日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2011年06月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

東京からも近い忘れられかけた観光地 [寄居 山崎屋旅館]

近頃暑い日が続きますが、この前すごく暑い日に埼玉の寄居に行く用事がありました。

埼玉県中部・北部は暑いので有名です。東京からそんなに遠くないのに、気候がずいぶん違う感じ。寄居に行くには池袋から東武東上線で小川町まで行き、そのまま東上線を乗り継ぐルートもあるし、八高線に乗り換える手もあります。

私は寄居に行くのが初めてだったので、この日は朝早くとにかく東武東上線に乗り、小川町か寄居で立ち食いそばで食べようと思って、でかけました。

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しかしそんな機会もなく、ついに寄居駅に到着。この日の用事はここからもさらに高崎寄りの用土というところが近いのですが、いろいろ不便なので、寄居からタクシーに乗って済ませて、昼頃また寄居駅に戻ってきました。朝ごはんを食べていないのでおなかがすいています。

寄居には秩父鉄道というのが交差していて、あの有名な長瀞にもつながっています。タクシーの運転手さんに聞くと、長瀞駅前はこのへんでは唯一観光地らしい雰囲気があって、飲食店やおみやげ屋さんもたくさん並んでいるということです。

そういうことであれば、東京から近いとはいっても行く機会があまりない景勝・長瀞を見物してみようと思いました。帰る時間には制約がなかったので、のんびり荒川で舟遊びでもしようかなと。

秩父鉄道で寄居から長瀞は20分もかからないくらいでした。

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何というか、古くて懐かしい感じの駅。私はこういうのが好きなほうなので、駅の雰囲気だけでも来てよかったと思いました。

もうおなかがすいていてどうしようもない感じだったので、駅前の食堂に即入り、ラーメンを頼みました。この店も昔の観光最盛期を思わせるなかなかいい感じ。お店の人がすごく親切で、いい店でした。ラーメンはシンプル系の懐かしいラーメンでおすすめです。でも全体的に観光地値段というか、値段がやや高い。ラーメンは確か650円くらい。

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とにかくここまで来たら、荒川の川辺に出なくてはしょうがないので、よくわからないままで踏み切りを渡り、川の方面に歩いてみました。

明らかにメインストリートらしいにぎやかな通りがあるので、そこを歩きました。両側にはおみやげ屋さんとか、飲食店が並んでいます。長瀞といえば、今どきあまり人が行かない観光地イメージがありましたが、すごくにぎやかだったので、今でもけっこう人気があるんだなと思いました。

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川に到着。きれいで印象的な風景です。長瀞ライン下りの舟も繋留されていましたが、この時は、いつになったら舟が出るのかもよくわからないし、乗るのをやめました。団体の観光客もいて、けっこう繁盛しているような気配もあります。

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川原の岩畳というのものぼってみましたが、私みたいにスーツと革靴のやつはいなくて、すごく浮いていました。

しかしどうして“ライン下り”などという、まったく縁もゆかりもないヨーロッパの地名を冠にする必要があるのか。確かに川下り観光をやっている地域はたくさんあって、木曽でも鬼怒川でも、どこでも“ライン下り”という表現を使っていますが、こういう名称づけには私としては賛成できません。ただの“長瀞下り”でいいと思うのですが。

とにかく暑いので、そのへんのおみやげ屋さんを見ながら、喫茶店を探しました。川に面した大きな展望食堂があったので、入って「アイスコーヒー」といったら、レジの食券売場にいた若い女性が「うちはアイスは置いてないんです」といわれました。

このクソ暑い中を歩いてきて、ホットコーヒーはいらないな~と思っていたら、おばちゃんが出てきて、「冷たいものといったら、コーラとかジュースになりますけど、もしコーヒーがいいなら、自販機の缶コーヒーでも買ってきて飮んだらどうですか」といいます。

外の自販機も当店の機械なので、それを買ってくれれば中で休んでもかまわないということでした。それはすごくいい提案です。コーヒーだと400円くらいするやつが、自販機だと120円くらいですし。

それで外でアイスコーヒーを買って店の席に座り、少し休みました。店のおばちゃんはグラスに氷を入れてやるといってくれましたが、それは申し訳ないので断り、缶コーヒーを飮んで、川の風景を見ながら涼むことができました。

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少し休んで汗も引いたので、そのへんを少し散策してみました。

脇道に入ると旅館の廃墟を発見。こんな大きな宿があったということは、昔はもっと宿泊客が多かったのでしょうが、今だと東京からだと近すぎて、なかなか泊まることも難しいエリアです。

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裏に小川が流れていて、雑草に覆われていました。

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このへんは昔はけっこう繁盛していたような雰囲気もあり、商店街の廃墟もありました。不動産広告も。

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さらになかなか魅惑的なホテル看板も遠くに発見。「科学の温泉」。どういうやつなのか、興味深いです。

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ほかに立派な旅館も何軒かありました。また駅まで戻る道を歩いていると、味噌おでんをやっているそば屋があって、なかなかいい雰囲気でした。私は味噌おでんはあまり好きではないので食べませんでしたが、店の雰囲気だけでも寄ってみたい感じ。

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そして長瀞駅から再び寄居駅へ。もうまっすぐ東武東上線で帰ろうと思っていたのですが、次の電車まで40分くらいあったので、寄居の町を改めて歩いてみることにしました。

本当はもう暑くて疲れていたので、喫茶店でもあればそこにいたかったのですが、そういう店は見当たりませんでした。

しかしこの40分は後から考えると貴重でした。駅前は寂しい感じですが、少し通りを入ると古い家がたくさんありました。

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駅のすぐ近くの齒科医院跡。こんな歯医者が近くにいたら、ぜひ虫歯治療を頼んでみたい。

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寄居という町がどういういわれで発展したのか、私はいまいちよくわかりません。戦国初期の鉢形城というのは有名ですけど、城下町にも見えません。とにかく歩いていると、いくらでも古い家が発見できます。

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原口食堂も、もしやっていなら、入ってみたい。

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歩いているうちにメインストリートらしいにぎやかな街道筋に出ました。

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これを区切りに、いいかげん駅に戻ろうと思って、ふとふり返ると、「旅館  山崎屋」を発見。営業もしているようすです。これは私の趣味でいうとかなりハイレベルの優良旅館です。いつから営業しているのでしょうか。

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こんなのがあるとは寄居もあなどれません。よく見ると食堂も兼業しているようで煮鮎や麦とろが看板に出ています。テレビの取材も来ているそうな。もしかしたら有名物件なのかもしれません。

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本当なら泊まりたいところですが、さすがにSUICAですぐ帰れるようなところに泊まる酔狂はできません。後ろ髪を引かれながら「旅館  山崎屋」を後にしました。

この通りのすぐ先に今度は酒蔵発見。近代的な建物になっていますが、そういえばタクシーの運転手さんが「このへんはいい水が出るので、酒蔵が発達した」といっていました。そういうことなので、「白扇酒造」にも寄り、四号瓶を1本買いました。

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後でのんだらすごくすっきりしたおいしい酒でした。

ちょっと近所まで用事ででかけるつもりだったのですが、結局あちこち歩いて帰ったのは夕方になってしまいました。私としては、東京の近所でもなかなかおもしろいところがあるなあ、という発見がありました。

[寄居  山崎屋旅館](2011年6月見学)
■所在地  埼玉県大里郡寄居町寄居938
■楽天トラベルへのリンク→山崎屋旅館

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山中の名湯に震災復興プランで格安泊まり [鎌先温泉 最上屋旅館]

この前気仙沼に行った帰り、鎌先温泉に寄りました。鎌先温泉といえば、薬湯イメージがあって昔は湯治場だったと思いますが、最近はけっこう高い宿が多くていったことはありませんでした。

しかし、今回宮城に向うことになって、一応調べてみると、最上屋が震災応援プラン・2食付き6000円というのをやっていて、すごくお得です。これを目当てに予約しました。電話するとすぐに予約が取れましたが、このプランは食事の品数が少ないということでした。温泉の豪華食事はいつも全部食べられないので、まさに私のためにあるようなプランです。

それにしてもGWに酒田で「最上屋旅館」に泊まったばかりですが、今度も「最上屋」。酒田はわかるのですが、なぜに鎌先温泉で「最上屋」なのでしょうか。

気仙沼からの帰りなので、ルートはいったん一関に出て、仙台で乗り換えて白石まで。各駅停車の旅でした。

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朝食を食べていなかったので、一関ではホームの立ち食いで天ぷらそばを食べました。そのあとちょっと途中下車して駅前に出てみると、いきなり目を引く物件を見つけました。「いわぶち屋旅館」。

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食堂を併設しているというか、食堂が本業のようでもあります。しかし宿のほうは震災の影響なのでしょうか、現在休止中のようでした。これがかの温泉一朗さんのご友人の家であるとは、あとで知りました。そうと知っていたら、ちょっとご挨拶でもしたいところでした。

一関から白石はそんなに遠くもないのですが、各駅停車を乗り継ぐとけっこう時間がかかり、白石に到着したのは午後1時頃だったと思います。バイクで蔵王や遠刈田、青根などに行く時に、白石は何回も通ってはいます。しかし駅に降りたのは初めてでした。

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ここに来たらとにかく白石温麺を食べなくてはならないわけですが、いきなり駅前に店があったので、そこにしました。山菜温麺。やはり現地で食べるとおいしいです。吉永小百合は当然のごとく、すでに温麺を食べていました。

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宿に行くまで何をしようか決めていなかったのですが、駅前からわりと近くに白石城が見えたので、なんとなくそっち方面に歩いてみることにしました。この日は暑かったので荷物を持っていると大変でしたが、まあ、のんびり行ってみようと。

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しかしどうみても城はかなり高台にあるので、のぼり坂を避けて少しずつ道をそれていくうち、案内版で見学できる古い武家屋敷があることを知りました。川沿いに歩いていけばいいようなので、そっち方面へ。

鯉がたくさんいて、鴨も泳いでいる川に沿って行くと、さらに奥まったほうになかなかいい雰囲気の一角がありました。武家屋敷前の通りで、きれいな水路が流れ、それを木橋でわたって家に入るようになっています。

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すぐ前が駐車場と入場チケットの販売所になっていたので、まずそこのベンチに寄って少し休憩しました。とにかく暑い。持っているペットボトルのお茶も生ぬるくなっています。ここのポスターを見ると、またも吉永小百合に先を越されていました‥。


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チケット販売所のおっちゃんが「今日は暑いですねえ~」と声をかけてきました。「今日は30度近くなってるらしいですよ」ということでした。

私「ここの武家屋敷はかなり古い家ですか?」
おっちゃん「いや~どうだったかな、100年以上はたってると思いますけどね」
私「でも見た感じだと、農家風でもあり、武家屋敷としては相当古い感じがしますけどね~」
おっちゃん「ああちょっと待って。調べるから。ああ300年近くたってるね」
私「‥‥」
おっちゃん「ここの駐車場の石畳がすぐはがれて困ってるんだよね~。見てよ。あそこに積んであるのは全部はがれた化粧石だからね」
私「なるほど」
おっちゃん「で、中も見ていきますか。もし城にも行くんだったら、セット券がお得ですけど。歴史ミュージアムの券もついてますよ」
私「いや~、高いところは苦手なので。ここだけの券でいいです」
おっちゃん「まあ、別に城見たってしょうがないしね。中の柱とか、けっこう迫力ありますけどね。でもまあ、こういうところの料金は高いよね。もっと安くてもいいよね~」
私「じゃあ、武家屋敷の券だけ1枚お願いします」

料金がいくらだか忘れましたが、200円くらいだったような。むしろ安いと思います。武家屋敷に向うとおっちゃんが追いかけてきて、「券をまちがえた、こっちと交換してください」といって別の券をくれました。なかなかおもしろいおっちゃんだったわけですけど、たぶん一人で番をしていて、かなり退屈していたんでしょう。

実際に武家屋敷に入ってみると、広い土間があり、板敷きの囲炉裏の部屋もあり。私の趣味としては理想的な住まいで、そんなに大きな家ではないですがすばらしい家だと思いました。しばらく板の間に座って涼みました。やはり武家屋敷とはいっても、どこか農家風の雰囲気も残っているので、江戸時代でもかなり初期の家だと思います。

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ここを出て、何となく駅方面に歩きました。だんだん城が近づいてきて天守閣が大きく見えてきます。暑いので坂をのぼりたくなかったのですが、かの片倉小十郎ゆかりの城であり、一応天守閣だけでも見ていくことにしました。

実際にのぼってみるとそんなにきつくなく、すぐに天守につきました。売店やおみやげ屋さんもあって、けっこうにぎやかです。

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このへんで4時近くになっていたと思います。城をおりて駅方向に戻ろうと思って歩いている途中、SC形式のヨークベニマルを発見。中に入るとイートインコーナーがあったので、ソフトクリームとアイスコーヒーを飲んで休憩しました。震災応援特価でコーヒーがすごく安くなっていました。

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鎌先温泉にはタクシーで行くのですが、ヨークベニマルを出るとちょうどお客を乗せてきたばかりの空車があったので、それに乗り込みました。

運転手さんも「今日は暑いですね~」が第一声で、いろいろ話しているとやはり原発の話に。「このへんは地震の被害はそんなになかったけど、原発から70km圏内ですからね。農家の人は心配してますよ」ということでした。


そしてついに鎌先温泉に到着。山中に忽然と現れる温泉場。山肌に貼りつくように、わずかな平坦地に大きな宿がたて込んでいます。すごくいい雰囲気です。

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下の写真が「最上屋」外観。これはいい。まさに秘湯の雰囲気を持っていますが、同時にどこか上品な感じの建物です。

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玄関を入るとすぐにおっちゃんと女将さんらしき人が迎えてくれて、部屋に案内してくれました。きれいで窓からの眺めもいい部屋でした。

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外観とはイメージが異なり、部屋は完全にリニューアルされて新しくなっています。まったくもって“ボロ宿”ではありません。廊下の洗面スペースもきれい。こんなブログに載せると怒られるかもしれない。

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しかしこの宿は、今でも自炊の湯治客を受け入れているようで、お風呂の前にはたくさんの昔風の洗面所が並び、自炊用のキッチンもありました。

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早速お風呂に入ると、やはりいかにも効きそうな茶色っぽい濁り湯です。男女のお風呂は入れ換え制になっていたので、両方入ることができました。

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夕食はこんな感じ。

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品数が少ないといっても、私としてはこれで充分です。6000円だともうからないのではないでしょうか。しかも味つけがいいというのか、なかなかおいしくて、ビールとお酒を飲んだ上に、おひつのごはんも全部食べてしまいました。私はすき焼きに卵を混ぜないのが好きなので、卵はごはんにかけて食べました。

朝食はこんな感じ。貧乏くさいですが豪華ではありませんが、これも充分。

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お風呂から出て夕食を待っている時に、大型バスが到着して外が妙に騒がしくなりました。窓から見ると、福島県内のとある高校の野球部でした。高校生のくせにこんなところに泊まるのはぜいたくではないの、と思いましたが、もしかしたら春季大会の遠征か何かで、時節柄、泊まる宿探しに苦労した結果なのかもしれません。

それにしてもあいつらが同宿するとなると、お風呂も大混雑して大変だなあ、と思っていると、「最上屋」の脇道を通り抜けて、「木村屋旅館」のほうに上がっていきました。やれやれ。

鎌先温泉は商店や飲食店はほとんどなく、夜になっても別にやることはありません。そこでちょっと散歩に出てみました。


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夜になるとますますいい雰囲気です。少しライトアップもしているようでした。宿の自分の部屋を眺めてみると、おっちゃんが布団を敷いてくれているのが見えました。

泣く子も黙る高級宿「湯主  一條」の木造4階建てが、暗闇にそびえ立っています。鎌先温泉の草分け的存在の名旅館。すごくいい感じの建物ですが、料金からして私は一生泊まれないでしょう。

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とにかく静かでほとんど物音もしない山中。散歩といっても、それほど歩くところもないのですが、こんな山の温泉に、自炊で長逗留してみたいと思わずにはいられませんでした。

翌朝もタクシーを呼んでもらい、白石駅から各駅停車で福島をめざしました。今日中に帰ればいいので、なるべく各駅で行けるところまで行ってみようと思っていました。しかし福島で乗り換えると次は郡山止まり。郡山駅で次の電車を見ると、今度は黒磯止まりと、なかなか旅程がはかどりません。

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電車待ちの時間に郡山のドトールで考えた結果、新幹線に乗ることにしました。ヘタれてしまい、面目ありません。

[鎌先温泉  最上屋](2011年5月宿泊)
■所在地  宮城県白石市福岡蔵本字鎌先1-35
■泉質  塩化物泉
■楽天トラベルへのリンク→鎌先温泉 最上屋旅館
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「SPA!」で本が紹介されました

このあいだ発行された「SPA!」(6月14・21合併号)の書評で、書籍「日本ボロ宿紀行」が紹介されました。

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このあいだから自分でも本の宣伝に励んでいるのですが(笑)、たぶん比較にならない影響力がありそうです。

しかもあの話題のベストセラー、長友佑都選手の「日本男児」より大きな扱い(笑)

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すごいな~。すごくおもしろそうに紹介してくれています。

別に紹介してもらったからお世辞をいうのではなく、この書評コラムを書いている方、ものすごく文章がうまい!!  それと「末枯れてる」なんていう表現は知りませんでした(笑)

「SPA!」さん、本当にありがとうございます。

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震災後の気仙沼再訪で被害の大きさを思い知る [気仙沼 大鍋屋旅館(再訪)]

仕事ができたので5月中旬に気仙沼に行ってきました。

震災前の今年の2月に訪問して以来です。それから3か月後。町はどんなふうに変わってしまったのか。また、思えば2010年の5月にも気仙沼を訪問し、その時は一泊しています。泊まった宿は「大鍋屋旅館」。被災したとは聞いていたのですが、この機会に一年ぶりの訪問を果たしたいとも思っていました。

一ノ関駅から大船渡線の普通列車に乗ります。2月に来たときは「盛行き」でしたが、今は「気仙沼行き」。気仙沼から先の陸前高田や大船渡方面は、再開の見通しがまったくたっていないという事実。震災の影響の大きさを、すでにこんなところで感じてしまいます。

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去年も田んぼの田植えがほぼ終わったような時期でした。今年も沿線風景を見ると田んぼに水が入り、かなり田植えが進んでいます。

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気仙沼駅前は意外にも人が多く、これまでにない活気のある雰囲気でした。明らかにボランティアとしてやってきたらしい人々や、取材のための報道関係者などがたくさんいました。鉄道で行ける気仙沼を拠点に、南三陸や陸前高田、大船渡などにアクセスしようとする人も多いらしく、タクシーも大繁盛していました。

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ちょうどお昼頃だったので、まず2月に寄った駅前の大衆食堂ますやへ。前はラーメンを食べました。今回は店のおばちゃんが「気仙沼ラーメンはできません。今、材料が入ってこないもので」とことわってきました。確かサンマを使ったラーメンだったような。そういうわけで味噌ラーメンにしました。何度きても結局選ぶのはラーメン系。おいしかったです。

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駅から市内へクルマで向かいつつ、あたりの景色を見ましたが、駅周辺は高台になっているせいか、それほど大きな被害の様子は感じられませんでした。クルマも普通にたくさん走っていました。

市内で仕事を終えた後、もう3時くらいだったのですが、現地の知人がクルマで港方面を回ってくれました。私が去年大鍋屋旅館に泊まったことを知っているので、何をさておいてもまずは大鍋屋旅館へ。

大きな通りは思ったより片づいていました。現地の人も「これでも津波の直後と比べると、がれきは8割か9割くらいは片づいたような感覚」といっていました。しかし見ていくうちに、それは部分的な話なのだと思い知りましたけど。

大鍋屋旅館の去年のようす。

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そして今年。被害は大きかったようですが、思ったより構造がしっかり残っている感じ。しかも補修工事の最中でした。

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しばらく見ていると奥に女将さんがいたので「去年泊めてもらったものですが」といって声をかけると、「まあ、何とか再開したいと」とあまり力のない声で応えました。

このところずっと「泥との戦いの毎日だった」ということです。泥を出しても出しても片づかず、乾燥剤を入れたり、いろいろやったそうです。ようやくこの時期になって、工事ができるような状態になったようです。

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電柱が倒れてきて壊れた部分もあったそうです。余震などでまた倒れてきて、昔からの看板が壊れると困るのでいったんはずそうとしたそうですが、「何をやっても、どうしても取れないんです。看板もやはりあそこにいたい、といっているようで‥」と女将さんはいってました。

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実際に津波が来た時はいったん3階に逃げたそうです。「前の津波の時はそれで大丈夫だったので」ということでしたが、見ているうちにそこも危ないと思ったので、いったん潮が引いた時に裏の気仙沼女子校まで走ったそうです。高台にそびえる要塞のような校舎。それで女将さんは何とか無事。よかったよかった。

しかし、いろんな悲惨な話も聞きました。多くの人が亡くなっています。とにかく想像を超えた大きな災害だったことを実感しました。大鍋屋旅館の裏手に並んでいた古い家も大きな被害を受けていました。

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もう一軒、裏にあった旅館「金港館」も、被害にあったものの、すでに再開しているそうです。

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大鍋屋旅館の裏手に回ってみると、お風呂が開放状態になっていました。ここも被災後の地域の人にとっていろいろ役立ったに違いありません。駐車場には大きなテントも張ってありました。

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すごく心配していた大鍋屋旅館が営業再開に向けて動き出しているのを見て、少しホッとし、暗い気持も明るくなったような気がしました。

しかし、このあと海沿いをクルマで回ってみると、やはり想像を超えた被害だったことがわかりました。3か月近くたった今でも、まだまだ傷跡がはっきり残っているエリアも多いのです。

大鍋屋にも近い、フェリー乗り場のエースポートには、「港町ブルース」の碑がありました。行ってみると残ってはいましたが、かなり傾いています。前はセンサーで音楽が流れましたが、もちろん今は流れません。

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桟橋も海に沈んだままです。

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倒れた像を、誰かが座らせてあげたのでしょうか。

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この近くの「男山本店」は見事な石造りの建物でした。

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それが今はこんな感じ。

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大鍋屋の近くの文具屋さんも、もともと古かったわけですが‥。

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今はこんな感じ。たぶんもう使用不能に見えます。

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せっかく着物作家さんに教えてもらった、ラーメンがうまいという「喫茶マンボ」があったはずのエリアも、こんな状態になっていました。

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すごく危ない感じの建物も残っています。

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全体的に地盤沈下したため、水がなかなか引かないというエリアもありました。私が見た中では、魚市場から南気仙沼駅方面のがれきがかなり残っていて、震災以前の状況をなかなか思い起こすこともできない状況でした。

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市場近くにあって、何度も寄ったおみやげ屋さんの「海の市」は、1階部分が完全に破壊されていました。「お魚いちば」も同様。

エースポート付近では、これから気仙沼を長期取材していくという若いカメラマンに出会いました。彼は自転車で市内を回って撮影を続けているそうです。宿泊は駅の近くの「宝屋旅館」だということですが、「いや~、今はもう満室状態ですね」といってました。その近くの「かどや旅館」もなかなか良さそうな建物だったのですが、いったん営業を休止していのが、今回の震災で再び被災者などに格安で部屋を貸しているそう。

駅に近い高台の古い旅館が残ったのは、不幸中の幸でした。

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私を連れてまわってくれた知人は、自宅が被災し、その後アパートを借りることができたものの、やはり家族が多くて手狭なので、単身で「かどや旅館」暮しをしているということでした。

彼は自宅を流されてしまっているわけですが、家族はみんな無事でした。その彼は、「家なんか流されてもどうってことはない」といいます。「ええ~っ」と思いましたが、彼がいうには「再起しようと思う一人の男にとって、仕事を失った、働く場所を失った、というのが一番こたえる。そんな人が気仙沼にはたくさんいる」ということでした。

気仙沼は水産業の町なので、魚市場を再開し、なるべく早く水揚げができるように作業を急いでいるそうです。しかし、これだけの状況なので、まだまた困難がありそうです。

特に製氷工場が被害を受けたことが大きいそうで、船や市場、倉庫では大量の氷を使用する必要がありますが、それが供給できる大きな製氷工場が復旧しないと、水産業は本格的に立ち直れない。とにかくお金がかかるようです。自治体レベルでは難しいと思うので、国が何とかすべきでしょうが、国の支援策は融資とか、利子補給とか、漁協単位の支援とか、杓子定規で使えないものばっかりだし。国による大規模なインフラ投資と、事業者個人への融資ではない支援が必要だと思います。

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地域経済を支え、観光の目玉ともなっていたカキやホタテの養殖についても、再開できるようになるにはさらに時間がかかりそうに思えました。

私はこの数年、たまたま気仙沼を訪ねる機会が多かったのです。そんな事情もあるので、今後もできる限り訪問して、復興の様子を見守っていきたいと思っています。

今回は本当に沈うつというか、ショッキングというか、気分が重くなるような訪問でした。しかし、多くの人がふだんの生活を取り戻すために動き始めていました。

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絶対にまた来よう、復活した大鍋屋旅館にまた泊めてもらおう、などと思いつつ、気仙沼をあとにしました。

[気仙沼  大鍋屋旅館](2011年5月再訪・当時休業中)

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ボロ宿紀行・続編




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ホテル椿館(道後温泉)

大分県
陽光荘(鉄輪温泉)
亀の井ホテル 大分豊後高田店(豊後高田市)

長崎県
長崎にっしょうかん(長崎市)

鹿児島県
旭屋旅館(白木川内温泉)






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