前にブログでも書いたように、10月に秩父の御嶽山方面に行ったわけですが、紅葉には少し早くてあまり満喫できるほどではありませんでした。何とか近場でもう一度紅葉狩りにトライしてみようと、今度は青梅の御岳山にでかけました。それにしても御岳山とか御嶽山とか全国にはたくさんありますね。

青梅の御岳山は私の住む中野からはかなり便利なところで、最寄駅であるJR青梅線の御嶽駅まで電車で1時間20分くらい。青梅線直通電車に乗った場合は、青梅駅で1回乗り換えるだけで到着します。

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そこから山頂まではバスやケーブルカーを乗り継ぐことになりますが、いずれにしてもかなり近くて便利なのは確か。付近の吉野梅郷や奥多摩などは何度も行ったことがありますが、あまりにも近いせいか御岳山には行ってみたいと思いつつこれまで何となく機会を逃してきました。

青梅御嶽山は標高が929メートルと、それほど高い山ではありませんが、下界から隔絶された山頂に武蔵御嶽神社があり、その周辺には宿坊が並ぶという天空の不思議な集落が有名。よくテレビなどでも紹介されているみたいです。日本のマチュピチュといったらおおげさか。とにかくそのあたりの宿坊にはぜひ一度泊まってみたいと思っていたのです。

今回予約を入れた「駒鳥山荘」は、希望すれば早朝の滝行も体験できるのですが、さすがに11月なのでやめておきました。

当日は秩父の時と同じくまたも雨。青梅で乗り換えて御嶽駅についた頃も、けっこう本格的に降っていました。

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当日の宿泊は決まっていましたが、それまでの具体的な計画は特になし。とりあえず駅前の多摩川を見下ろす崖上に観光案内のようなところがあったので、そこに寄ってみました。

ここでは御岳渓谷の案内図などをもらいました。けっこう寒かったのでセーターを着込んで、コーヒーを頼み、時間はお昼前でしたが、ついでに持ってきたおにぎりを食べてしまいました。おにぎり3個一気食い。

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ここにいたおっちゃんが「今日はあいにくの天気だし、最近は上流のダムが放水しているから川の水が濁っているけど、本当なら泳いでいる魚がここから見えるくらいきれいなんだよ」と話しかけてきました。

この案内所の地下に写真を展示しているスペースがあるので、ぜひ見ていったほうがいいと。せっかくなので階段をおりて写真を見学。確かに御岳渓谷で撮影された四季の写真がたくさん展示してありました。野鳥の写真など、なかなか貴重なものだそうです。どうもこのおっちゃんが自分で撮影した写真も多いみたいです。どういう立場の人なのかは聞きもらしました。

こんなことをしていても雨はあがるようすはありません。天気予報では翌日まで雨だとか。もうしょうがないので、とにかく御嶽山にのぼることにしました。

まず駅前からバスに乗り、御岳登山鉄道の滝本駅をめざします。バスはたぶん10分か15分ほどでした。バス停から駅までほんの少し歩くのですが、ここののぼりがきつかった。

滝本駅到着。天気が悪いせいか観光客らしき人は数人しかいません。ここの立ち食いそばも惹かれるものがありましたが、おにぎりを食べたばかりなのでパス。

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ケーブルカーはひんぱんに出ています。かなりの急勾配を山頂近くの御嶽山駅までのぼります。

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本当はさらにこの上の展望台までリフトが動いているはずなのですが、天候のせいか運行しておらず、歩いて山頂をめざすことにしました。カッパを被って歩き始めました。

山頂にある武蔵御嶽神社までは徒歩20分か30分程度。歩く途中に、宿坊が集まっている御師集落も通るようです。

雨の中を歩き始めました。標高1000メートル近い山といっても、かなり道路が整備されていて、難所は特にありません。勾配がきついところもありますが、そんなに大変ではありませんでした。途中の眺望も晴れていたらきれいなのでしょうが、雲なのか霧なのか、まったく遠くは見えません。

まだ昼過ぎ。宿には4時くらいに到着するといっておいたので、それまでどうすればいいのか。そんなことを考えながら歩いていると、忽然と立て込んだ集落が現れ、山の頂上とは思えないような町ができていました。

最初に書いたように、この山上の集落は、武蔵御嶽神社に関連する神職に連なる家が「御師」として参拝客を泊めていたという宿坊が多いことで有名。確か伊勢神宮にも似たような制度があったような気がしますし、昔は大きな神社のそばには参拝客を泊めたり、世話をする家があるのが普通だったのではないでしょうか。

どうもそれらしい古い建物がいくつも目の前に現れてきました。

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この家は今は宿坊としては営業していないそうです。残念。やっていたら絶対泊まりたかった。

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「御岳山荘」というのもありました。もみじが落ちてなかなか風情のあるたたずまいです。

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神社に続く道沿いに、この日泊まる「駒鳥山荘」もありました。外観はそれほど古さを感じません。赤い門があり、宿坊らしい雰囲気がそれなりにありました。

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集落内の道路はかなり狭くてクルマ1台通るのがやっとという感じ。急勾配も随所にありますが、それなりに大きな集落がこんな山の中にあるのが不思議な感じがします。

とにかくかなり寒いです。何か温かいものが飲みたいと思って歩いていると、神社の参道近くで繁華街発見。数軒のおみやげ屋兼飲食店が並んでいました。

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私は迷わず一番手前の「宝亭本店」に入りました。テーブル席ばかりですが、入り口付近にこたつが仕切られており、そこでばあちゃんが店番をしながらあたっていました。

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寒いので甘酒とコーヒーを注文。

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壁に「ちい散歩」のロケが来た時の写真が貼ってあったので聞いてみると、数年前に店番をしていると、いきなり地井武男がひとりで店に入ってきたそうです。それで「こたつにあたらせて」といってこたつに入り、いろんな話をしたあげく、「また帰りに寄るから」といって神社に上がっていったそうな。

その直後に撮影のクルーがやってきて、実際に撮影したいと頼まれたそうですが、ばあちゃんは地井武男も「ちい散歩」も知らなかったので、わけがわからなかったといってました。

とにかく何にしろテレビに出るとなれば、この御岳のことを良くいわなければいけないので緊張したそうです。ヘタなことをいっては集落の人々に申し訳ないという気持だったとか。

実際に放映された後は、集落の人々にも「よく話していた」と称賛されたそうです。地井武男は、すごく温かい、明るい人で、いろんな話を聞き出すのがうまいといっていました。神社でも神主さんにいろいろ質問攻めをしたそうで、神主さんは歴史などの知識が深いので質問に答えるのも大変だったといっていたそうです。

このばあちゃんは80歳を超えても店を切り盛りしている立派な女主人でした。しかし子供たちは跡をつぐこともなさそうなので、後継者のことを心配していました。偶然ですが中野のうちの近所に息子さんが住んでいたそうで、やたらと詳しいのでびっくりしました。

とにかくこの山で店をやる人がいなくなると観光客も困るので大変です。どうもこの家は神主さんとも同族であるようで、せまい土地に昔から住んでいるわけですから、いろんな関係があるのでしょう。

私が「この山頂に住んでいるのは何人くらいですか」と聞くと「だいたい300人。年寄りと子供が多いのが特徴だね」ということでした。なぜ子供が多いのかちょっと不思議ですが、理由は聞きもらしました。しかし翌日御嶽山駅付近のおみやげ屋のおばちゃんに聞いた話では「150人くらい」ということで、どっちを信じればいいのか‥。

この店で話し込んで、少し温まったので、いよいよ神社にのぼることにしました。出掛けにばあちゃんは竹でできた「味噌ベラ」をくれました。

武蔵御嶽神社は御岳山の山頂にあります。普通なら長い階段をのぼる参詣はパスするのですが、ここまで来てしまうのとほかにすることもないので、行ってみることにしました。しかし階段は一部工事中になっていて、迂回する坂道をのぼることに。この坂がまたけっこうきつかった。

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ようやく坂や階段をのぼって立派な奥の院に到着。山頂とはいえやはり雲が多く眺望はいまいち。しかし、山ひだにそって雲だか霧だかがわだかまっている感じは、なかなか壮厳な感じがしました。

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お参りして坂道を下る途中、今日泊まる御師の集落も見えました。雨に煙っていますがすばらしい景色。まさにマチュピチュ。

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天候には恵まれませんでしたが、紅葉もきれいだし、きて良かったなあと思いました。

まだチェックインには早いので、もう一度商店街の食堂に入りました。同じ店に入るのも芸がないので、今度は神社側に近い寿屋に。ここには数人の客がいてやや混んでいましたが、私が入るとストーブの近くの場所を空けてくれて「よかったら、座敷へどうぞ」といってくれました。

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私はカッパが濡れているので座敷は遠慮し、ストーブそばのテーブル席を占拠。ここのおばちゃんに「お酒ある?」と聞くと「あります。ビールもあるよ」というので「じゃお酒を熱燗で」と頼みました。もう私としては、それしかオーダーしようがないというくらい寒い日でした。

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この店も天気が良ければ窓からの眺望がすばらしいと思います。少し空が明るくなってきた感じがしたので「雨が上がるのかな」というと、おばちゃんは「予報より早く雲が通るようなので、明日は完全に晴れになるようです」といいます。

お酒には地物のわさび漬けが付いていて、これが辛くておいしかったので、おばちゃんに頼んで少し包んでもらいました。場合によっては、今夜の宿でのつまみにもできるという魂胆です。この店もでがけに竹製の「孫の手」をくれました。このへんの店はこういうしきたりなのでしょうか。お酒1本の客にものをくれていたら、あまりもうからないのでは、と心配になります。

そんなわけで、いろいろ時間をつぶしたのですが、まだ2時30分くらい。しかし本格的に山歩きをするには天気も悪く、寒くもあったので、早めに宿に行くことに決定。通りがかりに場所を確認しておいた「駒鳥山荘」に向いました。参道の商店街からはすぐそばで、歩いて1分くらい。

おみやげ屋のおばちゃんに「駒鳥山荘に泊まる」といって評判を聞いたのですが、やはり同じ山で暮らす同業者であるせいか、格別な情報は得られませんでした。

「駒鳥山荘」に到着すると、まだ早いですが女将さんが快く迎え入れてくれました。

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この宿は部屋数も多く、新しく立てました近代的な新館もあるようなのですが、この日は「ブッポーソーの間」という広い2間続きの古い部屋を頼んでありました。日本画の川合玉堂先生、棟方志功先生、野鳥家の中西悟堂先生など著名人が泊まった部屋だそうです。この宿は楽天トラベルで予約したのですが、部屋を選ぶことができたのでせっかくなのでここを指定しました。

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通されてみると、8畳間2つですが、外廊下に囲まれて、さらに広いベランダがついているため本当に広く感じました。トイレも専用のやつがついています。今回、われわれは2人旅だったので、その割にはちょっとぜいたくだったかもしれません。

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窓から見える景色も山と雲だけ。幻想的です。

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ここまででだいぶ長くなったので続きは次回にします。

[御岳山  駒鳥山荘](2011年11月宿泊)
■所在地  東京都青梅市御岳山155
■楽天トラベルへのリンク→駒鳥山荘
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