日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2011年08月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

築数十年のボロいバンガローでしみじみ過ごす [佐久市 山荘あらふね 内山牧場キャンプ場]

松原湖高原を後にして、翌日の宿泊地は山荘あらふね・内山牧場キャンプ場にあるバンガロー。佐久市域内ですが、もう群馬県境に近い山中にあります。

佐久市内で食事をしたり、買い出しをしたり、初谷温泉に立ち寄り湯したりして、それでも午後2時くらいには「山荘あらふね」に到着。ここで手続き後、バンガロー付近までクルマを入れて荷物をおろしました。

このあたりの山は標高が1200mくらいもあって、「妙義荒船佐久高原国定公園」内に当たるそうな。

それにしても、天気が悪いというか激しい雨ではないけれど、ずっと小雨が降り続き、遠くの山は霧がかかったようになっていて眺望も何もありません。

山荘あらふねの前の「あらふね湖」もこんな感じ。

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バンガローは、最近あまり使っていないのではないかと思われるほど、かなりボロくなっていました。畳敷きですが、かなりいたんでいます(笑)。前日の豪華コテージとは大違い。

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しかし炊事場やトイレなどの設備は整っており、この日も雨にも関わらず何組かの家族客が来ていました。自然も豊かで、たぶん天気が良かったらけっこう快適なキャンプ場のような気がします。

この日の予定としては、夕方くらいに佐久に住んでいる友人が遅れて参加するのを待って、焚き火でもして盛り上がろうと思っていたのですが、それは無理。他の客もいるので炊事場を占拠することもできず、バンガローの中で焼肉をやることにしました。

どうせ設備の整ったバンガロー泊まりだ、となめきっていた私たちは、ガスストーブやランタンも持っていかなかったので、佐久の友人にガスコンロやフライパンを持ってきてくれるように頼みました。情けない。

それまでの間、近隣の山中を散策。

荒船山中の別荘村を訪ねてみましたが、別荘はあまり建っておらず、原生林のような雰囲気。

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さらにクルマで近くの神津牧場にも行ってみました。明治20年にできた日本初の洋式牧場で、けっこう有名なところらしいです。

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この牧場に行くと、県境を越えて群馬県に入るようです。途中妙義山の独特の山影もちらっと見えましたが、基本的にはずっと小雨という状況でした。

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草をやると食べにくる人懐こいヤギ。

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今年生まれたばかりの子牛もいました。

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↓こっちはだいぶ前に生まれたらしい、でかい牛たち。

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6時頃、佐久の友人がコンロやフライパン、それに自宅でとれたとうもろこしやきゅうり、トマトなんかを持って合流。ようやく全員そろったところで、酒盛りを始めました。

バンガローの中でしみじみ飲んでもしょうがないかな、と思っていましたが、意外に盛り上がり、友人が持ってきた野菜がおいしいので、かなり飲み、食べました。実際のところ、ガスコンロで焼肉をやるなら、家でホットプレートでやるのと大差ないのですが、ボロいバンガローのおかげで、何となくキャンプ気分は味わうことができました。

いくらボロくても、こんな天気の時、やはりバンガローは便利だなと思いました。

だいぶ泥酔したので、2つのバンガローに2人ずつに分かれて解散。

マットを敷いて寝袋で寝たわけですが、8月なのに寒いくらいでした。私が泊まった部屋は壁に穴があいていて、そこから風が吹き込んできます。

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それでも酔っぱらっているので熟睡してしまいましたが、朝は4時くらいに眼が覚めました。夜中、かなり激しい雨の音もしていて、明け方もやはり雨でした。

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明るくなりかけたバンガローでじっと横になっていると、こんな天気ならもう一泊して昼寝したいという欲求が起こってきます。一棟5000円なので、1か月滞在すると15万円。ちょっと高いな、などとあれこれ妄想しながら、5時過ぎくらいに隣のバンガローを携帯で呼んでみると、もう起きていました。

また集合して朝はロールパンに茹でたフランクフルトをはさんだやつを食べ、もう8時くらいには撤収しました。あとはクルマで群馬側に山を下り、下仁田インターから高速を飛ばしてまっすぐ東京に帰りました。

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今回キャンプ場に2泊して、ずっと天気には恵まれませんでしたが、しかしだいたい後から考えると、こんな条件の悪かったキャンプのほうが、強く思い出に残っているような気がするのは不思議です。

[山荘あらふね  内山牧場キャンプ場](2011年8月宿泊)
■所在地  長野県佐久市内山352-1
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20年ぶりに訪ねた懐かしい高原のキャンプ場 [小海町 松原湖高原コテージ]

先日小海町の松原湖高原を訪ねました。昔何度もテントを持って、バイクで訪ねたキャンプ場。それから20年ぶりくらいに再び訪ねてみました。しかも今回は豪華コテージ泊まり。この夏、どこにも遊びに行く機会がなかったので、楽しみにして出かけました。

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松原湖高原に初めていったのは20代で、あちこちバイクで回っていた頃でした。その日も朝早く数台のバイクで東京を出発し、最初の狙いだった清里のキャンプ場に9時くらいについてしまいました。

この頃はキャンプするにも場所を決めず、ある程度現地で判断をしてキャンプ地を決めていました。到着した清里のキャンプ場はあまりにもきれいで設備が整っているので、「これだとキャンプにならない」という判断から、 別のキャンプ地を求めて北上することにしました。

しばらく行くと野辺山あたりに「滝沢牧場」という観光牧場があって、そこも寄ってみましたが家族連れの多いにぎやかな観光施設で、ここもお呼びでない感じなのでやめておきました。

さらに走って小海町に入り、ようやく見つけたのが松原湖高原のキャンプ場だったのです。結局ここが気に入ってその後10回以上は行っています。残念ながら当時の写真は残っていませんが、自然が豊かでそこそこ設備も整っているのに人が少ないという、絶好のキャンプ場。古くからの観光地ではあるようなのですが、何となく誰も知らない穴場を発見した気分。

ここを何回も訪ねる間には、いろんなことがありました。あまりにも快適なので滞在を延長したり、八ヶ岳の登山口にある稲子湯に行ってみたり。そのほかちょっとここでは書けないようなことも‥。当時は一般的に直火の焚き火も禁止ではなく、盛大な焚き火のそばで飲み明かしたりもしました。

今回は20年ぶりの松原湖のほか、荒船山にも一泊する予定で、最初からテントを持たずコテージやバンガローを予約して出かけました。総勢3人。天気は下り坂です。

中央道談合坂SAの天ぷらそば。

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野辺山では必ず寄ってしまう和風レストラン「最高地点」のソフトクリーム。個人的な意見としては清泉寮よりおいしいと思います。

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この日はバイクではなく4輪なので荷物積載能力も充分。松原湖高原に上がる前に、小海町のスーパーで食糧とビールとワインを買い出し。クルマのクーラーに詰めて、松原湖高原に向いました。

このへんで雨はかなり本格的になっていました。霞がかかって視界も悪く、周囲の山や湖はほとんど見えない状態。暑い東京を抜け出して高原で避暑をと思っていましたが、寒いくらいでした。

あまりにも久しぶりなので周囲の雰囲気も変わっていました。うら寂しい感じだった高原には美術館や温泉施設ができていて、別荘もかなり増えています。駐車場には雨にも関わらずかなりの台数が停まっていて、盛況な感じ。

ちょうどお昼過ぎくらいでコテージのチェックインにはまだ早いので、クルマだけ置いて温泉に入り、ビールを飲むことにしました。温泉施設は「八峰(ヤッホー)の湯」。八ヶ岳に引っかけた名称でしょうか。

こんな豪華施設ができるなんて、昔は想像もつきませんでした。昔も管理事務所くらいはありましたが、夜になると人っ気がない感じでした。

入り口付近に地場野菜を売っているコーナーもあり、売店も充実。奥には食堂や休憩室もあります。けっこう人が多くにぎやか。

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お風呂は露天風呂やサウナ、岩盤浴(別料金)もついた豪華温泉施設で、なかなか快適でした。やっぱりこういうのができると訪問客が増えるのでしょうか。

下の写真は「八峰の湯」のHPからお借りしました。

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その後、食堂でビールを飲みました。地酒「井筒長」も。ここはテーブルごとに仕切られたなかなか快適な座敷で、客も大勢いました。最近寂れつつある観光地が多い中で、松原湖高原一帯が昔とは比較にならないほどにぎやかになったのは、どういうわけでしょう。すごくいいところだということが、知れ渡ったからかもしれません。

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結局ここで本気を出して飲んでしまい、かなり酔っぱらったのでコテージで休憩しようと思い温泉の入り口にある受付でチェックイン。歩いてコテージに向いました。雨なのに傘を持っていなくて、カッパをかぶって歩きました。でもわずか3分くらいです。

雨に煙る林の風景もなかなか幻想的。

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コテージは思った以上に豪華で、キッチンには炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫など、何でもそろっています。このほか普通のオートキャンプ設備やバンガロー、貸し別荘などもあるので、目的に合わせていろんな用途に使えると思います。

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コテージの洗面所やお風呂もすごくきれい。

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2階の屋根裏部屋が主寝室になっていてベッドが3つありました。

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周囲に何軒かコテージがありますが、なかなかいい環境です。

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ここで夜まで休憩してまた飲むつもりだったのですが、なぜかそのまま続行してワインなどを開けてしまい、結局夜8時くらいには酔いつぶれて寝てしまいました。このへんは夜になると星もきれいなのですが、どうせ雨なのでそれを見ることもなく。

夜中の2時頃、2階のベッドでいったん目が覚めました。あいかわらず雨が降り続いています。もしこれがテントなら、けっこう厳しいキャンプになったでしょうが、コテージにいると「雨もなかなか風情があるな」などと感じてしまいます。

結局みんな早く寝てしまったので翌日は早朝から起き出して、残ったおつまみやカップスター醤油味を食べたりしました。

しかし自然の中でじっくり過ごすという意味で、こういう楽で快適なのがいいのかどうか。翌日のバンガローはかなりボロだということだったので、そちらに期待しつつ、朝9時くらいに松原湖を後にしました。

[松原湖高原コテージ](2011年8月宿泊)
■所在地  長野県南佐久郡小海町大字豊里 5918-2(社団法人 小海町開発公社)

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プロフィール

もんすけ

 古い湯治宿や駅前旅館など、日本が高度成長時代に入る前からあったような雰囲気の宿が大好きで、各地を回っています。
 どこにいってもそれなりに立派な宿が多く、個性的なボロ宿に出会うことは少なくなりました。
 10年、20年前ならもっといろんな宿が残っていたと思いますが、しかしいま現在でも、10年後、20年後に比べたら多くの貴重な宿が残っているはずです。そうした宿を記録に残していけたら、と思っています。

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