日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2012年03月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

昭和初期の旧料亭建築 [門司港 旧三宜楼]

門司港に一泊して、この日は東京に帰るわけですが、その前に午前中くらいは少し周辺を散策してみようと思いました。

港付近には古い建物を利用した門司港レトロの観光物件がたくさんありますが、私はまず門司港市街の山の手に当たる住宅街をめざしました。

もらった観光マップを見ると、宿の近くに「旧三宜楼」という建物が出ていました。詳しい説明は書いてありませんでしたが、たぶん古い建物だろうと思ったので見学へ。

この日は昨日までと違いかなりいい天気。市内散策に最適です。そんなに寒さを感じません。

門司港の町並みはレトロ路線の観光開発とは別に、どこか懐かしい感じが残っています。普通の住宅街でも、ちょっと裏道に入るとなかなかいい感じの通りがありました。

とりあえず「旧三宜楼」の前に到着。路地奥の木造3階建てです。

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思ったより巨大な見事な建物。石垣の上に建っているため近くまで寄れません。公開もしていないようでした。

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看板を見ると、この旧料亭はいったん取り壊し寸前までいったのですが、市民有志の活動によって保存の方向で検討されているとか。

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こんな貴重な建物はぜひとも残していただきたいものです。

ちなみにこのあと関門海峡ミュージアムというところにも寄ったのですが、そこに「三宜楼」時代の集合写真がありました。昭和5年の建築ということなので、ちょっとモダンな印象も受けます。

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このあと、裏道を歩いているとなかなかおもしろい通りがたくさんありました。

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「むつみ関門荘」という旅館も営業を続けているようでした。

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このへんを歩いていると、数人の男女がきょろきょろしながら歩いているのに出くわしました。地元のおばちゃんが案内しながら、狭い通りを見て歩いています。どうもテレビか映画のロケハンをしているような感じ。

「ここに古い渡り廊下があります」とおばちゃんがいうので、私も一緒になって見学し、撮影してきました。この家も古そうです。

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さらに歩いていくと、いろいろ懐かしい風景が続きます。

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「傘の修理大学病院」も発見。

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木造の3階建てで、普通に現在も人が住んでいる家がけっこうありました。

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やがて昨夜、夕食の帰りに発見した「大黒」の前にさしかかりました。明るいところで見てもなかなか趣のある宿です。

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さらに港方面へ。
トロッコ列車が走る線路もありました。

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きのうは暗くなってから見学した旧門司税関の建物にも改めていってみました。

この前に展望室のある高層ビルがあったのでのぼってみようと思ったのですが、まだ時間が早くてオープンしていませんでした。

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港に沿って門司駅港方面に歩くと、はね橋にさしかかりました。この橋は「恋人たちの聖地」に認定されているそうですが、どういう認定制度なのかは知りません。

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とにかくこの橋を渡ってふり返ると、関門橋がきれいに見えます。下関の山もごく近くに見えます。

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さらに行くと下関に渡る「関門連絡船」の乗り場がありました。時間を見ると、かなり本数もあるようなので、あとで下関に渡ってみることに決定。

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それまでの時間、乗り場の少し先にある「関門海峡ミュージアム」の見学へ。この手の施設は、いかにも観光客向けっぽい感じがしてどうかと思うのですが、見かけるとつい入ってしまいます。

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入口付近にこんなカッパがいたり。

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受付で聞いてみると無料のコーナーと有料のコーナーがあるということだったので、時間もあまりないことだし無料コーナーだけ見学していくことにしました。

大正時代の町並みを再現した「海峡レトロ通り」がなかなか良かったです。ここで、先ほどの「三宜楼」の古い写真もここで見つけました。

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それとバナナの叩き売り発祥の地なので、バナナ関係の展示も多数。「バナちゃん節」について勉強することもできます。

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上層階には無料の展望室があって、一応見学しました。天気がいいのでいい眺めです。

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さて、午前中だけ遊んで帰ろうと思っていたのですが下関まで渡ってみるということになると急がないといけません。再び連絡船乗り場に戻り、自販機で下関までもチケットを買ったのですが、どうも周辺の觀光客を見ていると、みんな巌流島に行くようです。

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そんな船があるのなら私もちょっと行ってみたい。と思ってしまうのは、周囲に流されやすい性格のせいなのか。

とにかく窓口で事情を話し、チケットを変えてもらって巌流島へ。小さな船に20人くらいの觀光客が乗り込みました。

船はけっこうなスピードで狭い海峡を渡り、すぐに巌流島へ。5分か10分くらいだったような気がしますが、もう少しかかったかもしれません。

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巌流島から見る関門橋。

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対岸の門司市街も見えます。

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そして例の武蔵と小次郎の像。これはどこかで見かけたことがあります。何にもない、巌流島の公園にポツンと立っているのですが、なかなか迫力のある決鬪風景です。

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どうやって増えたのかわかりませんが、野生のタヌキもいました。

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さて、次に下関側の唐戸桟橋に渡る船を待ち、連絡船で下関へ。これも乗ったらあっという間に到着しました。

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周辺はかなりにぎやかで観光市場もありますが、私はまずは安徳天皇陵があるという赤間神宮へ。歩いて5分くらい。途中に日清講和記念館もありました。御陵そのものは見れませんでしたが、「海の底にも都がある」と信じて沈んだ幼い天皇を偲んで、手を合わせてきました。

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神宮から海峡を望んでみると、こんな狭い海域で源平の軍勢が戦ったというのは信じられないような思いです。

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そういえばかの高杉晋作せんせいも、ここで下関戦争や四境戦争にのぞみ、門司や小倉の攻略に出かけています。彼も下関で亡くなっているので、関連する記念碑などもあるようでしたが、今回は時間がないので、残念ながらそんなゆかりの場所はすべてパス。「馬関」とも呼ばれていた時代、商港として繁栄した下関にはすごく興味があります。古い宿もありそう。

しかし今回は改めて訪問する時のために、ちらっと通り過ぎるだけで終わりました。

唐戸市場で昼食。ふぐも食べたかったのですが、けっこう高いので普通の海鮮丼。お昼時の市場は混み合っていて、観光客がいろんなものを食べていましたが、私もそのへんのテーブルに座って一気食いしました。

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市場の前に「ふくの像」も。世界一だそうですが、何が世界一なのかよくわからないままになってしまいました。そもそも比較すべき像がどこかにあるのでしょうか????

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そしてここからタクシーで下関駅へ。もう昼を過ぎており、東京に帰るためには早めに新幹線に乗りたいところ。といいつつ、駅で立ち食いそばを発見したので、海鮮丼を食べたばかりにも関わらず、また食べてしまいました。「ふく天そば」はこの地ならではのメニューなので、見逃すことはできませんでした。

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結局、下関から電車で東京に帰る場合、いったん小倉に戻って「のぞみ」に乗るのが早いようです。本当は普通電車で広島くらいまでのんびり乗車して、それから新幹線に乗りたいと思っていたのですが、そんなことをしているととんでもなく時間がかかるようです。

結局普通電車でトンネルをくぐって小倉駅に戻り、小倉から新幹線に乗って帰りました。

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それにしても、関門海峡周辺は本当におもしろかったです。こんな慌ただしい旅ではなく、数日滞在してゆっくり歩いてみたい。

[門司港  旧三宜楼](2012年2月見学)
■所在地  北九州市門司区清滝付近

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門司港レトロ散策にも便利な家庭的な宿 [門司港 旅館 志福]

小倉で一泊した後、翌日は直方方面に用事がありました。それで、もう一泊する予定で門司港駅近くの宿を予約していました。関門海峡は通過はするものの、実際に降りて門司や下関に泊まったことはありません。その意味で楽しみにしていました。

小倉から直方まで、いろんな行き方があったのですが、私は鹿児島本線で黒崎まで行き、ここから筑豊電鉄に乗り換えていく手を選びました。

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このへんもゆっくり歩けばいろいろおもしろそう。炭坑の跡など、いろんな文化遺産もありそうです。

とにかく用事を済ませ、今度はJRの直方駅から、門司港をめざします。

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途中、折尾という駅で乗り換え。この駅には不思議なドーム型に積まれたレンガの通路があり、かなり古そうでした。

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そして門司港駅に到着。

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門司港周辺は「門司港レトロ」として観光開発が進み、かなり成功しているみたいです。外来航路の寄港地でもあった門司港は、異国情緒も合わせもったレトロ感が魅力だということです。私はあまりにぎやかな観光地にはそんなに行きたいと思わないほうですが、歴史を生かした街づくりには興味があります。

そうはいってもあまりよく知らないので宿も適用に選びました。「旅館志福」です。駅から近いのと、2食付きで5500円くらいと安さが魅力(笑)

そんなわけで夕方、門司港駅に到着。駅の建物自体、大正時代の建築で国の重要文化財になっているとか。確かに古そうです。

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駅舎内も当時のものと思われる造りが残っていて、待合室や切符売場がありました。意図的な演出も多いようですが、実際に古い駅なのでいろいろな映画のロケなどにも使われているようです。

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まだ少し明るいので、周辺を歩いてみました。この日は季節はずれのせいかそんなに觀光客は多くなかったですが、どっちかというと若いカップルが中心のように感じました。

駅前には「旧門司三井倶楽部」の瀟洒な建物。

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さらに少し行くと旧大阪商船のビル。

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このあたりに第一船だまりという小さな水域があり、それに沿って海峡プラザという飲食店やお土産屋のコーナーがありました。ウッドデッキを巡らしたおしゃれなイメージ。いかにも觀光客が喜びそうな施設整備が行なわれています。


しかし、その前には変なバナナマンの像も。あまりにリアルなので何だか笑ってしまいます。そういえば海峡プラザの雑貨店にもバナナキューピーなんかを売っていましたが、すでに持っているので買いませんでした。

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その向こうに旧門司税関の建物もあり、ライトアップが始まっていました。確かにこの周辺には歴史的な雰囲気を持つ建物が集まっており、かなりインパクトがあります。

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関門橋や対岸の下関も泳いでいけそうなほど近くに見えます。こんなところで源義経や平知盛が戦ったのか。ちょうど大河ドラマでも平家をやっているので、壇ノ浦がらみでますます觀光客が増えるかもしれません。

宿は門司港駅から徒歩5分くらいのところにあるのですが、その方向に歩くと古い宿を発見しました。「群芳閣」です。こういうのがあるのなら、こっちに泊まってみても良かったと思ったのですが、営業をしているのかどうかは確認していません。

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この旅館の前に「バナナの叩き売り発祥の地」の碑がありました。この桟橋通りには大正初期から昭和にかけて屋台が並び、バナナの叩き売りも行なわれていたようです。そんな時代にこの通りを歩いてみたかったとつくづく思いました。

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そしてすぐ先に今夜の宿「旅館  志福」を発見。一階が喫茶店「リバー」になっているので、すぐにわかりました。こっちもなかなか古そうな渋い宿です。私としてはこういうたたずまいはけっこう好きなのです。

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喫茶店とは別に旅館の入口があったのでここから入りました。

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声をかけると喫茶店側からおばちゃんが出てきて、2階の部屋へ。ご主人らしきおっちゃんもいましたが、2人ともすごくていねいな感じの応対が印象的でした。

1階から2階の客室まではかなり長い階段。1階の天井が高いのかもしれません。

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廊下はこんな感じ。

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全体的に古びていましたが、意外なことに部屋の内装はかなり新しくきれいになっています。その点は少しがっかりしました(笑)

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今回2食付きで頼んだわけですが、夕食は外部の提携定食屋で食べるというスタイルです。その店は「パパごはん」という定食屋で、宿からは5分程度歩くところにあるということで、道を教えてくれました。おばちゃんは、「これからすぐ行くのでしたら電話をしておきます。先にお風呂に入るなら、もう準備ができています」ということでしたが、風呂に入ってからでかけるのも面倒なので、先に食事に行くことにしました。

宿の前の通り。

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脇道を入っていくと、何やら楽しそうな雰囲気のところに行き着きました。この先に「パパごはん」があり、すぐにわかりました。旅館志福が提携している食堂で、宿泊客はここで決まった定食が出てきます。

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入ってみるとカウンターのみの小さい店。客は誰もいなくておっちゃんが一人でひまそうにしていました。「志福の客です」というと、すぐに準備をしてくれました。

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生ビールを頼んだら先に定食の小鉢類を先に出してくれたのがありがたい。

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続いて煮魚や刺身など。なかなか几帳面な店主らしく、ていねいな手づくり感のある料理でおいしかったです。この後だご汁も出ましたが、写真を撮り忘れました。ごはんはかなりの大盛り。

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けっこう無口なおっちゃんで、あまり長居できる雰囲気でもなかったので、適当に散策しながら宿に帰ることにしました。「ごちそうさま」といって出ようとすると、「おなかいっぱいになりましたか?」と聞いてきました。口数の少ないおっちゃんだけれど、たぶん限られた予算で満腹にさせようといろいろ工夫しているのなかなあと、感心しました。実際のところおなかはいっぱいでしたが、もう少し飲みたい気分でした。

すっかり暗くなった中、何かおもしろそうな店でもないかと思って、宿方向に歩いていると、またも古い宿を発見。暗くてよくわかりませんが、かなり古そうな宿です。こんなのがいくつもあるということは、さすが門司港だと思いました。

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さらに歩いていると港のほうが本格的にライトアップしているのが見えます。そこでもう1回行ってみました。

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駅もライトアップされていました。しかし写真がうまくとれませんでした。

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海のすぐ向こうには下関の夜景も見えます。

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どうもショットバーのような店は見つけられなかったので、あきらめて宿に戻りました。早速お風呂へ。

しかしなぜか「いつでも入れる」といっていたお風呂にお湯がはってありません。前に入った客が抜いてしまったのでしょうか。仕方がないのでまたお湯を出して、入りました。お風呂は普通の家庭用くらいの広さ。お湯の出はよくて、快適でした。

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お風呂入ってしまうともうやることもないので、とっととふとんに入って、大量に集めた観光パンフレットなとで翌日の計画を練りました。しかしどうも甘~いようなチョコレートの匂いがするので確認してみると、飛行機でもらって忘れていたチョコレートがスーツのポケットの中で溶けて、どろどろになったあげく、再び固まりかけていました。

少しでも洗っておこうと洗面所へ。

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夜中に一人で洗濯。しかし溶けて固まったチョコレートはやっかいでした。ポケットに入れていたカギなんかもチョコレートまみれになっていたので、熱湯を出して溶かしながら洗いました。後生大事に持ち歩かず、とっとと食べてしまえば良かったのに。情けない。

そんなわけでそのうち寝てしまいましたが、翌日は早起き。この日は一応東京に帰る予定でしたが、少しでも周辺を歩いてみようと思っていました。

朝食は1階の喫茶店で食べます。きのうのおばちゃんがいました。

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朝食のメニューはふだん喫茶店で出しているモーニングセットのようです。やっぱりバナナも出ました(笑)

まあしかし旅館の朝食で、コーヒーを飲みながら、スポーツ新聞を読んでゆっくりできるというのはなかなかいいものです。

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最後にお勘定をお願いすると「500円」といわれたので「えっ」というと、あわててバタバタしたあげく、「6000円」といわれたので、「いや、2食付きで5500円くらいじゃなかったですか」というと、改めて正しい値段をいってきました。どういう事情かわかりませんが、「前の日のお客さんと勘違いしていた」とかいってました。朝から一般の客も入っていたし、かなり忙しそうでもあったので、混乱していたみたいです。「500円」の時点ですかさずお金を払って逃げる手もあったような(笑)

結局この宿では、本当にただ泊まっただけで、食事は外部の店で取る形式なので素泊まりと似たような感覚。立地面で優れているので繁盛していると思いますが、普通に設備の整ったきれいな宿で、それほど大きな特徴を感じる宿ではありませんでした。

この日、さらに門司市内を歩き下関にも渡ってみたのですが、その話は次回にします。

[門司港  旅館志福](2012年2月宿泊)
■所在地  福岡県北九州市門司区港町1-23
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歴史に彩られた瀬戸内の島を訪ねる [周防大島 我が島荘(後編)]

きれいで設備の整った「我が島荘」で快適な一夜を明かし、翌朝は気分よく起床。早速朝食は「金ちゃんラーメン」。これも、前日に島に入ってから酒屋で買ったやつです。

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この日も天気はいまいちで寒い日でした。
海に乗り出す木の枝にトンビだか鷹だかがいて、島の小鳥が飛び立つのを狙っているような姿も見えます。寒そう。

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宿の外に出ると、やはり海がきれいに見えます。

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東京に帰る前に、ちょっとでも島のどこかに寄りたいと考えていました。計画通りであれば、島にいくつかある別の集落にも立ち寄ってみたいと思っていたのですが、やはりバス便頼みでは、たいして移動できません。少し調べた情報では、安下庄という集落に、すごくおいしいラーメン屋さんがあるようですが、10km近く歩く必要がありそう。

バスが通る久賀という集落には、平安末期に創建された「石風呂」が残っていて、見学できるとか。こういうところに寄ってみようかなどと考えていました。

宿代を払うために食堂併設の母屋に行くと、おっちゃんが出てきました。おっちゃんが「今は食堂をちょっと休んでいて、きのうはおかまいもせず申し訳ありませんでした。もし、どこか行きたいところがあれば送っていきますよ」といってくれました。

おっちゃんのおすすめは割と近くにある宮本常一氏関係の資料館だということで、「9時くらいから開いているはずなので、もう少ししたら送っていきましょう」ということになりました。

クルマに乗せてもらって、「なかなかいい島ですけど、足がないとつらいですね」というと、「やっぱり島だからね。不便ですよ」ということです。それでも思った以上に商店などが多く、本土とも橋でつながっているわけですから、瀬戸内海の島の中では便利なほうだと思います。

「このあたりは宮本さんの出生地に近いわけですよね」というと、「もうほんのすぐそこですよ。この先の寿司屋の裏のほうです。今でも家が残って息子さんが住んでいますよ」と教えてくれました。その寿司屋はきのう歩いた通り沿いにあって、民宿を併設しており、私も関心を持って見ていたので「なるほど」と思いました。

さらにおっちゃんは「息子さんは、道の駅で石焼芋の売店をやっています。このへんは東和きんときという芋が名物なので、それを売っているはずです」ということでした。

宮本さんの資料館は、きのう歩いた長崎集落のやや東側にあたり、そんなに遠くはありませんでした。おっちゃんは受付の人と顔見知りらしく、先頭に立って入っていき、まだ開館少し前でしたが入れてもらうことができました。正式には「周防大島文化交流センター」という名称。

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資料館には宮本氏が集めた島の民具類が展示してあり、昔の写真や業績をまとめたパネルなども展示してありました。私が入ったので、資料ビデオの放映もやってくれました。

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とにかくなかなか立派な会館です。

宮本常一氏の生家の写真もありました。この家のこともよく本に出てきます。カイコを育てるために2階を増設したという話だったと思います。昔の集落は、通りをはさまず、そのまま海に面していました。

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猿まわしの写真もどこか懐かしい感じ。

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会館には図書館が併設されていて子供図書館のコーナーもありました。プーさんが疲れ切った感じです。

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かなり長時間見学して、ようやく外に出ると、すぐ隣に星野哲郎氏の記念館もありました。星野氏も島の出身だそうで、立派な建物です。私は記念写真だけ撮ってきました。

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このあとどうするかと悩んだのですが、バスの時間を考えると、これくらいで島を離れることに決めました。また少し歩いて周防下田駅まで行き、そこで本土行きのバスに乗るつもりです。今日中に東京に帰ればいいので本当はもっとゆっくりしたかったのですが、バスを1本逃すと、次までがかなり間があります。

そこでまた国道を歩き始めました。

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やがて道の駅や、真宮島などが通くに見えてきます。

冬場で天気も良くないですが、海はきれい。宮本氏の本では、このへんは風が凪ぐと海面が鏡のように平坦になって、とてもきれいだと書いてありました。

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真宮島に渡るコンクリートの回廊があったので、ちょっと島にも寄ってみました。

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やはり宮本氏の本によると、この島は真宮島ではなく新宮島と表記されています。浜側と沖側に2つの小島があり、浜側が「カチの島」、沖側が「沖の島」と呼ばれていたと書いてあります。細長い洲で島の本土とつながっていたということですが、私が行った時にはカチの島と沖の島の間が海で分断されていました。しかし、干潮になったら渡れそうな道ができていることがわかります。

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この島は元は村の共有で、宮本家ではそこを小作して段々畑を作り、桑などを植えていたそうです。

終戦後、外地から引き上げた老人が小屋を建てて、着のみ着のままで住みついたそうです。塩水を煮詰めて塩を作り、麦やイモと交換して暮らしていた。やがて死に、その後は何事もなかったように草にうもれていったということです。

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こんな小さな島にそんな老人がどうやって住んでいたのか。いろいろ興味深い島ですが、バスの時間もあって、そろそろ戻ろうかと思っていると、「おはようございますっ」と声をかけられました。

ふり返ると、全身ウェットスーツのおっちゃんが、こちらに向かってきます。最初「何者か」と思いましたが、あわてて私も「おはようございます」とあいさつを返すと、そのまま海に入っていきました。何か磯の作業でもやるのでしょう。びっくりしました。

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道の駅では宮本農園の石焼き芋売店も見学。

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この付近は魚屋が何軒かあり、いろんな近海魚が売られていました。大量のなまこも。

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そしてきのうも通った周防下田駅に到着。ふり返ると、白木山と思われる低い山も見えました。

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結局、バスの時間ぎりぎりで乗車。

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山陽本線の大畠駅に到着し、今度は広島をめざしました。

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しかし、車中で考えているうち、ついでなので宮島口で途中下車し、厳島神社でも見ていこうかと思い立ちました。ちょうど大河ドラマで平家をやっており、けっこう盛り上がっているのではないかと、と思ったわけです。

それで宮島口で降りてみると、思った通り清盛ののぼりが林立していました。

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宮島に渡る乗船口も近いので、まっすぐ港へ。

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またも船に乗ってしまいしました。たぶんカキだと思いますが、養殖場が見えます。

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そしてかの有名な世界遺産の大鳥居もすぐに見えてきます。

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宮島にはあいかわらず鹿がいっぱい。子供が何か紙を取られてうろたえていました。

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ゆっくり歩きながら厳島神社へ。

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陸側からみる大鳥居。

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やっぱりここの回廊は見事なものです。觀光客もたくさんいました。

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帰る途中で遅い昼食を取りました。カキの焼いたやつもありましたが、なぜか尾道ラーメン。どこにいってもラーメンを食べてしまう。

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お土産屋をのぞきながら再び桟橋へ。途中でもみじ饅頭を買いました。

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こうして今回の島旅も終了。松山から柳井、柳井から周防大島、さらに大畠から宮島口へ。宮島から広島を経て、新幹線で東京に帰るという、まったく右往左往の旅でした。しかし私は長年の念願であった周防大島に、とにかく一度は上陸できたので大変印象深い旅となりました。

[周防大島  我が島荘](2012年1月宿泊)
■所在地  周防大島町大字西方25-1
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