日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2013年10月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

雲海見学をめざして天空の城・竹田城跡へ [朝来市 いずみ旅館(前編)]

前にちょっとこのブログでも書いたのですが、兵庫県のブロガー招待企画「兵庫・ブロガー100人戦国トリップ」に応募してみたところ、なぜか選ばれたので兵庫県のお城巡りに行ってきました。補助金をもらって兵庫県を旅して、ブログで紹介するという企画です。しかも、かみさんに岡山出張が入ったので、これにかこつけていけば2人で行ってもだいぶ経費が節約できるということで日程を決定。

私としても、かりそめにも兵庫県の予算をいただき、観光活性化という重要な役割の一端を担うことになった以上、いつものように気分まかせのいいかげんな旅ではよろしくない。そんなことを思い、私なりに野心的な計画を立ててみました。

兵庫県で行きたいところも数あるなかで、私としては圧倒的な第一位が「竹田城跡」でした。「天空の城」、「日本のマチュピチュ」など、いろいろ通称がありますが、前から不思議な城跡がある、と聞いてぜひ一度は行ってみたいと思っていました。こんな感じの写真を見たことがある人も多いと思います。(写真は和田山町観光協会のHPからお借りしました)

51-1

応募する段階で、旅の希望エリアとして竹田城跡がある但馬エリアを第一希望にしていたところ、それもそのまま通ったので、今回、竹田城跡に行くことを最大イベントとして計画を立案。豊岡、出石などの城下町を訪ね、最後は城崎温泉で〆るという、まさに万全の計画を立てました。

そういう事情なので、今回も安い宿を選んではいますが、けして“ボロ宿”が出てくるわけではないのでご了承願います。今回はいずれも立派な宿ばかり泊まっております。

さて、実際に行くと決まった後に、少し竹田城跡のことを調べてみました。写真で見るような雲海は、実は秋から冬にかけての早朝しか出ないので、普通は朝早く暗いうちから登る必要があること、それから城そのものに登るか、あるいは城の遠望を重視し、遠くから眺めることができる峠の眺望ポイントに行くか、いろいろ考えなければいけないということがわかりました。

車が入れるのは中腹の駐車場までで、そこからけっこう歩く必要があります。しかし、竹田駅からの登山路もあり、40分程で歩いて行けるルートもあるらしい。朝早く行くとなるとタクシーなどを頼む必要がありますが、台数も限られているそうな。

そんなわけであこがれの竹田城跡に行くのはけっこう面倒くさいことなのだ、ということを実感しました。

そうなると行ってみないとわからないことも多いので、最悪でも歩いて登ればいいと決めて、とにかく現地の宿を予約。しかし週末だったせいか、宿が少ないせいなのか、意外と手間取りました。

一応の手配を終えて出発。いろんなルートが考えられましたが、まず新幹線で姫路まで行って、そこから播但線に乗って竹田、和田山方面へというルートを選択。朝早い新幹線なので、今回も朝食は貧乏くさい海苔弁。最近はおにぎりより弁当に凝っています。タコウィンナやハンバーグもあって、のりたま付き。これで朝からビールを飲みつつ姫路に向かいました。

DSCN3361

姫路駅到着。駅周辺は何やら工事中でした。そして本来なら正面に見えるはずの姫路城。しかし今は修復工事中なので、足場の囲いしか見えません。

DSCN3370
DSCN3378
DSCN3380

私は昔仕事で姫路に来た時に、姫路城の外側を車で回ってもらったことがありました。その時の印象は深く、数ある城なの中でもダントツの迫力、重厚感でした。漆喰の白い外壁も年月を重ねて美しい。だいたい姫路の駅を降りて、正面に城を見た時の感動も忘れられません。こんな町中にあんな大きな城(しかも再建天守ではない本物)があるなんて。今回はせっかく来たからにはちょっと寄ってみたい気持もあり、修復中ながら行ってみることにしました。

駅前のバス発着所の案内にいたおっちゃんに「今、姫路城はどうなってるんですか。中に入れるんですか」と聞くと「入れる」と断言。バスについて聞くと「すぐに乗りたいのなら、案内所の前の停留所から出る路線バスがすべて城まで行く」ということでした。おそらくこのおっちゃんは年中同じようなことを聞かれるので、もはや効率的に回答することに熟練しきっている感じでした。実際は駅から城まで十分歩ける距離だと思います。

しかしバスが便利なので時間もかからないし、やはりちょこっと寄っていこうかな、とバスに乗車。姫路城に入ってみました。

DSCN3393
DSCN3417

天守は工事中で囲われていますが、隣の櫓だけでも、普通の城の天守くらいの規模があります。石垣なども本物の迫力。

天守の中には入れませんが、エレベーターで工事中の城を見学できる施設「天空の白鷺」というのをオープンしていたので入ってみました。

天守閣最上部を見学できます。すごい。アップで見る屋根は、逆に修復中でないと見ることができない光景かもしれません。

DSCN3421

外を見ると、駅までまっすぐ続く道が見え、遠くにはうっすらと海や島も見えます。大天守は海抜91.9mの高さだそうですが、景色を見るともっと高く感じます。

DSCN3420

城自体はすごく広いので、全部見るのはあきらめ、西の丸方面に行ってみました。百間廊下という長い渡櫓や、千姫様の化粧櫓などがありました。こういうのを見ると、つい写真を撮ってしまいます。

DSCN3442
DSCN3439

今日は和田山まで行く必要があるので、姫路城は修復工事後に改めてゆっくり来ることにして、再び姫路駅に戻りました。姫路駅では有名な立ち食いを食わないといけないので、早速寄ってみました。名物「えきそば」はラーメンの麺にそばやうどんのつゆを合わせた独特の立ち食いそばだそうで、食べてみたらちょっとほかにはない味でした。くせになりそうな感じ。

DSCN3445

そしてだいたい予定通りの時間に播但線に乗車。いよいよ和田山に向かうわけですが、直行する特急もあるようでしたが、この時は普通列車に乗りました。

DSCN3455

姫路を出る時はかなり混んでいて座ることができませんでしたが、やがて人が減り、乗換駅の寺前当たりではかなり少なくなっていました。途中、「生野」という駅からは生野銀山というのに行けるとか。時間があればぜひ寄ってみたいところでした。

DSCN3464
DSCN3468

寺前で乗換時間が40分くらいあったのですが、途中下車すると前途無効になる券なので、しばらく駅で待機。しかし一応念のために駅員さんに聞いてみると、「途中下車はできませんが、ちょっと出るだけでしたらどうぞ」といわれたので、早速駅前に出てみました。

DSCN3480
DSCN3495

寺前駅は小さい駅ですが、駅前に神河町の観光案内所もあり、ラーメン屋もありました。このラーメン屋は、立地や造りからして、昔は宿屋でもやっていたのかもしれない、などという妄想も。

観光案内所には天然水の試飲もありましたが、寒い日だったのでつい水ではなくお湯を飲んでしまい、あまり味の違いがわかりませんでした。

DSCN3485
DSCN3487

この路地を少し歩いていくと商店を発見。入ってみるとなぜか駄菓子系が充実した店だったので、飴を買いました。40分くらいしかないのであまり深入りせず、また駅へ。

駅には「乗りたいなぁ  全線電化の播但線」の標語が。電化していない区間があるのでしょうか。

DSCN3505

そして普通列車に乗って和田山へ到着。けっこう大きな駅で、意外なほど大きな町です。

DSCN3515

和田山駅構内。やはり竹田城跡の看板も。

DSCN3519
DSCN3523

和田山駅からの眺めと和田山駅。

DSCN3517
DSCN3529

今日予約してある宿「いずみ旅館」は駅から近いので、のんびりと歩いて向かいます。

DSCN3531

見えてきました。

DSCN3535

いずみ旅館という看板もありましたが、実際に泊まった宿は、その奥にある4階建ての「ファーストホテル いずみ」。近代的なホテルでした。ちょうどこの同時に到着した工事関係者らしい数人の客が入っていったので、たぶんビジネス旅館的に宿泊する常連客もいるものと思われます。あとでわかったのですが、手前にある旧館も「いずみ旅館」として営業しており、大広間が中心の団体用に使っているようでした。私はよくわからないで予約したのですが、できることなら「いずみ旅館」のほうが良かった(笑)

DSCN3543
DSCN3546

玄関を入るとすぐにフロントがあり、ひじょうにていねいな応対の若いにいちゃんが出迎えてくれました。何はともあれ、「明日の朝、竹田城跡に行きたいんですが」と聞いてみました。送ってくれるものなのかどうか。

兄ちゃんは「朝5時に車を出します」という返事。結局、荷物を預けて朝5時の車で中腹駐車場まで送ってもらい、その後それぞれ勝手に下山し、荷物を取りにまだ宿に戻るという作戦を決めました。朝ごはんはおにぎりを作ってくれるそうな。やはり竹田城跡目当ての観光客も多いようで、非常に手慣れた感じ。

竹田城に行くと聞いて奥からきさくな感じのご主人が出てきて、「明日は天気がちょっと心配だけど、5時に起きてくれれば送っていきます。5時というと真っ暗だけど、懐中電灯は持ってきてる?」と聞かれて、「持ってない」というと、「まあ、前後に人がいればみんな持ってるからね。その明かりでけっこう歩けますけどね。だいたい5時半くらいになれば夜が明けてくるし」ということでした。われわれはどうも準備不足の無謀観光客だったようです。

とにかくそうと決まれば安心して部屋へ。ビジネスホテル的な設備なのですが、どことなくメルヘン調。廊下にはメルヘンチックなBGMも流れていました。あの主人には合わない感じですけど、誰の趣味なのでしょう?  お風呂は2~3人入れる大きなのが1階にあったので、そっちを使わせてもらいました。

DSCN3550
DSCN3553
DSCN3555
DSCN3556
DSCN3557
DSCN3559

その後ちょっと散策へ。表通りに出ると、商店街があり、それなりに店もありました。このへんが和田山の中心市街地なのでしょう。

DSCN3536

食事は大広間で。この部屋は「いずみ旅館」の時代から使われていた部屋だと思われます。ごはんのおかわりはセルフですが、フロントにいた若い兄ちゃんがだいたいよそってくれていました。工事のおっちゃんたちは、すでに本格的に飲み始めています。

DSCN3566

この日の夕食は白身魚のフライと鍋焼きうどんが中心。あとで刺身も出てきました。寒い日の鍋焼きうどんは非常にいいですね。私たちは、ビールを飲んだあと、熱燗を注文してさらに温まるという作戦。

DSCN3561
DSCN3563

さらに熱燗のおかわりを重ねているところへ、ご主人がやってきました。

熱燗でしびれた頭で、詳細はよくわかりませんでしたが、とにかく地元の警察などとの取り決めで、朝8時前に一般車両は中腹駐車場まで通行止めになるとかなんとか。「たった今、急に連絡があって弱っているんだ」ということでした。そうなると、麓まで送ってもらったとしても、かなり歩くことになるそうです。

聞くところによると、最近竹田城跡への観光客が激増し、この前の3連休などは道路にまで車がはみ出して渋滞し、夜中から徒歩の観光客が列を作るほどだったとか。安全上の理由から何らかの規制が必要なのは理解できます。しかもあまりに急に観光客が増えたため、いろいろ試行錯誤もあるということでしょう。

ご主人は「正式決定でもないみたいだし、とにかく行ってみて行けるところまで行くか、それとも5時の出発はあきらめて、ゆっくりうちで朝ごはんを食べて、それから行くのも悪くないよ」といってくれました。しかし、せっかく兵庫県の使命を帯びてここまで来た以上、中途半端はよくない。「とにかく5時に城に向かうことにしたい」というと、「わかりました。意外と行けるかもしれないしね」ということで、話は決着。4時起きに決まったからには早く寝ることにしました。

さて翌朝4時に起きてみると外は真っ暗。それなりに雨が降っていました。竹田城跡の雲海は晴れた日に出やすいということなので、今回は無理と思いつつ、もうこうなったら行くしかありません。

DSCN3579

そんなわけで長くなったのでこの続きは次回に。

[いずみ旅館](2013年10月宿泊)
■所在地  兵庫県朝来市和田山町寺谷712-10
■楽天トラベルへのリンク→朝来市 いずみ旅館

人気ブログランキングへ にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ

戸畑と若松をつなぐ往時の賑わいを感じさせる伝統旅館[戸畑区 いくよ旅館(後編)]

戸畑  いくよ旅館の続きです。

いよいよいくよ旅館に入ってみます。玄関前はこんな感じ。意外に広くてすっきりしていて、奥の庭に面してソファーが置いてありました。

DSCN1647
DSCN1743

声をかけるとご主人らしきおっちゃんが出てきて、「部屋は2階ですからどうぞ」と案内してくれました。こういう古い宿は、客をごく自然に暖かく迎えてくれるのがいいです。

上がっていくと2階の廊下からしてすばらしい造りです。

DSCN1652

この階段脇の部屋が私が通された部屋。

DSCN1653

こんな感じ。奥に専用トイレもついているという豪華さ。

DSCN1649

私が「すごく立派な宿ですね~。もう何年くらいたつんですか」と聞くと「だいたい100年。もうやめようかと思ってるんだ」といいます。「いや、こんないい宿をやめるなんてもったいない。何とか続けてください」と私はいいましたが、戸畑というエリア自体が、大手企業の工場などが集まった最盛期と比べると衰退していて、経営的に苦しいのかもしれません。

ご主人に「さて、これからすぐお風呂に入りますか」と聞かれて、確かに暑い日で汗はかいていたわけですが、お風呂に入ると食事に出かけるのが面倒になるので、「少し休んだら食事に行ってきます。それからお風呂に入りますが、いいですか」と答えました。

ご主人は「かまいません。お風呂も一回入って、また食事の後入ってもかまいませんよ。お好きなように。食事は駅の反対側に行ったほうがいいですよ」ということでした。

私は部屋で少し休んでから、食事に出かけることにしました。テレビではまだ高校野球。

DSCN1658

しかし凝った造りの部屋です。部屋から入口方面を見るとこんな感じ。ゆったりとした豪華な造り。

DSCN1660

部屋の天井も高く、照明器具も100年前とは思えないゴージャスさ。壁の透かしなども昔の旅館らしくてすごくいい雰囲気です。

DSCN1663
DSCN1664

部屋にトイレがあるのですが、ちょっと奥のほうに行ってみると、洗面台は超近代化された瀟洒な造りになっていて、さらに奥には洗浄便座付きトイレもありました。古い宿の水回りがリフォームされていると、私はちょっと残念な気もします。しかし使い勝手としては新しいほうが完全に優れているのは確か。

DSCN1665
DSCN1666


渡り廊下の向こうにも棟が見えました。こちらも客室なのかどうかはわかりませんでした。

DSCN1668

「食事に行ってきます」と玄関で声をかけて外に出ました。まだ明るいです。玄関とは逆方向の海側から見た「いくよ旅館」。けっこう敷地も広いように見えます。

DSCN1673

駅の反対側にいく前に、ちょっと付近を歩いてみました。このへんの住居表示は戸畑区南鳥旗(みなみとりはた)という町になっていますが、「とりはた」という地名は「とばた」と関係があるのでしょうか。何かいわれのありそうな古そうな地名です。

いくよ旅館のすぐ前に「藤之家」発見。これは営業しているかどうかは確認できませんでした。

DSCN1670

路地奥に若戸大橋。この橋ができたのは1962年だそうですが、こんなのができた時、このへんに住んでいる人にとっては衝撃的な風景の変化だったのではないでしょうか。それとも、町の発展への期待感でいっぱいだったのかもしれません。

DSCN1674

さて地下道を通って駅の反対側に出ると、駅前はありきたりの商業ビルが隣接していて、あまりおもしろくなさそうだったので、少し奥の商店街に行ってみるこにしました。

適当に歩いて路地を入っていくと、なかなか渋い感じの通りが続きます。

DSCN1681

大きなアーケード街がありました。しかしほとんど店が閉まっていて、人通りも少ないです。

DSCN1682
DSCN1683
DSCN1694

ようやく小さいビルの1階に赤ちょうちんを発見。

DSCN1685

しかし大音量のカラオケが聞こえてくるので、ここはパス。

同じビルの正面にあったお寿司屋さんに入ることにしました。考えてみれば、北九州でお寿司を食べるというのも、ちょっと変わったネタがあっておもしろいかもしれないと思ったのです。

DSCN1693

店内に入ると主人が一人で握っていて、常連らしき客が2人。一斉にこっちを振り向きました。

私はまったく初めて訪問する店なので、謙虚にカウンターの末席に座り、寿司ネタについてもあれこれいわず、ご主人にまかせて一人前握ってもらいました。

そんなに変わったネタもなかったですが、味付けした貝などのネタも多く、「醤油をつけないで食べてみてください」といわれたやつはなかなか良かった。

DSCN1689
DSCN1692

全体的に上品でかなりおいしい店でした。しかも安かった。最後にお椀付き。私は一人前を食べる間に生ビールを3杯も飲みました。

店を出て路地を抜けてみると、大通りにはそれなに飲食店もありました。

DSCN1704

途中、立ち飲みでもあったら寄ってみようかと思って歩きましたが、見つけられませんでした。ラーメン屋もあってすごく惹かれたのですが、考えてみればすでにこの日はラーメン2杯食っているのでやめておきました。

すっかり暗くなった駅前。地域のカラーをだいなしにする存在「イ〇ン」もあります。

DSCN1709

お風呂に入るのが遅くなるのも悪いので、おとなしく宿に帰りました。「帰りました~」といって入ると、「お帰りなさい。いい店がありましたか」と聞かれて、「すごくうまい寿司屋がありました。でも駅前は立派ですかけど、奥の商店街はけっこう寂れていますね」などは少し話をしたのですが、内容はいまいち覚えていません。「お風呂に入ります」といって2階の部屋に戻りました。

お風呂は廊下奥の1階にあり、こんな感じ。岩風呂風の壁を配した大きな風呂で、湯船も深く大きい。このへんをみても、昔はかなりの高級旅館だったことがわかります。

DSCN1727

風呂からあがるとこの日はすぐに寝てしまいました。

私は知らない宿にいくと自分の家以上によく眠ってしまうたちなので、朝の目覚めも快調。今回素泊まりなので早めに出て、どこかで何か食べようかと思っていました。

荷物をまとめて階下の玄関へ。

DSCN1741
DSCN1742

玄関で声をかけても誰も出てこないので、奥の台所のほうまでいって声をかけると若い女性が気づいてくれて、玄関脇の部屋のばあちゃんを呼びました。ばあちゃんは私の声が聞こえなかったようです。

料金を払いつつ、宿の造りが凝っているのでもしかしたら以前は遊廓だったのかとも思い「この家は創業の時から旅館ですか」と聞いてみると、ばあちゃんが「そう、最初から旅館です。昔はずいぶんにぎわった宿でした」ということでした。

ばあちゃんは「新日鉄だけじゃなく、日本水産や明治製菓なんか、工場もたくさんあって、にぎやかでした。歌手や俳優、関取なんかもずいぶんうちに泊まったんですよ」といって、宿の壁にかけてある色紙を指さします。見ると、私はそれまで気づかなかったのですが大鵬の手形もありました。すごい。

おそらくこのへんでも一番のいい宿で、著名人が来るとしたらここに泊まっていたというわけでしょう。昨今なら当然高級ホテルに泊まるところでしょうが。

若い女性のほうが「いつも仕事であちこち回っていらっしゃるんですか」と聞いてきたのですが、正直に「ボロ宿ばかり狙って泊まっている」といえず、「いや~、まあ、そんな感じでしょうか‥」などと言葉を濁してきました。

とにかくすごくいい宿でしたが、後継者の問題もあるのかもしれません。何とか繁盛してほしいと思うばかりです。

この日の計画は昨夜のうちに決まっていました。仕事上、お昼過ぎに小倉駅に行く必要があるので、午前中は渡船で若松に渡って、レトロビルを見学し、若松駅経由で小倉に向かうというものです。

そういうわけで、渡船場に向けて歩きだしました。途中に魅惑の飲食店街もありました。駅の向こうにいかず、ここらで飲んでも良かったかな、と思いました。

DSCN1745

このラーメン屋はちゃんぽんが有名だそうで、都合があえばいきたい店だったのです。今回は見るだけ。

DSCN1746

渡船場は宿から歩いてすぐで、若戸大橋がますます大きく眼前に迫ってきます。

DSCN1747

由緒ありそうな恵美須神社もありました。

DSCN1748

若戸渡船の乗り場はこのすぐそば。

DSCN1751
DSCN1754

けっこうひんぱんに船が出ていて、すぐに乗船できました。

DSCN1758

船室は周囲にベンチがあり、中央は広いスペースになっています。

DSCN1762
DSCN1760

乗ったかと思うとすぐに若松側に到着。

DSCN1763
DSCN1766


このへんは近代化遺産ともいうべき物件が残るエリアだそうで、渡船場のすぐ近くに上野海運のビル(旧三菱合資若松支店)が。少し歩くと旧古河鉱業若松ビルがありました。レンガ造りの立派な建築で、これはたぶん有名なビルでしょう。中も見学できるようでしたが、時間的にオープン前でした。

DSCN1767
DSCN1769


ほかにもいろいろありました。お寺の裏にも若戸大橋。

DSCN1772

海沿いに橋の下まで回ってみました。

DSCN1774

そしてついに橋脚のひとつの足元に到着。遠くから見た感じよりかなりでかい。

DSCN1776

このへんにはビルだけでなく、古い和風建築もけっこう残っていました。

DSCN1778

若松駅があると思われる方向に向かって歩いていくとアーケードの商店街に出ました。ここに昔の写真が掲示してあって興味深かったです。若戸大橋工事中とか、完成直後の写真。日本が高度成長している時代ですが、なかなかいい感じの旅館も見えます。

DSCN1780
DSCN1781


このへんの商店街もなかなか渋いですが、寂れた感じはなく、かなりにぎわっていました。まだ朝ですがだいぶ暑くなり、喉が乾いていたところ、あいている喫茶店があったので入って少し涼みました。ついでに喫茶店のママに若松駅の方向を聞いたら、思っていたより遠く、まだ少しあるような感じでした。「本当にちっちゃな駅ですよ」といってました。

DSCN1784

若松駅到着。小倉に行くには折尾まで行って折り返す感じになります。さらに駅構内に立ち食いを発見!!

DSCN1791
DSCN1793


これ幸いとかしわうどんを食おうと思ったら、店の人がいなくて「3分ほどお待ちください」という看板が出ていました。どうやらトイレか。すぐに戻ってきたので早速頼んで食べてみましたが、このへんで食べたかしわうどんの中では一番うまいと思いました。

DSCN1794

そんなわけで、この後は仕事に向かい夕方の新幹線で東京に戻りました。何だか北九州でも、小倉や門司といったところは人が多くてにぎやかですが、今の戸畑や若松は意外に静かな風情の路地などもあり、のんびりした気分になりました。

[戸畑区 いくよ旅館](2013年8月宿泊)
■所在地  福岡県北九州市戸畑区南鳥旗町7-3
人気ブログランキングへ にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ

「日本ボロ宿紀行」文庫版発行



ボロ宿紀行・続編




押していただくとこのブログのランキングが上がります↓
人気ブログランキングへ

にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ
最新コメント
記事検索
閲覧数(2010年9月~)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

livedoor プロフィール
楽天トラベルで予約できる宿(書籍で紹介した宿を含む)
北海道
大和旅館(洞爺湖温泉)
花びしホテル(湯の川温泉)
ホテル万惣(湯の川温泉)
ホテルパコ旭川(旭川市)
札幌プリンスホテル(札幌市)
つつじ荘(温根湯温泉)
洞爺サンパレス(洞爺湖温泉)
定山渓ビューホテル(定山渓温泉)
ホテルグランティア知床斜里駅前(斜里町)

青森県
新むつ旅館(八戸市)
酸ヶ湯温泉旅館(酸ヶ湯温泉)
飯塚旅館(温湯温泉)
星野リゾート 青森屋(三沢市)
石場旅館(弘前市)

岩手県
藤三旅館(鉛温泉)
旅館 福山荘(遠野市)
大沢温泉 自炊部(花巻市)
旅館 大正館(盛岡市)
水沢 翠明荘(奧州市)
元湯夏油(夏油温泉)

宮城県
まるみや旅館(東鳴子温泉)
高友旅館(東鳴子温泉)
最上屋旅館(鎌先温泉)
休暇村気仙沼大島(気仙沼市)
いさぜん旅館(東鳴子温泉)

秋田県
尾張屋旅館(横手市)
打当温泉マタギの湯(北秋田市)
民宿 水月(能代市)
ドーミーイン秋田(秋田市)

福島県
元湯甲子温泉旅館大黒屋
分家(岩瀬湯本温泉)
旅館金勝寺(白河市)
民宿すずき屋(湯野上温泉)

山形県
最上屋旅館(酒田市)
松井旅館(肘折温泉)
亀屋旅館(肘折温泉)
福島屋(滑川温泉)

栃木県
雲海閣(那須湯本元温泉)
江戸や(板室温泉)

群馬県
伍楼閣(老神温泉)
汪泉閣(宝川温泉)
長寿館(法師温泉)
奈良屋(草津温泉)
浜屋旅館(川古温泉)
まるほん旅館(沢渡温泉)
積善館本館(四万温泉)

千葉県
第八福市丸(御宿町)

埼玉県
山崎屋旅館(寄居町)

東京都
駒鳥山荘(青梅市)

神奈川県
岩亀荘(湯河原温泉)
富士屋ホテル(箱根宮ノ下温泉)

山梨県
要害(積翠寺温泉)
古湯坊 源泉館(下部温泉)
赤石温泉(山梨県増穂町)
元湯 蓬莱館(西山温泉)

新潟県
ホテル瀬波観光(瀬波温泉)
旅館 附船屋(上越市)
海老名旅館(佐渡市)

富山県
大黒屋旅館(高岡市)
勝江旅館(富山市)

長野県
民宿すわ湖(上諏訪温泉)
湯元齋藤旅館(白骨温泉)
つるや旅館(白骨温泉)
泡の湯(白骨温泉)
金具屋(渋温泉)
野沢温泉ホテル(野沢温泉)
河鹿荘(鹿教湯温泉)
井出野屋旅館(佐久市)
木や伝旅館(上田市)

静岡県
長八の宿 山光荘(松崎町)
白壁荘(湯ヶ島温泉)
ケイズハウス伊東温泉(伊東温泉)

愛知県
平野屋旅館(常滑市)
尾張温泉 湯元別館(蟹江町)

岐阜県
お宿 吉野屋(高山市)
湯之島館(下呂温泉)

三重県
旅館 薫楽荘(伊賀市)
旅館 海月(鳥羽市)
山田館(伊勢市)
星出館(伊勢市)
セレクトグランド伊勢志摩(志摩市)

滋賀県
ホテル大津(大津市)
清瀧旅館(彦根市)

奈良県
旅館 白鳳(奈良市)

兵庫県
やなぎ荘(城崎温泉)

和歌山県
金剛三昧院(高野山)

広島県
ふろや旅館(広島市)
佐藤旅館(尾道市)
ホテル清風館(きのえ温泉)

鳥取県
旅館常天(鳥取市)

島根県
持田屋旅館(出雲市)

愛媛県
旅館 常磐荘(道後温泉)
ホテル椿館(道後温泉)

大分県
陽光荘(鉄輪温泉)
亀の井ホテル 大分豊後高田店(豊後高田市)

長崎県
長崎にっしょうかん(長崎市)

鹿児島県
旭屋旅館(白木川内温泉)






もんすけへの連絡
QRコード
QRコード
i2i
株取引がしてみたい
  • ライブドアブログ