天ヶ瀬温泉駅を出発して日田駅へ向かいます。

私がこの世に「日田」という町があることを知ったのは小学生の時でした。テレビの高校野球で「ひたりんこう」という珍妙な?名前の高校が甲子園に出ているのを見て、この学校が「日田林工」であり、「ひた」という町にあることを知ったわけです。

その後、年を経てものを知るにつれ、日田が代官支配の天領であったことや、古くから林業が盛んだったことなど、断片的な情報を知るようになりましたが、小学生の時の不思議な校名の印象が消えず、いつかは行ってみたいと思っていました。

天領というのは、飛騨高山もそうですが、独特のムードがあります。やはり大名支配とは違う“緩さ”が独特の町人文化を生み出すものなのでしょうか。

そんなわけで今回機会を得て、あこがれの日田にとりあえず寄ることができました。残念ながら宿泊はなし。2~3時間の滞在予定です。

日田駅到着。駅前には「天領日田」の看板。

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この日かなり寒かったので、駅前にあるバスターミナルに入ってみました。すると、ここから博多行きの高速バスが出ていることを発見。時間によってはバスで帰るのもおもしろいかも、と思い、時間をチェックしておきました。

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さらにバスターミナル内でそば屋を発見。最近日田では「日田やきそば」というご当地グルメがあるそうで、それを食べてみようかと思っていましたが、目の前にそば屋があり、寒いことでもあるので、歩いてやきそば屋を探すのをやめて、鍋焼きうどんに変更。

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鍋焼きうどんは、煮込んだ牛肉やもやしが入っていて、普通の鍋焼きとはイメージが違います。しかしそれはそれでおいしかったです。

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後からきた地元常連客はだいたい日替わり定食を頼んでいて、この日は「塩サバ付きのうどん定食」でした。                                                       

これで温まったので、再び駅に戻り、隣の観光案内所へ。

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案内所の前には主のような猫がいてにらんでいました。

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案内所で市内の地図をもらい、チェックしてみると、「豆田町」という重要伝統的建物群保存地区があるので、ここに行ってみることに決定。案内所で聞いてみると、歩くと20~30分かかるということだったので、自転車を借りることにしました。案内所でレンタサイクルをやっており、安く借りることができます。

自転車を出してもらい、さっそうと出発。だいたいの道筋を聞いていたし、案内完売も出ていたので問題なく豆田町の町並み地区に到着。

「天領まちの駅」もあり、その前には古い薬屋の建物も。ここは公開しているようです。

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とにかくひと通り巡ってみることにしました。

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私が興味を持ったのは昭和12年建築の料亭「伯亭  若の屋」。現在も旅館として営業しているようなので、見学に行ってみました。

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なかなか渋い家です。たぶん実際に泊まるとなると、かなり高そうではあります。

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町内をひと通り巡って、もう一度古い薬屋さんにもどり、内部を見学してみることにしました。「岩尾薬舗」という店で「日本丸」というヒットした薬を作っていたそうです。この建物は「日本丸館」という名称で公開されていました。

内部はこんな感じ。

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昔の薬の広告やポスターなども展示されていました。「寝小便専門薬 ネショーピン」(笑)

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古い座敷が迷路のようにつながっています。

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豪商らしく豪華な調度なども展示。

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上層の天守閣に展望室があり、豆田の町並みがよく見えました。

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だいたい気が済んだので帰ることにして自転車を走らせていると、かなり渋い歯医者を発見。大正時代の建築だそうな。

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さらに行くと垂れ幕がかかった「草野本家」を発見。この家の公開は期間限定だそうなので、ぜひ入ってみることにしました。

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この家は、昔の武家草野家の人が、江戸時代に製蝋業で成功した屋敷らしいです。

ここの見学は自由見学ではなく、ガイドがマンツーマンでついて、テープの音声などを使いながら解説付きで見ていく方式でした。私は古い家の座敷があると寝っころがってみる癖があるのですが、そういうことはここではできませんでした。

しかし見学する価値は十分で、由緒ある雛飾りや、大阪の豪商天王寺屋藤兵衛から贈られた「天王寺住吉屏風」、松方正義初代日田県知事の揮毫など、貴重なものがたくさん展示してありました。私が知らないえらい人の書や掛け軸もありました。頼山陽なども訪問したそうな。

季節ごとに年4回の公開を行っているそうで、春にはひなまつりがあるので「ぜひまたおいでください」といわれました。ぜひそうしたいものです。

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時間もそろそろ押してきたので、再び駅に戻って自転車を返し、電車の時間をチェックしたところ、だいぶ空きがあったのでやはり高速バスで博多に向かうことにしました。

途中、大分自動車道では甘木、朝倉などの地名も。筑後川の支流を含む流域一帯は、邪馬台国の所在地だったという説もあり、なかなか興味深いところです。今度また機会があれば寄ってみたいところです。

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バスは博多駅ではなく、天神バスセンター行き。そこで途中の福岡空港で降りて、空港から地下鉄で博多駅に向かいました。たぶんこのほうが早いだろうという判断。

博多駅では新幹線の待ち時間を利用して居酒屋に入り、ビールといかの刺身。最初いかの姿のまま活け造りで出してくれて、「ゲソはあとで焼くか、唐揚げにしてお出しします」といわれたのですが、あまり時間がなかったので、最初から両方出してもらいました。新鮮ないかで、かなりおいしかったです。

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博多から東京までは長旅になるので、おにぎりを2個買い、新幹線に乗り込みました。

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今回はけっこうあちこち回って疲れましたが、天ヶ瀬温泉や日田の豆田町を見学できたのは何よりでした。

[日田市  伯亭  若の屋(2013年11月見学)
■所在地  大分県日田市豆田町7-31
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