2月に津軽地方から秋田にまわりました。青森のはなしは前に書いたのですが、日程としては五所川原から黒石・温湯温泉とまわって、その次の日昼過ぎくらいに秋田駅に到着。このときはまれに見る寒波に見舞われ、地元の人もとまどうくらいの寒さ。雪も多く、今の東京で思うと懐かしいような気もしますが、実際にはそれどころの騒ぎではありませんでした。

まず弘前から秋田に向かいました。

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予定としては、この日、秋田のどこかで一泊し、さらに次の日は山形の酒田の宿を予約していました。酒田の古い商人宿を拠点に、「おくりびと」関連名所をまわるという、ちょっと旬をはずした計画。

秋田のどのへんに泊まるのがいいのかと思いながら車窓を見ていくと、電車は東能代、八郎潟などの駅を通過していきます。

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もう、みるからに寒そう。最初山奥の温泉とか、海岸沿いの象潟とか、いろいろ宿泊地のプランは考えていたのですが、しかしこの天気だとあまり酔狂なことを考えてもまずいと思い、まず秋田駅に降りてみることにしました。秋田駅も雪にうずもれており、さらに雪は降ったりやんだりの状態です。

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このへんから、ちょっと腰に違和感があり、腰痛持ちなのでちょっと気になっていましたが、まずお昼を食べようと思い駅中の喫茶店へ。昔風の喫茶店で、なぜかラーメンがあったので食べてみました。

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これが細麺のあっさり醤油味でおいしくて、「いや~アタリだったな~」などと思いながら、駅の観光案内所などでどこかいいところはないかと探していると、ますます腰が痛くなってきただけでなく、胃の調子もおかしくなってきました。前にも同じような症状で寝込んだことがあったので、これはやばいと思い、とにかくまだ3時にもなっていない時間だったのですが、秋田駅近くに泊まることにしてしまいました。

ビジネスホテルならいくらでも見えているのですが、とにかく安いところがいいと思い、携帯で楽天トラベルで検索して電話してみると、楽天のコールセンターにつながり、秋田駅近くで安いホテルということで、3500円くらいの「α-1」を紹介してくれました。ホテルチェーンですね。

オペレーターの女性に「3時にチェックインする」というと、「3時というともうすぐですが、場所はすぐわかりそうですか?」と聞かれました。しかし「α-1」は秋田駅にいるとすぐ目の前に見えるので、わからないどころではありません。とにかく腰が痛いのでとっととチェックインしました。

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駅から歩いて1~2分くらい。行ってみると1階に飲食店があったので、夜まで調子が悪いようなら食事はここですませばいいなと思いました。

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部屋に落ち付くととりあえず横になり「困ったことになった」といろいろ考えていました。前はほんとうに動けないくらいになったことがあったので、これ以上悪化するようだと秋田に滞在するしかないのか、とか、もう1泊するのはいいけど、それ以上になると仕事に影響が出るな、などと。

安いだけあって部屋はまれにみる狭さ。でも「昔はビジネスホテルってこんな風だったよな」、などと思いつつ、そうはいっても久しぶりに完璧な設備やアメニティのそろった宿に泊まって、ひと安心といった気持でした。

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食欲はまったくわきません。ビールを飲む気にもならず、結局お風呂に入った以外はずっと横になっていました。

翌朝も食欲がなかったのですが、とにかく動けるので、酒田に行くべくホテルを出発しました。雪はまったくやむ様子がありません。

さらに秋田駅で衝撃の事実が伝えられました。羽越線運休。窓口で駅員に詳しく聞いてみると、「羽越線は強風と雪のため現在ストップしており、午前中の電車はすべて運休が決まりました」ということ。「午後になると動く見込みはあるんですか」と聞くと「いや、まず動かないと思います」ということ。

そうであれば奥羽線で新庄までいって、陸羽西線で行くという手もあります。しかし聞いてみると陸羽西線も途中までしか運行しておらず、酒田まで行けるかどうかその時点でははっきりしませんでした。

だいたい立っているのがつらいくらいなので、喫茶店に入ってあったかいコーヒーをオーダー。いろいろ考えた結果、とりあえず新庄まで行ってみることにしました。もし酒田に行けなくても、新庄まで行けば肘折や銀山など、勝手のわかるいい温泉も近いし。とにかく行ってみることにして、弘前で通しで買ってあった切符を交換してもらいました。

秋田駅のホームは雪がふぶいていて、乗客はみんな階段の陰などに避難して電車を待っています。駅員だけでホームの端に立っていますが、仕事とはいえかわいそうな感じでした。

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このあと、奥羽線の各駅停車に乗って、新庄に向かったわけです。電車は途中駅で何度もストップし、駅ごとにスコップで雪をかき落としながらの運行となりました。私は腰と胃が痛くて、座席にうずもれるようにして目をつぶっていました。その耳に、運転士が無線で運行本部に「もう無理です!!」と叫ぶように状況を伝えているの聞こえます。結局この電車を最後に奥羽線も運休になったので、本当に危ないところでした。

新庄に着くとやはり陸羽西線も不通。体調も良くないので、もう東京に戻ることにしました。とにかく新幹線に乗ってしまえば東京に着いたも同然。新幹線のチケットも無事とれました。最初から秋田新幹線に乗れば良かったのですが、へたに粘ってしまいました。新庄も寒かったですが、ここでようやく食事をする気分になったので、うどんを食べて少し体調が良くなった感じがしました。

酒田の宿にキャンセルの電話をすると、おっちゃんが出て「そういう事情ならば残念ですがいたしかたありません。また機会があればぜひお立ち寄りください」といってくれました。当日キャンセルなどしたくないのですが、今回ばかりはどうしようもありませんでした。

駅には地元の祭りに使うらしい、直江兼継の人形が。結局秋田市では駅と駅前ホテルを往復しただけで、どこにも行きませんでした。状況が許せばお城をはじめ、いろいろ見どころはあったのに残念。

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そういうわけで秋田や山形の酒田には、またゆっくり行かなければいけないと思っています。

[ホテルα-1秋田](2010年2月宿泊)
■所在地 〒010-0001 秋田県秋田市中通4-16-2
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