日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2014年02月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

「犬神家の一族」に那須ホテルとして登場する老舗旅館 [佐久市 望月宿 井出野屋旅館]


去年、書籍「日本ボロ宿紀行2」の書き下ろしネタを書くために泊まった宿にはすごくいい宿が多く、ブログでも紹介したいと思っていました。ふだんのように仕事のついでではなく、本に書くために自分で選んで出かけたわけなので、いい宿が多いのは当然としても、ブログでは紹介できなかったのです。

しかし今回「井出野屋旅館」については、昨年の11月に再訪しました。書籍とは別にその時の話を紹介したいと思います。何といってもこの宿は、映画「犬神家の一族」のロケが行われた宿として有名。ここの“女中”として登場していたのが坂口良子様で、石坂浩二扮する金田一耕介が滞在する、古びた旅館「那須ホテル」として登場します。


犬神家の一族 角川映画 THE BEST [Blu-ray]
石坂浩二
KADOKAWA / 角川書店
2019-02-08


この映画を見た時から、「こんな宿が実際にあったら泊まってみたい」と思っていたわけですが、実際にあったので泊まってみることにしたわけでした。そのほか、私は見ていませんが、「君を忘れない」(木村拓哉・水野真紀・反町隆史出演)という映画の撮影にも使われたようです。

実際に泊まってみて非常に良かったので、長野で仕事があったついでにかみさんを連れて再訪することにしました。今回はその時の話です。

当日は取りあえず長野電鉄の「村山」という駅近くに用事があったので新幹線で長野をめざします。天気が良く浅間山もきれいに見えました。

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長野駅で長野電鉄に乗換。前に来たのはだいぶ前で、今から思えばその時は中国国旗を持った中国人群衆とチベットの旗を持った人々が争っている最中でした。

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村山到着。なかなか渋い駅舎です。

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仕事は午前中でちゃらっと終わり、再び長野電鉄へ。今度は善光寺でかみさんと待ち合わせをしていたので、善光寺下駅で下車。少し歩いて善光寺前で落ち合いました。泣く子も黙る名刹善光寺。

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おばちゃんたちが群がる「びんずる尊者」。

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六地蔵。

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門前を歩いていると、なかなか良さそうな宿も発見しました。今度機会があれば泊まってみたいと思います。

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お昼はこのへんのそば屋で食べました。かなり寒い日だったので、鍋焼きうどんと熱燗にしてみました。

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せんと君みたいな仏像も発見。

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ここから宿に向かうわけですが、宿はJR佐久平の駅からバスで20分くらいのぼったところにある、旧中山道沿いの望月宿にあります。

宿のおっちゃんご主人が、佐久平駅に着く時間がわかったら迎えに行くといってくれたのですが、送迎を軽く頼めるような近い距離でもないし、バス停も宿の近くで便利なので、バスで行くつもりでした。しかしせっかくの心配りなので、今回は、だいたいの時間をみはからって電話し、迎えに来てもらうことにしました。

長野駅から佐久平駅までは新幹線に乗ればすぐですが、この日は急ぐ旅でもないのでしなの鉄道で小諸まで出て、小海線で佐久平へ。ご主人はすでに駅前で待っていてくれました。

クルマの中でご主人がいうには、「11月ともなると望月はだいぶ冷えるので、まあ寒さを楽しんでいってください」ということでした。前に来たのは確か9月頃で昼間はまだ暑いくらいの日でしたが、宿に着くと涼しい風が通って、クーラーもいらないほどだったことを思い出しました。

宿に到着。外観は映画「犬神家の一族」よりかなりきれいですが、大正時代の建物。2回目なので勝手知ったる家のように、上がり込みます。

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↓映画「犬神家の一族」より
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玄関口も映画のまま。ここで原作者の横溝正史氏が、宿の主人役で登場していました。映画の中で坂口良子様は「ホテルなんて名前だけで古びた旅館よ」と紹介しておりました。

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↓映画「犬神家の一族」より
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この上がりのところで金田一耕介は宿帳を書き、坂口良子様は下足箱からスリッパを出して、ほこりをはたいてから出してくれます。その下足箱がこれ。これも映画のまま。

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↓映画「犬神家の一族」より
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前に泊まった時と同じ2階の部屋へ女将さんに通してもらいます。この廊下の雰囲気が非常にいいです。

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前回と違って今回はこたつが出ていました。

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↓映画「犬神家の一族」より
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ふとんは隣の部屋に敷いてありました。

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正直いってこの宿は“ボロ宿”というのではなく、古い建物ですがしっかり手入れされていて、すごくきれいで上品な雰囲気があります。

まだ夕食までに時間があるので、付近を散策してみることにしました。

この望月宿は平安時代から知られた馬産地らしいのですが、江戸時代には中山道の宿場として栄え、戦前までは花柳界の町としても大変に繁盛したそうです。「井出野屋旅館」も町の中に数件の支店を持ち、芸者衆も総勢50人ほど抱えていたそうですが、この建物だけが残って旅館を営業しているわけです。

付近には旧宿場町らしい雰囲気も残っています。

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旧本陣と脇本陣のあったところ。現在の建物がいつ頃のものかはわかりませんが、脇本陣のほうはかなり古そうです。

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重要文化財「真山家」。中は見学できませんでした。

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「井出野屋旅館」からも近い、望月歴史民俗資料館。前回はここに入ったので今回はパス。道祖神も飾ってありました。

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そんなことをしているうちに寒くなってきたので再び宿へ。

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お風呂の準備ができていました。かなり大きい家族風呂です。

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お風呂からあがり、部屋でのんびり風情を味わっていると、おかみさんが食事の準備ができたと知らせてきました。前は部屋出しでしたが、今回は廊下をはさんで別部屋に用意してくれたようです。この廊下の奥の階段を降りたところは、映画では、タバコに仕込まれた青酸カリで探偵の若林さんが殺された現場になります。

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食事はかなり手が込んでいて上品な感じ。しかも地物が多く、いかにも山中の旧宿場町に来たという、旅の気分を味わうことができました。


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焼きたてがうれしい川魚の塩焼き。ヤマメかも。

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馬刺し。凍らせたのが溶け始めたくらいの感じ。にんにくをつけて食べました。

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佐久といえば欠かすことができない鯉の煮付け。佐久地方の長寿の秘訣は鯉を食べるから、という説もあるそうな。

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箸休めのなめこ。

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後から出てきた天ぷらには地元産の藥用ニンジン付き。このへんでは昔からニンジンの畑を作っていて出荷していたそうです。

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最後に近で採れる蕎麦をひいてご主人が手打ちしたそば。前に来た時は一人だったので、食べられなかったやつです。非常にうまいです。

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さらにデザートのりんごも出てきました。

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みんなおいしくて、けっこう満腹になります。われわれはビール2本とお酒2本飲みました。

食事が終わるともう夜が更けて、部屋に戻ってテレビなどを見ていましたが、早めに寝てしまいました。夜になるとひときわ寒いですが、石油ストーブのほか、毛布も電気で温めるやつが仕込んであって快適。夜は本当に静かでした。

2006年に「犬神家の一族」がリメイクされた時も、「井出野屋旅館」にロケハン隊が来たそうです。しかしその時は監督の市川昆さんが高齢で体調に不安があったため、結局はセットでの撮影に切り換えたそうです。しかしリメイク版でもこの宿の雰囲気はそっくり再現されていました。

廊下には原作者横溝正史氏の色紙や坂口良子様と石坂浩二のサインも。

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さて翌朝も同じ部屋で朝食でした。こんな感じの部屋。

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朝食はこんな感じ。

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この日の予定は決めていませんでしたが、近くを少し歩いて早めに東京に戻ろうと思っていました。またも佐久平までご主人が送ってくれました。前回は、ご主人ともいろいろ話して、余計なことまで本に書いてしまったのでその点は怒られましたが、おおむね喜んでくれたようでした。

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ご主人は「こういう田舎は土地も安いし、畑もやれるし、田舎暮らしには興味はないの」と聞いてくるのですが、私としては田舎や古い家に興味はあるものの、こういうところでのんびり暮らせるようになるためには、まだまだ働かないと厳しいというのが実感です。


余談ですが、坂口良子様と石坂浩二が出会う場面は上田市内で撮影されています。井出野屋旅館に泊まったら、ついでに寄ってみるのも一興かも。

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↓映画「犬神家の一族」より
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[佐久市  井出野屋旅館](2013年11月宿泊)
■所在地   長野県佐久市望月254
■楽天トラベルへのリンク→
井出野屋旅館
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天領日田を訪問。豆田町の古い町並みを散策する [日田市 伯亭 若の屋(見学)]

天ヶ瀬温泉駅を出発して日田駅へ向かいます。

私がこの世に「日田」という町があることを知ったのは小学生の時でした。テレビの高校野球で「ひたりんこう」という珍妙な?名前の高校が甲子園に出ているのを見て、この学校が「日田林工」であり、「ひた」という町にあることを知ったわけです。

その後、年を経てものを知るにつれ、日田が代官支配の天領であったことや、古くから林業が盛んだったことなど、断片的な情報を知るようになりましたが、小学生の時の不思議な校名の印象が消えず、いつかは行ってみたいと思っていました。

天領というのは、飛騨高山もそうですが、独特のムードがあります。やはり大名支配とは違う“緩さ”が独特の町人文化を生み出すものなのでしょうか。

そんなわけで今回機会を得て、あこがれの日田にとりあえず寄ることができました。残念ながら宿泊はなし。2~3時間の滞在予定です。

日田駅到着。駅前には「天領日田」の看板。

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この日かなり寒かったので、駅前にあるバスターミナルに入ってみました。すると、ここから博多行きの高速バスが出ていることを発見。時間によってはバスで帰るのもおもしろいかも、と思い、時間をチェックしておきました。

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さらにバスターミナル内でそば屋を発見。最近日田では「日田やきそば」というご当地グルメがあるそうで、それを食べてみようかと思っていましたが、目の前にそば屋があり、寒いことでもあるので、歩いてやきそば屋を探すのをやめて、鍋焼きうどんに変更。

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鍋焼きうどんは、煮込んだ牛肉やもやしが入っていて、普通の鍋焼きとはイメージが違います。しかしそれはそれでおいしかったです。

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後からきた地元常連客はだいたい日替わり定食を頼んでいて、この日は「塩サバ付きのうどん定食」でした。                                                       

これで温まったので、再び駅に戻り、隣の観光案内所へ。

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案内所の前には主のような猫がいてにらんでいました。

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案内所で市内の地図をもらい、チェックしてみると、「豆田町」という重要伝統的建物群保存地区があるので、ここに行ってみることに決定。案内所で聞いてみると、歩くと20~30分かかるということだったので、自転車を借りることにしました。案内所でレンタサイクルをやっており、安く借りることができます。

自転車を出してもらい、さっそうと出発。だいたいの道筋を聞いていたし、案内完売も出ていたので問題なく豆田町の町並み地区に到着。

「天領まちの駅」もあり、その前には古い薬屋の建物も。ここは公開しているようです。

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とにかくひと通り巡ってみることにしました。

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私が興味を持ったのは昭和12年建築の料亭「伯亭  若の屋」。現在も旅館として営業しているようなので、見学に行ってみました。

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なかなか渋い家です。たぶん実際に泊まるとなると、かなり高そうではあります。

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町内をひと通り巡って、もう一度古い薬屋さんにもどり、内部を見学してみることにしました。「岩尾薬舗」という店で「日本丸」というヒットした薬を作っていたそうです。この建物は「日本丸館」という名称で公開されていました。

内部はこんな感じ。

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昔の薬の広告やポスターなども展示されていました。「寝小便専門薬 ネショーピン」(笑)

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古い座敷が迷路のようにつながっています。

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豪商らしく豪華な調度なども展示。

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上層の天守閣に展望室があり、豆田の町並みがよく見えました。

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だいたい気が済んだので帰ることにして自転車を走らせていると、かなり渋い歯医者を発見。大正時代の建築だそうな。

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さらに行くと垂れ幕がかかった「草野本家」を発見。この家の公開は期間限定だそうなので、ぜひ入ってみることにしました。

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この家は、昔の武家草野家の人が、江戸時代に製蝋業で成功した屋敷らしいです。

ここの見学は自由見学ではなく、ガイドがマンツーマンでついて、テープの音声などを使いながら解説付きで見ていく方式でした。私は古い家の座敷があると寝っころがってみる癖があるのですが、そういうことはここではできませんでした。

しかし見学する価値は十分で、由緒ある雛飾りや、大阪の豪商天王寺屋藤兵衛から贈られた「天王寺住吉屏風」、松方正義初代日田県知事の揮毫など、貴重なものがたくさん展示してありました。私が知らないえらい人の書や掛け軸もありました。頼山陽なども訪問したそうな。

季節ごとに年4回の公開を行っているそうで、春にはひなまつりがあるので「ぜひまたおいでください」といわれました。ぜひそうしたいものです。

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時間もそろそろ押してきたので、再び駅に戻って自転車を返し、電車の時間をチェックしたところ、だいぶ空きがあったのでやはり高速バスで博多に向かうことにしました。

途中、大分自動車道では甘木、朝倉などの地名も。筑後川の支流を含む流域一帯は、邪馬台国の所在地だったという説もあり、なかなか興味深いところです。今度また機会があれば寄ってみたいところです。

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バスは博多駅ではなく、天神バスセンター行き。そこで途中の福岡空港で降りて、空港から地下鉄で博多駅に向かいました。たぶんこのほうが早いだろうという判断。

博多駅では新幹線の待ち時間を利用して居酒屋に入り、ビールといかの刺身。最初いかの姿のまま活け造りで出してくれて、「ゲソはあとで焼くか、唐揚げにしてお出しします」といわれたのですが、あまり時間がなかったので、最初から両方出してもらいました。新鮮ないかで、かなりおいしかったです。

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博多から東京までは長旅になるので、おにぎりを2個買い、新幹線に乗り込みました。

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今回はけっこうあちこち回って疲れましたが、天ヶ瀬温泉や日田の豆田町を見学できたのは何よりでした。

[日田市  伯亭  若の屋(2013年11月見学)
■所在地  大分県日田市豆田町7-31
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久大本線で日田へ。天ヶ瀬温泉で共同露天風呂を巡る

別府で一泊した後東京に戻るのにどういうルートで帰るか。ギリギリまで迷っていました。素直で日豊本線で小倉まで出て新幹線で帰るか。しかしやはり久大本線で久留米経由、博多に出てみるルートも行ったことがないので捨てがたい。しかしかなり遠回りになりそう。日田によって散策などしていたら,よけいに帰りが遅くなりそうです。

しかしせっかくここまできたからには、次にまたいつ機会があるかもわからないので、久大本線に乗ることに決めました。

そうと決まれば早めに出発。朝の別府駅へ。

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久大本線に乗るにはいったん大分駅まで戻って乗り換えることになります。通勤、通学客でけっこう混んでいます。

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大分からは博多行きの特急ゆふに乗換。これにそのまま乗っていれば、博多に着くのですが、今回は日田で下車して歩いてみるつもり。

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大分付近は住宅地が多かったですが、しばらく行くとのどかな山村風景に。しかし湯布院駅だけは豪華駅舎で人も多い。いずれはちらっと寄ってみたい温泉地です。

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豊後中村駅。茅葺き屋根が印象的。本当はこのへんで降りて、少し山に入るといい温泉がたくさんあるので、寄ってみたかった。しかし今回はパス。

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豊後森駅ではなぜか駅員一堂がホームにならんでおじぎ。なかなか珍しい風景でした。久大本線の各駅は、観光客誘致のためにいろいろ努力しているようです。

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日田の少し前が天ヶ瀬駅。駅に近づき、車窓から天ヶ瀬温泉の温泉街風景を見ているうち、突如としてここで途中下車してみる気になりました。天ヶ瀬温泉といえば川沿いの共同露天風呂で有名。ちょっと見学だけでもしてみようと思ったわけです。

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降りてみると、ちゃんと駅員がいる駅で、隣に「天の国プラザ」という観光案内所もありました。

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私はとにかく衝動的に途中下車してみたものの、次の電車の時間を確認しておこないとまずいと思い、時刻表を見つけてメモがわりに写真を撮りました。

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そんなことをしている私を見た駅員さんが窓口から声をかけてきて、印刷した時刻表をくれました。「そこに貼ってあるのと、同じやつですから」と。親切です。

観光案内所でパンフをもらって見ると、共同湯は駅のすぐ近くにもあります。だいたい1時間30分くらいは時間がありそうなので、そうと決まれば入ってみることにしました。

私は仕事できたのでスーツ姿でちょっと大きなバッグを持っています。これだと共同湯に入るのも面倒なので荷物を預け、タオルだけ持ってまずは「駅前温泉」へ。

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駅前に旅館や商店街があり、その一軒の脇の道に案内板が出ていました。

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川に向かって路地を降りていくと、路地奥に「駅前温泉」「100円」などの看板。

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左に折れるとすぐにありました。

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かなりいい感じではないですか。

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ビニールシートがなければもっといい感じかもしれませんが、川に面した風情のある共同湯です。

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早速入ってみました。いい湯加減で非常に快適です。お湯は掛け流されているようでした。11月の寒い時期だったので余計にお湯が気持ちいい。外気がやや冷たいのも、のぼせなくて済むのでいい感じです。

しばらく浸かっていましたが、誰も来ないので貸し切り状態。あがって服を着るのもスーツなのでなかなか面倒でしたが、のんびり涼みながら着替え。そんなことをしているとおっちゃんが一人やってきました。

「もう入りましたか」と聞かれたので「いま出たところです」というと、「いいお湯でしょう!!」といいます。「いや~すばらしい共同湯ですね」と私。

おっちゃんは地元の人らしく、「この川沿いに7つか8つくらいは共同湯があるから、入ってみるといいですよ。右岸と左岸と両方にあります。まあ、どこも似たような感じだけどね」といいます。

そういうことであれば、まだ時間もあることだし、温泉街にまで入り込み「別の共同湯にも入ってみようか」という気になりました。

そこでまたも駅前へ。

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駅から温泉街へ向かう道はまさに線路沿いで、線路に上がることもできます。

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まだ午前中なので、あまり人影もない温泉街。何だか古そうな廃屋もありました。元は旅館か何かでしょうか。

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少し行くと川に出ます。両側に旅館やホテルが立ち並ぶ温泉街。私は右岸を進みました。

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途中の路地奥に湯船が見えたので、降りてみました。

ここは旅館が運営する露天風呂で料金は少し高めのようだったので、パス。しかしなかなか良さそうな露天風呂でした。

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さらにいくと、「薬師湯」という看板がありました。

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階段を川べりに向かって降りてみると、ここは簾で囲われた露天風呂で、少しワイルドな感じ。

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さっきの「駅前旅館」より少しお湯が熱めに感じました。ここも100円。

天気もいいので気分がいいです。やはりここも貸し切り状態でした。

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それにしても浴衣か何か着ていると便利なのですが、スーツだと着替えが面倒です。

「薬師湯」を出て、ついでなのでもう少し奥へ行ってみました。

今度は「神田湯」。

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ここはもっともワイルドで、囲いも何もありませんでした。100円。こんなに安くいい露天風呂に入れるなんで本当にありがたいです。

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川向こうからも丸見え状態ですが、この雰囲気を味わうためには、入ってみるしかないでしょう。

もうこのさいなので、もう1個行ってみようとさらに奥へ。「鶴舞の湯」というのがあったので降りてみたのですが、ここは掃除のためか、お湯が抜いてありました。

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このへんでだいたい満足したので、再び駅まで戻ることにしました。時間もちょうどいい感じ。駅からここまで徒歩10分かそこらの距離だったと思います。意外と近場にたくさんの共同湯がある感じ。温泉ファンの間では有名なところですが、私も初めて寄ってみて、なかなかの温泉場だと思いました。

少し早めに駅のホームへ。

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これで日田に行って昼食を食べて、2時間くらいそのへんを歩いても、まだ3時かそこら。それからでも新幹線で東京に帰ることができるという作戦です。

露天風呂に3つも入ったので、寒い日ではありましたが実に爽快な気分で、風も気持いい。やっぱり温泉はいいですね(笑)。次に下車した日田の話は次回にします。

[天ヶ瀬温泉共同露天風呂](2013年11月訪問)
■所在地  JR久大本線天ヶ瀬駅から徒歩1分~10分くらい
■泉質  「駅前温泉」単純硫黄泉
            「薬師湯」 単純硫黄泉
            「神田湯」 ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉
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プロフィール

もんすけ

 古い湯治宿や駅前旅館など、日本が高度成長時代に入る前からあったような雰囲気の宿が大好きで、各地を回っています。
 どこにいってもそれなりに立派な宿が多く、個性的なボロ宿に出会うことは少なくなりました。
 10年、20年前ならもっといろんな宿が残っていたと思いますが、しかしいま現在でも、10年後、20年後に比べたら多くの貴重な宿が残っているはずです。そうした宿を記録に残していけたら、と思っています。

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