古い宿をいろいろ探索していて、秩父に古い商人宿を改装した観光拠点「ほっとすぽっと秩父館」があることを知りました。今回、秩父の紅葉を見学に行くついでに、絶対に寄ってみたいと思っていたところです。

この日は寄居を朝早く出て、とりあえず長瀞に寄りました。今年6月にも来たばかりなので、特別の感慨はありませんが、やはり川沿いまで行ってみました。

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この日の天気は曇り。前日は雨だったので、降っていないだけましという程度で、あまり良い天気ではありませんでした。

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前に来た時も、この近くのおみやげ屋だかお菓子屋だかの主人が、川原で観光案内をしていたのですが、今回もいました。かなりしゃべり慣れてしまった、くだけた口調なのですが、話がなかなかおもしろいです。

岩畳の上での話を聞いていると、3月の大震災の時、周辺の町は震度5以上の揺れがあったのに、この長瀞は震度3程度だったそうです。それはこのあたりの土壌が岩畳のような岩盤になっているからだそうで、地震には強いかわり長らく農業には向かない貧しい土地柄だったそうな。

この後はいよいよ念願の秩父市街に向かいます。再び秩父鉄道に乗って秩父駅へ。

秩父駅は大きな駅でした。ATMでお金をおろしたいと思っていて、コンビニくらいあるかなあと心配していたのですが、行ってみると銀行なんかいくらでもありました。

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この日の予定は、最終的に三峰口駅からバスで三峯神社まで行って紅葉を見学。その後再び下界に降りてきて大滝の民宿に泊まるというもの。しかしよく調べてみると、秩父駅の近くの西武秩父駅からもバスが出ているようなので、そこまで歩くことにしました。どうせ秩父市内を見学するわけですから、その散歩ついでに西武秩父駅まで歩こうという計画です。この作戦だと、秩父から三峰口までの電車賃も節約できます。

そういうわけで、まずは秩父駅に近い武甲酒造へ。このあたりの銘酒として知られる「武甲正宗」のを作っている酒造メーカーで、古い店構えを見学したいと思ったからです。

駅から歩いてすぐ。実際に行ってみると酒蔵見学には予約が必要なようでしたが、「奥の井戸なんかは自由に見学していいですよ」というので、奥まで入らせてもらいました。

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古い酒蔵特有の雰囲気が漂っています。ここでお酒の小瓶を買いました。場合によっては今日の夜、宿で飲んでもいいなというつもり。

次に目的地のひとつであった「ほっとすぽっと秩父館」へ。ここも思ったより近くてすぐに見つかりました。

外観はまさに商人宿そのもの。だいぶ手を入れたらしくきれいになっていますが、雰囲気は江戸時代の秩父往還の気分を伝えています。

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ここは地元の商店会が運営している多目的スペースで、売店や休憩所、喫茶・軽食コーナーなどがそろった観光拠点になっています。

とりあえず中に入って上がろうとすると、スタッフの奥さんが話かけてきて、いろいろ説明をしてくれました。「2階の広間をぜひ見ていってください」というので、早速上がらせてもらいました。

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現在は集会などにも使用できるよう、襖を取り払って広間になっています。しかし、窓の庇などを見ると、まさに商人宿。この家はもともと明治12年に立てられた宿ですが、そんな時代にここから秩父往還を眺めて見たかった。ここも宿泊させてくれるなら絶対に泊まりたいと思いました。

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急な階段のところに、当時からのものと思われる大きな神棚発見。これはかなり珍しいものではないでしょうか。

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1階に降りると無料休憩スペースになっています。

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このあたり、「あのはな」の関連ポスターだらけ。私はうといのですが、アニメの舞台として有名だったのでしょうか。

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1階の囲炉裏のそばに井戸がありました。これも商人宿時代からの内井戸で、最近はパワースポットとして有名だそうです。

こういう建物をどんなかたちにせよ、残していこうとする努力は敬服に値します。そうしないとどんどんなくなってしまうからです。本当はガラス戸なども使わないでほしいのですが、とにかく建物の古い構造を生かして現代の用途に活用しているということに価値があると思います。

名残を惜しみつつ外に出ると、やはりこの街道沿いにはなかなか渋い雰囲気が残っています。

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古い蕎麦屋もあり、
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うどん屋もありました。
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「あのはな」グッズを売る店も発見。
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さらにすぐ先に「秩父ふるさと館」を発見。こちらは大正から昭和初期の秩父銘仙の問屋を改造した建物で、観光資料コーナーや飲食店が入っていました。ここでお昼近かったので、秩父蕎麦でも食べようと思ったのですが、ちょっと高級そうなのでやめておいてもう少し歩くことにしました。

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2階の窓からは雲がかかった山が見えます。
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「ほっとすぽっと秩父館」の奥さんに聞いたところ、西武秩父駅に行くには、向こうに見える「矢尾」というデパートの角を左に曲がれ、ということでした。

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歩いていると寺で何かイベントをやっていました。秩父も札所巡りで有名なので、この寺もそのひとつとして有名みたいです。

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いったい何の儀式だったのでしょうか。子供も大勢参加していました。

さらに歩いて坂を上がると西武秩父駅に到着。「秩父仲見世通り」でお昼を食べることにしました。この駅は池袋は直行の特急が往復していて、前にも来たことがあります。

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広場では地元の太鼓演奏のイベントが行なわれていました。由来はわかりませんが、しばし聞き入りました。

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ここで入ったのが秩父そばの武蔵屋。普通の観光地にある蕎麦屋という感じでしたが、やはり季節柄か、蕎麦はおいしかったです。

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ムダ寄り!!(©ドンさん)
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この後、バスで三峯神社方面に向かいましたが、その話は次回に。

[秩父市  ほっとすぽっと秩父館](2011年10月見学)
■所在地  埼玉県秩父市宮側町18-2
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