先日、大阪と彦根に2日間にわたって用事があり、どこか中間点で一泊することになりました。京都あたりに泊まるのが無難なのですが、この際、どこかおもしろそうな宿はないかと思って探したところ、大津の京都寄りの山中にある「ホテル大津」を発見。先に画像を出します。

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もともとラブホテルだった建物をビジネスホテルに転業したという、妖しい経歴の宿。避暑地のペンション風というのか、こういうのはどういう建築様式といえばいいのでしょうか。

「スタンダードダブル」が一泊2900円。朝食付きだと500円プラスという、いずれにしてもかなりの安さ。

しかし私はせっかくなので「デラックスダブル」3900円の部屋を、朝食付きで予約しました。だから合計4400円になります。

そういえば昔、一度大津市内に泊まったことがあるのですが、そこはいい感じのボロ旅館でした。琵琶湖岸にも近く、夜になって散策するとなかなかいい風情でした。ビジネス客ですごく混んでいて、朝食の食堂は満員という盛況ぶりでしたが、たぶんもうないと思います。

「ホテル大津」の最寄駅は京阪電車の石山坂本線・南滋賀駅。駅から少し距離があるので,タクシーに乗るつもりでした。夕方、大阪から京都経由で浜大津の駅まで行って、まだチェックインには早いなあ、と思っていると、トーマス電車を発見。これが南滋賀まで行く石山坂本線の車両でした。せっかくなのでこれに乗って、終点の坂本駅まで行ってみることにしました。

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予想に反して、坂本駅は近代的なアート系のデザイン。

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坂本に来るのは初めてです。延暦寺とか、時間があれば行ってみたいところです。駅前にも一応お寺がありました。
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もう西日が傾いています。周辺を少し歩いてみると、やはり歴史を感じさせるいい風情の町並み。

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駅からちょっと上がるとなかなか由緒のありそうな古い蕎麦屋を発見。何だかよくわかりませんが“名物日吉そば”と書いてあったので、ここでビールでも飲もうと入ってみました。

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中もなかなかいい雰囲気。

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ざる蕎麦は格別変わったものではありませんでした。

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そこを出るともう一軒渋い蕎麦屋を発見。こっちも古そうです。

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適当に歩き回ったあげくに、そろそろ宿に向うことにして、今度はJRの坂本駅から大津京駅に向うことにしました。南滋賀駅は、通りがけに見たところタクシーがいそうになかったからです。大津京駅は大きな駅で、タクシーもたくさんおりました。

クルマに乗り込んで「ホテル大津まで」というと、運転手さんは「うん?‥‥あーっ、あれか、山のほうの」ということで、わかるようだったので安心。「歩くとどれくらいかかりますかね」と聞くと、「どうかな~20分くらいかな。でも歩道がない山道なのでけっこう危ないですよ。明日もタクシー使うんだったら、呼べば近くのクルマが行きますから」ということでタクシーカードをくれました。

クルマは山道をのぼっていきます。「この先少しいけば、すぐ京都の鹿ヶ谷あたりに抜けられますよ」ということでした。

それにしても、せっかく安い宿ではありますが、タクシーを使っていては、あまり意味がないかもしれません。10分くらいで冒頭のホテルに到着。当たり前ですが、やはりラブホテル感は否めません(笑)

エントランスの雰囲気も‥。鹿の剥製がありました。

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受付のカウンターもごく小さくて、呼んだらアルバイトみたいな素朴な若いにいちゃんが出てきました。料金は前金。鍵をもらって2階の部屋に向いました。

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ロビーには簡単な売店がありましたが、あまり品数はなかったです。

ドアを開けてみると、こんな感じ。普通のビジネスホテルよりは広めの感じです。

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「デラックスダブル」はいかにもという感じ。

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使っていませんでしたが、さらにもうひとつエキストラベッドも置いてありました。人数が多くても何とかなりそうです。

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そういえば昔バイクでツーリングをしているときに、神戸で泊まるところがなくて、本物のラブホテルに男2人で泊まった記憶がよみがえってきます。あれはおぞましい体験で、あまり思い出したくないのですが。

それに比べれば今回は普通のホテルに業態変更しているわけで、何ということもないのですが、やはり雰囲気というものは残っている気がします。

たとえばガラス張りのお風呂とか。まあ今回一人なので、何を気にする必要もないわけですが。

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必要なアメニティは完璧にそろっており、コーヒーやお茶なんかもありました。

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しかし室内で携帯電話がつながらないという問題がありました。山の中とはいっても、市街地からそんなに離れていないのに意外です。たま~にギリギリつながることがあるので、メールなどは送ることができました。

DVDのコンテンツなども充実しているようでしたが、翌日も早いことであり、この日はお風呂に入ってとっとと寝てしまいました。

翌朝は7時に食事を頼んでいます。朝食は「部屋でも下の食堂でもいい」といわれて、部屋に持ってきてもらうように頼んでありました。

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7時頃朝食到着。ホテルで500円の朝食としては充分です。どこかの仕出屋さんと契約して運んでいるではないでしょうか。

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さっさと食べて出発するためにロビーにおりました。やはり鹿がいます。

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きのうのアルバイトのにいちゃんはいなくて、ご主人らしい人がいました。

1階にパソコンルームがあると書いてあったので使わせてもらおうと思って声をかけると、「すみません、昨日の夜、突然パソコンが壊れちゃったんです~」ということです。

しょうがないのでとにかくタクシーを呼んでもらいました。

クルマを待つ間、「こちらは何というか、ちょっとアレなホテルというか、いや、少し変わったホテルですけど、どういうお客さんが多いんですか」と聞いてみました。

「圧倒的にビジネスのお客様です。ですから、休日前より平日のほうが混んでいるというホテルなんです。うちは周辺の相場より価格設定が安くて、元ラブホテルとはいっても設備や備品はちゃんとしていますし、部屋やベッドもゆったりしていて、朝食もしっかり食べられます。一度来られたお客様がこれはいいということで、リピーターになっていただいています」ということでした。

「ただ、携帯がね~」というと、「そうなんですよ!  申し訳ありません。それだけが難点で、駐車場のはじのほうにいくとけっこうつながるんですが。電話会社に要望してもダメなんですよ。お客様からそういう声が多ければ対応するようなんですけど、うちがいくらいってもアンテナ立ててくれないです。今度ソフトバンクは何か対応するようなことをいっていましたけど」

この日は11時に南彦根駅に行くことになっていました。タクシーの運転手さんに「東海道線に出て彦根方面に行きたいんですけど、どこで乗り換えたらいいですか」と聞いてみると、「もう、このままクルマで大津駅まで行ったほうが早いですよ。大津京駅だと湖西線で山科まで戻るような感じになっちゃいますし、どうせ1000円ちょっとくらいですから」

いや、昨夜ホテルに近い大津京駅からでも1000円ちょっとだったので、大津駅となると2000円くらいはかかると思ったのですが、確かにそのほうが早そうなので大津駅まで行ってもらうことにしました。結果的には1800円くらいでした。

この運転手さんは、最近大学の先生と研究室の学生を乗せて、1日大津京付近を回ったそうです。「このへんは例の中大兄皇子が遷都したところですからね。そういう調査に来ていたんです」ということです。

「ここらはとにかく歴史が好きな人にとっては、いろいろ見どころがありますから。すぐこの上が比叡山だし、ほらそこに三井寺の入口が見えるでしょう。ここもけっこう歴史のある寺ですからね。三井寺っていっても、本当は園城寺っていうんですけどね」と、運転手さんはなかなかの教養人のようでした。

そういうことならと思って「このへんに昔からやっている古い宿はありますか」と聞いてみたのですが、「いや~、もう最近はないね。このへんは三井寺の参道ですごくにぎやかな通りで宿もあったけど、もうだいぶ前から寂れてきたからね。三井寺は便利なところにあるんで今も観光客は多いけど、泊まる人も少ないしね」ということです。

江戸時代の街道筋にも少し宿があったそうですが、今はまったくなくなって大きなビルなどになっているそうです。しかもわずかに残っている古い家並みを壊して、さらに道路を拡幅する計画もあるとか。時代の流れにはさからいようがありません。

しかし大津のような歴史のある町ですから、よく探せばどこかにいいボロ宿があるのではないでしょうか。

そんなこんなで大津駅前に到着。県庁所在地の主要駅にしては、やや寂しい感じです。

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「おおつ光ルくん」というのもいました。

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電車の時間をチェックして、このあと彦根方面に向う途中で、安土駅にも寄ってみることにしました。安土で1時間弱は時間がありそうです。何度も通ってはいながら降りたことがない駅。泣く子も黙る「安土城」があったところではないでしょうか。

安土駅到着。駅前には例の信長様がいらっしゃいました。

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駅前の変な建物。桃山風なのでしょうか。

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駅で観光パンフレットを見ると、安土城跡はちょっと遠いので、駅周辺を少し歩いてみることにしました。地下道を抜けた駅の反対側に「安土城郭資料館」というのがあったので寄ってみました。オープンしたばかりの朝9時くらいだったのでちょうどよかったです。

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ここは思ったよりおもしろい施設でした。20分の1スケールの安土城の模型が置いてあり、これが真ん中から切り分けられて、内部の様子がわかるという構造。

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2階には資料コーナーもあり、当時の宣教師が描いたという信長先生の肖像画がありました。

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あまり見慣れない絵ですが、例の有名な肖像より写実的で、かなり似ているという説もあるそうです。確かなことはわかりませんが、実際にこんな顔だったとすると、織田家が美男・美女系といわれるのもうなずけるような気がします。

そんなわけで遊びの時間は終わり、再び仕事に向って電車に乗り込んだのでした。

[大津市  ホテル大津](2011年9月宿泊)
■所在地  滋賀県大津市南志賀町尾上971-1
■楽天トラベルへのリンク→ホテル大津
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