愛媛県の今治に行く用事ができたので、ついでに瀬戸内の島を訪問してみようと思い立ちました。昔、広島市に近い江田島に滞在したことがあります。25歳頃のことでした。

DSCN9125

このときは、ちょうどお盆の時期だったので、盆踊りや墓参りのようすも見学しましたが、とにかくすごかった。盆踊りがあるというので小さな寺の境内に行くと、中央のやぐらの上のおじいさん2人が交代で歌を歌い、それに合わせて踊っています。まるでお経を読んでいるような不気味な歌。ぜんぜん浮き立つような楽しい感じはないし、地元の人もみんな無言で、呪いの儀式のような不思議な手振りでやぐらのまわりを周回していくのです。山の斜面に並ぶお墓は提灯でライトアップされ、不気味な美しさでした。横溝正史の世界のような。

島といっても瀬戸内海は離島ではなく、古代から人が住んでいます。その歴史が古いまま残されていたりするので、江田島でも死者が主役の昔からのお盆のかたちが残っているのかもしれません。盆踊りも、もともと死者の踊りを模したものという説もありますし、そういう目で見れば、あの不気味さが本来の形のようにも思えます。

こんな思い出があるので、今回もどこかの島に渡って、独特の風俗というものをあらためて体感してみたいと思っていました。

とにかく早朝の飛行機でまず松山空港へ。松山が近くなると、飛行機からもたくさんの瀬戸内の島が見えてきます。今年の春にも松山に行き、今治も通りましたが、駅でおりるのははじめて。そもそも日本人が今治を「いまばり」と難なく読めるのは、高校野球のおかげです。

関係ないですが、今治といえば今の名所は、焼肉のタレを作っている宮殿ですかね。日本食研宮殿工場。ちらっと見学してみました。「宮殿、宮殿、やきにくのタレ、ほんとうに宮殿でつくってるっ」という歌が頭の中でリピート。実物はなかなかみごとなものでした。今治城より立派かも。

DSCN9156
DSCN9158
DSCN9171

今治ではタクシーの運転者さんに食事をする場所を紹介してもらい、なぜかラーメン屋がうまいというので連れていってもらいました。味噌ラーメンと焼き飯のセット。ボリューム感は文句なしなんですけどね~。

DSCN9153

そんなこんなで、午後2時30くらいには再び今治の駅に戻りました。この時点で今治には泊まらず、ほぼ島に渡るつもりでいました。最初はいわゆる「しまなみ海道」として観光PRが盛んに行われている、島づたいに高速道路を通って尾道まで行くバスに乗ろうかなと思っていたのです。

しかし、やはり瀬戸内は船に乗ってみたい。それにあまり聞いたこともない島に行ってみたい。そんな思いで、いろいろ調べた結果、「しまなみ海道」からはずれた広島県の「大崎上島」というのに渡ることにしました。ここは古い町並みが残っているということです。

それで今治駅から今治港まで歩いている途中、駅に近くで発見したのが「大崎屋旅館」です。

DSCN9165

小さな駅前旅館ですが、なかなかいい雰囲気です。あとで調べたらちゃんと営業していました。市役所がある大通りの並びに、ビルにはさまれるようにして建っていて、古くから営業していることがうかがます。こういうのがあるんなら、今治に泊まっても良かったなあと思ったのですが、もう「大崎上島」の宿を予約してしまったので、あきらめて港に向かいました。

DSCN9166

今治のフェリー乗り場はこじんまりしていて、設備や待合室もすごく古い感じです。1日ここで過ごしているようなホームレスみたいな方もいらっしゃいました。

DSCN9168
DSCN9172

フェリーの路線はいくつもあって、待合室や乗り場が3つくらいに分かれています。「大崎上島」にわたるには、大三島ブールラインというのに乗るので、第3乗り場へ。船は5時近くまでないので、港でぼんやりしながら時間をつぶしました。待合室で寝ているおっちゃんもおります。

いよいよ船が到着。おばちゃんの案内放送が流れますが、何をいっているのかほとんど聞き取れませんでした。とにかく「かもめ号」に乗れというのはわかったので、船名を確認してこれに乗り込みました。

DSCN9178

今治の港からもたくさんの島が見えます。目の前のすぐ近くに大島があり、三連吊り橋で有名な西瀬戸自動車道の来島海峡大橋が、すごく巨大に伸びています。バスを選択していれば、あの橋を渡ったことになります。

DSCN9188

この橋は徒歩や自転車もオーケーなので、1週間くらい時間があれば、自転車でゆっくり島巡りをするというのもいいかもしれません。いずれはやってみたい。

大三島ブルーラインは今治から、最初大三島の「宗方」という港に寄り、次に大崎上島の「木江」という港に寄り、最後場再び大三島の「宮浦」という港まで行く快速船でした。私は「木江」でおります。

やがて見えてきたのが「宗方」。港というか、ほんの小さな桟橋があるだけで、あまり集落などは見えませんでした。ここで唯一相乗りしていたじいちゃんが降りたので、乗客は私ひとりに。今どき珍しく船室内は喫煙可で、各席に灰皿がついています。逆に禁煙室のほうがせまいくらいの、時代を感じる船でした。

DSCN9196
DSCN9199

この島は大三島ですが、大三島は大きいので、次に対岸の大崎上島に寄ってから、再び大三島の宮内に向かうルートを取るわけです。「宗方」からは10分か15分くらいで「木江」に到着。今治からはだいたい1時間くらいでした。

ここから宮内に向けて乗り込む乗客もいました。みんな慣れた感じです。仕事で通っている人々なのでしょう。

DSCN9200

この日泊まるのは大きな観光ホテルなので、宿から迎えのクルマを出してもらっています。ホテルに電話した時は、ホテルのほうで船の時間を把握していて、「到着に合わせて迎えに行きます。小さい港だからすぐわかりますから」といってました。確かにピッタリの時間に到着。私が上陸した瞬間にクルマも到着して、すぐわかりました。

この先長くなりそうなので、続きは次回にします。

[大崎屋旅館](2010年7月見学)
■所在地 〒794-0028 愛媛県今治市北宝来町1丁目5-18
人気ブログランキングへにほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ