日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2013年05月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

宇宙一の大浴場!! 泣く子も黙る超大型観光ホテル[洞爺サンパレス]

北海道ツアー旅の続きです。

湯の川温泉に一泊し、一行は朝出発して、まず函館朝市へ。団体ツアーはこういう時に特約店に寄ることが日程に入っています。

朝市でも一番奥の店というか、もはや朝市の範疇ではないのではないかという店に寄り、さっさと塩ウニと冷凍ホタテを購入。クール便で送ってしまい、後は身軽に自由時間を朝市見物しようという作戦でした。しかし雨が強くなってきてどうしようもないので、傘を持っていなかった私は函館駅まで行って、売店でビニールカッパ入手。

カッパがあればあとは降ろうがどうしようがこっちのものなので、ひと安心してバスに戻りました。

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バスはこのあと雨の中を大沼へ。
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途中にある「昆布館」という、やはりおみやげ屋というか、昆布関連資料などの展示もしてある施設へ。ここに来るのも2回目です。ここでは塩昆布みたいなやつを買いました。

大沼では昼食と合わせて自由時間をけっこう取ってあったのですが、雨なので歩き回るのはきついということで、乗合のモーターボートに乗ってみました。大沼と小沼を巡る15分くらいの乗船体験です。しかし雨のせいでほとんど外は見えませんでした。

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湖畔から駅方面には食堂やおみやげ屋もいろいろありますが、昔私が来た時よりはだいぶさびれたような印象を受けました。今回は雨も降っているのでバス集合地点である「ポロト館」という観光施設まで戻り、そこで食事。今回北海道に来てまだラーメンを食べていないので塩ラーメンを頼みました。あまり特徴のない味でしたが、やはり“おふ”が入っているのが北海道らしい。

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まだ寒いので館内はストーブがつけてありました。

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この日の目的地は洞爺湖なので、バスは着々と予定をこなしながら先へ進みます。次はイカ飯で有名な森で休憩。ここの売店でイカ飯の試食がありました。これも食べてさらにバスは先へ。

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次の目的地はけっこう距離がある室蘭の「地球岬」。噴火湾を巡る感じでバスは進みますが、けっこう高速道路が整備されているので驚きました。山に入ると路肩には雪が残り、やはり北海道、という感じがします。

やがて室蘭の市街を抜けて「地球岬」へ。

関東以北では最大の吊り橋「白鳥大橋」も通行。室蘭も産業が衰退しており、人口も減っています。しかしこのへんの工業地帯は夜間ライトアップなど、觀光客誘致にも力を入れていて、工場夜景スポットとしてけっこう人気が出ているそうです。

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「母恋」という駅を通過。母の日のプレゼント用に入場券が人気だとか。そういえば昔、愛国~幸福という駅の切符が人気を呼びましたが。恥ずかしながら、私も一枚持っておりました。

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さて「地球岬」も雨模様で、肝心の水平線がぼやけています。しかもすごい強風で、普通に立っていられないほど。とっとと写真を取ってバスに戻りました。

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地球型オブジェや、

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売店などもあるのですが、やはり天候のせいか寂しげです。あまり客が来ないのか、売店の呼び込みが強烈でした(笑)

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しかし駐車場のある丘の上からの展望が雄大で、雲がかかった有珠山や、昭和新山のシルエットなども見えました。

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けっこうあちこち回って疲れてきますが、最後は昭和新山へ。そこまで行けば宿泊地の洞爺湖温泉はすぐ近くです。

昭和新山に来るのは実に中学生時代以来。当時は山にのぼった記憶があるのですが、最近は禁止されているそうです。

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しかし近所の畑がいきなりこんなに盛り上がったら、それはびっくりしたでしょうね。

有珠山は眺望がいいらしいのですが、ロープウェイの上のほうに雲がかかっていたのでパス。

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自由時間は熊牧場で過ごしました。こういうのがあるとつい寄ってしまいます。
エサのリンゴを買って入場。

子どものヒグマもいました。こぐまのプーさんとご対面。

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各地の熊牧場に行ったことがある人はわかると思いますが、ここのヒグマもエサをもらおうといろいろパフォーマンスをします。立ち上がって手を振ったり、爪をはじいて鳴らしたり。ここには寝ころがってエサを要求する芸をするヒグマがいました。

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これで5時くらいになったのでいよいよ宿に向かいます。今回のツアーでも待望の大型観光ホテル「洞爺サンパレス」へ。ここを運営するカラカミ観光というのは、北海道内では有名です。

洞爺湖畔に立地する全室レイクビュー。しかしでかい。写真に全景が入りませんでした。

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「宇宙一の大浴場」(笑)

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ロビーからしてすごい広さで、全景は写真に入りません。売店も充実しておりました。

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部屋は立派な和室。ボロ宿が恋しい気分。

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窓から洞爺湖の中島が目の前に見えます。

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ところで私は食事前にひとつ用事がありました。

実は1年半くらい前に洞爺湖温泉に来た時に泊まった「大和旅館」を訪ねるつもりだったのです。この宿は前にもブログで紹介していますが、安くていい旅館でした(若夫婦が経営する家族的な快適温泉宿[洞爺湖温泉 大和旅館])

勝手にブログに乗せた上、その後本にも書いてしまったので、せっかく近くまで来たからにはあいさつに行こうと思っていたのです。

同じ洞爺湖温泉なので歩いてもたいした時間はかからないと思い出かけました。雨はほとんどあがっていました。

しかし考えてみれば、同じ洞爺湖温泉といっても、厳密にいえばここは有珠郡壮瞥町で、「大和旅館」があるのは虻田郡洞爺湖町。郡も違うし行政区域も違うわけです。結果的にずいぶん距離がありました。

しかしやがて見覚えのある温泉街の風景にぶつかり、一安心。前に来た時ラーメンを食べた渋い食堂は営業時間前なのかやっていませんでした。

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ここまで来れば「大和旅館」はすぐ。入り口を入って帳場で声をかけると、私のしらない男性がいて、「主人はちょっと出ている」ということでした。

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こちらも突然訪問しているので、いない場合は伝言だけして、東京から持ってきた羊羹を渡して帰るつもりでいました。そんなわけであいさつをして外へ出ると、そこへご主人が登場。勝手に“ボロ宿”呼ばわりしたことなど、謝罪してきました。

ご主人は「ブログは見ていましたけど、そのまま本になるとは思っていなかった」ということでした。本の掲載については出版社から許可を取ってあったのですが、いずれにしても本当にすみませんでした。あまり怒っていなかったし、直接面談してあいさつできて何よりでした。

これで一安心して再びホテルへ。15分~20分くらいの感じで、来た時はかなり遠く感じたのですが、帰りは任務が終了して気が楽になったので、湖畔をのんびり歩いたらそんなに遠く感じませんでした。

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湖の向こうに羊蹄山が見えるはずですが、曇っていてよくわかりません。GWではありますが、北海道はまだ寒いのであまり人通りもありませんでした。

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ホテルに戻ってさっそくバイキング会場へ。とにかく広い食堂で、自分の席から料理のあるところまで行ったり来たりするだけでも大変でしたが、内容的にはなかなか良かったです。

普通観光ホテルのバイキングというとあまり期待しないのですが、ここは焼きたてのホタテやステーキ、にぎりたてのお寿司などもあり、それぞれかなりおいしかったです。そのほか、何回かおかわりを取りに行き、ビールもしこたま飲みました。かみさんはプチケーキみたいなやつを5種類くらい食っていました。

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食事後はお風呂へ。「宇宙一」のお風呂とはどんなものなのか。実際いってみるとお風呂の手前にものすごく大きな遊園地風呂があり、ウォータースライダーや造波プールも。これだけでもでかいのですが、温泉はさまざまなタイプの浴槽がたくさん並ぶ巨大温泉でした。温泉は撮影禁止なのでホテルのホームページから写真を拝借しました。

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この写真はほんの一部。浴槽のひとつが写っているだけです。しかもこの規模のお風呂が2つあり、朝、夜で男女入れ換え制になっていました。夜中は入れないのですが、カギがかかっているわけではなく、自己責任で入ることは可能なようです。

今回私は2回しか入りませんでした。しかしここのホテルに来たら子ども連れなどは温泉だけでもけっこう楽しめそうな気がします。

部屋に戻ってしばらくすると、湖畔の花火大会が始まります。これは冬季をのぞいて毎日やっているそうで、私は前に「大和旅館」に泊まった時も見ました。そのときは一人旅で感傷的な気分になったものですが、今回はかみさんとビールを飲みまくっているので、部屋で騒ぎながら見学。

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花火は湖上を移動する船から上げているそうで、徐々に移動するので温泉街のどの位置からも見えるようになっています。

夜、ちょっと部屋が乾燥している気がしたのでフロントに頼むと、すぐに水を入れた加湿器を持ってきてくれました。さすが豪華ホテルだと思いました。

さて翌朝も同じ場所でバイキング。こんなに広い。

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朝もなかなか充実したメニューの中から、ついついふだん食べつけているようなものばかり選んでしまいました。この日は朝ビールは勘弁しておくことにしました。

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さて次回はいよいよあこがれの積丹岬に向かう3日目の様子をリポートします(笑)

[洞爺サンパレス](2013年4月宿泊)
■泉質  ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
■所在地  北海道有珠郡壮瞥町洞爺湖温泉7-1
■楽天トラベルへのリンク→洞爺サンパレス
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3泊温泉泊まりの格安北海道ツアーに出動!! [湯の川温泉 ホテル万惣]

4月の伊勢神宮ツアーに続き、GWに北海道ツアーに参加しました。これはかなり衝動的というか、新聞広告で見てあまりにも安いのでつい申し込みました。

もともとGWにどこかに行きたいと思っていたのですが、どこもかなり混むので、いきあたりばったりの自由な旅はしにくいですし、お金もかかります。それよりはGWこそ、宿の心配もなくのんびり行ける旅行会社のツアーがいいかな、と思ったわけです。確か3泊で2万6000円くらい。羽田空港から函館に行き湯の川温泉に一泊、あとはバス巡りで洞爺湖温泉に一泊、最後は積丹半島や小樽を回って定山渓温泉に一泊。最終日は夕方までフリーという、3泊とも温泉泊まりで、自分で行くとしたらすごくお金がかかりそうなプラン内容です。2万6000円だと片道の飛行機代くらいにしかならないところです。

そんなわけで4月末に出かけました。今回もボロ宿は出てきませんが、やはり北海道は何度行っても楽しいところでした。

初日は羽田空港から函館空港へ。団体窓口でチェックインします。

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羽田空港にはこんな方がいました。オリンピック招致活動のひとつでしょうね。

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函館空港には添乗員と、バスガイドさんが出迎えていて、集合・点呼のあとバスへ。一行はだいたい40人くらい。

バスはまず函館港の金森倉庫群付近に向かい、お昼過ぎくらいに到着。そこで自由時間が2時間半ほどありました。オプションの昼食を頼んでいる人はレストランへ。思ったより時間があったので、私たちは朝市までのんびり歩いて、どこか食堂で食べることにしました。ほかの乗客もそれぞれ、散っていきます。感じとしては函館あたりには何回も来ている人が多いようでした。

金森倉庫群あたりから朝市までは歩いて15分か20分くらい。この日は天気もよく爽快な日でしたが、やはりまだ寒い。東京はもう暑い日もあるくらいでしたが、ほとんど真冬と変わらない装備で歩きました。

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朝市にもいろいろ食堂がありますが、今回は手軽な「朝市どんぶり横丁」へ。

恵比寿屋食堂という店に入り、例によって三食丼とかを食べました。やはりイカとかウニとか相当うまいです。

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食後はまた歩いて金森倉庫群のバス駐車場に戻りますが、まだ時間があるのでそのへんを見物しながらブラブラと歩きました。

なかなかそそられるラーメン屋も発見。

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ボロ宿紀行らしい風景の町並みもありました。

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このあとは実は昔の知り合いが港沿いでカフェレストランをやっているので、寄ってみることにしました。店を何軒がやっているので、その店にいる可能性はなかったのですが、古い蔵を改造したなかなか小洒落た店で、人気があるようです。

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けっこう歩いて喉が乾いたので、私は寒い日にもかかわらずアイスコーヒーを飲み、かみさんはアイスクリームを食べました。前はこの店の開店前によってうどんをごちそうしてもらったことがありました。繁盛していて何よりです。

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ちょっと金森倉庫も見学してみました。

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バスに戻ると、次の行程は元町散策。函館山の中腹を団体で散歩します。みんな秩序を守って団体行動をしているので、私もなるべく問題を起こさないようにおとなしく歩きました。

この時の添乗員さんは若い男性でしたが、なかなか一生懸命な感じでいい人でした。

このへんも何回も来ているのでそれほどの感慨はありません。

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しかしこのチャーミーグリーンの坂道だけは、つい写真を撮ってしまいます。

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港の風景も。函館は函館戦争の舞台ともなったところですが、今のどかな光景を見ると想像もできない感じ。歴史といい、かなり風変わりな独特の地形といい、早くから開けた貿易港であるため残されたエキゾチックな雰囲気といい、函館は何度来てもいい雰囲気の街です。

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このあとはお決まりのトラピスチヌ修道院へ。一度中まで入ってみたい。無理ですけど。

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この日は昼間の日程はこれで終了。湯の川温泉・ホテル万惣に向かいました。修道院からも近いのですぐに到着。前回湯の川で泊まったホテルのすぐ裏手にありました。

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かなり古そうな感じはありますが、団体向けの大規模ホテルで設備などは十分整っていました。

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部屋も昔よくあったようなベッドと和室が付いた和洋折中スタイル。私から見るとぜいたく過ぎるくらいの部屋です。お茶受けに「函館バタークッキー」付き。

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この後に、暗くなってから函館山夜景見物があるので、食事は5時半くらいの早いスタート。食事は大広間でお膳が出ました。まあ普通の温泉旅館の食事。とにかく安いツアーなので、食事は付いていればオーケー。内容をとやかくいうつもりはありません。

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食後、夜景見物まで時間があるのでちょっと海まで散歩してみました。

函館山が遠くに見えます。

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コンビニでお茶を買って宿に戻りました。

この後バスででかけた函館山は、天気が良く絶好の条件。夜景もきれいに見えました。何回来ても見事な夜景だな~と思います。

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宿に戻るとあちこち回ってさすがに疲れていたのか、風呂に入ってすぐに寝てしまいました。さすがにお風呂は広くてゆったりできるので、なかなか良かったです。

翌朝起きてみると、天気は雨模様。部屋の窓から見える函館山にも雲がかかっています。

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私は傘を持ってきていなかったのでまずいと思いましたが、この後本格的に降ってきたので、後で函館駅の売店に行った時にビニールガッパを買いました。

朝食はバイキングでしたが、旅に出てハイになっている私たちは朝から缶ビール。旅館の朝食はいいつまみがそろっているので、つい飲んでしまいます。ここのバイキングはイカの煮たやつとか豆腐がおいしかったです。

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そんなわけで2日目の出発。バスの座席は日替わりで指定されるのですが、この日は前から2番目のなかなかいい席でした。

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続きは次回にします。

[湯の川温泉  ホテル万惣](2013年4月宿泊)
■所在地  北海道函館市湯川町1-15-3
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激安ツアーで念願の伊勢神宮参拝へ [志摩市 セレクトグランド伊勢志摩]

この4月、5月に、2回にわたって旅行会社のツアーを利用しました。今回はその1回目である伊勢神宮ツアーの話。したがって、ボロ宿は登場いたしません(笑)

旅行会社のツアーが好きかというと、それほどでもないのですが、何といっても最近のツアーは安いので、新聞広告を見ているとつい惹かれてしまいます。今回の伊勢神宮ツアーも新聞で見た「1泊2日1万円!」に惹かれて参加することにしました。いまや伊勢神宮といえば、式年遷宮で話題のパワースポット。

しかしよく調べてみると1万円になるのは3人以上で参加した場合で、私はかみさんと2人なので1万3000円。それでも安い。東京から伊勢市までの片道交通費くらいに相当するでしょうか。

私の場合、ふだんは比較的自由な一人旅とか出張が多いのですが、それと比べるとツアーは費用が全然安く、あまり自分では行かないような観光地に連れていってくれるなど、捨てがたい利点があります。

伊勢神宮は2年くらい前に仕事のついでに寄ってみたのですが、その時は面倒なので内宮しか参拝しませんでしたが、後から「まず外宮を参拝しないと正式ではない」と指摘されました。今回は両方参拝できる念願のツアー内容。しかも帰りは鳥羽から伊勢湾フェリーで伊良湖港に渡るというひねりもあり、なかなかお得感いっぱいのツアーでした。

早朝、新宿駅近くの集合場所に行くとすでにバスがいて、運転手さんが名前をチェックした上でバスに入れてくれました。添乗員が来るはずなのがまだ来ていないそうです。

結局その添乗員は集合時間よりやや遅れて走ってやってきました。2つめの集合場所である東京駅に行ってしまったことに気づき、あわてて新宿に来たということです。今年専門学校を卒業したという若い女性添乗員でしたが、最初の集合場所をまちがえるようなことで大丈夫なのでしょうか。息を切らしながら客に謝っていました。

とにかく新宿から東京駅に向かい、そこでもツアー客を乗せていよいよ高速道路へ。

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安いツアーだけあって、バスの長旅になるわけですが、私はけっこうそういうのが平気なほうなのでわくわくしながら持ってきた朝食用のおにぎりを食べ、早くもビールなどを飲んでしまいました。

お昼は沼津あたりで積み込んだオプションの弁当。普通のお寿司弁当でしたが、わさびを自分ですりおろして食べるというところが、ちょっと凝っています。

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さらに私は浜松あたりのSAで、立ち食いそばも食べてしまいました。バスは新東名を走っていたので、初めてのSAに寄ったからには立ち食いをチェックしようと思ったわけです。あまり地域色のない、普通の業務用だしを使ったそばでした。

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何度か休憩をとりながら、ようやくバスは伊勢神宮の外宮に到着。時間はかかりましたが、大半は高速道路を使用し、平日なので渋滞もなく快適な道程でした。ここでツアーに付き物の団体写真を撮ったのですが、何と内宮の階段の写真をスクリーンに写したスタジオがあり、そこで撮影。こんなニセの記念写真を買う人がいるのだろうか、と不思議に思いましたが、あとでけっこう買っているツアー客もいました。

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さて、この外宮の入口には、前に来た時にちょっと寄ってみたのですが、中には入りませんでした。それ以来の訪問になります。入る前に写真スタジオのおっちゃんが正式な参拝の仕方などを教えてくれて、なかなかためになりました。二拝二拍手一拝が基本なのですが、拍手の時に手を合わせてから少し右手を引き、拍手するのが正式だそうな。そんなことは初めて知りました。せっかくのパワーをいただくためには、このへんも正式にやっとく必要があります。

ツアーでなければ参道なども歩いてみたいところ。しかし時間が限られています。前に来た時はすごく暑い時期で、長く歩くのがいやでパスしたのでしたが、実際に入ってみるとそんなに奥行きはなく、すぐに参拝所に着きました。

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なかなか神聖な趣があります。

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けっこう若い人が多いのが印象的でした。

そんなわけで指定された時間にバスに戻り、次は添乗員が「御福餅に行く」というのですが、私は「御福餅」というのが何だかまったく知らなかったので、たぶん赤福みたいな店に無理やり寄るのかな、くらいに思っていました。

実際その通りでしたが、二見浦にある店では無料の試食品とお茶を用意してくれていたので、喜んで食べました。そういうことなら添乗員には事前に「試食がある」といってほしかったです。

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とにかくこの店も古そうな建物でしたが、この二見浦周辺は古い家が多く、いい雰囲気の渋いい町並みになっています。

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古そうな旅館も何軒かあり、なかなか惹かれる町でした。今度改めてやってきたぜひとも泊まってみたいと思いました。

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そのあと夫婦岩も見学。こういうのも自分一人だとまず寄らないので、ツアーのおかげで見学できました。

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さて当日の日程はこれで終了。5時過ぎくらいになっていてホテルに向かいます。このツアーは、オプションでホテルが選べるようになっていて、お金持ちは鳥羽湾に面した豪華ホテルに。私たちは志摩のホテルに泊まります。まず鳥羽駅で鳥羽宿泊組を降ろし、それからバスは志摩に向かいました。

到着したホテルは私の感覚としては十分豪華な南国風リゾートホテル。「セレクトグランド伊勢志摩」です。ツアーなので「もっとボロい宿がいい」というわがままはいえません。

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部屋もなかなか立派。

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2階に大きな浴場もあります。

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この日の食事はホテルのバイキングですが、渡された部屋割りの紙に「18:00から」と書いてあったので少し前に食堂に行ってみたのですが、まだ準備ができていないようで、フロントで聞いてみると、「6時30分からと承っております」という返事。「あの新人添乗員、またやりやがったな」と思ったのですが、飯の時間が違ったくらいで騒ぐのはあさましいので、そこは冷静にロビーにある真珠の売店などを冷やかして時間をつぶしました。

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しかし6時に誰もこなかったところを見ると、私の分だけ時間を書きまちがえていたのでしょうか????

とにかく無事にバイキングが始まり、生ビールをしこたま飲みました。バイキングメニューも和洋いろいろある中で、特に目玉は生ハムと各種の刺身でしょうか。刺身は後から追加もきたのでおかわりしました。

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小盛りの伊勢うどんもありました。伊勢うどんは柔らかすぎるのであまり惹かれないですが、せっかくご当地なので一応食べました。やはりコシがない。

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食事の後は、近くのコンビニでお酒を買って部屋に戻りました。バスに乗りっぱなしでけっこう疲れたので、お風呂に入り、お酒を飲んで寝てしまいました。

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しかし5時前くらいに起きてボヤッとしていると、けっこう大きな地震が。後から聞くと淡路島で震度6弱の大地震だったのでした。何かとトラブルが多い今回のツアーを象徴しているものなかどうか。

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朝食もバイキング。

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時間より早めに外に出てみましたが、すでにバスは準備完了していました。今回はただ寝るだけでしたが、志摩もゆっくり訪ねてみたいですね。

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この日はいよいよ内宮へ。再び鳥羽駅に寄って豪華ホテルチームの客をひろい、内宮をめざしました。

内宮到着。けっこういい天気になりました。この日は近くのお土産屋のスタッフが案内に立ちます。これについていくと、後で強制的にお土産屋に寄らされることになりますが、解説を聞きたかったのですおとなしくついていきました。

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まずは五十鈴川で手を清めます。

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いずれにしても本殿を見ることはできないので写真もあまり撮りませんでしたが、式年遷宮の準備が着々と進んでいました。今回も世界平和と人類の幸福を祈ってきました。

その後お土産屋の休憩所に連れていかれましたが、試食のお菓子やお茶なども出してもらい、それだけ食い逃げして、私たちはおはらい通りへ。ここでけっこう自由時間があり、弁当を頼んでいない客は昼食を各自で食べることになっています。

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赤福本店も繁盛していました。かみさんは赤福を食べたいといっていたのですが、かなり混んでいるようでしたので、先におかげ横丁を散策しました。

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おかげ横丁の中に、赤福のぜんざいがあったので、結局これを食べることに。

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前に来た時寄った伊勢うどんの店も、ちょっと寄ってみたいと思っていたのですが、昨夜のホテルで伊勢うどんを食べたので、今回はパスしました。

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そのかわりに寄ったのが「横丁そば」。牛骨だしのラーメンを食べてみました。ついでに生ビールも。

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前に寄ったおかげ参りを再現した歴史館「おかげ座」にも再度寄ってみたかったのですが、そこまでの時間はなく、お土産屋などをみながら散策して過ごしました。

バスに戻ると近くの猿田彦神社へ。ここもしばらく見学しました。ちなみにこのへんのマンホールのふたもなかなか凝っています。

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これでだいたい観光地巡りは終了。あとは東京に向かいますが、来た道を戻るのではなく、鳥羽から伊勢湾フェリーで伊良湖港に向かいます。前に来た時は伊勢湾フェリーは廃止になるという話を聞いたのですが、どうにかして存続したみたいです。

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バスに乗ってばかりいたので、フェリーのカーペット席で足を伸ばせるのがありがたい。

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天気がいいので、懐かしの神島も見えます。

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伊良港到着。この後はひたすら東京をめざしますが、一回袋井か掛川あたりのお土産屋にも立ち寄り。それしても渥美半島は長かった。

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高速道路に乗って道路状況の表示を見ていると、どうやら事故渋滞が発生しているようでした。東京駅到着は夜8時の予定だったのですが、どうも無理そうでした。

そのへんの情報も添乗員さんがまったくアナウンスせず、ようやく実際に渋滞にはまってから、「到着が遅くなりそうです」と告知。しかしこの手の安いツアーは、参加者も旅慣れした人が多いのか、みんな素直にあきらめているようでした。事故渋滞じゃしょうがないですし。終電前に東京駅につかないことを考えて、迎えのクルマを頼んでいる人もいました。それにしても時間が読めないにしても、わからないならわからないと、もう少しきめこまかくアナウンスしてほしい気がします。

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夜、長くつらなるテールランプを見ていると、本当にうんざりしてきますね(笑)。途中休憩で寄ったSAですでに8時くらい。渋滞はまだまだ続き、食事もできそうもなかったので、サンドイッチを買って車内で食べました。このへんで添乗員さんから「今日中には何とか着きそうです」とお知らせがありました。

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その言葉通り、12時前くらいに東京駅に到着。そういえば駅舎を改装した東京駅を見るのは初めてかも。私は電車さえあれば、東京駅から30分くらいで家に帰ることができるのでギリギリセーフでした。

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それにしてもやはりバスでの強行軍は想像以上に疲れる旅となりました。しかし安い予算でこれだけあちこち回ってもらい、宿や食事も十分に立派なものでしたので満足。トラブルもあった中で新人の添乗員さんはがんばっていたので、最後はツアー客みんなが拍手で応援しておりました。

[志摩  セレクトグランド伊勢志摩](2013年4月宿泊)
■所在地  三重県志摩市阿児町鵜方1210-1
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プロフィール

もんすけ

 古い湯治宿や駅前旅館など、日本が高度成長時代に入る前からあったような雰囲気の宿が大好きで、各地を回っています。
 どこにいってもそれなりに立派な宿が多く、個性的なボロ宿に出会うことは少なくなりました。
 10年、20年前ならもっといろんな宿が残っていたと思いますが、しかしいま現在でも、10年後、20年後に比べたら多くの貴重な宿が残っているはずです。そうした宿を記録に残していけたら、と思っています。

楽天トラベルで予約できる宿(書籍・ドラマ登場の宿を含む)
北海道
大和旅館(洞爺湖温泉)
花びしホテル(湯の川温泉)
プレミアホテル‐CABIN-旭川(旭川市)
札幌プリンスホテル(札幌市)
つつじ荘(温根湯温泉)
洞爺サンパレス(洞爺湖温泉)
定山渓ビューホテル(定山渓温泉)
ホテルグランティア知床斜里駅前(斜里町)
えべおつ温泉(滝川市)
ホテルサハリン(稚内市)

青森県
酸ヶ湯温泉旅館(酸ヶ湯温泉)
飯塚旅館(温湯温泉)
星野リゾート 青森屋(三沢市)
石場旅館(弘前市)

岩手県
藤三旅館(鉛温泉)
旅館 福山荘(遠野市)
大沢温泉 自炊部(花巻市)
水沢 翠明荘(奧州市)
元湯夏油(夏油温泉)
新清館(湯川温泉)
旅館大正館(盛岡市)

宮城県
高友旅館(東鳴子温泉)
最上屋旅館(鎌先温泉)
休暇村気仙沼大島(気仙沼市)
サンマリン気仙沼ホテル観洋(気仙沼市)
いさぜん旅館(東鳴子温泉)

秋田県
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福島県
元湯甲子温泉旅館大黒屋
分家(岩瀬湯本温泉)
湯口屋旅館(岩瀬湯本温泉)
旅館金勝寺(白河市)
民宿すずき屋(湯野上温泉)

山形県
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松井旅館(肘折温泉)
若松屋村井六助(肘折温泉)
亀屋旅館(肘折温泉)
福島屋(滑川温泉)
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三木屋(かみのやま温泉)

栃木県
雲海閣(那須湯本温泉)
江戸屋(板室温泉)

群馬県
伍楼閣(老神温泉)
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長寿館(法師温泉)
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浜屋旅館(川古温泉)
まるほん旅館(沢渡温泉)
積善館本館(四万温泉)
松坂屋旅館(草津温泉)
湯の花旅館(万座温泉)
山水荘もりや(沢渡温泉)

千葉県
第八福市丸(御宿町)

埼玉県
山崎屋旅館(寄居町)
ゲストハウス錦(秩父市)

東京都
駒鳥山荘(青梅市)
御岳山荘(青梅市)

神奈川県
岩亀荘(湯河原温泉)
富士屋ホテル(箱根宮ノ下温泉)

山梨県
古湯坊 源泉館(下部温泉)
赤石温泉(山梨県増穂町)
元湯 蓬莱館(西山温泉)
民宿たちばな(丹波山村)
リーベン古奈家(富士吉田市)

新潟県
旅館 附船屋(上越市)
海老名旅館(佐渡市)
ほてる大橋館の湯(岩室温泉)

富山県
勝江旅館(富山市)

長野県
民宿すわ湖(上諏訪温泉)
湯元齋藤旅館(白骨温泉)
つるや旅館(白骨温泉)
泡の湯(白骨温泉)
金具屋(渋温泉)
野沢温泉ホテル(野沢温泉)
河鹿荘(鹿教湯温泉)
井出野屋旅館(佐久市)
金具屋(渋温泉)
国楽館 戸倉ホテル(戸倉上山田温泉)
河鹿荘(鹿教湯温泉)

静岡県
白壁荘(湯ヶ島温泉)
ケイズハウス伊東温泉(伊東温泉)
金谷旅館(伊豆下田河内温泉)

愛知県
尾張温泉 湯元別館(蟹江町)

岐阜県
お宿 吉野屋(高山市)
湯之島館(下呂温泉)

三重県
旅館 薫楽荘(伊賀市)
山田館(伊勢市)
星出館(伊勢市)

滋賀県
ホテル大津(大津市)
清瀧旅館(彦根市)
三谷旅館(長浜市)

京都府
富貴 若竹(京都太秦)

奈良県
旅館 白鳳(奈良市)

大阪府
南天苑(あまみ温泉)

兵庫県
やなぎ荘(城崎温泉)
いずみ旅館(朝来市)

和歌山県
金剛三昧院(高野山)
巴旅館(和歌山市)

岡山県
あけぼの旅館(津山市)
ホテルグランヴィア岡山(岡山市)

広島県
ふろや旅館(広島市)
佐藤旅館(尾道市)
ホテル清風館(きのえ温泉)

鳥取県
旅館常天(鳥取市)
まきた旅館(倉吉市)

島根県
持田屋旅館(出雲市)

香川県
小豆島グランドホテル水明(小豆島)

愛媛県
旅館 常磐荘(道後温泉)
ホテル椿館(道後温泉)
夏目旅館(道後温泉)

大分県
新ほり井(別府温泉)
陽光荘(鉄輪温泉)
伯亭 若の屋(日田市)

長崎県
長崎にっしょうかん(長崎市)

鹿児島県
旭屋旅館(白木川内温泉)
妙見ホテル(妙見温泉)

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