秋田の能代に行ってきました。今年の2月にも奥羽線で通ったところですが、その時はすごい寒波でした。その記憶があるので、今回はまだ11月とはいえ、重装備ででかけました。朝早く「こまち」に乗って東京駅から出発。秋田で奥羽線の普通列車に乗り継いで、さらに1時間以上行くと東能代駅に到着。今年の2月とは逆のコース。東能代に着いたのは2時過ぎくらいです。実感として、東京から能代に行くのは、北海道や九州より遠い。この日は東能代で用事を済ませて、タクシーで能代駅に向いました。

タクシーの運転手さんによると、バイパス沿いに商業集積エリアができたせいで、中心市街地の商店街はまったくダメになったそうです。まさにシャッター通り。「若い人が出ていってしまうからねぇ。若い人も別に出たくはないのだけれど、就職口がないから。人口も減っていて、ちょっと前に合併で少し増えたけど、せいぜい6万人ちょっと」ということでした。

能代駅に着いたのは5時くらいで暗くなりかけていました。

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能代駅は東能代駅から分岐する五能線の駅で、駅前はかなり立派。寂れてはいますが、昭和の駅舎という感じで、いい雰囲気です。駅中に売店もあります。この日の宿泊はすでに予約済の「駅前旅館」です。宿の名前が「駅前旅館」。珍しいので予約してみました。

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まさに駅のすぐ近く(歩いて30秒くらい)に立地。建物はそんなに古くはない感じですが、典型的なビジネス旅館の雰囲気があって、気に入りました。予約の時に電話に出た女将さんの感じが良く、この日も暖かく出迎えてくれました。

2階の休憩スペースにはすでにクリスマスの飾りが出ていました。

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部屋は和室にベッドという、昔たま~に見られたパターン。貧乏くさいのは確かですが、とにかく全体的に清潔で掃除が行き届いていて快適です。

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女将さんと夕食の時間を相談したところ、「早いのが良ければ、すぐにでもできます。遅いほうが良ければ8時くらいからでも大丈夫」というので、とりあえず外に出て、先に周辺を探索することにしました。

というのも、タクシーの運転手さんに聞いた話しでは、「駅の周辺に飲み屋などはまったくないけれど、ちょっと歩いて柳町まで行けばけっこうある」ということでしたので、一応、偵察しておこうと思ったのです。「よさそうな飲み屋があったら、夕食のあと飮みに出てもいいな」という魂胆です。

「散歩に行く」というと、女将さんは「自転車を使いますか」と聞いてくれたのですが、知らない土地なのでまず歩いてみようと思いました。女将さんが市内のイラストマップをくれたので、それを持って外に出ました。

駅前のロータリーを抜けて、大きな通りに出ると、シャッター街が並んでいます。その交差点の角に大栄百貨店という店の廃墟がありました。1階には明かりがついていて、喫茶店らしき商売をしているようでした。

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近くにいってみると、喫茶店でもあり古本屋でもあり、無料休憩スペースでもあり、たぶん公共の施設のような感じでした。

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ここで一冊10円の古本がたくさん売っていたので、これはお得とばかり、3冊ほど買いました。9割引きの書籍もたくさんあったので、旅先でなければ50冊くらい買いたいところでした。

この休憩所の中に、昔と現在の能代の街の写真を展示してあったのがなかなか興味深かったです。昔の繁華街は、今と比べると狭い通りだけれど、すごくにぎやかに見えます。やはり能代はこのへんでは貴重な港を持つ町として栄えていたのでしょう。

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さらにあこがれの夜の繁華街・柳町方面をめざしました。だいたいの場所しか聞いていなかったのですが、すぐわかりました。大通りから少し坂を下っていく道が、確かににぎやかな繁華街になっていました。

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これが柳町。といっても、あまり飲み屋は見当たらず、少し裏道などにも入ってみましたが、居酒屋のチェーンやラーメン屋があるくらいで、それほどあやしい店は見つけられませんでした。そういうことなので、もう寒くなってきたことでもあるし、この日は宿に帰って、宿で飲むことにしました。

お風呂は一人用のやつが2つあり、普通の家庭のお風呂よりやや広いくらい。とてもきれいに掃除してあり、快適でした。ここのお風呂は夜12時まで、いつでも入れるので便利です。

お風呂に入ったあとの夕食は牛鍋メイン。刺身、帆立焼き、サーモンホイル焼きなど、なかなか豪華で、どれもおいしかったです。米も炊きたてでおいしかった。

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お酒は駅の売店で買ってきた秋田の銘酒「高清水」。一番ありきたりのを選んでしまいました。

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夕食後に出かけるのをやめたので、夜はひまでした。廊下に「ゴルゴ13」と「美味んぼ」がたくさんあったので、読みふけりました。「ゴルゴ13」を読むのは、鹿児島の温泉以来です。地方の宿で一人で過ごす夜、「ゴルゴ13」なんかを読んでいるとひしひしと孤独を感じます。しかしこの日は夜中にアジア大会の中継などがあって、さらに酒を飮みながら2時か3時くらいまで起きていたので、あまりしんみりした感じにはなりませんでした。

朝食は部屋の隣の食堂で8時からということで頼んでいました。

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朝食もなかなかおいしくて、コーヒーなんかも飲み放題。とにかくこの宿は、いろいろ行き届いていて、居心地がいいです。朝食は頼めばパンも用意してくれるみたいです。洗濯機の使用も無料。長期滞在するにも便利な宿です。2食付きで6300円というのは、なかなかお手頃なのではないでしょうか。

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さて、この日はもう帰るだけなのですが、前にブログにコメントをくれた人が、「能代の十八番というラーメン屋がうまい」と教えてくれたので、そこに行くべきかどうか改めて悩みました。一応、場所などは調べてきていましたが、行くべきかどうか。

まず駅に行ってみて時刻表を確認したのですが、ラーメンを食べてから帰るとなると、やはり能代駅出発は昼過ぎになり、東京に戻るのもずいぶん遅くなります。しかし、今度いつ能代にくる機会があるのかわからないので、やはりここは11時くらいまで時間をつぶし、「十八番」のラーメンを食べてから帰ろう、と決心しました。

宿でもらった地図を見ると、海沿いに「風の松原」というのがあります。なんだかよくわかりませんが名所のようなので、行ってみることにしました。駅から歩いて20分くらいはかかりそう。ラーメン屋の開店まで、まだ2時間以上あるので、まずここに行ってみて、その後ゆっくり市内を散策することにしました。

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風の松原というのは、要するに防風林というか砂防林というか、強風とそれによって砂が飛ぶのを防ぐために、江戸時代に植林された松林だそうです。風が強いので、松は斜めに生えています。

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幸田露伴先生も、昔ここに来たようです。

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林はとんでもなく広くて、とてもすべてを見ることはできませんでした。ところどころに公園などが整備されていて、ジョギングコースにもなっているようです。市民が散策しているほか、能代北高校の陸上部もランニングしていました。

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しかし、市内にこんな広大な松林がある街はめったにないと思います。松は700万本もあるとか。結局、この林を横断する気力がなかったために、その向こうにある日本海は見ることができませんでした。

このあと適当に歩いていると、松原の近くで能代工業高校のグラウンドを発見。能代工業といえば泣く子も黙るバスケットの名門校。そういえば1日、2日前に、アジア大会で活躍している
田臥勇太くんをテレビで見たばかりで、奇遇なのかなと思いました。

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正面に回ってみると、校門のそばにバスケットの像があり、さすがに学校としても力を入れていることがわかります。

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「彼はこんなところで高校生活を過ごしていたんだなあ」などと思いながら、さらに歩いていると、能代で開催されるbjリーグのポスターが貼ってあり、能代工業OB選手の写真を大きく扱って「能代凱旋」などと書いてあります。たぶん、日本のバスケットリーグには、能代工業出身選手が山ほどいるんだろうなと思いました。

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だいたいの見当で駅方面に戻りながら歩いていると、昨夜ちょっと来てみた柳町付近に到着。広い幹線道路に沿ってジャスコもありましたが、人はほとんど歩いていません。

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そんなことをしているうち、2時間くらいたったのでいよいよ「十八番」に行ってみました。「十八番」は一見ラーメン屋に見えないような、古い家だと聞いていたので、地図を頼りに探しました。駅からはそんなに遠くないところで、能代北高校の近く。そしてついに発見。

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確かにただの家にしか見えません。さらに無駄に寄ってみた (©ドンさん)

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‥定休日でした。

能代市内をさまよい歩いたこの2時間はいったい何だったのか。すぐに帰っていれば、今頃秋田駅で新幹線に乗っていたかもしれない。定休日を確認していなかったのは、大きな手抜かりでした。

でも考えてみれば、宿を出てそのまま電車に乗っていたら「風の松原」や能代工業も見れなかったわけだし、知らない町をこれだけ散策することができたわけだけから、まあいいかなと。そう自分にいい聞かせるしかありません。でもこうなって見ると「十八番」のラーメンをなんとしても食べたいので、いずれ能代を再訪してやろうと心に固く誓いました。

そういうわけで、結局この日はこの後いったん東能代駅まで出て、そこで奥羽線に乗り換え。

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東能代の駅でも「バスケットの街」をアピールしていました。秋田駅では、今年の2月に泊まったホテルの近くで「末廣ラーメン本舗」という店をみつけたので、ここでラーメンを食べて帰ってきました。どうしてもラーメンを食べないと気がすまなかったので。そういえば2月に来た時も駅でラーメンを食べたのですが、その時は体調が悪い上に雪で電車が止まって大変だったことを思い出しました。

今回、ラーメン屋の定休日の件では大きな失敗をしたわけですが、これに懲りず、また行ってやろうと思います。

[駅前旅館](2010 年11月宿泊)
■所在地  〒016-0831  田県能代市元町13-10
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