この5月に滋賀県の彦根に行ったばかりですが、その後今度は草津に行く用事ができました。前回はもともと十分日帰り可能なスケジュールだったにも関わらず、「忍者の里ツアー」などといって少し遊び過ぎたので、今回は日帰りにしました。それでも何とか寄ってみたのが草津駅にも近い国指定史跡の「草津宿本陣」です。

本陣といえば本来、和風宿の極致ともいえる高級宿舎。「ボロ宿」に載せるのも筋ちがいなのですが、まあいってみれば古い宿ということで。とにかく現存している本陣は数少なく、とても貴重だそうです。

草津はこのまえも草津線に乗り換えるため寄ったのですが、駅の外には出ていません。しかし車窓からみる市街地の家並みはなかなか古雅な趣を感じさせるものでした。今回、初めて草津駅の改札の外に出てみると、いきなり宿場ムードいっぱいの演出になっていました。

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草津宿といえば旧東海道と旧中山道の追分がある交通の要衝で、現代でいえばさしずめ米原あたりに相当するのかどうか。とにかく地域としても宿場としての歴史を観光に生かそうとしているようです。

この駅から歩いて5分かそこらのすぐ近くに「草津宿本陣」があります。

歩いていくと、追分地点の道標がありました。常夜灯になっていてなかなか雰囲気があります。この道標の右に曲がると東海道、左側の道をまっすぐ行くと中山道と書いてあります。「右は越後へ行く北の道、左は木曽まで行く中山道~」という歌が昔ありましたが、関係ないですね。

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この道標の前の通りに本陣があり、もう見えています。マンションも立ち並ぶなかなかアンバランスな空間です。

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入り口には「松平出羽守宿」の札が掲げられていましたが、おそらく雰囲気づくりのためでしょう。中にもこの手の札がたくさん保存展示されていました。

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門の中に受付があって、そこで料金を払うと自由に見学できます。いままで本陣や脇本陣をずいぶん見学してきましたが、実存の本陣に入るは初めて。

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奥まで広間が続いていて、赤い絨毯が敷いてありました。一応見学の順路が指定されているのですが、適当に歩きまわっているうちに早速目についたのが「上段の間」。

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ひときわ高く畳がしつらえられていますが、なんとなく落ちつかないような感じもします。警戒のためか外の光りが入る開口部もありません。一行の中でも最上位の身分の高い人物が使った部屋でしょう。このざぶとんに座って記念写真でも、と思いましたが、立ち入りは禁止になっていました。

でもそれよりも中庭に面した普通の広間のほうが感じがいいです。こういう部屋に泊まってみたい。昔の人がうらやましいです。

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本陣というのも、要するに地元の名主や宿役人の家ですから、この家は本陣職「田中七郎左衛門」という人が住んでいたそうです。広い土間の右側が家人の居住エリアになっています。

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この居住エリアにもいい感じの部屋が続いていたのですが、中には入れないようになっていました。このほか土間に並んだかまどもなかなか壮観です。当時のトイレや風呂桶なども再現されて展示されていました。

部屋の中には当時の宿帳などの資料を展示したショーケースも置いてありました。そのひとつをよくよく見ると、新撰組の土方歳三、斎藤一の名前の隣に、薄い文字で伊藤甲子太郎や藤堂平助の名前も見えます。江戸から京都に戻る途中に泊まったのでしょうか。新撰組なんて、世が世ならとても本陣に泊まれる身分ではないはずですが、もうこの時代にはすっかり名士になっていたんですね。

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そこへいくとこっちは大名ですから文句なし。浅野内匠頭、吉良上野介の名前があるようなのですが、残念ながらまったく読めません。同じ江戸時代でも古い時代の連中の文字は達筆すぎます。

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本物の本陣はほんとうに魅力的な建物でした。すっかり堪能したので外に出て、駅にもどる途中のトンネルも名所のひとつだそうな。昔天井川だった草津川の下を通っている珍しいずい道だそうです。要するにトンネルの上を川が流れているということ。

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この時点で、もう4時くらいにはなっていました。草津から東京にもどるには、本当は京都に出て「のぞみ」に乗ったほうが早いのです。しかしせっかくなので、このあと米原まで行くことにして、何度も前を通るだけだった近江八幡駅に降りてみることにしました。

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ここも古い商家などが残っている有名な街ですが、急に思い立ったのであまり時間もなく、夕方から1時間ほど歩き回ってまた駅に戻りました。本格的な街並み保存地区にはたどりつけなかったのですが、それなりに風情のある家並みがあちこにありました。

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近江八幡は改めてゆっくり訪問することにして、琵琶湖東岸地方を後にしました。昔から交通の要衝であっただけでなく、さまざまな勢力の興亡の舞台となった、歴史のあるエリアです。きっとまた泊まりで再訪する機会があることを期待しつつ‥‥。名残惜しいものがありました。

[草津宿本陣](2010年5月見学)
■所在地 〒525-0034 草津市草津一丁目2-8
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