日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2012年04月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

利便性最高の温泉付きハイクラスビジネスホテル [斜里町 ホテルグランティア知床-斜里駅前-(前編)]

流氷ツアーの続きです。

最初に断っておくと、前回同様ここもツアーで泊まったホテルなので、どこから見ても“ボロ宿”ではありません。残念(笑)。「グランティア」というのはたぶんルートイン系のホテルだと思います。かなり快適で立地もいいホテルでした。

稚内で一泊した翌日、この日は宗谷岬を見学して、ひたすらオホーツク海岸をバスで走る予定。紋別、網走を経て斜里町までの長距離移動です。途中、流氷砕氷船「ガリンコ号」に乗るのがこの日のメインイベント。

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しかしツアーというのは便利なもので、バスに乗っていれば、勝手にいろんなところに連れていってくれます。

宗谷岬を出発して最初に寄ったのが、猿払村にある道の駅「さるふつ公園」。ここは数年前にバイクでも来たことがありますが、天然ホタテで有名。ツアー客は大量におみやげを買い込んでいましたが、私たちはホタテのひも入り海苔の佃煮だけ買いました。ツアーガイドがやたらと「おいしい」と宣伝していたので。

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それとお昼ごはんにオプションのホタテ弁当を頼んであったので、それをバスで食べながら移動。確か1000円くらいだったと思いますが、おいしかったです。

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さらにこの後も休憩をはさみながら、この日最大のイベントである流氷砕氷船「ガリンコ号」に乗るため紋別へ。原生花園にも寄りましたが、当然何も咲いていません。

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紋別も昔自転車で北海道を回った時に街中で野宿をしたという思い出の地。

この日、流氷は接岸していませんでしたが、沖に多少あるのでそこまで行くという案内がありました。
いよいよ流氷とご対面できるのかどうか。ガリンコ号乗船。

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しかし、沖まで行っても流氷になりきらない「蓮の葉氷」というのはありましたが、完全な流氷といえる状態ではありませんでした。残念。

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しかし、この翌日も網走付近を回るので、まだまだ期待できそう。寒いけれど
天気がいいので、かもめも気持良さそうです。

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ガリンコ号は正確にいうと二代目の船なので「ガリンコ号Ⅱ」という船だそうです。

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紋太くんというのもいました。

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この後は紋別から網走を通りすぎて、ひたすら斜里町をめざして走ります。

途中サロマ湖の道の駅で休憩しました。サロマ湖といっても冬なので一面雪が積もっていて、どこが湖なのかはさっぱりわかりませんでした。

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旧常呂町では、立派なカーリング場も見えました。あのマリリンもここで練習しているのでしょうか。

とにかく移動距離が長い。その間にどんどん暗くなっていきました。ようやくホテルに付いたのは真っ暗になってから。もう7時近かったと思います。

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「ホテルグランティア知床-斜里駅前-」は、釧網本線・知床斜里駅のすぐ前にあり、コンビニもすぐ目の前。斜里漁港にも近いということなので、翌朝は漁港まで行ってみるつもりです。

とにかくふだん古い宿ばかり泊まっているので、こういうホテルに泊まるとどうしていいかわかりません。

エレベーターホールの生花なんかも、高級感あふれています。

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部屋もかなり新しく豪華な感じ。普通のビジネスホテルと比較しても、かなりゆったりしていて、設備もいいです。

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この日の夕食は外の料理屋さんで食べることになっていたので、落ち着くひまもなく再びバスに乗り、市街にある店に向かいました。

海鮮料理の店ですが、蕎麦が名物のようでした。鮭は知床産トキシラズだとか。安いツアー料金を考えれば十分な内容です。

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さすがにかき揚げとか蕎麦もおいしい。

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われわれは4人用の席に2人で座ったのですが、前の2人分の席にほかの客がきません。ガイドさんによると、ツアー客のうち2人が夕食をキャンセルして、別行動を希望したので、空いているということでした。それでも料理は準備されていたので、ちょっとお刺身とかをかっぱらおうかと思ったのですが、たぶんバレると思ってやめておきました。

お酒はツアー料金に含まれていないので現金精算ですが、限られた時間にもかかわらずここぞとばかり飲みました。隣のテーブルのツアー客は2組の夫婦で、そのうちのおっちゃん一人は全然酒が飲めないそうで、ごはんを食べていました。しかしその奥さんがすごく飲む人で、競い合うように飲んでしまいました。

そしてホテルに戻って、お風呂へ。部屋にもバスルームがありますが、当然1階にある大浴場に入りました。天然温泉のかけ流しで、露天風呂まであります。外が零下10度以下という気温なので、周囲の床などは凍りついていました。しかしそんなところで入る露天風呂はひときわ気持が良かったです。

ホテルの前の泣く子も黙るセイコーマートにも寄ってみました。北海道らしいカップ麺とかもあって、私は焼きそば弁当を買ってしまいました。

それとお酒も買って、部屋でさらに飲む。

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外は真っ暗ですが、海のほうを見ると、なんとなく流氷が近づいているような予感もします。あるいは気のせいでしょうか。とにかく朝早く起きて散歩しようというつもりだったので、早めに寝ました(続く)。

[斜里町 ホテルグランティア知床-斜里駅前-](2012年2月宿泊)
■所在地 北海道斜里郡斜里町港町16-10
■泉質  ナトリウム塩化物泉(源泉かけ流し)
■楽天トラベルへのリンク→知床天然温泉 ホテルグランティア知床斜里駅前
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極寒の流氷ツアーで泊まった居心地のいいホテル [稚内 ホテルサハリン]

新聞の旅行ツアーの広告で、北海道2泊3日の流氷ツアーで3万円以下、というのが目に止まりました。個人で行くとしたら、3万円だと往復の飛行機代にもなりません。なんでこんなに安いのかと思いつつも、真冬の北海道は行ったことがないし、流氷も見たことがないのでさっそく申し込みました。

これだけ安いと、仮にホテルや食事がショボくてもまったく気になりません。旅程は羽田空港から稚内に飛んで一泊、翌日はバスで紋別、網走を通って斜里に一泊。最終日は中標津空港からの便で東京に帰る、というものでした。

とにかくものすごく寒いことが予想されるので、出発前に耳当てを買ったり、登山用のインナーを引っ張り出したり、いろいろ準備してその日に備えました。

ツアーといっても稚内までは勝手に指定された便に乗っていきます。しかしこの日は天気があやしく、稚内便は場合によっては旭川や千歳に降りるか、羽田に引き返すかもしれない、ということでした。

飛行機に乗る前ならキャンセル可能だということでしたが、もうここまで来たので行くしかありません。しかし実際に千歳あたりに降りてしまったら、そこから稚内に行くのはかなり大変です。そんなことになったらえらいことだなあ、と思っていましたが、とにかく飛行機は出発することになり搭乗しました。

しかし乗り込んだ後、なかなか出発せず、結局「整備不良でエンジンがかからない」というアナウンスがあって飛行機を降ろされました。

再び搭乗口で待機していると、約1時間後に代替機で出発するというアナウンスがありました。さらに搭乗券は1000円の金券として使えるようにするので、空港の売店で使ってください、ということでした。飛行機はたまにこういうことがありますね。

なんだかんだでけっこう出発が遅れましたが、とにかく飛行機は無事離陸しました。

途中、室蘭らしき市街地が見えましたが、やはり雪で真っ白です。

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そして無事稚内空港に到着。もう3時くらいになっていました。ここにはツアーの添乗員がバスで迎えにきてきます。

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稚内にくるのは5年ぶりくらいですが、とにかく真冬なのでかなりの寒さです。ツアー参加者は高齢層中心。添乗員さんの話しによると、流氷ツアーは人気があるけれど、参加者はだいたい何回も北海道に来ていて、普通のツアーに飽きたような人が多いそうです。

飛行機が遅れたのでこの日の予定は変更になりました。宗谷岬見学を翌日にまわし、この日は稚内の「ふれあい公園」とかいうところでスノーモビルや雪上車に乗って遊びました。これがバカにしたものではなく、けっこうおもしろかった。

かなり寒いのですが、この日は稚内としては穏やかな天気で、前日は嵐で市内の交通がまひし、稚内は陸の孤島になるというほどの荒れ方だったそうです。

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その後は再びバスに乗り、観光市場の「副港市場」へ。

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ここでは特に何も買いませんでしたが、ロシアの民俗音楽のアンサンブルをやっていて、これを見学しました。

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ロシア人の団長が日本語で曲を解説。さらに自分で鉢巻きをし、一升瓶を持って演歌を歌うというサービスぶりでしたが、演歌はいまいちこぶしのまわりが足りないかなぁ(笑)

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そしてすっかり暗くなってからこの日の宿に到着。暗くてよくわかりませんでしたが、稚内駅の裏にある港のそばのようでした。

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「ホテル サハリン」。なかなかエキゾチックな名前ですが、外観は小規模なシティホテルみたいな感じ。けっこう古いようですが、私がふだん泊まっている宿と比べると、それほどの特徴のない、普通のホテルです。けして“ボロ”ではありません。

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部屋はきれいな和室。

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冷蔵庫の安定が悪いようで、マンガ雑誌をかませて支えていました(笑)

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食事は大きな食堂で。ツアー客みんなが集まって、ほぼ貸し切り状態。安いツアーなので期待していませんでしたが、一応カニの半身が2個付いています。毛ガニとズワイガニ。これがけっこうおいしくて、なかなか良かったです。ちょっと食べきれないくらいのボリュームもありました。

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タコしゃぶも付いていて、凍ったタコは席に付いてから配られました。

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お風呂も各部屋についているのですが、私は一応少し大きな風呂があるのというのでそっちに行ってみました。たいして大きくはありませんが、やはり部屋のお風呂と比べるとお湯もたっぷりでかなり快適でした。このお風呂はあまりほかの客は使わないようで、ずっと貸し切り状態でした。

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この後、せっかくなので少し外出してラーメンでも食べてやろうと思っていました。ホテルのフロントでラーメン屋さんの場所を聞いて、なるべく近い店にでかけました。

外に出るとやはりひときわ寒いです。零下10度くらいはいってそう。歩道の雪はある程度片づけてあるのですが、やはり歩きにくいせいか人通りはほとんどありません。

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ようやく教えてもらった店を発見。ラーメン屋というより普通の居酒屋で、ラーメンもやっているという感じ。

せっかくなのでお酒も頼みました。

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この醤油ラーメンがすごくおいしくて感動的でした。北海道らしいラーメンというより、東京にもあるような懐かしい感じの醤油ラーメン。寒い中をでかけてきたかいがありました。

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夜の間少し雪が降ったようでしたが翌日はあがっていました。ホテルの窓から寒そうな海が見えます。

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宿のすぐ近くにかの有名な北防波堤ドームも見えます。前に来たときは、このへんからフェリーに乗って礼文島に渡ったことを思い出します。

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あらためて「ホテルサハリン」の外観。普通の居心地のいいホテルですが、ツアーで泊まったので基本的な料金などは不明。でも立地もいいし、人気があるのではないでしょうか。

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この日はバスで斜里まで走り、もう一泊するという強行スケジュールですが、まずは昨日時間がなくてキャンセルになった宗谷岬に寄りました。

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このへんではけっこう天気がよくなり、サハリンもよく見えました。

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最北端の碑も、ついつい記念撮影してしまいます。昔初めて宗谷岬にきたのは高校生の時で、すごく感動しました。当時はおみやげ屋さんから大音量でダ・カーポの「宗谷岬」が流れていましたが、今でも音楽碑があってセンサーで歌が流れます。

その後も何度か来ましたが、宗谷岬はいつも高校時代の旅を思い出させてくれる懐かしい場所なのです。

[稚内  ホテルサハリン](2012年2月宿泊)
■所在地  北海道稚内市中央1-5-5
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建て替えですっかりきれいになった伝統の駅前旅館 [盛岡 旅館 大正館]

去年の暮れの大雪の中、角館から弘前・五所川原あたりを回ってなかなかおもしろかったのですが、2月になってまた秋田方面に行く用事ができました。その帰りに盛岡に前から泊まってみたい宿があったので、一泊してみることにしました。

「旅館  大正館」です。かなり古い歴史を持った宿で、以前にも宿の前を通ったこともあり、機会があれば一度は泊まってみたいと思っていた宿です。近頃東北方面は、復興事業がらみで宿もけっこう混んでいるという話をどこかで聞いたのですが、電話をしてみるとサラッと予約がとれたので素泊まりでお願いしました。

とにかくこの日は日中、秋田市内で仕事があり、盛岡には何時につけるかよくわかりませんでした。

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結局秋田駅のなまはげから見送られ、こまちに乗ったのは夕方頃。

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車窓の景色からも冬の夕暮れらしい寂寥感を感じます。

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年末に泊まった角館駅などを懐かしく思い起こしながら、やがて盛岡に到着。すっかり暗くなっていました。

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もう7時くらいになっていたので、とにかく夕食をどこかで食べなくてはいけません。しかし雪が降っていて歩きにくいので、結局盛岡駅のすぐ前にある「東家」にしました。いわずと知れたわんこそばの名店。本店ではありませんが、その気になればこれからわんこそばに挑戦することもできます。

しかし私は奥の座敷に通され、ビールとおつまみ系の定食を注文。仲居さんが新聞を持ってきてくれました。

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ここで食べていると、隣のテーブルに年配の男性と若い男性のコンビ客が入り、わんこそばをやりはじめました。おもしろいので見ているとどうも素人みたいでした。若いほうがだいぶ食べたところでお椀のふたを勝手に閉めてしまったのですが、仲居さんがそばを持って戻ってくると「私たちがいる時にふたをしないとダメなんです」といわれて、また食べ続けさせられていました(笑)。

ようやくのことでふたをしたのですが、仲居さんが「本当にぜんぶ食べましたか?見せてください」といわれてふたを開けると、そこにまたそばを追加するという騙しうちをくらっていました。私も昔学生時代、まったく同じようにいじめられたことがあったので、同じ技が何年も受け継がれているんだなあ、と感動しました。

若いほうの客は結局100杯以上食べて、免状をもらっていました。私が2年前に本店で食べた時は87杯止まりだったので、たいしたものです。

駅前から宿までは歩いて5分程度なので、雪の中を歩き始めました。寒いし、滑りそうで歩きにくいです。

不来方橋付近。新しい橋みたいですが、なかなか風情がある橋です。写真は失敗。

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開運橋方面。盛岡も昔とはどんどん変わっていきます。どこにでもある近代都市になっていくのでしょうか。

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やがて宿が見えてきました。

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しかし「あれっ」という感じ。

私が以前に目撃したレトロモダン調の「大正館」は下のような感じ。この宿はどこに?

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(↑の写真は岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合さんの「岩手の宿」からお借りしました)

まったく新しく建て替えられていました。

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私としてはすごいショックです。やはり来るのが遅かったのか。

瀟洒な一軒家みたいな玄関を開けてみると、すぐに受付のカウンターがあり、奥はラウンジみたいなおしゃれな空間になっていました。

しかも出てきたのが若い美人女性スタッフ2人。とてもボロ宿ブログなどで紹介できる雰囲気ではないような気が。インテリアや小物なども洒落ています。きれいで新しいということは普通の人ならむしろ喜ぶべきところではありますが。

私は素泊まりなので前金を払い、まだショックから抜けきれないまま部屋に通してもらいました。

部屋も当然のことながら、きれいでシンプルな和室に。空調もよくきいて暖かく、まったく快適な近代的旅館でした。私は古い宿が好きなのですが、唯一困るのが真冬の寒さです。そんな心配はまったくありませんでした。

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洗面台やトイレも今どきのトレンドを取り入れたかっちょいいデザイン。トイレなどあちこちにセンサーライトが付いており、電気を無駄にしない最新型省エネ設計にもなっていました。

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建物の中央付近に大きな階段があり、吹き抜けのようになっています。

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この階段の下にお風呂があるのですが、ちょうど他の客が入浴中で、「空いたら部屋までお知らせにいきます」といってくれたので部屋で待ちました。

最初から布団が出してあったので、さっそく敷いてやれやれと横になりました。

それにしても、いったいいつ建て替えたのでしょうか。ちょっとしたリフォームではなく、全面的に建て替えたようです。昔盛岡駅周辺は古いおもしろい宿がほかにもあったのですが、もう残っていません。本当に残念。大正館はいろいろ大変な中で、まだ旅館を続けてくれているというだけでも、感謝しなくてはいけないでしょう。

そんなことを思っているとドアがノックされたので、「ああ、お風呂が空きましたか?」と立ち上がると、先程の若い女性スタッフではなく、まさにこれぞ本来の「大正館」という感じのおばちゃんが部屋に入ってきました。

「いやお風呂はまだなんだけど、どうぞこれ」といってくれたのがチョコレート。客のみんなに配って歩いているみたいでした。そういえばこの日はバレンタインデー。

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まさかきれいに建て替えられた大正館で、南蛮人の祭りがゆかりのチョコまでもらうとは‥‥。しかしその気持がうれしかったので、ありがたくいただきました。

その後お風呂へ。お風呂もきれいでゆったりしていて快適。

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廊下に共用の冷蔵庫があり、缶コーヒーなどの飲料がたくさん置いてありました。よくわかりませんでしたが、たぶんサービス品らしかったので2本もらいました。

とにかく部屋がきれいなので、私としては落ち着かず、改めて酒でも飲みに行きたい気分でしたが、ますます雪が降り寒そうなので、そのまま寝てしまいました。

翌朝も外は雪。

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8時前くらいになって、そろそろ出ることにしました。中央階段とは別の階段をおりて下に降りるとすぐに受付カウンター。勘定は済んでいるのでちょっと声だけかけると、昨夜のおばちゃんが見送りに出てきてくれました。

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私は「この家は最近建て替えたんですか?」と聞いてみました。

するとおばちゃんが「そう。道路の拡幅計画があって、前よりずいぶん小さくなりました」というので、私が「そうですか。でもきれいないい宿になりましたね」というと、「そうですね‥。前はこの3倍くらいはあったんですけどね。ちょうど100年目だったのに、すっかり建て替えてしまいました」と少し寂しそう。

私の勝手な印象ですが、どうもおばちゃんは前の家のほうが気に入っていたみたいです。やむを得ない事情とはいえ、こうして少しずつ街は変わっていくのでしょう。

見送られて宿を出ると、やはり雪。きれいになった大正館は、看板だけが伝統を伝えているような雰囲気を出しています。

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宿の前のこのへんが道路拡張部分になるのでしょう。駅から近い幹線道路沿いなのでしょうがありません。

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この日は、ちょっと盛岡駅ビルで買い物をしたい用事があったので、10時頃までコーヒーを飲んだり、立ち食いそばを食べたりして時間をつぶしました。ちくわ天そばがなかなかおいしかったです。

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さらに「はやぶさ弁当」も購入。容器が欲しかっただけなのですが、これは持ち帰って家で食べました。
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そんなわけで、今回は思った形とは違ったことになってしまったわけですが、普通のお客さんにとっては、非常に快適ないい宿であることはまちがいありません。料金も安いです。

とにかくこれも時代の流れというものでしょう。「古いほうがいい」という私のような変人は、もっとがんばって早めに泊まりにいくようにするしかありません。

[旅館  大正館](2012年2月宿泊)
■所在地  岩手県盛岡市大沢川原2-5-30
■楽天トラベルへのリンク→旅館 大正館
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プロフィール

もんすけ

 古い湯治宿や駅前旅館など、日本が高度成長時代に入る前からあったような雰囲気の宿が大好きで、各地を回っています。
 どこにいってもそれなりに立派な宿が多く、個性的なボロ宿に出会うことは少なくなりました。
 10年、20年前ならもっといろんな宿が残っていたと思いますが、しかしいま現在でも、10年後、20年後に比べたら多くの貴重な宿が残っているはずです。そうした宿を記録に残していけたら、と思っています。

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