伊勢にくるだけはきたものの、どういうふうに参詣していいのかさっぱりわかりません。宿で観光案内のリーフレットなんかを研究した結果、伊勢神宮には外宮と内宮があり、ちょっと離れているとか。どちらもかなりの規模らしいので、今回は内宮に参詣することにしました。とはいえ、伊勢市駅からは外宮は近いので、ちらっと寄ってみることにしました。

いずれにしても、どうも近鉄の宇治山田駅がバスの発着とか、いろんな観光の拠点になっているようでした。とりあえず伊勢市駅から近鉄に乗って行こうと思ったのですが、どうも地図を見る限り宇治山田駅まで歩いてもたいしたことはなさそうなので、だいたいの見当で歩き始めました。「星出館」から歩いて近鉄のガードを抜けると、今度はJRの踏み切りがあり、それをさらに超えていくと急に目の前が広がって宇治山田駅が目の前に現れました。

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思った以上に豪華で風格のある駅でした。登録文化財になっている古い建物のようです。伊勢市駅周辺よりも栄えています。伊勢神宮参詣の玄関口として古くから利用されてきたのでしょう。

駅の中も広々としていて、最近の駅にはないレトロな雰囲気があります。近鉄が奈良観光を宣伝するために置いてあった「せんとくん」の後頭部もついでに入れてみました。

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ここのコインロッカーに荷物を預けて、とりあえず外宮に向かって歩きました。このへんの家は古い民家もあり、近代的な新築住宅もあり、いろいろですが、どの家も玄関にしめ飾りを飾っており、「笑門」と書いてあるのが不思議でした。正月でもないのにしめ飾りを付けるのは、神宮のお膝元ならではの風習なのでしょうか。ほとんどすべてといっていほどの玄関に飾ってありました。

適当に歩いていると、突如としてにぎやかな外宮の参道に出ました。この道は伊勢市駅前にもつながっていて、きのうその入り口だけは確認していた参道です。ここにとんでもない立派な宿がありました。「山田館」です。

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木造3階建ての3連構造になった不思議な旅館ですが、見たところ営業もしているようです。「こっちに泊まってもよかったな」と思ったのですが、そうすると「星出館」に泊まることはできなかったので、難しいところです。でも今度伊勢にくるとしたら、この宿に泊まってみたいと思いました。

玄関口には昔の写真も展示してありました。

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いつ頃の写真かわかりませんが、見た目はそれほど変わっていません。この状態で営業を続けるにはかなりの苦労があったと思いますが、よくぞ残っていたものと感心します。あとで調べてみると、この家の創業者が宮大工で、自分で作った家だそうです。だいたい100年前のことだとか。場所もいいので、これからも繁盛していけばいいなと思います。

この宿を発見してすっかりうれしくなって、そのまま外宮まで行ってみました。しかしやはりかなりの規模があって、奥行きも深そうなので、今回は内宮にだけ参詣することに改めて決定。朝からすでに暑い中、あまり長い距離を歩くのはしんどいと思ったからです。

外宮の前から出ている内宮行きのバスに乗りました。観光客が多くてけっこう混んでいましたが、私は仕事のついでなのでスーツに革靴姿。荷物はコインロッカーに預けたのでカメラだけをぶらさげた、かなり場違いな感じでした。

内宮もそんなに遠くなくバスで15分くらいで到着。降りてみるとおみやげ屋や飲食店や赤福の売店なんかが並んでいて、すごくにぎやかな雰囲気でした。とにかく「参道で遊ぶのはあとにして、まずは参詣しよう」と、鳥居から宇治橋を渡っていよいよ伊勢神宮の領域に入りました。

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橋の下を流れている川は五十鈴川というらしいです。鷺なんかも遊んでいてのどかな雰囲気ですが、平日とはいえ観光客がけっこういます。

だいぶ歩いて御正宮に到着。途中には五十鈴川で手を洗うことができる川原もありました。お宮自体の写真撮影は禁止で、階段の下からしか撮影できないことになっていました。混んでいるとは思ったのですが、すぐに参詣できました。ふだんは順番待ちで時間がかかることも多いようなので、たぶんこのくらいだと空いているほうなのでしょう。

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ポケットを探ったら12円出てきたので、12円を賽銭箱に入れて、世界平和と人々の幸せを祈ってきました。だいぶ歩くことを覚悟していたのですが、木々が繁っている中なので、それほど暑さを感じませんでした。それにしても長い砂利道なので、革靴とスーツで歩いているマヌケは私くらいしかいませんでした。

途中の休憩所に鶏がいましたが、これは神鶏なので、いじめたりしてはいけないそうです。この休憩所で、神宮にまつわるいろんな行事のようすをビデオで放映していたので、休憩がてらしばらく見てきました。なかなかためになるビデオでした。

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さて、無事参詣も終わったことでもあり、ゆっくり参道である「おはらい町通り」を散策しました。すごくにぎやかな通りです。

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この道は五十鈴川に沿っているので、川原にも出てみました。きれいに整備されています。

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とにかく暑いので、熱中症を防ぐためにカフェに入りました。もういったんクーラーのきいた部屋に入ると、動くのがいやになります。

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さらに歩いていくとついに赤福本店を発見。一時は問題を起こしたりしましたが、繁盛しています。茶店では赤福かき氷もやっていて、大混雑。私はあんこ系にあまりこだわりがないのでパスしました。

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このあたりが最大の中心地でしょうか。昔から有名な薬屋さんの変わった建物もありました。屋根の構造が変わっています。真ん中に貯まる雨水はどこにいくのでしょうか。

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赤福の前に「おかげ横町」という脇道があったので入ってみました。ここも古い建物を使ったにぎやかな横町で、大勢の観光客が集まっていました。まだ昼前だったのですが、「伊勢うどん」というのをやっている「ふくすけ」という店を発見したので、食べてみました。

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なんだか全然コシのない不思議なうどんでしたが、非常にシンプルなので、いかにも昔のお伊勢参りの人々が軽食として食べたような歴史を感じます。長い旅をしてきた江戸時代の人にとっては、これでもごちそうだったのだと思います。

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さらにいろんな店を見て歩きましたが、芝居小屋のような「おかげ座」という建物は、昔の「おかげまいり」の様子を再現したテーマ館だというので入ってみました。かなりおもしろかったです。「おかげ座」の前には変な猫もいました。

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300円払って入場すると、おかげまいりの話をからくり人形と映像で説明してくれて、さらに2分の1縮尺の人形で「おかげまいり」の様子を再現した展示物を、解説しながら案内してくれます。すごくリアルでよくできていました。私は写真を撮ろうと思って、集団から遅れがちになってしまいました。

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障子に移る人影が踊りを踊っていたり、なかなか細かいところに気をつかっています。「施行」は、四国のお遍路さんみたいに、旅人に食事などを無料でふるまうこと。信仰が前提かもしれませんが、外来者を労る文化というのはいいですね。この空間では、まるでお座敷で「間の山節」でも聴いているような、不思議なタイプスリップ感がありました。

「おかげまいり」は、日本人の旅文化の原点かもしれません。一般人はなかなか旅もできない時代、各地に庶民的な宿場や街道が発達したのは、「お伊勢参り」という口実があったからでしょう。この時代の旅には現代人が見ても郷愁を感じる部分があります。危険を伴う苦しい長旅ですが、ここで再現されているような木賃宿や旅籠が、今でもあればぜひ泊まってみたい。

そんな感じで内宮周辺でだいぶ時間を過ごし、炎天下を歩き回りました。この日の泊まりは鳥羽なので、バスで宇治山田駅に戻り、電車で鳥羽に向かいました。すごく名残惜しい感じがしましたが、「山田館」という良さそうな宿を見つけたので、再訪する機会をぜひとも作りたいと思います。

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[伊勢市  山田館](2010年8月見学)
■所在地 〒516-0074 三重県伊勢市本町13-1
■楽天トラベルへのリンク→伊勢の宿 山田館
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