三谷旅館の後編です。
夜の散策から部屋に戻って、特にやることもないのでとっとと寝ようと思っていたのですが、問題は久々のこんなピカピカの部屋でよく寝れるかどうか。しかし、案ずることもなくすぐにぐっすり寝てしまいました。
翌日はちょっと雲がかかっていましたが、まあまあの天気。
朝食を8時くらいに頼んでいたので、食事部屋に行くと夕食とは別の部屋に準備されていました。
ご主人が出てきてみそ汁を持ってきてくれた時に、「これがうちの息子の曳山の写真です」といって飾ってある写真を見せてくれました。
子供ながら、本格的で見事な衣装と化粧。このへんの家では、子供歌舞伎に出た衣装で写真を撮ってもらい、大事にしていくそうです。
朝食は和風旅館の標準的なものですが、これも実においしかったです。
この日、宿を出た後どうするかをまだ決めていませんでした。諸事情を考えると、とっとと米原に出て新幹線で東京に帰るほうがいいのですが、せっかく長浜まできたことだし、少しはそのへんを歩いてみたい。
そこで宿の近くにある大通寺というお寺さんがなかなか立派だということなので、行ってみて、そのあと長浜城も一応見るだけ見ていくことにしました。それだけならそんなに時間もかからないので、割と早く帰ることができます。
そうと決めたので、朝食後9時くらいに宿を出ました。出かけにご主人が出てきたので「古い宿の雰囲気を壊さないようにきれいにリフォームされていて、すごくいい宿ですね。また寄せてもらいます」といったらうれしそうにしていました。
純朴そうなご主人と、すごく愛想が良くて親切な女将さんのコンビ。2人ともまだ若いので、これからも繁盛していきそうです。
宿を出て大通寺の参道に向かいました。まだ朝が早くて店はあまりやっていませんが、なかなかいい雰囲気。
寺の山門がかなり立派。思ったより由緒ある有名な寺のようです。
本堂に上がると地元じいちゃんが、じっくり座り込んで拝んでいました。私も賽銭箱に10円入れて、じいちゃんの後ろからおがんできました。
内部の造りもなかなか凝っています。有料で見学できるコースもありました。この寺の襖絵には円山応挙とか、狩野山楽といった著名絵師の作品が使われているそうです。無料ならぜひ見てみたいところでした。
この後は長浜城見に駅の反対側をめざしました。本当は再建の城にはあまり興味がないのですが、城まで行けば琵琶湖も見えるはず。
町中を駅に向って歩いていると、古い水路に沿った通りががなかなかいい風情です。歴史のある町はやはり違うなあ、と関心しながら歩きました。
もう少し行くと海洋堂のフィギュアミュージアムがありました。入り口にはキャラクターの巨大フィギュアが。
こいつは私の年代にとってはなかなか懐かしいやつです。
このミュージアムの向かいの薬局も対抗してキャラクターを出していました。
これも懐かしい。でもがんばる気持は大切だけれど、公平にいってちょっと海洋堂には負けているかも。
こうやって歩いていると、女将さんが昨夜いっていたように、どこも10時オープンというのが多いのです。まだ30分くらいあるし、どうせなら少し時間をつぶして海洋堂ミュージアムや、黒壁ガラス館などを見ていこうと思いました。
それで喫茶店でもあるかなと思って探しましたが、結局ありませんでした。そのへんのベンチで休みながら時間をつぶし、海洋堂ミュージアムや黒壁ガラス館へ。ガラス館はどこにでも売っているメーカー品が比較的多く、ちょっと地元感が薄いような気がして、結局何も買いませんでした。
駅の琵琶湖側に出るには駅中を通って渡りました。駅から見た伊吹山。雲をかぶっていて独特の山頂は見えませんでした。
琵琶湖側は商店街などはなく、大きな公園が広がっています。
このへんからえらく暑くなってきて、公園の森の中を歩いていてもけっこうきつい感じ。長浜城は公園内を歩いて5分くらいで到着。
まあ本物の長浜城がこんな城だったのかどうか、けっこう疑問です。天守にのぼるはやめておきました。
公園の中には仲良しの猫二匹。助け合って強く生きていってほしい。
ここからただ駅に戻るのも芸がないので、少し琵琶湖沿いを歩いてみようと思ったのですが、湖岸はさえぎるものもなく、暑さがひとしおです。
公園内の道路は入り組んでいるので、どうも方向がわからなくなり、駅に戻るまでずいぶん歩きました。もう汗だくです。
駅に戻ったのが11時頃。もうここまで来たら、たいした違いはないので長浜でお昼を食べて帰ることにしました。前日にちらっと見た、ものすごく古そうな「中島屋食堂」が狙い。
せっかくなので駅前の平和堂のギフトコーナーでおみやげを買って宅配便で送りました。ここも「お江」関連みやげが山ほど積んでありました。
時間的にまだ早いかなと思いつつ「中島屋食堂」へ。まだ暖簾は出ていませんでしたが、ご主人が中にいたので「入っていいですか」といったら「ああ、どうぞどうぞ、お好きな席へ」というので入りました。
すごく古そうな食堂です。こういう食堂があると見逃せなくてつい入ってしまいます。
中もなかなかノスタルジックな感じですが、まあある程度意識して雰囲気づくりをしているんでしょう。
私が座った奥の席のテーブルは3本脚なので、気をつけるように書いてありました。
そんなつもりはなかったのですが、メニューを見ると、おつまみ系もけっこう充実しているし、考えてみればすごく暑くて汗をかいていたので、ビールを頼むことにしました。
奥から出てきたばあちゃんにビールを頼むと「キリンとアサヒ、どっちにしますか」といわれたのでキリン。おつまみには冷や奴。それに食事はざるそばにしました。本当はこのへんでは琵琶湖の魚が名物らしいのですが、暑いので定番メニューを頼んでしまいました。
こういうところで昼間っから飲むビールは実においしいです。しかしここのばあちゃんはけっこうな年のはずなのに、動きがてきぱきしているし、会計も暗算で一瞬だし、すごい人でした。
これで長浜の旅も終わり。今度いつ来れるかわかりませんが、今度は北近江から北陸まで、のんびり回ってみる機会があるといいなと思いました。
[長浜 三谷旅館](2011年6月宿泊)
■所在地 滋賀県長浜市元浜町19-19
■楽天トラベルへのリンク→三谷旅館(長浜市)
結構風情があっていい町ですね。
中島屋食堂は、ジブリ映画か下町人情物語にでも出てきそうな雰囲気がありますね。
老舗の旅館に由緒あるお寺、昔ながらの町の佇まい、そして北琵琶湖の景色ですからね。1日佇んでいたいですね。
長浜からは、L特急「しらさぎ」で米原か名古屋に出るのが便利で快適ですね。