年末に、秋田、青森を遊び回ってきました。

最初の目的地は角館です。角館駅は秋田新幹線で秋田に行く時に通るたび、いつも途中下車したい誘惑にかられる駅でした。なぜかと考えてみると、何となく昔のNHKの朝ドラでイメージができたような気がします。桜並木の武家屋敷なども有名。かの菅江真澄せんせいが没した地ともいわれておりました。そのほか私は角館駅を通るたびに「秋田名物  内陸線」という看板を見て、「あれに乗ってみたい」と漠然と思ってきました。

今回、数日遊べそうな時間があったので、まずは角館に一泊し、秋田内陸線を通って青森に抜けるという企画を考えてみました。宿を調べてみると、なかなかこぎれいなホテルなどもありました。なるべく古い旅館はないものかと思ってさらに調べてみた結果、明確な情報はないものの、名前と連絡先だけはウェブにも出てくる「高橋旅館」にお願いしてみることにしました。電話してみると、何となく気さくそうなおばちゃんが出て、いい感じの宿。夜は付近の居酒屋かどこかで食べることにして、朝食のみ付けてもらうようにお願いしました。

角館というとすごく遠く感じますが、東京駅から「こまち」に乗ると、3時間かそこらでついてしまいます。すごく便利。

この日は朝10時くらいのこまちに乗ったので、1時過ぎに角館駅に到着。お昼は新幹線の中で弁当を食べ、ビールをたらふく飲んだので、もはや不要。

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駅の外に出ると12月なのに思ったより雪が多いです。この年末は秋田青森の各地ではかなりの雪に見舞われていたそうです。

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かなり寒いこともあって、とりあえず駅前の観光案内所に避難しました。

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中では雪ぐつの貸し出しサービスも。

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この日、到着後どうするかあまり考えていなかったのですが、これだけの雪があるとあまり長く歩くのもつらいので、まずいったん宿に荷物を置かせてもらい、それから武家屋敷方面の観光に行くこ方針に決定。宿に電話してみると「今どご?」と聞かれたので「駅前」というと、もう入れるから気をつけてくるように、ということでした。

駅前の大通りをやや下る感じで市街に向って歩きます。私は雪もそれなりになれているのですが、やはり歩きづらくて、滑るところではコケそうになります。

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途中に平和劇場というのがありましたが、これは映画館か何かの廃墟でしょうか。

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こんな寂れた感じの商店街を10分くらい歩いて宿に到着。角館でもそれなりににぎやかな通りに面していました。

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古そうな宿ですが、思ったより外観はきれいで、手を入れている感じ。

建物脇の路地みたいなところの奥に玄関がありました。

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声をかけるとばあちゃんおばちゃん登場。

部屋の鍵を渡され、2階の部屋に勝手に行ってくれということでした。階段の昇り降りがちょっとつらいのでしょう。

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「まあよぐきだ。まんずあったまって」というので、「少し休んだら武家屋敷のほうに行って、ついでに夕食も食べてきます。お風呂はそれからでもいいですか」と聞くと、「お風呂は何時でも入れるから大丈夫。食事もこのへんにはいろんな店があるから、大丈夫だ」ということでした。

勝手に2階に上がり、いわれた部屋に入るとすでにストーブで部屋があたたまっていただけでなく、こたつも入っていました。思ったより立派な8畳間で、古いですけれどきれいにしてあります。1泊してみてもすごく快適な部屋でした。

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お湯もわいていたのでお茶を飲んで一息。やはり東京から一気に来ると寒さをひときわ感じますが、室内に入ってしまえば東京よりあったかいです。

しばらくしておばちゃんに声をかけて外出してみました。武家屋敷も歩いて10分くらい。途中にスーパーがあったので寄ってみると、ハタハタが大量に売ってました。さすが秋田。知らない街のスーパーに寄るのはなかなかおもしろいです。SC形式で100円ショップや観光物産展もあって便利そう。翌日寄っておみやげを買うことにしました。

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そしてすぐに武家屋敷らしき雰囲気が出てきました。私は有名観光地に行くのはあまり好きではないのですが、
それは人が多いのが面倒だからで、人が少ないならなるべく行ってみたいのです。この日は大雪の午後で、あまり人影はありませんでした。

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何軒か古い家が残っており、見学できる家もあります。「青柳家」と「石黒家」というのに入ってみました。「青柳家」は格式の高そうなかなり大きな家で、小さな城下町なのにこれだけ金持ちの武士がいたというのが不思議です。

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歴史村として観光化されており、中に売店や喫茶店などもあります。建物が多く、武具や生活用具などの展示スペースも。しかしこの時は觀光客は誰もいなくて、スタッフのほうが完全に多い状態。著名な薬医門があるのですが、この日は修復工事中らしく見ることができませんでした。

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それにしても戦災を免れたのでこれだけの家がこの一帯に残っているわけです。こんな雰囲気の中で実際に暮らしていたらどんな感覚が育つのでしょうか。石黒家ではボランティアらしき案内の人がいろいろ説明してくれました。ここは一部の部屋を公開し、奥には実際に人が住んでいるそうです。ここの売店でホカロンが売っていたのでつい買ってしまいました。

もうこれだけでかなり時間がかかり、疲れたというより寒いので歴史村内のカフェに退避。2階には古い時計などの展示物があり、1階に売店とカフェがありました。

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ここで観光案内のパンフレットなどを見ていると飲食店も出ていたので、夕食を食べる店の見当をつけて、ようやく外に出るともう暗くなっていました。まだ5時前なのですが暗いです。しかもかなりの降雪。

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寒いし、もう居酒屋に行きたいと思ったのですが、5時前ではやっていないだろうと思い、近くのお土産屋さんや桜皮工芸品の店などを見物。5時頃になって、新たに積もりつつある雪をかきわけながら、ちょっと裏道に入った居酒屋に到着しました。雪がなければ武家屋敷からも5分くらいの距離です。

パンフレットに出ていた店は「日辻屋」。なんだかよくわかりませんが、店頭にクリスマスみたいなイルミネーションが出ていました。「何だかイメージが違う」と思いましたが、もうあまり店を選り好みしている余裕がなかったのでここに入りました。

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入った感じは寿司屋みたいな感じ。カウンターで常連らしき客が飲んでいて、あがりの座敷には宴会用のセットがしてあったので予約が入っているようでした。

カウンターに座ってまずはビール。お通しにおでんが出てきました。これがおいしかった。

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アジやイカの刺身のほかにやはり「きりたんぽ鍋」を注文。どれもボリューム感があり、おいしいのでその後お酒をかなり飲みました。

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やがてここの主人が「お客さんは観光ですか」と話かけてきて、いろいろ話しているうちに、この主人は地元の人ではなく、一時期は東京の私の家の近くにも住んでいたことがわかって盛り上がりました。

その後もう2人くらい常連らしき客が来て、一緒にいろいろ話をしました。とにかく12月にこれだけの雪が降るのは珍しいそうです。私が「しかし観光で来る分には、これぐらい雪があったほうが風情があっていいですね」というと、「そりゃそうだけど、住んでいるほうからしたら雪かきでもう筋肉痛だよ」と笑っていました。

「高橋旅館に泊まる」といったら、「あそこも1階で料理屋をやっていて、すごくおいしいんだけどね。ただ予約制だからね」ということでした。高橋旅館はけっこう多角経営をしているようです。

すごくおいしいうえに安かったので、大正解の夕食でした。ここから歩いて宿までは5分くらいでしょうか。コンビニで地酒を買い、あえて裏道を通って宿に帰ろうと思っていたら、やはり酔っぱらっていたせいか滑ってコケてしまいましたが、コケつつも執念で地酒は死守。

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宿の前の通りにようやくもどると、こっちにも何だかライトアップされた店がありました。とにかく歩いていると寒いわけですけど、雪の降る中だと何だか幻想的な気分になってしまいます。

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部屋に戻ったらふとんを敷いてくれてこたつもつけてありました。本当にありがたい。

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とにかくさっそくお風呂に。古い宿のわりには近代設備の立派なお風呂でした。

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お風呂あがりにまたも地酒を飲み、寝たのは11時くらいだったでしょうか。夜になって本格的に降り出した雪はこの時もまだ降り続いていました。

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翌朝はとっとと起きて朝食へ。窓から外を見るとまだ雪が降っていて積雪も増えています。

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1階におりるとおっちゃんがいて、何だか恥ずかしそうにこっちを避けるような感じだったので、「おはようございます。朝食はどこですか」と聞くと、奥の部屋を指さして「こっちです」とひとこと教えてくれました。人見知りするおっちゃんなのでしょうか。

朝食はカウンターのみの不思議構造の食堂です。

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奥からおばちゃんが出てきて、「炊きたてのあきたこまちだからたくさん食べてね」とごはんを持ってきてくれました。

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このとき聞いてみると、この宿はもう当地で営業して90年くらいにはなるのだとか。昔から行商の商人や、付近の田舎から町に出てくる人などが泊まり、繁盛してきたそうです。最近はやはり觀光客が多いということでした。

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1階の多角経営の料理屋は、息子さんがやっているそうです。予約制のなかなかの高級店のようですが、そういえばここの朝食も同じキンピラでも漬物でも、どことなく料亭みたいな上品な感じもありました。料理屋と共通のこしらえなのかもしれません。昨夜は「日辻屋」で夕食を食べたといったら、「あそこは1人前から鍋をやってくれるし、何でもおいしいから私もよく行くんですよ。いい店にいきましたね」とほめられました。

宿を出る時に「今日はどちらへ?」と聞かれたので「秋田内陸鉄道に乗って山のほうに行く」といったら、「どんどん乗ってあげてくださいね。経営が大変みたいだから」ということでした。

高橋旅館は明るくて愛想のよい女将さんと、どこか人見知りがちのおっちゃんのコンビがおもしろく、なかなかいい宿でした。朝食もおいしかったので、今度来るとしたら夕食付きで泊まってみたいと思います。

さてこの日は秋田内陸線の「阿仁マタギ」という駅まで行く予定です。昨夜のうちにいろいろ計画を練ったあげく、列車に乗るとすぐ着いてしまうので、昼頃までは角館で過ごしお昼を食べてから内陸線に乗ることにしました。

武家屋敷街はもうひとつ田町という別のところにもあるので、そっちへ。まず宿の近くのスーパーの観光物産店で買い物をし、おみやげなどを宅配で送りました。昨夜のきりたんぽ鍋がおいしかったので比内地鶏のたれや比内地鶏スープ、地酒など。店のスタッフの人に聞くと、「生まれてこの方、武家屋敷はいったこともない。花見にもいったことがない」といってました。地元というのは、そういうものかもしれません。さらに宿の真前にある桜皮細工の店にも寄ってみました。

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道路もかなりの積雪ですが、こんな穴があって除雪に便利。

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田町武家屋敷も歩いてすぐ。雪かきの人がたくさん出ています。

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西宮家という古い家が工芸品の店とカフェをやっていたので、ここで少しお茶を飲んであたたまりました。その後武家屋敷をひと通り見て、裏道を通っていると大きな味噌・醤油屋さんを発見。レンガ造りのかなり古い歴史のありそうな店です。

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入ってみると女性スタッフがすぐに出てきて蔵座敷の見学(無料)や、味噌汁やダシ汁などの試飲(無料)に案内してくれます。観光スポットとしてすごく手慣れた感じでした。

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さてこのあとお昼ぐらいになったので、地元のうどんや稲庭うどんの店もあったのですが、目を付けていた地中華料理「東東」に入ってラーメンを食べました。どこに行ってもラーメンばかり食べてしまいますが、化学調味料味の昔懐かしいラーメンでした。

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駅まで歩く途中でさらに本日用の地酒ワンカップとビールを買い込み、内陸鉄道の駅へ。

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「乗ってけれ  内陸線!!」といわれるまでもなく乗ることにしましたが、かなり長くなってしまったので、その話は次回に。

[角館  高橋旅館](2011年12月宿泊)
■所在地   秋田県仙北市角館町中町12
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