日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2013年08月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

石段街のひっそりとした温泉旅館で立ち寄り湯 [伊香保温泉 丸本館]

積善館に2泊後、まっすぐ東京に帰るのも芸がないので、どこかに寄って帰ろうと思っていました。いずれにしても電車の旅なのであまり面倒なところには行けません。まずは渋川駅まで出て、プランAは沼田まで行ってそばを食べるという企画。プランBは渋川駅からバスで伊香保温泉に行って、立ち寄り湯をするという企画。

その結論が出ないまま、四万温泉から中之条駅まで行くバスに乗車。ちょうどこの日は参議院選挙の投票日でしたが、群馬は圧倒的に強い候補者がいるせいか、あまり盛り上がっていませんでした。バスの運転手さんと地元おばちゃんとの会話を聞いていても、「どうせ誰が議員になってもたいして変わりはない」という結論になっていたようです。

中之条駅到着。

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のんびりと吾妻線で渋川へ。

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渋川駅に着いてみると、伊香保温泉に行くバスはひんぱんに出ているようで、ちょうどすぐに出るバスもあったので、あまり深く悩まず、今回は伊香保温泉に行ってみることにしました。

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軽く石段街あたりを散策して、食事でもできればいいという程度の軽い気持。お風呂はどこか良さそうなのがあったら入ろうと思っていました。

バス停から温泉町に向かう道。かなり寂れた渋いムードが漂っています。

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石段到着。このあたりで小雨が降ってきました。

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同じ石段で撮られた昔の写真も見学。

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日曜日なのでけっこう人が多く、にぎわっていました。足湯も。

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私は伊香保温泉は何回か来ているのですが、泊まったことはありません。そういえば昔バイクで榛名山にのぼった時に、視界1メートルくらいの霧に見舞われて、死ぬ思いをしたことを思い出しました。

今回は初めて伊香保神社も見学。伊香保神社といえば、千葉周作と地元の馬庭念流の掲額騒事件が有名です。当時千葉周作が逗留していた「木暮武太夫」という宿は今も旅館をやっているそうですが、近くには見当たりませんでした。その代わり「木暮金太夫」という看板はみかけました。

神社の下の通り。

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格式の高い歴史のある神社だと思うのですが、社殿は想像よりも小規模でした。それにしてもこんな狭いところで馬庭念流と北辰一刀流がけんかをしたら、大変なことになっていたことでしょう。

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しかしこのへんからの眺めはすばらしい。

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再び石段街に降りて、少し歩いてみました。路地などにはかなり古そうな家も多く、渋い旅館もありました。

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食事する店を探しつつ歩いていたのですが、ブラブラしていると、ちょうど通りかかった「丸本館」という宿からおばちゃんが出てきて「貸し切り風呂500円」という看板を出していました。「これは安い」と思い、しかも今看板を出したところなので絶好のタイミングとばかり、そこのお風呂に入ってみることにしました。

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おばちゃんに聞いてみると「お湯を入れていて、いっぱいになるにはもう少し時間がかかる」とういことでした。しかしほとんどいっぱいなのであれば特に問題ないのでお願いして、お風呂場に案内してもらいました。

お風呂はこんな感じ。こんな湯船がもうひとつくらいあるようでした。

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小さいお風呂ですが、非常に快適でした。源泉・黄金の湯の掛け流し。けっこうゆっくり入って、ロビーに行くとおばちゃんが麦茶を出してくれました。

おばちゃんが「源泉は石段街の下を流れていて、ガラスを通してみられるようになっている」などと、いろいろ教えてくれました。昔は温泉擬装問題もあったわけですが、最近は季節ごとにイベントをやったりして觀光客も増え、それなりににぎわっているようなので何よりでした。

それにしても丸本館は、温泉町の真ん中と立地も良く、なかなか居心地の良さそうな宿であり、しかもそんなに高くなさそうでした。今度泊まるとしたら、こういう宿に頼んでみようと思いました。

今まで伊香保というと、どうも団体客向け、高級客向けというイメージあって、あまりそそられませんでしたが、こうやって改めて来てみると、なかなかいい風情の温泉街です。たぶん、地元の人々が苦労して雰囲気を維持しているのでしょう。

さてお風呂からあがった以上、どこかでビールを飲まなくてはいけません。いろいろ迷ったあげく、ちょっと目をつけていた居酒屋風の「ふきのとう」に入ってみました

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私はビールとチャーシューメンを注文。

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ここのチャーシューメンはかなりおいしいやつでした。私の好きな感じの懐かしいラーメン。チャーシューもかなりいい味を出していました。

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食後再びバスにのって渋川駅へ。渋川駅からは豪勢にも特急電車に乗って帰ってきたというわけです。今回は積善館に泊まるのが最大の目的でしたが、伊香保も意外といいな、という発見がありました。

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[伊香保温泉  丸本館](2013年7月立ち寄り)
■所在地  群馬県渋川市伊香保町伊香保48番地
■泉質  硫酸塩泉
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元禄時代創業。日本最古の温泉建築宿に泊まる[四万温泉 積善館本館(後編)]

積善館の後編です。

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翌朝も早起きして山荘の貸し切り風呂にいってみました。貸し切り風呂は2つあるのですが、両方とも同じ形式でした。

お待ちかねの朝食はこんな感じ。今度は部屋に持っていくのが面倒なので、大広間に朝からビールを持ち込んで食べてみました。

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最初にダイコンの混じったお粥をよそってくれたのですが、これはかなりおいしかったです。後はやはりヘルシーというか味が薄いというか‥。しかしまあ、普通の旅館と比べて特に見劣りするようなものではありませんでした。私はふだんオクラやオカラなど、ヘルシーなものはほとんど食べないのですが、今回は食べました。

しかし本館プランの客の中にはプロがいて、女性の一人客は納豆を持ち込んで、醤油をかけて食べておりました。私も「ごはんですよ」とかけっこう塩分の強いやつを持ち込めばよかったと反省しました。しかしそれをやると、せっかくのヘルシープランがだいなしですが。

さてこの日唯一予定しているイベントは山をのぼったほうにある薬師堂まで散策することです。帰りに岩魚を食べて、ビールを飲む。前に来た時もやったパターンで、前回は冬だったのでかなり厳しい道のりだったのですが、今回はまったく安心。

朝食後、少し昼寝をして、お昼前くらいに出かけました。四万温泉はいくつかの地区に別れて温泉宿が分散していますが、積善館があるのは「新湯」地区。これから行こうとしているは山の中腹にかけてのぼって「ゆずりは」地区を通りすぎ、「日向見」地区にある薬師堂です。「御夢想の湯」という共同浴場もあるそうです。

夏場で道がいいとはいえ、のぼり道をあるいているとけっこう暑い。急な坂を少しのぼると、温泉街が山あいに埋もれている感じがわかります。

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さらにいくと「ゆずりは」地区あたりで足湯を発見。近くに滝もありました。なかなか自然が豊かでいい雰囲気です。

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しかし熊が出るそうな。熊避けの鐘を鳴らして歩いている人もいました。

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そのほか宿の案内には山ヒルなどにも注意したほうがいいと書いてあったので、注意しながら先へのぼっていきます。

途中に「木の根宿園地」もありました。この名前は、前日ご主人がいっていた昔の街道筋の宿場名からとったそうです。

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「日向見」地区あたりは古い温泉街風情も。

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ようやく日向見薬師堂到着。

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以前真冬に来た時のことを思い出しました。その時は積雪にさえぎられてえらく苦労してたどりついたものですが。小さなお堂みたいに見えますが、真田氏ゆかりのお宮で天文年間の建造。昔は国宝に指定されており、その後重要文化財になっているそうです。

中に入ることもできないので、小さな穴からお賽銭をあげてきました。

前に来た時はなかったと思うのですが、薬師堂の隣に足湯と共同浴場「御夢想の湯」がありました。たぶん最近整備し直したんでしょうね。すごく立派な建物でした。

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四万温泉には人気の高い共同浴場もたくさんありますが、今回はこの「御夢想の湯」に入ってみました。

中はこんな感じ。小さめの湯船。しかしお湯が異常に熱いです。水道直結のホースがあったのでだいぶうめてようやく入ることができました。

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しかしきれいで気分のいいお風呂です。料金は寸志を入れる穴があったので、私は100円入れてきましたが、少なかったでしょうか‥。少ないですね。

あがろうとするとおっちゃんが一人入ってきたので「こんにちは」というと、「ここは料金はいくらなんですか」と聞いてきたので、「そこに寸志を入れてください」と教えてあげました。「だいぶ熱いですか」というので、「いや、熱いけど今だいぶうめたところなので大丈夫でしょう」と無責任にいってきましたが、どんなだったでしょうね。

外のベンチで汗がひくのを待ちつつくつろいでいると、家族連れなどが足湯につかりにきたり、けっこうにぎやかでした。四万温泉でも一番奥にあたる地区ですが、宿も何軒かあり、廃墟のような建物も多く、私としてはすごく雰囲気がいいところだと感じました。

さて、お風呂のあとは待望の岩魚とビールへ。前に来た時に食べた店に行くために、来た道をまた戻りました。帰りは下り勾配なのですごく楽です。

食堂でビールと岩魚を頼んだのですが、ほかにも客がいて、おっちゃんの6人組は、本格的にお酒を飲んでかなりろれつが回らない感じではしゃいでいました。あと若い大学生くらいの男性二人組みは、うな重を食べながら、二人とも無言でスマホをいじるという、いかにも今どきの感じ。

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おっちゃんたちはそのうち出ましたが、出がけに店のオリジナル地酒をひと瓶買っていました。人のことはいえませんが、たぶんまだ飲むつもりなんでしょうね。

ビールを飲んでいるうちに岩魚登場。串ごとかぼちゃの魚籠に刺してあります。

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しかしあっという間に食べてしまい、その後は近所のそば屋でそばとミニ親子丼を食べました。

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ちょっと食べすぎて苦しいのでまた宿に戻って昼寝。その後何回かお風呂に入ったり出たりしているうち夕方になってきました。

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この日の夕食もやはりヘルシー。でもビールを持ち込んで飲みましたが。

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食後またもや館内放送。「7時から佳松亭ロビーで夏祭りをやります」と案内が。何をやるのかよくわかりませんが、こっちもひまなので7時ジャストにいってみました。

ロビーでは射的やボール投げ、おもちゃすくいなどのイベントがあって、遊ぶのはチケット制なのですが、500円払うと飽きるほど遊ぶことができました。

外に出るとなにやら見たような御方がひとりで座っていらっしゃいました。

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確かにどこかで見たような。

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カオナシ様でした。

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私たちは両側に座って記念写真を撮ってもらいました。まったく動かないし、宿の人も「動きませんから安心です」といっていたのですが、どっかの奥さんがそれを疑ってカオナシの腕などを引っ張ったりしてチェックしていると、いきなり振り向いたので腰を抜かしそうにしていました(笑)

積善館も「千と千尋の神隠し」のモデルといわれています。モデルといわれる宿はあちこちにありますが、宮崎駿せんせいは、たぶんいろんな宿でインスピレーションを得て、それを自分なりに再構築してアニメにしたのでしょう。積善館にも確かに宮崎せんせいが訪れて、ご主人とも話をしたそうです。その後、TVの取材などでどうやら積善館はモデルのひとつであることが確認できたそうです。

ゴージャスな佳松亭は山の上のほうにあるので、林がきれい。夜も更けてきました。

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このあとかみさんは高級露天風呂に行ったのですが、私はあまりそういうゴージャスなお風呂に興味がないのでパスして、ロビーでしばらく遊んでいました。その成果がこれ。

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寝る前にちょっと外に出て積善館本館の夜景を撮影してみました。
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うまくとれませんでしたが、なかなかいい雰囲気でした。明日はもう帰ると思うと残念。そういうわけで、翌日の話はまた次回に。

[四万温泉  積善館(本館)](2013年7月宿泊)
■所在地  群馬県吾妻郡中之条町四万温泉
■泉質  ナトリウム・カルシウム 塩化物硫酸塩温泉
■楽天トラベルへのリンク→四万温泉 積善館本館

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