日本ボロ宿紀行

ボロ宿にあこがれ、各地のボロ宿を訪ねています。

2010年09月

「ボロ宿」というのはけして悪口ではありません。
歴史的価値のある古い宿から単なる安い宿まで、ひっくるめて愛情を込めて
「ボロ宿」といっています。自分なりに気に入った、魅力ある宿ということなのです。
もともと、できるだけ安く旅行をしたいということから行きついた結果ではありますが、
なるべく昔の形を保って営業している個性的な宿を応援していきたいと思います。
湯治宿や商人宿、駅前旅館など、郷愁を誘う宿をできるだけ訪ねて、
記録に残していくこともいずれ何かの役にたたないかなと‥‥。

深い峡谷の最奥にある隠れ里のような秘境の宿 [切明温泉 雄川閣]

またも古い話しになりますが、秘境といわれる秋山郷の切明温泉を訪ねたことがありました。泊まったのは秋山郷の最奥に当たる「切明温泉・雄川閣」でした。

ここを訪ねるきっかけになったのは、江戸時代の文人で「北越雪譜」で知られる鈴木牧之が書いた「秋山紀行」です。

秋山記行・夜職草 (東洋文庫 (186))秋山記行・夜職草 (東洋文庫 (186))
著者:鈴木 牧之
平凡社(1971-01)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

この本によると、交通の便が極端に悪い秋山郷はまさに秘境の趣があったということで、平地のない隔絶した山奥に、いくつかの集落が営まれていた様子が報告されています。民俗学的にもひところは注目されていたエリアでしたが、最近はけっこう観光開発も進んでいるようです。

焼き畑で作った稗や粟を主食とし、小豆やこんにゃくの根、木の実や川魚を取って命をつなぐ生活は非常に貧しく、厳しい土地柄に適応するために、古い遺風や独特の生活様式が残されてきた秘境。その姿が明治以降もかなり残っていたといわれています。例によって、平家の落人伝説も残っています。鈴木牧之が残した絵図面が残されており、この地図でだいたいの地理的な感覚を知ることができます。

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こういう土地であるならば、もはや当時の面影は残っていないにしても、ぜひ一度は行ってみたいという好奇心で出かけました。場所としては信越国境にまたがる形で谷が形成され、新潟側と長野側に双方に集落があります。苗場山と鳥甲山にはさまれた狭い渓谷で、私が訪問した当時もかなりの難所でした。ただ道路はすべて舗装されており、バイクで十分に行くことができました。デジカメも持っていきましたが、なぜかあまり写真が残っていません。紛失したのかもしれません。

この時は、東京から行くと遠回りになりますが、まず新潟側の津南町方面から南に向かって秋山郷をめざしました。途中、見玉不動というお寺があり、ここまでは平坦な道で、ここの茶店で休憩しました。

この茶店で「平家の谷~信越の秘境 秋山郷」という本を見つけました。あとでじっくり読んでみたのですが、この本は昭和35年に発刊された本を昭和52年に復刻したのもので、近代以前から昭和初期あたりの秋山郷のようすが紹介されていました。

冬場は3メートルを越す積雪があり、無医村であったため、重病人を戸板に乗せて運んだ話し、過去の歴史の中で、飢餓によって何度も集落が滅びた話しなどが紹介されています。死人が出ても5月までは弔いもできなかったそうです。「秋山紀行」で鈴木牧之が泊まった民家は、集落の中でも裕福な家だったようですが、それでも食事の貧しさ、夜具のとぼしさなどに驚いたという話しが出ています。

下は昭和初期ぐらいの民家だと思います。写真は「秋山郷観光協会」のHPと、国立民俗学博物館のHPからお借りしました。近世以前だと、柱や床のない土間造りの広間型が多かったようです。

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国立民俗学博物館06

もちろん、私が訪問した時はそんな状況とは大きく変わっていたわけですが、途中の崖沿いの国道はかなり狭いヘアピンの連続で、舗装されているとはいっても道が荒れていてバイクをあまり寝かせることもできず、相当ゆっくりと走りました。途中から雨もポツポツと降ってきて、人家も途絶えたため心細かった覚えがあります。峡谷はかなり深く、苗場山を裏から見る景色も印象的でした。

「雄川閣」は実際に着いてみると、ちょっとロッジ風の新しい立派な宿でした。(財)栄村振興公社が運営する公共の宿です。ですから、あまり建物自体に秘境感はなく、ロビーなどは民芸調になっていましたが、まあきれいで設備の整った宿です。

雄川閣

ここで有名なのは裏の川原を自分で掘って入る露天風呂です。宿でスコップを貸してくれます。実際に行ってみると、掘るまでもなくすでに誰かが入った跡がたくさん残っていて、湯加減を調整すれば、けっこうそのまま入ることができます。

宿にも露天風呂があり、下の写真のような感じ(雄川閣HPからお借りしました)。私はこの露天に入った記憶がないので、当時はなかったのかもしれません。

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内湯は下の写真のような感じです(これもHPからお借りしました)。

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客室は普通の和室なのですが、夜になると蛾や蚊がものすごく部屋に入ってくるので困りました。「さすがに秘境の虫は強力だな」などと思ったのですが、20匹くらい退治したところで、あまりにおかしいのでよく調べてみると、高い天井の天窓のようなところがモロに開いており、そこから自由に虫が入ってきていました。それを閉めて、ようやく安眠することができました。

食事はあまり印象に残っていませんが、食堂で食べる非常に素朴な内容だったと思います。なぜか朝食しか写真が残っていません。夕食には「今日採ってきたやつだ」という山菜がたくさん出ました。


雄川閣朝ごはん

昔は栃の粉を溶いた汁を食べ、稗や粟などが口に入れば贅沢だという土地柄です。それに比べれば、ずいぶん豪華な食事内容です。

翌日はさらに厳しい山道を通って奥志賀方面に抜けました。道路が通れるかどうか宿の人に聞いたのですが、どうもよくわからないという感じでした。「奥志賀公園栄線」という道ですが、結果的には志賀高原に抜けることができました。自然のままのようなきれいな渓谷と、山の木々がトンネルのようになった幻想的な道で、まるで夢でも見ていたような感覚。どれくらいかかったのか、どんな思いで走ったのかといった記憶はあまりないのです。

その後、現地の様子はだいぶ変わってしまったことと思いますが、ほかにも「和山温泉」、「屋敷温泉」などの有名温泉があり、ぜひ再訪してみたい場所のひとつです。

[切明温泉・雄川閣](2004年8月宿泊)
■所在地 〒949-8321 長野県下水内郡栄村切明
■泉質 カルシウム・ナトリウム‐塩化物硫酸塩泉
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130年前の「藤村式」病院跡地。古民家を利用した自家製粉の蕎麦屋 [北杜市 蕎麦いち(転業したもよう)]

蕎麦が好きで、秋になるとおいしい蕎麦屋を目的地として出かけたりします。というわけで今回は宿ではなく、古い建物を利用した蕎麦屋さんの話です。その後の情報によると、この店はすでに蕎麦屋をやめたみたいなのでご注意ください。

前は中央道を走って、長坂の「翁」に行くことが多かったのです。有名な店です。しかしどうも創業者の手を離れて以来、味が変わったような気がするし、蕎麦屋としてはなんとなく敷居が高いというか、静かに食べないと怒られそうな雰囲気や、やたらと人気になって行列ができたりしているのがいやで、ほかを探してみることにしました。

それで行ってみたのがやはり長坂I.Cの近くにある「蕎麦いち」でした。朝早く家を出て、とりあえず野辺山まで行ってアイスクリームを食べ、お昼時になったら蕎麦を食べに行くという計画でした。しかし「蕎麦いち」の場所がどうも地図などでもわかりにくいので、まず先に所在地を確認することにしました。

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秋は気候がツーリングに最適なので、高速道路もバイクが増えますね。みんな高そうなバイクに乗っています。

しかし現地近くに行ってみても、どうしても見つけることができません。バイクで付近をうろついていると、富士山に珍しい雲がかかっているのが見えました。「このへんに住んでいる人は、富士山を見ているだけでも毎日あきないだろうな」などと思いながら探しました。でも、やはり見つかりません。

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付近で工事のための交通整理をしている兄ちゃんに聞いてみたら、「このへんの人間ではないのでよくわからないけど、確か蕎麦屋の看板が出ているところがある」というので、そこに行ってみました。そうするとありました、看板が。

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900mなのでまだ遠いですが、気づいてみると同じような看板が要所要所に出ていて、結局たどりつくことができました。住宅と畑と山林が入り交じったような寂しいところにあるので、ちょっとわかりにくいのは確かです。場所を確認できたのでいったん野辺山まで行ってソフトクリームを食べ、紅葉などを見物したあと、再び「蕎麦いち」に向かいました。

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渋い建物です。病院時代の看板もそのまま。だいたい130年くらい前の建物で、山梨特有の「藤村式」という擬洋風建築だそうです。なぜか当時の山梨県令が強くこの様式を推進したために、山梨県内にたくさん残っているということでした。確かにバルコニーらしきものも見えて、洋風といえば洋風のテイストもあります。

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また見方によっては病院跡なのでちょっと不気味。しかしよくぞこんな建物が残っていたものです。蕎麦屋さんが活用しなければ、取り壊されてしまったかもしれないので、すごく貴重だと思います。

こんな辺鄙なところにわざわざ蕎麦を食べに来る物好きは少ないだろうと思ったら、けっこう客が多くて、名前を書いて10分くらい外で待つことになりました。評判の店にはすぐ人が集まってしまうという、ヒマ人だけらの日本‥‥。そういう自分もそのヒマ人の一人なのでおとなしく待ちました。庭木や庭石も少し残っているので、見ているとすぐ呼ばれました。

内部も古い作りですが、ちょっとおしゃれな感じに改造してありました。民芸品や陶芸品みたいな飾りもあります。でも床や柱など内装のほとんどは当時のものらしく、かなり古びた感じになっています。

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かんじんの蕎麦はやはりそれなりにおいしかったです。十割の細めの麺で、白っぽい蕎麦でした。碾きぐるみとか、田舎系が好きな人には香りなんかが、ちょっと物足りないかもしれません。当然自家製粉で、たぶん石臼碾きをしていると思います。

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蕎麦の量は少なく、いろんなおいしい蕎麦屋さんがある中で、遠くから何度も行きたいかといわれると、ちょっと悩むところです。建物が非常に珍しいので、一見の価値はあると思いますが。このへんに別荘でも持っていればいいのですが(笑)。

次の客が待っているのでさっさと食べ終わり、裏の駐車場に出てみました。家の裏手はまさに古民家のような外観になっていて、柿がなっています。畑や田んぼの向こうには八ヶ岳が。秋らしいいい風景でした。

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清里、野辺山あたりは秋に行くとひときわ爽快感を感じます。そうした観光のついでに見学するのもいいかもしれません。

※読者様からの情報によると、現在は蕎麦店としては営業していないようです。

[長坂・蕎麦いち](2008年10月訪問・現在は転業しているもよう)
■所在地 〒408-0012 山梨県北杜市高根町箕輪1830
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岡山駅近くの居酒屋で、おいしい「いいだこの煮付け」に遭遇 [ホテルグランヴィア岡山]

仕事で出張する時も、最近はなるべくボロい旅館を探すのですが、以前はやはり便利さ優先で選んでいました。岡山駅周辺で宿を探した時に、駅のすぐ横にあたる便利な場所にみつけたのが「ホテルグランヴィア岡山」です。駅に直結しています。素泊まりで一泊しました。

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この時は朝から京都で仕事を済ませ、そのあと岡山で一泊。翌日岡山の「高島」という駅で仕事があって、さらにそのあと高松に渡ってひと仕事をした上で、飛行機で帰ってくるという、けっこうあわただしいスケジュールでした。なので、あまり風流な宿を味わう余裕がなかったのです。市内の城や庭園の見学もできませんでした。

新幹線で京都駅から岡山駅について外に出ると、何やら猿をひきつれた変なこどもの侍の銅像がありました。地元では有名な英雄か何かなのか。この侍の視線の先にちょうど「ホテルグランヴィア岡山」があって、探す手間もかかりませんでした。

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外観は下の写真のような感じ。大規模でけっこう豪華なイメージです。写真はホテルのHPからお借りしました。

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まさに駅前。部屋の窓から外を見ると、鉄道線路がよく見えます。しかし岡山も古い街なので、いい感じのボロ宿もぜったいあると思うのです。今から思うと残念。今度行く機会があれば、そういう宿を探してみたいと思います。

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とにかく、もう夕方なので食事をしに出かけました。例によって地元民限定みたいな怪しい居酒屋を探して歩きました。地方の新幹線の駅前というとビジネス街みたいになっているところも多いのですが、岡山はちょっと裏に入ると飲食店街があり、けっこういい感じの店も多く、店探しで楽しめました。

いきなり目立っていたのがこれ。

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ここに入ってもよかったのですが、ちょっとおもしろ過ぎる点と、せっかく瀬戸内地方にきたからには焼鳥やホルモンより魚が食べたいと思って、さらに歩き回りました。その結果みつけたのが駅にも近い「居酒屋 樽げん」という店でした。ここもそんなに怪しい雰囲気を持った店ではなく、けっこう大きめの普通の居酒屋です。でも魚がいろいろありそうだったので決めました。

店に入ると店番はおっちゃんひとりで、客はテーブル席で飲んでいるサラリーマン2人しかいませんでした。カウンターに座ってビールを頼んで、「何を食べようかな」と貼ってあるメニューなどを見ていましたが、よく見るとカウンターの上の大皿に並べてあるいろんな種類の惣菜がおいしそうです。

大根や魚の煮たやつとかいろいろあって悩んでいると、おっちゃんが「今日はいいだこの煮付けがうまいよ」というので、じゃあ、と思って頼んでみました。これが感動的においしかったです。この時まで私は「瀬戸内海のたこなんて有名なだけで、うまくない」という偏見を持っていましたが、やはり地物はうまいということを改めて実感しました。

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そのほか野菜のてんぷらなどもすごくおいしかったです。

調子にのって地酒も飲んでみましたが、これは私の口には甘過ぎました。でも2本飲みました。

飲んでいるうちにだんだん混んできて、地元民が多いなか、やはり駅に近いせいか、あきらかに出張できたような一人客もいます。私のすぐ隣に座ったそうした“よそ者”の一人が、カウンターの上の大皿をみていかにも素人丸出しで悩んでいるようなので、「いいだこがうまいですよ」と教えてあげました。その“よそ者”は「いいだこっていうと‥‥、どれですか?」などといっていて話にならないので、親切に教えてあげました。

おつまみがおいしいと長酒になってしまいますが、この日は翌日の仕事もあるので本気を出すのはやめて、早々にホテルに引き上げ。朝起きると部屋に朝刊が届いていました。「こういうところが、ちゃんとしたホテルらしくていいなあ」などといまさら感動しつつ地元新聞を読みました。地方に行った時に地元新聞を読むのはすごくおもしろいです。

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朝食は駅ビル内の朝からやっている定食屋で。こういうメニューは日本中どこにいってもだいたいおなじ。お天道様と米の飯はついてまわる。

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岡山駅に行ったのは、20代前半のツーリング以来でした。そのときも岡山駅周辺で昼ごはんを食べたのですが、当然、駅自体がまったく変わってしまっていて、当時の面影はありません。まるで別の都市にきたようでした。いずれ再訪する機会もあるはずなので、できればじっくりとお城見学などをしたいと思っています。

[岡山・ホテルグランヴィア岡山」(2008年4月宿泊)
■所在地 〒700-8515 岡山県岡山市北区駅元町1-5
■楽天トラベルへのリンク→ホテルグランヴィア岡山
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歴史資産をいかに守るか。ぎりぎりがんばっている老舗旅館 [高崎・豊田屋旅館]

高崎は何度も通っているけど、東京から近いせいか宿泊したことのない町です。昨年用があって行った時に、昔から交通の要衝なので「けっこう渋い建物があるかな」と思っていたら、いきなり駅のすぐ近くにありました。

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それが「豊田屋旅館」です。まわりは味気ないビルに囲まれていますが、軒先の唐破風づくりなど、見るからに光り輝くような個性がありました。これが駅から市役所にいく途中の広い道路脇に、普通に残っていました。外観を見ただけですが、私としては、もうすごく魅力的でした。

後で調べてみると、昭和初期の建物で創業はもっと古いみたいです。昔は高崎の著名な駅前旅館だったようですが、再開発でじゃまになり、建物ごと移動した上に、料亭みたいな商売に変わっているようです。昔は規模ももっと大きかったようです。

結局のところ、高崎の西口は本当にどこにでもある田舎町のターミナルみたいになっていました。高崎のような昔から宿場として栄えたところは、こんな旅館が町の顔としてあったほうがはるかに魅力的なのに、なんであんな風に無味乾燥に作り替えてしまうのか。まったく理解できません。


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関係ありませんが、行ったのは去年の2月なので、高崎商業の選抜出場を祝うのぼりなどがあちこにありました。

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また駅には、一応昔の高崎駅のタイル絵が貼ってありました。いまさらながら昔の価値に気づいたのかもしれません。

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もし、この時代の高崎にこれたら、どんなにおもしろかったでしょう。

そんなことをいくらいってもしょうがないので、展望台がある市役所をめざしました。私は一般論として、地方自治体がこんな豪華な施設を作ることには賛成できません。でもそこは高崎市民ではないので、なんともいいようがないわけです。一応見に行きました。ここの眺めがすごいものでした。

まず浅間山。この日は少し霞がかっていましたが天気がよく、よく見えました。危険な山だと知りつつも、つい拝みたくなります。

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さらに東方向には前橋市街の向こうに赤城山らしき山塊が。私の価値観としては、歴史的背景だけでなく、非常に恵まれた自然環境の中にある町だということが実感できます。町の発展という観点では逆説的な言い方になりますが、もしこのあたりに与党の有力政治家が次々と出ていなければ、もっと素朴な状態が残されていたかもしれません。

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さらにもっと近くの西側には謎の観音様が。

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この観音様、ものすごく目立ちます。市役所から見ると、南西方面だと思うのですが。なんか妙義山らしき山影も見えるような?

このあと駅前の裏通りなどを少し歩いてみましたが、けっこう古い建物が残っていて、やはり相当な歴史がある町だということがすぐわかります。あのあまりにもひどい駅ビル(ただのさえない大型ビル)さえなければ、まだしもどれだけいい雰囲気だったことか。

再開発の問題に踏み込むと、いろんな議論があって収拾が付かなくなります。また何でも古ければいいという議論は現実的ではないとも思います。

しかし、私としては目に見えにくい文化的資産というものに対して、もう少しデリカシーを持ってもいいのではないかと思います。別に観光でもうかるとかそういう意味ではなく、民間はまだしも行政は、「価値なし」と見なして壊す決定を、なるべく簡単に下さないないようにしてほしいのです。

そういう気持が強かったせいか、帰りの電車もついビールを飲み過ぎてしまいました。東京にはすぐ着いてしまうのに。

さらについでに「だるま弁当」と、「D51弁当」を買ってしまいました。これらの弁当は、おかずにこんにゃくが多すぎるという難点はありますが、伝統的な中身を持ったおいしい駅弁で、しかも最近では陶器製の復刻版「だるま弁当」もあるみたいです。その容器はすごくほしい(笑)。

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そういうわけでこの時は、何度も通過していながらほとんど立ち寄ったことがない“高崎”という町をかいま見る機会となりました。まあ、ちょっときつい言い方をするようですが、やっぱり「役人や政治家に街づくりさせちゃダメだ」、というのが正直な感想でした。今回は文句ばかりで、大変もうしわけありません。

[高崎・豊田屋旅館](2009年2月見学)
■所在地 〒370-0849 群馬県高崎市八島町68
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設備の整った快適キャンプ場。意外なほどいい貸し切り温泉付き [塩原グリーンビレッジ 福の湯]

ちょっと古い話しになりますが、お金をかけずに温泉に行こうと思い立ち、キャンプ場付設の温泉に行くことにしました。それで行ってみたのが「塩原グリーンビレッジ」というキャンプ場です。静かな山のキャンプ場で焚き火を起こし、星を眺めながらバーボンでも飲もうかな、などと期待していました。

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昔からけっこうキャンプが好きで、テントひとつでどこにでも寝ていた時もありました。近頃世の中も世知辛くなり、キャンプ場でないところでテントを張るのは難しくなってきました。「塩原グリーンビレッジ」は、いかにもファミリー向けの甘っちょろいキャンプ場だとは思いましたが、温泉があるのが魅力で選びました。

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バイクなのであまり荷物は詰めません。その窮乏を楽しむのがキャンプの醍醐味であり、四輪で大量の物資を持ち込む最近のキャンプには与しません。ただ今回はテントをやめて、軟弱にもバンガローに泊まることにしました。行ってみるとまさに典型的なオートキャンプ場です。何しろ炊事場や水場、トイレなどの設備が完全に整っているのはもちろん、売店ではバーバキューや鍋物用の食材セットや燃料まで売られているのです。


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こんないたれりつくせりの環境でやってキャンプといえるのか、と思いましたが、やはり温泉だけはありがたかったです。塩原温泉郷の中でも「福渡温泉」は「岩の湯」とか「不動の湯」とか、ワイルドな露天風呂が有名ですが、現実問題として、女性が入れるような雰囲気ではありません。

このキャンプ場には「福の湯」という日帰り温泉施設が付いているほか、貸し切り風呂などもあるのです。料金は高いですが。私たちは貸し切りのひとつ「展望のゆ」というのに入ってみました。ここが想像以上にいい雰囲気の風呂で、箒川を見下ろす崖上の森の中にあり、すごく眺めがいいのです。お湯もふんだんにかけ流されていました。

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夏場のバイクツーリングはヘルメットの中がどうしても蒸れて頭がカッパみたいになるので、お風呂に入れるのはありがたいのです。ここですっかり気分もすっきりしたので、食材を買いに塩原の市街地に出かけました。


街の人に聞くと「一応スーパーがある」というので行ってみると、小さい店がありました。生鮮食品もおいてあるので、いつもキャンプの定番メニューになっているカレーを作ることにして、肉や野菜なんかを買い込みました。ここにあった牛肉は、半年くらい前に冷凍した合成肉でいかにもまずそうです。しかしほかを探すのも面倒なのでそれを買いました。

結果的にこのカレーは古い合成肉のおかげで、カレーとしてはありえないほどまずいものになりました。しかたなく食べましたが‥‥。およそカレーのような味の濃いメニューでも、あまりにひどい肉は使えない、という教訓になりました。それ以来、どこに行っても古い肉は買わないようにしています(笑)。

夜、少し近所を散歩してみたら、クリスマスでもないのにライトアップしていました。

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こういうものを求める観光客が実際に多いのか、あるいは静けさと自然を楽しむキャンプとしては場違いなところにきてしまったのか。よくわかりません。しかし考えてみれば、自分自身も「温泉があったほうがいい」とか、「カレーがまずい」とか、軟弱に流されていることに気が付きました。


そうしてみると、外でバカ騒ぎをしている高校生ぐらいのグループのうるささも、自業自得のこととあきらめる気持になったのです。

[塩原グリーンビレッジ](2005年7月宿泊)
■所在地 栃木県那須塩原市塩原1230
■泉質 ナトリウム・炭酸水素塩泉
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ひと気のない早朝の札幌市内を彷徨。おつまみはついに見つからず [札幌プリンスホテル]

たまには親孝行でもしてみようと、昨年義理の母の誕生日に合わせて北海道旅行に行くことにしました。私自身、北海道は何度も行っていて毎回おもしろいので、初めてならなおさら楽しめるだろうと思ったのです。食べ物もおいしいですし。

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それでツアーの団体旅行に申し込むことにしました。私はこういうのに参加したことはなかったのですが、自分の好みでとんでもないボロ宿に泊まるわけにもいかず、義理の母もけっこういい年です。バスに座ったままで、ひととおりの観光スポットを回ってもらえるツアーのほうが楽でいいだろうと思ったのです。あとなんというか、最近のツアーはえらく安いので驚きました。

あまり欲張ると疲れるので2泊3日コースにしましたが、初日に千歳空港から旭山動物園~美瑛~富良野を回り、そのまま札幌に戻って宿泊。次の日は小樽~函館を一気に駆け抜け、大沼プリンスホテルに宿泊するという、けっこうハードな日程でした。2泊ともプリンス系ホテルを利用するというツアーでした。

とにかくツアーの名札を胸に付け、札幌観光「ラベンダー号」に乗り込んで、初日から長距離をまわりました。ようやく札幌プリンスホテルに到着したのが、もう暗くなりかけた時間。泊まったのはプリンスホテルのタワー棟ではなく、隣の「国際館パミール」という棟で、食事はタワー1階のレストランでバイキングでした。

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バイキングにはカニとかお寿司とかいろいろそろってはいるのですが、安いツアーだけあってどうも味的にはいまいちで、唯一焼きたてを食べさせる帆立焼きの屋台には、長蛇の列。あまりにも貧乏くさいので気分も盛り上がらず、食事の後はお決まりの時計台のライトアップでも見に行くつもりでしたが、母親は「今日はもう疲れた」というので、どこにもでかけずに寝てしまうことにしました。

札幌プリンスホテルは高級とまではいえなくても、まあ普通レベルのホテルだと思いますが、やはりツアーのバイキングでは、せっかくの北海道の食事としてはいまいちだと思いました。安いので文句はいえないのですが。

さてこのあと、部屋で少し飲んで、かみさんと母親は同室に引っ込みました。しかし私はひとり夜中の3時頃に目が覚めてしまいました。軽くお風呂に入ると、例によっててビールでも飲みたくなりました。もともとふだんから変な時間に寝たり起きたり、ビールを飲んだりするくせがあるのです。

ビールはホテル内にいくらでもあるのですが、せっかくだから外に出て、何か北海道らしいものを食べながら飲んでやろうと思って、明け方の4時前くらいに一人ででかけました。

札幌プリンスホテルは地下鉄の「西11丁目」という駅の近くで、周囲にはそんなに店があるような立地ではありません。ホテルのすぐ前には「吉野家」があって、もちろん営業しているのですが、札幌まできて牛丼を食べてもしょうがないので黙殺。それにおなかがすいているわけではないので、ほんのちょっとした北海道らしいおつまみがほしいだけなのです。

駅のほうに行ってみると地下鉄駅はシャッターが降りたままで、もうけっこう明るいのですが、さすがに大通公園は人影もなし。誰もいない大通公園なんて初めてみました。

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どうもこっちは店がなさそうなので、裏の通りに入って「狸小路」を目当てに歩いていると、行く手に絶好の汚い飲み屋街を発見!! しかしどの店も閉まっていました。

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狸小路に入ってそのまま東に向かって歩いていくと、店はけっこうありますが、やはり営業は終わっています。明かりのついたラーメン屋もありましたが、もうのれんを仕舞っていました。

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さらに狸小路を行くと、突然みちばたでドラキュラと魔女がタオルで汗をふきながらタバコを吸っていました。「こいつら何者か」と思って、近づいてみると、どうもスリラーカラオケか何か、その手の店のスタッフの仕事明けのようでした。外で一服するんだったらメイクを落してからにしてもらわないと、一瞬髪の毛が逆立ちます。とはいえ、「札幌の若者もいろいろ苦労して働いているんだな。ご苦労さま」と心の中で声をかけて通りすぎました。

そうしているうちに、ついにテレビ塔まで歩いてしまいました。これだけ歩いて、結局営業している手頃な店を見つけることはできませんでした。

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しかたがないので、今度は大通公園に沿ってホテルまで戻りました。「まあ朝の散歩も悪くないし」と、時間をわきまえないまぬけな企画を正当化しながら、でもビールは何としても飲まなければいけないので、泣く泣く「吉野家」に立ち寄りました。

もう完全に明るくなった外の景色を眺めながら、ホテルの部屋で牛丼ビール。いったい何のための彷徨だったのか、とむなしくなりますが、今になって考えるとひとけのない札幌市街なんてあまり見られないわけなので、逆におもしろかったと思います。

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義理の母は翌日、札幌場外市場で活きのいいカニなんかを見て、気分が復活。同じツアーの奥さん方とも打ち解けたせいもあって、やたらと元気になりました。よかった。よかった。この後、小樽~函館も長い旅路でしたが、元気いっぱいに楽しんでいました。

毛蟹は宅配で送って家で食べましたが、本当においしかったです。

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[札幌プリンスホテル](2009年7月宿泊)
■場所 〒060-8615 北海道札幌市中央区南2条西11丁目
■楽天トラベルへのリンク→札幌プリンスホテル
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灯台もと暗し。近所で見つけた謎の物件 [荻窪 西郊ロッヂング]

私は化学調味料世代なので、荻窪系の醤油ラーメンがけっこう好きで、たまに食べに行きます。だいたい「丸福」に行くのですが、この時は「春木屋」へ。この近所で見つけたのが「西郊ロッヂング」です。

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過去、「春木屋」が大人気だった時代と比べて味も変わったような気がするし、現在はたいして行列もできませんが、たまに食べたくなります。でもやっぱり800円というのは、ラーメンの値段としては高いですね。

その帰り、散歩がてら阿佐ヶ谷方面に歩いている時に、青梅街道から少し南側にはずれたところに発見しました。

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なんでしょう、これは。ドーム型の天井も見えます。「旅館西郊」という看板もあるので宿には違いないはずです。あとでネットで調べたら、元は昭和13年築の高級下宿で、現在は賃貸マンションとして使用されている古い建物のようで、それなりに知られた物件らしいです。

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周囲を回ってみると、けっこうボロい建物ですが、やはり旅館もやっているようです。あまりにも近いのでここに泊まるということはないわけですが、なんとか中を拝見したいものです。

[西郊ロッヂング](2010年1月見学)
■場所 東京都杉並区荻窪3-38
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番外編・フィリピンで見た印象的な街並み [ブキドノン市 パインヒルホテル]

旅行が好きであちこち行きますが、海外旅行となると数えるほどしか行っていません。しかもたいてい仕事関係の用事で、自分が目的地を選んで行った海外旅行はほとんどありません。海外旅行も行けばおもしろいことはわかっているのですが、国内に行きたいところがありあまるほどあるので、どうしても国内優先になってしまいます。

また“ボロ宿”にしても、海外に目を向けると日本とは意味が違ってくるので、このブログでも基本的に除外しています。

昨年フィリピンに行きましたが、これも仕事でした。実際に行って思ったのですが、やはり日本は豊かというか、日本の旅では「ボロ宿が好き」などといっていられますが、フィリピンあたりに行くとそんなあまっちょろいもんではないな、ということです。

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本物のスラムもありますし、ホームレスも日本みたいにこぎれいにしているのはいなくて、かなりヤバそうな感じばかりでした。

しかも私がいったのはマニラなどの都会ではなく、ミンダナオ島の田舎町です。マニラからミンダナオ島のダバオという都市まで国内線で行って1泊し、翌日そこからさらにチャーター便に乗りました。

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こんな感じのプロペラ機です。小さいですが割と立派でした。でも乗る前に体重申告や荷物の重さチェックなどがあり、かなり能力ギリキリの客を乗せての飛行でした。案の定、途中の山を越えるのにえらく苦労をしたそうで、帰りは荷物は別便で送ることになりました。

行ったのはバナナやパイナップルのプランテーション。広大な農地が広がっていますが、そのところどころに農場労働者の集落があり、これが掘っ立て小屋というか、柱と布でできている感じで、現在の日本ではもはや見られないようなボロい家でした。気候や風土が違うので住宅も日本とは違ってあたりまえですが、防寒の必要性が薄いことも大きいかもしれません。よく見学したかったのですが、車であっという間に通りすぎてしまいました。

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この日泊まったのが、ブキドノン市という町にある「パインヒルホテル」です。ここがけっこうなボロ宿でした。でも現地としては可能な限りのいいホテルだったのだと思います。ホテルへは車で行きました。

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ブキドノン市内-1
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ホテルはかなりにぎやかなエリアにあって、屋台や夜店も目につき「なかなかおもしろそうなところじゃないの」と思ったのですが、現地の人に「このへんを日本人がひとりで夜歩きするのはあまりよろしくない」といわれたので、食事以外はホテルに引きこもっていました。

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しかし地元民はホテル前の広場にも夜中まで集まっていて、楽しそうに遊んでいます。あのへんの屋台でちょっと「サン・ミゲル」でも飲みたいな、という誘惑にかられたのですが、私的旅行ではないのであきらめました。

とにかくここらのほとんどすべての建物がかなり古い廃墟みたいな感じで、ホテルはその中では比較的立派な建物でした。室内も殺風景ではありますが、ふつうに清潔でタオルや石けんなども付いています。しかしお湯の出が悪くて、突然ほとんど水しか出なくなったりします。結局給湯パワーに限界があり、何人かが同時に使うと出る量が少なくなるということのようでした。

海外に行けばこういう例はよくあることでしょうが、あまり慣れていないのでなかなか大変でした。

翌日、再びチャーター機に乗ってセブ島に向かいました。セブ島といえば日本でも人気のマリンリゾートで、宿泊するのは前日とうってかわって、リゾートホテルの「シャングリラ」ですから、いきなり豪華になりました。

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こんな感じ。客は日本人も多かったですが中国人、韓国人がやたらと多かったです。ホテルに荷物を置いたあと、セブ市内の見学に行ってみました。旅行客の多いリゾート地とはいえ、通りにはホームレスもいましたが、思いっきり汚かったです。

「カルボン・マーケット」という地元民向けの市場にも行ってみました。ここは戦後の闇市というか、アメ横というか、かなり活気があり、なかなかおもしろいところでした。

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もうこのへんはボロい住居や崩れそうなビルの宝庫で、思わず目を奪われましたが、やはり治安上は問題があるみたいで、前後を現地の人に警備してもらい、しかも「あまり立ち止まるな」といわれて、さっさと歩いて見学したのであまりゆっくり見学もできませんでした。

学生時代の友人に「ハゲフィリピン」というあだ名のやつがいましたが、「あいつならここに溶け込んで、なんの問題も起きないだろうな」などと妄想しながら歩きました。しかし現地人はみんな明るく庶民的なムードで、なかなかいい感じでした。

結局、日本と比べると貧富の差がかなり大きいということでしょうか。私が見たのはフィリピンのほんの一部ですが、ボロい家は本当にボロく、一応屋根が付いている程度という感じ。

しかしどこかスペイン風が混ざっているせいか、私としてはボロい街並みにもそれなりに個性と風情を感じてしまい、なかなか印象深い経験でした。いずれは仕事ではなく、個人旅行でもう一度訪問してみたいと思っています。

[フィリピン ブキドノン・エリア パインヒルホテル](2009年2月宿泊]
■場所 ミンダナオ島ブキノドン市(あとはよくわからない)
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菅野美穂が「愛情一本!」と叫ぶ。感動の旧車両路線 [ひたちなか海浜鉄道]

2009年10月に、用事があって茨城の平磯という駅までいきました。このとき乗車したのが「ひたちなか海浜鉄道湊線」というローカル私鉄です。常磐線の勝田駅から、阿字ヶ浦までの間を結んでいます。

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鉄道旅は好きなのですが、あまり各地のローカル線についての知識はありません。単にネットで乗り換えを調べてでかけただけなのですが、いってみてあまりの電車のボロさにびっくりしました。これだけ古い車両を使っているからには、おそらく名のあるローカル線だろうと思ったら、やはり鉄道ファンの間では有名な路線であることが後からわかりました。

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電車の中もなかなか古くていい感じです。やはり写真を撮りにくる人が多いらしく、運手士のじゃまするなとか、いろいろ注意書きも書いてありました。その中の情報によると帰りに乗った電車は、「キハ222」という立派な車号を持ち、羽幌炭坑鉄道に使われていた車両らしいです。そのため運転席には雪国特有の雪除けの旋回窓がついており、これは非常に珍しいということでした。

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電車をみた瞬間から古さに感動していたのですが、途中駅にはそれを上回るような古い廃車がいくつも置いてあり、それも見物でした。

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いったい何のためにこんなにたくさんの古い車両を展示してあるのか。鉄道ファンを集客するための仕掛けなのかもしれません。

それ以上に気になったのが、途中の「金上」という駅でみつけた温泉宿の看板です。「長者ケ谷津温泉・旅館山田屋」と書いてありました。こういう温泉地らしからぬところにある温泉には、なかなかのボロ宿が多いので、ぜひ見学したいところでしたが、このときは果たせませんでした。

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あとで少し調べてみたところ、嘉永年間からの古い温泉で、農家風の素朴な建物に狭い石風呂があり、宿泊もできるようです。ぜひ今度行ってみたいと思っています。

電車は狭い住宅街や林や畑の中を抜けていきます。なかなかいい雰囲気の風景が続きます。

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このときは平磯駅で電車をおりました。この駅には一応ちゃんとした駅舎がありましたが、駅舎に隣接するスーパーマーケットは廃墟になっていました。それ以外は普通の住宅が多かったですが、海産物の加工工場や蔵造りの古い建物があり、ちょっと独特のムードでした。

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あまりにも見どころが多いこの鉄道は、実際のところよくロケなどにも使われているそうです。現地の人に聞いたところ、チオビタドリンクの、菅野美穂ちゃんがホームで走りながら「愛情一本!」と叫ぶCMも、この路線の「那珂湊」駅あたりで撮影したということでした。

この鉄道も経営的には苦しいのだと思いますが、非常に貴重な地域の足であり、文化遺産だと思うので、がんばってほしいと思います。このときは日帰りの旅でしたが、こういうところには思わぬボロ宿もあるはずなので、やはり1泊くらいするつもりで出かけたいものです。

[ひたちなか海浜鉄道湊線](2009年10月乗車]
■区間 勝田(茨城県ひたちなか市)~阿字ヶ浦(茨城県ひたちなか市)

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混浴露天・貸し切り露天・バラのお風呂など、いろんなお風呂が楽しめる [老神温泉 伍楼閣]

池波正太郎著・「真田太平記」で、非常におもしろく展開する沼田城の攻防戦。上越2国を結ぶ要衝である沼田城は、上杉、武田、北条、真田などが入り乱れて、戦国時代から入れかわり立ちかわりで治めてきた落ち着きのないお城。

真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)
著者:池波 正太郎
新潮社(1987-09-30)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
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「真田太平記」の中で、たしか老神温泉に隠れて城の奪還の機会をうかがう土着豪族の話しが出てきたような気がします。それと関連して確か金子某という弱小土着勢力がいたはずですが、その金子氏が老神温泉付近に拠点を持っていたような記述があったような。てきとうな記憶ですが、そんな古い歴史を持つ「老神温泉」を訪ねようと、まだ寒い時期に出かけたことがあります。上越線の沼田駅から20kmくらいのところにあります。

沼田駅に着くと、改札の外にすぐ出発する老神温泉行きのバスが。あわてて走って乗ったところ、どうも様子が変なので、運転者さんに「このバスは老神温泉に行きますか?」と聞いたところ「いや、このバスは行かないよ」というではないですか。カン違いでした。

そうなるといったん駅に戻るしかないと思い、降りてまた反対側のバス停で沼田駅行きのバスを待つことにしました。しかし運転手さんが同情した顔で告げたのは、「次の沼田駅行きのバスというと、結局このバスが終点まで行って戻ってくるのしかないんだから、それまでは1時間くらいはかかるよ」という衝撃の事実でした。

知らない土地に行ってこういうはめになるのは、やはり慎重さに欠けていたということです。バスに乗る前によく確かめればよかったとしかいいようがありません。

とにかくバスを降りて、タクシーを呼ぶことにしました。ちょうどバッティングセンターがあったので、そこの休憩所に入って待たせてもらい、タクシーは10分くらいで来ました。それで駅まで戻って再びバスに乗る手もあったのですが、もう面倒なのでこのまま「老神温泉」に行ってもらうことにしました。運転者さんによると「5000円くらいで行ける」ということでした。

タクシーはバッティングセンターから老神温泉に向かって走ります。沼田の駅は谷底の平地にあり、そこから急激に登った高台に市街地や崖に沿った沼田城址があって、タクシーも付近を通過しました。運転手さんは話し好きというか、歴史好きで沼田城がいかにすばらしかったかを延々と語ってくれました。

「だいたい関東地方で五層の天守というのは、古くから江戸城と沼田城しかなかった。すごく遠くからでも沼田城は見えたと伝えられてる。城は壊されて昔の面影はないけれど、あれが残っていたら姫路城なんかめじゃない。名胡桃には付け城の跡も残っている」などと、やたらと詳しいのです。池波正太郎の本に影響された私にとっては、なかなかおもしろい話しが多かったです。

そのうちに山奥の閑散とした老神温泉街に到着。結局料金は6000円近くになり、メーターをにらんでいた私は「このクソオヤジ、5000円っていったじゃないか」と思っていましたが、到着すると運転手さんは5000円に負けてくれました。運転手さん、その節はいろいろありがとうございました。


老神温泉街は川沿いと起伏のある土地の上下に広がっていますが、廃業したような飲食店も多く、人かげも少ない。かなり寂れたムードでしたが、「伍楼閣」は思わぬ豪華旅館でした。

部屋に通してもらい、お茶菓子なんかをチェックしていると上品な女将が挨拶にきました。「このたびはご利用いただきましてありがとうございます」とかなんとか。女将がいちいちあいさつに出るとは、いつも泊まっているようなボロ宿ではありえないことで、「北温泉」のおやじに見せてやりたいものです。

こっちは緊張してしまい、「いや、まあよろしく頼みます」などと鷹揚にいいましたが、持ち込みの隠し酒のことも気になったり、落ちつきませんでした。貧乏そうな客にはあまりあいさつに出ないとか、少し客筋を見て配慮してもらいたいと思います(笑)。

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(↑宿のHPより)

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さっそくお風呂に行きましたが、内湯、露天風呂、貸し切り風呂など種類が多く、貸し切り露天も広くて、ずいぶんぜいたくにお湯をかけ流しているとてもいいお風呂でした。混浴露天は2段くらいに浴槽が分かれていて、お湯加減もちょうど良く、なかなかのいい風呂です。その割に人がいないので「これはけっこう穴場なのでは」と思いました。無色透明のクセのないお湯でした。

内湯にいってみるとバラの花が浮いています。これは女湯はともかく男湯にはいらないのでは、と思いました。バラの香りに包まれて入浴するオヤジの大群‥‥。仲間に入りたくない、まさに地獄絵図‥‥。それでも入りました(下の写真は宿のHPからお借りしました)。

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食事も詳細は忘れてしまいましたが、かなり豪華で凝ったやつで、おいしかったです。確か、けっこう古い梅酒も出してもらい、ふだんあんまり梅酒は飲まないのですが、おいしかった記憶があります。

夜は結局風呂にばかり入っていて少ししか外に出ませんでした。一応歓楽街らしきものもあり、営業もしているようでしたが、あまり流行ってはいない感じでした。

「老神温泉」は、場所的には尾瀬や日光などの観光地にも近いいい場所にあります。しかしどうも温泉街としてアピールする場合、いまいち個性が足りないような気がしました。とにかく「伍楼閣」は私が求めるボロ宿ではありませんが、お風呂だけでもじゅうぶん価値があるいい宿でした。

翌日は遅めにバスで沼田駅に向かい、駅前のそば屋に行きました。沼田は上越方面に行く場合必ず通る場所で、バイクでも何回も行っています。沼田付近を通る場合、駅前食堂のような「あがりや」でそばを食べるのが恒例行事になっています。ここは自家製の手打ち麺を使っていて、太さが不揃いだったりするのですが、かなりおいしいです。

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昔沼田に来た時に、地元のおっちゃんに「うまいそば屋」を聞いて食べたのが最初です。地元の人々は意外とそばを食べずに親子丼とかを食べていました。それもまたおいしそうでした。

沼田駅前も再開発が終了し、最近は駅前の商業ビルにこぎれいなそば屋さんも入っています。ここも後で行ってみておいしかったのですが、やっぱり「あがりや」とは比較になるレベルに達していません。新店開業によって、もしかしたら観光客は減ったかもしれませんが、地元の人々にはあいかわらず支持されていると思います。

[老神温泉・伍楼閣](2007年3月宿泊)
■場所 〒378-0304 群馬県沼田市利根町老神602
■泉質 単純泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
■楽天トラベルへのリンク→老神温泉 伍楼閣
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