那須の「北温泉」はもはや有名なので、ボロ宿とはいってもかなり繁盛している人気の温泉宿です。でも初めていった時はかなり衝撃的でした。突っ込みどころ満載の宿なのですが、なんだかんだいって気に入ってしまい、その後4~5回は行っていると思います。最近は違うと思いますが、2004年頃はビールの自販機が新札に対応していなくて、夏目漱石先生の千円札を貯めておいて持って行ったものです。

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上の写真は外観ですが、駐車場から徒歩で10~15分程度かかり、くだりの坂道になっているので、行きはいいのですが、帰りは荷物が多いと意外と大変です。

建物はかなり古く、江戸時代、明治時代の建物が残っていて、廊下も入り組んでいます。客室もそうとう古い部屋が残っていますので、どうせ行くなら古い部屋に泊まったほうがおもしろいと思います。トイレなどの設備は近代化されています。

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入り口を入るとロビーのようになっていて、帳場や売店がありますが、日帰り入浴の客も多くたいていかなり混んでいます。あまりにも人が多いので、客がきても気がつかない場合があるので、自分で帳場に声をかけたりします。

私はここに泊まると夜中の3時くらいに風呂に入り、そのあとロビーの火鉢に座ってお酒を飲むのが楽しみ。暗いので、そこに置いてある燭台のローソクに火をつけてひっそりと飲みます。ロビーには温泉神社に直結している通路などがあり、けっこう不気味なムード。誰もいない深夜の楽しみです。

一度これをやっていたらご主人が様子を見に出てきて「火に気をつけてくれよ」といわれましたが、そのついでに「もらいものの珍しい焼酎がある」といって一升瓶を持ってきて飲ませてくれました。その節はありがとうございました。このおやじは無愛想で有名な人ですが、けっこういい人でした。

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風呂はいくつもあって、どれもこれもおもしろいのですが、すぐ目につくのは入り口付近にあるプールのように巨大な混浴露天風呂で、昼間は水着をきて入っている人もいます。この風呂に隣接して男女別の内湯があります。

さらに建物の奥には、上の写真の天狗の面が飾ってある混浴風呂がありますが、ここは人が通る廊下に面していて、扉すらありません。湯治場そのものの雰囲気で、脱衣所も開けっぴろげの棚があるだけですが、それでもけっこう人が入っています

この奥のドアを開けて戸外にさらに行くと、古ぼけたお堂がありますが、この付近にも小さくてややぬるめのお湯と、打たせ湯があります。

このほかにも新設のきれいな男女別の露天風呂や、女性専用のきれいな内風呂などがありますので、まあ一通り入るだけでも一泊ではけっこう忙しいです。周囲には何もない一軒宿ですが、退屈に強い人は滞在してみたほうがおもしろいと思います。冷蔵庫やガス台などの自炊設備も多少あります。

ちなみに食事はまあなんというか、別に特筆すべきことはありません。そのへんで買ってきたようなおかずで豪華さはまったくありませんが、料金が安いことを考えると十分です。確か一番古い部屋が安くて2食付きで7500円くらいでした。いつもだいたい同じ内容で、鶏の唐揚げと刺身など。自炊設備もあるので、材料を持ち込めば自炊可能です。

朝食には袋入りのふりかけとヤクルトがつくという、昔の温泉の王道を歩んでいたんですが、最近はヤクルトは出していないような気がします。このへんは未確認です。

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「北温泉」周辺には那須の人気温泉がたくさんあり、おもしろい宿も多いのですが、北温泉はもっとも気に入っています。周囲の高い山に隔絶された世界ですが、独特の雰囲気がおもしろく、飽きることがないのです。


[北温泉](2005年5月宿泊)
■住所 〒325-0301 栃木県那須郡那須町湯本151
■泉質 単純泉、弱食塩泉、鉄泉
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