意してあったのですが、館内に自販機は見当たらず、ロビーで聞いてみたところ、ジュース類は「部屋の冷蔵庫を使ってください」ということでした。しかし私は翌朝早いので、宿代や冷蔵庫代も夜のうちに精算を済ませておく必要がありました。そこでバヤリーズを2本飲むと仮定して、2本分のお金を払っておきました。

このついでにロビーの売店を見ると、狸の箸置きがあったので2つ買いました。あまり意味のない衝動買い。

夜、部屋にあった資料を呼んでいると、由緒ある建物の保存にかなり努力されている感じを受けました。辰野金吾が設計に関わった建物であることがわかるまでにも紆余曲折があったようです。

ちなみに部屋にあった新聞記事によると、大阪府内の和風旅館の女将が構成する「大阪女将会」では、共通の名物として「なにわの女将の牛すじカレー」を開発し、販売しているそうです。

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そんなことをしているうちに寝てしまい、翌朝はかなりの早立ち。荷物をまとめて下におりると、ロビーには誰もいませんでしたが、なぜか韓国語で話しかけてくるおばちゃんがいました。まったく何をいっているのかわかりませんし、宿泊客なのか、宿の関係者なのか、何者なのかもわかりません。どうも「タオル」という単語が聞こえたので、タオルを欲しているようでしたが、私としてはどうしようもないので無視して宿を出ました。

天気も良く、宿に寄り添う山にも朝日が当たり始めています。

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この日は河内長野駅で乗り換え、富田林駅前のミスタードーナツで朝食。

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仕事が終わった帰りに変な建物が見えたのでタクシーの運転手さんに聞くと「PL教団の建物だ」ということでした。初めてみました。

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この日近鉄で大阪に向かうと「あべのハルカス」のオープン日だったらしく、かなりにぎわっていましたが、私は疲れていたのでおとなしく新大阪に向かい、東京に帰りました。

いつも思うことですが、南天苑のようないい宿については、こんなあわただしい訪問の仕方でなく、ゆっくりと落ち着いて二食付きで泊まってみたいものだとつくづく思いました。

[あまみ温泉  南天苑](2014年3月宿泊)
■所在地  大阪府河内長野市天見158
■泉質  単純弱放射能泉・低張性・中性・冷鉱泉
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