角館から秋田内陸縦貫鉄道に乗る。これが年末ツアーの大きな目的のひとつでした。別に鉄道マニアではないのですが、秋田県内でも山深い地域であるこの沿線には、マタギ集落がいくつかあるそうで昔から興味がありました。

マタギとはいったい何なのでしょう。東北地方に伝わってきた伝説の山猟師たち。独特の文化や狩猟技術を持ち、その子孫にはオリンピックのバイアスロン選手までいるとか。以前、信越国境の秋山郷を訪問した時には、昔は秋田のマタギが苗場山まで狩りにきていたという資料も発見しました。

語源も定かではなくアイヌ語起源ではないかともいわれています。また私が前から関心を持ってきたサンカとの関係はあるのかないのか?

とにかくそんな秘境を訪ねてみたい。通るだけでも通ってみたい。そんな気持で秋田内陸線にあこがれていたわけですが、今回はちょうどいい機会だったので、内陸線のどこかで宿泊できる施設を探しました。

それで決定したのが「打当温泉  マタギの湯」です。私の勝手なイメージとは違い、立派な温泉ホテルのようですが、ほかにあまり候補がなかったのでここにしました。田沢湖まで戻って北上すれば、乳頭温泉とか玉川温泉とか有名温泉はいくつもあるわけですが、今回はあえてそこを外し、秘境に乗り込んでみることにしました。

角館を出たのは昼過ぎくらい。角館の秋田内陸線の駅はJR駅と隣接しており、地元中学生たちが時間待ちをしていました。

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この日はまれにみる大雪が降り続いており、ホームも寒そう。

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乗り込むと、鉄オタ鉄道ファンらしき夫婦が写真を撮りまくっているのに遭遇しました。地元民も多く、意外と利用者数が多い鉄道のようです。車中では、女性の車掌さんが沿線の観光ガイドなどをくれました。

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途中、田んぼや畑の風景から雪山の風景に変わっていき、1時間ほど乗車。長いトンネルを抜けるとそこが阿仁マタギ駅でした。

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駅にはマタギのおっちゃんが登場するJRのポスターも。

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阿仁マタギは小さな駅で、ホームに待合室があるほか、格別な施設はありません。階段を降りたとこに出入り口があり、雪かき道具もそろっていました。

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見渡す限り、雪景色しか見えません。

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駅から宿に電話すると、5分くらいで迎えにきてくれました。

打当温泉周辺は「マタギの里」として観光開発されていて、冬でなければ熊牧場などもあるのですが、この時期は雪に埋もれてひっそりしていました。

しかし宿はかなり立派な近代建築。

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こんなのがお出迎え。

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入るとロビーには熊のはくせいなどが展示してあり、それなりの雰囲気づくりをしています。

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靴を脱いであがるところの注意書き↓  私ももともと東北人なので解読可能(笑)

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ロビーにも熊がいました。

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囲炉裏の休憩室にも熊の敷物が置いてありました。

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廊下もきれいで明るく、2階の部屋も設備の整ったいい部屋です。

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2階から見たロビー↓

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こんなにいい部屋だとあまり秘湯感もなく、マタギ集落という神秘性も感じません。ただ、窓からの雪景色がすごい。こんな雪深いところで暮らすためには、やはり冬山に適応した生活技術が発達するのは無理もないと思いました。

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フロントで「今日はこんな天気ですけれど、隣のマタギ資料館には館内を通って行けますから、もし興味がありましたぜひご覧になってください」といわれていました。

そこですぐに資料館へ。

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ここもずいぶん剥製がありました。ほかにマタギが使っていた道具の展示や、マタギの歴史などの解説。ここにもマタギの家が再現されていて、やはり囲炉裏と熊の敷物がありました。

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あとはやることもなく、外出もしようがないので、とにかく風呂へ。大浴場は湯気であまりうまく写真が撮れませんでした。露天風呂は雪のせいか使用中止になっていました。

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そういうわけなので、下の写真は宿のHPからお借りしました。

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大浴場以外に貸し切りの家族風呂がありました。フロントに申し出ると空いていれば無料でいつでも鍵を貸してくれるというシステム。

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ここも小さいながらきれいなお風呂でしたが、とにかくお湯が熱くて、私は3秒くらいしか入れませんでした。

まあそんなことをしているうちに夕食の時間になりました。夕食も囲炉裏で熊鍋なんかを食べると気分が出るのですが、残念ながらきれいな食堂です。

食事自体はこんな感じ。

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注目はウサギ肉の鍋。

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さらに馬肉の煮付け。

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あとは普通でしたが、なまずの刺身というのがちょっと珍しいかもしれません。私は初めて食べました。

この日は部屋で角館で買ったお酒を飲み、温泉にも何回か入ってみました。館内に人影は少なく、ちょっとしみじみした気分もありましたが、やはり近代的清潔ホテルであるせいか、私としてはあまりワクワクする要素もなく、すぐに寝てしまいました。

翌日の朝食も同じ食堂。特に変わったものは出なかったです。

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この日は秋田内陸線に再び乗って終点の鷹巣まで行き、ここから奥羽線に乗り換えて弘前方面に向かう予定。

フロントで聞いてみると、そういう計画なら10時前くらいの内陸線に乗らないと、あとは本数がなくて昼近くまで列車がないということでした。

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そこでその電車に合わせてクルマで駅まで送ってもらうことに。フロントの方にはいろいろお世話になりました。本当にありがとうございました。

少し早めにロビーに行ってみると、一人旅の男性も一緒でした。それがこの人。

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札幌まで帰省する途中、モノ好きにも内陸線を経由してみることにしたそうです。人のことはいえませんが。やたらいいカメラで写真を撮っていたので鉄道マニアかもしれません。

駅から見ても、あいかわらず周囲は雪だらけです。すごいな~。

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内陸線からの景色もやはりなかなか迫力があります。

すごい峡谷があったり。

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しかし、意外に大きな集落もありました。「あにあい」。

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「阿仁前田」には温泉のある駅も。

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途中「笑内」と書いて「おかしない」と読むとか、どうも日本的でない駅名、地名が目につきました。やはりこのへんも昔はアイヌが住んでいたからなのでしょうか。よくわかりません。

やがて周囲が開けてきて人家も増え、1時間半くらいの乗車で鷹巣駅に到着。

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なかなか渋い駅でした。例の札幌の男性はこのひとつ手前の「西鷹巣」で降りていきました。なんにもない駅のように見えたのですが、そこにも何かモノ好きを惹きつけるものがあるのでしょうか。

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鷹巣駅はJR駅と隣接しています。

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駅前の通り。

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昭和の駅前商店街という雰囲気があって非常にいいです。しかし乗り換えにあまり時間がないので、JR駅の待合室で少し時間をつぶすことにしました。ただ、雪で電車が遅れており、少し町を歩くくらいの時間は結果的にはあったわけですが。

鷹巣駅のホームには大きな太鼓がありました。このへんの名物のようです。

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そんなわけで奥羽線の大館行きに乗り換え、さらに乗り換えて大鰐、弘前方面に向かったわけですが、その話は次回にします。

[打当温泉 マタギの湯](2011年12月訪問)
■所在地  秋田県北秋田市阿仁打当字仙北渡道上ミ67
■泉質  ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
■楽天トラベルへのリンク→打当温泉「マタギの湯」
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