日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2013年09月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

戸畑と若松をつなぐ往時の賑わいを感じさせる伝統旅館 [戸畑区 いくよ旅館(前編)]

小倉に行く用事ができて、十分日帰りできそうだったのですが、例によって前日入り。どこか行ったことがない街に泊まってみようと計画しました。

その結果、戸畑駅近くにある「いくよ旅館」がなかなか古くて良さそうなので電話予約。素泊まりでお願いして、当日はどこか付近を散策してみようと決めました。小倉まではまたも新幹線利用。私は飛行機よりも新幹線のほうが楽なような気がします。

最近朝早い出張では、朝食用に弁当持参がマイブームになっていて、この日も弁当。最初の頃はありあわせの貧乏弁当だったのが、この日はエスカレートして、昔使っていた弁当箱まで持ち出しておかずを詰め込んだ豪華弁当。タコウィンナ入り。小倉まで5時間くらいかかるので、まずこれを朝ごはんとして食べ、お昼頃に到着したら、どこかでラーメンを食べる計画でした。

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小倉駅到着。

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この日、宿にチェックインするまでの予定は特に決めていませんでしたが、とりあえず予定通りラーメン。ここは駅ビルにある店でしたが、私の感想としては正直いっていまいちでした。

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小倉で何をしようか地図などを見ていると、駅の近くから出る市営の渡船があり、島に渡ることができることを発見。そんなに遠くもない島ですが、島と聞くといってみたくなるで、詳しく時間などを調べ、とにかく行ってすぐに帰ってくるだけなら可能だということがわかりました。このへんの海域は響灘というらしいですが、海の中に点々とし島が並び、なかなかおもしろそうなところです。

そこでさっそく渡船場をめざして新幹線口をでました。懐かしの無法松。

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2階デッキには松本零士のキャラクター像。

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駅からしばらく歩いていくとやがて渡船場の看板を発見。私は藍島に向かってみます。

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小さな待合室もありました。小倉から船に乗るなんてあまり想像したこともなかったですが、四国の松山まで行く船便もあるようで、ひまな時にそんな船で旅してみたいとも思いました。

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やがて時間がきて乗船。「こくら丸」です。船室のほかに、階上に吹きさらしの座席もあったので、そちらに移動。この日はかなり暑い日だったので、クーラーの効いた船室のほうがいいかとも思ったのですが、やはり眺めをみたいので上へ。

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北九州らしい、工業地帯などが間近に見えます。ナイトクルーズでもやったら人気が出そう。

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やがて正面に「彦島」の文字が。彦島といえば山口県側だと思いますが、確か昔平知盛が布陣していたのが彦島ではなかったでしょうか。前に門司と下関間の船に乗った時も壇ノ浦合戦のことを思いましたが、このへんも戦場だったのでしょうか。

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市営渡船は途中「馬島」という島によってから藍島へ。馬島では近くに小さな離れ島があって、家族連れがバーベキューなどをやって遊んでいるのが見えました。このへんの島には、北九州から釣りなどを目的に来る人も多いようです。2階席に私と一緒にいた外国人4人組はここで下船していきました。

そしてついに藍島到着。島に滞在できるのは船が折り返すまでの25分か30分くらい。とりあえず到着した港付近が集落になっていたので、そのへんだけでも見学しようと思いました。

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看板を見ると、けっこう民宿もあるみたいです。こういうところに泊まってもおもしろかったな、と思いましたが、まったく知識がなかったのです。

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船着場の近くに鳥居のある意外と立派なお宮発見。

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旅館のありそうな通りに入っていくと、2軒ほど宿を発見しました。なんとものんびりした感じで、数日滞在して過ごしみたい感じの宿でした。

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この島のクルマやバイクはナンバーが付いていません。それでも平気で運転していました。

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港沿いに一軒だけ見つけた商店らしき家。

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何だかわからなかった御神体は台風対策なのかコンクリートブロックにかこまれていました。

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通りの向こうにトンネル。これをくぐると島の中央部のほうに行けるのでしょうか。時間があったらぜひゆっくり巡ってみたい島です。

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その途中にも民宿発見。

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振り返ってみると、狭い土地にけっこう民家が立て込んでいます。

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防波堤に囲まれた港にはかなりの数の漁船。こんな島で釣った魚を食べながらしばらく過ごしてみたい。とにかくこのあたりには日光を遮るものがなく、ものすごい暑さでした。

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港の近くには「LOVE あいの島」の手作り看板も。なんだか北九州からごく近いにも関わらず、すごい離島に来た気分です。というか、この島の住所自体が北九州市小倉北区になるわけですが。私は身近に島のない内陸の町で育ったせいか、瀬戸内海とか、こんな島が近くにある環境にあこがれてしまいます。

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時間がないので再び船へ。帰りは涼しい船室で高校野球を見ながら帰りました。

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再び小倉駅に戻って、今度は電車で戸畑駅へ。時間としては5時半くらいだったでしょうか。

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駅のホームで珍しい立ち食いラーメンを発見したので、ちょっと食べてみることにしました。「素ラーメン」350円。自販機で食券を買うと、お釣りが200円余計に出ていました。直前におっちゃんが食券を買っていたので、店に入っておっちゃんに200円返してあげました。「あっすいません」とかいってました。

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ここのラーメンは素ラーメンですが、麺の固さも選べるし、なかなかシンプルでおいしかったです。駅ビルのごてごてしたラーメンよりよっぽどおいしいと思いました。

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店の写真を撮りながら見ていると、別のにいちゃんがやってきて食券を買ったのですが、やはりお釣りを50円取り忘れていきました。いったいこのへんの人間は釣銭をちゃんと取る風習がないのでしょうか。世話のやける連中です。

私は釣銭を取り出したものの、また店に入ってわざわざ返しに行くのもどうか、と思っていると、そばのベンチに座っている女子高生がこっちをじっと見ているので、仕方なく店に入りました。兄ちゃんに「お釣り忘れてたよ」といって50円渡すと、「あれっ、そうかな?」とあまり心当たりもない様子でしたが、私が直接目撃していたので間違いありません。有無をいわせず渡して店を出てきました。店のにいちゃんは、不思議そうな感じでこっちを見てましたけど。

2回ともネコババすれば250円得するところ、2回とも正直に返してあげた自分の行動。まあ、それで良かったのでしょう。

やがて電車が来て、戸畑駅に向かいました。

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戸畑駅は改札は南側にしかなくて、北側に行くためには地下通路を渡る形式になっています。私が泊まる宿は南側なので地下通路を通って反対側に出ました。

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反対側に出ると、南側とは雰囲気が違い、すごく静かな住宅地という感じ。遠くに若戸大橋が見えます。

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駅前の人通りも少なく、少し歩くとなかなか渋いビジネスホテルも発見しました。

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私が泊まる「いくよ旅館」はこの裏で、駅からは非常に近いです。角に沿った建物の雰囲気はまさに私が大好きな雰囲気。正面を斜めに切り取ったような出入り口は、常滑の平野屋旅館にもやや似ています。

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宿の前の路地からも若戸大橋が見える。とにかく存在感の大きな橋です。

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このあと宿にいったん入ってから食事に出るわけですが、少し長くなってきたのでその話は次回に回します。

[戸畑区 いくよ旅館](2013年8月宿泊)
■所在地  福岡県北九州市戸畑区南鳥旗町7-3
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移築保存されている大正期建築の待合旅館 [北海道開拓の村 旧来正旅館]

札幌で2日目の仕事が終わり、翌日は千歳市内に用事があったので、この日は新札幌のホテルを予約していました。あくまでも仕事優先なので、あまり酔狂な宿を探す余裕もなく普通のビジネスホテルでした。前日まではまったく取れなかったホテルですが、この日はいくらでも空き部屋がありました。

しかしこの日の札幌も大通り公園はにぎやかで祭のような感じ。ビアガーデンも出ていました。

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まだ夕方でしたが、私はのどが乾いていたのでまたも札幌駅ビルの地下に行き、回転寿司があったのでビールを飲むことにしました。おつまみはあわびといか塩辛。かなり暑い日だったので生ビールも3杯飲みました。

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その後JRで新札幌駅へ。ホテルは新札幌駅と直接つながった構造なのですごく便利。改札前にはラーメン屋もあり、ホテルのロビーからはコンビニに直接入れるという立地の良さ。最近のビジネスホテルはこんなにも便利になっているのでしょうか。そうなると古い宿が対抗していくのはなかなか難しいですね。

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部屋も普通。

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夜8時くらいになってから、改札前のラーメン屋に出かけてみました。ホテルロビーから徒歩20秒(笑)

あくまでも味噌ラーメンに挑戦。

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結論からいうと、ここのラーメンはちょっと昔風の懐かしい感じの札幌味噌ラーメンでした。野菜の甘みと脂のバランスが良く、すごくおいしかったです。普通駅前立地のラーメン屋といえば、あまり期待しないのですが、あなどっていて大変失礼いたしました。

さて翌朝もいい天気。朝食はレストランのバイキングでした。

この日は千歳市内で仕事ですがそれが3時からという遅い時間。朝食を食べながら、それまでどうやって時間をつぶすかを改めて考えてみました。

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新札幌の駅周辺には水族館とか博物館があるようで、そういうのも割と好きなほうなので、そこに寄ってみようかと思いましたが、スマホで調べたところ、博物館は休館日、水族館はオープンまで少し時間がありました。

そんなわけで、バスで比較的簡単に行ける「北海道開拓の村」にいってみることに決定。北海道の古い建物が集まっている野外博物館です。何といってもここには大正時代の待合旅館が移築保存されているそうな。それはぜひ見てみたい。そういえばホテルの部屋からも野幌森林公園にある北海道百年記念塔が割と近くに見えていました。「北海道開拓の村」はこの塔のすぐ近くにあります。

そうと決まったらバス乗り場を探したのですが、新札幌駅も思ったより広く、けっこう手間取ってしまいました。ようやくバスセンターを見つけてバスに乗車。

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すぐに到着。外国人らしき観光客も多かったです。

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そしていきなり正面に出てくるのが、旧札幌停車場。明治41年築。いまの札幌駅よりよほどいいですね。

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あまり時間がないので、とっとと入っていくといきなり豪華建築登場。旧開拓使札幌本庁舎だそうです。

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そしてすぐ近くに来正旅館もありました。遠くから見ただけで、すでにわくわくするような建物です。

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正面横の出入り口。

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正面。観光客でにぎわっていました。

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写真を取っているとボランティアらしき案内のおっちゃんが登場。声をかけてきました。私はよくこういうおっちゃんにつかまってしまうのですが、実際に話を聞いてみると、こういうおっちゃんはだいたい物知りで、結果的に聞いて良かったと思うことが多いのです。

今回、正面の写真を撮影するのであれば、屋根の上にある防火用の樽まで入れなければいけない、ということをいわれました。そういわれてみればまったく気がつきませんでした。「こういう樽には実際に水を入れていたのではなく、防火に気をつかっている、というアピールのための広告のようなものだったのです」と解説してくれました。

おっちゃんと一緒に中に入り、当時の待合として使われていた部屋などを案内してもらいましました。古い写真も掲示されてあって、この旅館が戦後もしばらくは営業していたことがわかります。宗谷本線の永山駅前で待合兼業の旅館として利用されていたとか。創業者は屯田兵として入植した人だそうです。それを移築、復元したのがこの「旧来正旅館」です。いろんな歴史があったことでしょう。ひと通り説明を聞いた後、いよいよ探検開始。

入口すぐのところが待合部分。奥は軍人とか公務員とか、えらい人専用の部屋だったとか。

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1階正面の座敷。客間というより、宿のスタッフの部屋でしょうか。

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1階に狭い部屋をみつけました。日当たりも悪そうですが、こんな部屋を見つけるとぜひ泊まってみたいと思ってしまいます。

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1階廊下の奥から待合方向を見る。

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建物中央の階段をのぼって2階へ。こんな階段の風情も近頃なかなか見ないいい雰囲気です。

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階段を上がってすぐの角部屋。この部屋もすごくいい感じです。前に泊まった佐久の出野屋旅館にも似ているような。

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隣の座敷も開け放してあり、どなたかが座っておられました。

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大正のビジネスマンがビールを飲みながら会話をしているシーンでした。

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とにかく想像以上に古い雰囲気が残されていて感動しました。これを見るだけでも来て良かったと思います。

さて来正旅館の前には鉄道馬車の乗り場があって、村の奥のほうまで乗車できるのでそれに乗ろうと狙っていました。しかし発車時間になって改めて行ってみると、子ども連れの家族で満員状態です。私も乗りたかったのですが、子どもを押し退けてまでいい年をしたおやじが乗るのも大人げないので今回はあきらめました。

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仕方がないので徒歩で先に向かいます。鉄道場所に線路に沿ったエリアは「市街地群」という位置付けで、民家や新聞社、写真館、商店などの建物が並んでいて、一応見学したのですが、あまりにも数が多くきりがないので省略。しかし、非常に見どころが多い。同じ明治・大正期の建物でも、本土とは趣が違うような気がします。西洋風がけっこう入っているというか。昔の交番もあり、そこには明治・大正期の警官に扮したおっちゃんもいました。

省略しがたいポイントとしては、橇を作っている大工のあんちゃんが、ガラが悪いのが目につきましたので掲載しておきます(笑)

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やがて鉄道馬車の終点近くに徒歩で到着。交代用のどさんである「リキ」が草を食べていました。

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このへんから先は「農村群」というエリア。ここも一軒一軒見学して、なかなか見どころの多いエリアでした。

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しかし私が関心を惹かれたのが屯田兵屋。昨日泊まった江部乙も屯田村でしたが、この家に入ってみると、非常に質素で、こんな家で冬の北海道を過ごせたのか疑問に感じます。

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今の感覚でいうと大きな土間があり、上がりに大きな囲炉裏も切ってあります。冬はここで盛大に火を燃やさないと厳しかったでしょう。

座敷はせまいやつが2間のみ。現代の東京にこんな家があったら、逆に快適に暮らせそうですが、当時の屯田兵はずいぶん苦労したのではないかと思います。

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次に向かったのが、「漁村群」。予定していたバスの時間が迫ってきたので、ちらっと見るだけのつもりでした。

しかし行ってみると、非常に豪勢な番屋と漁家屋敷が残されており、これはぜひとも見学しようと思って中に入りました。

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入るとやはりボランティアらしきおばちゃんが冷たいお茶をくれました。入り口左手は巨大な番屋、右手が座敷になっていました。私はお茶を飲みつつ座敷に上がり込み、座ってやれやれと休んでいたのですが、例によっておっちゃんが来て、「よろしければご案内しましょうか」といってきます。「あ、それではお願いします」といっておっちゃんの後について歩きました。

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一番豪華そうな座敷も見学しましたが、ただお金がかかっているだけでなく、火が出るとほかの部屋に知らせるシステムなどもあり、なかなか感心しました。トイレの天井もゴージャス。おっちゃんによると「あまり派手にお金を使うと目立つので、こういうところでぜいたくをしていたわけです」ということでした。

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この家は小樽にあった青山家という漁家を移築したもので、庄内地方から出稼ぎに来て、大をなした家だそうです。しかしニシンの最盛期は非常に短く、3~4世代程度で没落していったようです。とはいえ、ここに残されている家はまさに盛時を思わせる貫祿のある建物でした。

次に番屋のほうに案内してもらうと、天井の高い板の間と、ヤン衆の寝泊まり場が並んでいます。
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囲炉裏も2~3個ありました。寝るスペースはひとり分が約1畳で、飯もここで食うという質素さ。しかし漁期にはここに出稼ぎに来て、ずいぶん儲けて帰ったことでしょう。

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飯の世話などをする女性の部屋は2階にはしごであがる形式に部屋になっていて、夜間ははしごを引き上げていたそうです。「血気盛んな猟師がたくさんいるわけですから、悪さをしないようにという用心でした」とおっちゃんは笑っていました。

そんなこんなでもうほとんど時間がなくなり、走るようにしてバス停へ。もう少し時間があれば、もっとゆっくり回ってみたい野外博物館でした。百年記念塔を車窓から見ながら新札幌駅へ。

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お昼はまたも新札幌駅前の別の店で味噌ラーメン。

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その後千歳市に向かったというわけです。

[北海道開拓の村  旧来正旅館](2013年8月見学)
■所在地  札幌市厚別区厚別町小野幌50-1
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大正初期、屯田村に湧き出した冷鉱泉の湯治宿 [滝川市 えべおつ温泉本館]

江部乙(えべおつ)という地名を聞いたのは今回が初めてでした。札幌から函館本線に乗っていくと、滝川駅の次の駅。滝川市に含まれます。今回はそこにある温泉宿に行った話です。

なんでそんなことになったかというと、8月初旬に札幌市内で仕事があり、2泊ほどする必要が出てきました。今年、北海道に行く機会が多いです。ところがなぜか札幌市内のホテルはほぼ満室で、すごく高い部屋はあるものの、普通の宿が取れませんでした。後から聞いたら何や祭の期間中で、毎年混む時期だということでした。

私としても札幌市内に泊まるより、少し離れた行ったことがない町に泊まってみたいと思っていたので、その後いろいろ探したわけですが、小樽や千歳など、近隣でも宿が取れませんでした。銭函のビジネス旅館なども電話してみたのですが満室。石狩町の民宿なら空きがありそうでしたが、交通の便があまりよくありません。仕事が前提でなければ、どんな場所でもかまわないのですが、やはり札幌市内までの交通が便利なところでないと不安でした。

それで取ったのが札幌からはだいぶ遠いけれど、函館本線で1本の「えべおつ温泉」というわけでした。

当日は朝早い飛行機で、家を出るのも6時くらいと早かったので、朝ごはんはありあわせで貧乏くさい弁当を作ってもらいました。

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使い捨て容器使用なので荷物にもなりません。ごはんの中に海苔がはさんである海苔弁。羽田空港のカフェに持ち込んで食べましたが、こういうのがなぜかうまい。

この日の飛行機はANAとエアドゥの共同運行便でした。搭乗口で待っていると、「満席のために便の振り替えをお願いします」というアナウンスが。次の便に振替えると1万円もらえるということでした。私も仕事でなければ振り替えるのですが。1万円はけっこう大きいですね。

座席指定も当日までしていなかったのですが、搭乗してみたらプレミアムシートになっていました。すごくラッキー。

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そんなことで札幌市内に到着し、この日の仕事をすませたのが夕方。電車の本数が少ないのですが、予定していた列車に乗ることができ、江部乙に向かいました。

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途中岩見沢まではスーパーカムイという特急の指定席を取りました。しかし座席に行ってみると私の席にばあちゃんが座っています。ばあちゃんのチケットを見せてもらうと確かにその席で合っていたので、とりあえず「ちょっと車掌に確認してきます」といってその場を離れました。

車掌がすぐに見つかったので、チケットを見せて「同じ席のチケットを持っている客がいる」と伝えると一緒にその席に戻り、ばあちゃんに確認。よく見るとばあちゃんのチケットは日付が違っていて前日のチケットでした。車掌さんは「とにかくこの席のお客さんがいるので、ここはどいてください」といって、ばあちゃんを立たせ、どこかに連れていきました。

その後の席に私が座ったわけですが、どうも周囲の客からは「ばあちゃんから席を奪った情け容赦のない人非人」みたいに思われているみたいで落ち着きませんでした。結局どういう解決になったのかわかりませんが、ばあちゃんは同じ車両の後のほうの席に無事座っていたので、何とかなったみたいです。

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岩見沢で普通列車に乗り換えて江部乙駅へ。江部乙駅に到着しました。次の駅の「もせうし」というところは、昔確か女子バレーの強い学校があったような?

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ホームが舗装されていなくて、雑草だけでなく切り株まであるのがすごい。

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構内の跨線橋から北側を望む。

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「えべおつ温泉」も見えました。駅からものすごく近いです。

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江部乙駅待合室。昔は無人駅ではなかったような雰囲気があります。

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駅の外観を見ても、そうとう長く修繕していない感じ。なかなか渋い。

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駅から東方向に向かう通り。ほとんど人がいません。

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この日は夕食を頼んでいないので、そのへんで何か食べるつもりでしたが、駅の近くには店は見当たりませんでした。そこで少し歩いてみました。

途中に変な沼があったり

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空き地にほのぼのと花が咲いていたりしました。

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遠くに幹線道路らしき通行量の多い道路が見えるので、まずはそこをめざしました。そして幹線道路沿いに少し歩くと道の駅を発見。これで安心。道の駅があれば、当然何か食べられる店もあるでしょう。時間は6時30分くらい。まだ明るいです。

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ここは「道の駅たきかわ」。けっこう立派で、中華料理屋があったので、そこで生ビールと広東麺みたいなやつを注文。かなりおいしかったです。

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食べ終わってもまだ明るいところをブラブラ歩きながら宿へ向かいます。道の駅の向かいにはセイコーマートなどもあり、思ったより便利なところです。途中、中心商店街らしき通りも発見しました。しかしこちらはかなり寂れています。このへんは今は滝川市内ですが、その昔は江部乙町という別の自治体だったそうな。

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宿到着。外観はそれなりに新しく、あまりボロ宿風情はありません。

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正面入り口にフロント。おっちゃんがいて、お風呂などをわかりやすく説明しながら対応してくれました。部屋は2回で、鍵を受け取って勝手に上がっていくシステム。

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ロビーにはパソコン2台、ピカチュウも発見。なぜかサッカーゲームも。

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お風呂の前にも広めのラウンジがあり、冷水などのサービスもありました。

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部屋の前にはマンガなどの本棚もあって夜ひまな時には便利。

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部屋はこんな感じ。すでにふとんが敷かれています。籐のソファーが付き、コンパクトで居心地が良さそうな部屋です。

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テレビの下の箪笥にタオルや浴衣などがすべてそろっていました。温泉旅館というより、ビジネス旅館風の実用性を重視している感じ。通常必要なものはすべてそろっています。

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暗くなってきた窓からは、函館本線が真ん前に見えます。

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何はともあれ、お風呂に行ってみました。この時はけっこう人がいたので、写真は早朝に撮影したものです。内部の作りは銭湯みたいな感じも。

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結論からいうと大変いいお湯でした。もともとこの温泉は、大正初期に釣り人が冷鉱泉の湧出を発見し、ここに浴場を造り公衆浴場として使用。さらにその後旅館を併設し、「えべおつ温泉旅館」として経営してきたものだそうです。手前にある源泉はかなり冷たいまま使用していました。

その後、昭和57年に地下ボーリングで新たな温泉が噴出し、こちらは一番奥の湯船でけっこう熱いお湯でした。いずれも掛け流しでぜいたく。冷鉱泉のほうはかなり長湯ができて、私はすっかりくつろいでしまいました。

このほか電気風呂・バイブラ風呂・サウナなどもありました。私は夜中にもう1回入り、朝早くさらにもう1回入りました。

お風呂の前のラウンジに昔のこのあたりの絵図面などが掲示してありましたが、このあたりは湿地帯になっていて非常に興味深かったです。夕方見た沼もその名残なのかもしれません。後で調べてみると、滝川と江部乙はほぼ同時期に開設された屯田村が母体になった町で、明治中期に福岡県や鳥取県あたりから移住した人が多かったそうな。江部乙では今も屯田兵の子孫が居住しているそうです。

その後周囲に石炭が出て交通の要衝となったりした後、現在は米やりんごが名産だとか。それにしても開拓当初はやはり原生林だったのでしょうか。渡辺謙のリメイク映画「許されざる者」は明治初期の話だそうですが、あれと共通するような雰囲気だったのかどうか。

また大正初期に浴場ができた時代、このへんはどんな感じだったのか。駅前にはほかの宿もあったのでしょうか。いろんな妄想をしつつ、列車の音などを聞いているうちに寝てしまいました。

翌朝も朝風呂に入った後、指定した時間に朝食部屋へ。よく見るとフロントの隣にマッサージルーム「てあ~て」もありました。もう至れり尽くせり。

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朝食は普通ですが、世話をしてくれるおっちゃんとおばちゃんが何度も「おかわりどうぞ」といってきます。私はこの日札幌でラーメンを食べようと思っていたので、朝食は控えめにしておきました。

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この日また札幌で仕事があります。乗るべき列車は決まっているので、それに合わせて宿を出ました。改めて外観。この日、けっこう宿泊客も多かったようでした。

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江部乙駅前には誰が世話をしているのか、きれいな花のプランターも。

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駅前通りを望む。どことなく、この間泊まった剣淵駅前とも似ているような。

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列車がきました。

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岩見沢駅でまたも乗り換え。ホームにばんえい馬らしき像がありました。

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この日は岩見沢から札幌まで特急ではなく、通勤快速みたいなやつに乗車。

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このへんのエリアは北海道でも人口の多いところですが、車窓からは牧場なのか北海道らしい景色も見えました。

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札幌では店を探すのが面倒なので、とりあえず駅地下街のラーメン屋へ。ところがこれがいかにも昔の札幌ラーメンらしいすごくおいしいみそラーメンで感動しました。

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ところで、話は変わりますが、最近ライブドアのブログ奨学金のフェイスブックで、ブロガー募集の情報を教えてもらったので応募してみました。

それがこれ→「兵庫のお城をめぐる100人のブロガー大募集!」

これに選ばれて、兵庫県のお城をめぐる旅をし、ブログ記事にすると、謝礼3万円や、宿泊費補助などが受けられるそうです。応募自体は簡単なので、関心がある方は覗いてみてはいかがでしょうか。このブログもこんな偏屈なブログなので、選ばれる可能性は低そうです(笑)

[えべおつ温泉本館](2013年8月宿泊)
■所在地  北海道滝川市江部乙町西12丁目8-22
■泉質  単純泉
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愛知県
平野屋旅館(常滑市)
尾張温泉 湯元別館(蟹江町)

岐阜県
お宿 吉野屋(高山市)
湯之島館(下呂温泉)

三重県
旅館 薫楽荘(伊賀市)
旅館 海月(鳥羽市)
山田館(伊勢市)
星出館(伊勢市)
セレクトグランド伊勢志摩(志摩市)

滋賀県
ホテル大津(大津市)
清瀧旅館(彦根市)

奈良県
旅館 白鳳(奈良市)

兵庫県
やなぎ荘(城崎温泉)

和歌山県
金剛三昧院(高野山)

広島県
ふろや旅館(広島市)
佐藤旅館(尾道市)
ホテル清風館(きのえ温泉)

鳥取県
旅館常天(鳥取市)

島根県
持田屋旅館(出雲市)

愛媛県
旅館 常磐荘(道後温泉)
ホテル椿館(道後温泉)

大分県
陽光荘(鉄輪温泉)
亀の井ホテル 大分豊後高田店(豊後高田市)

長崎県
長崎にっしょうかん(長崎市)

鹿児島県
旭屋旅館(白木川内温泉)






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